オウンドメディアとは|目的や意味・メリットを具体例付きで解説|東京のWEB制作会社・ホームページ制作会社|株式会社GIG

オウンドメディアとは|目的や意味・メリットを具体例付きで解説

2023-02-06 制作・開発

オウンドメディアは、自社のサービスやプロダクトを効果的に宣伝し、顧客との繋がりを深めるための強力なツールです。

しかし、いざ「顧客エンゲージメントを高めるにはオウンドメディアがよいらしい」「オウンドメディアを作ってブランド認知度を高めよう!」と思っても、具体的に何から始めればよいのか悩みますよね。

そこで今回は、オウンドメディアの基本知識や始め方、メリット・デメリットを分かりやすく解説します。初心者の方でもイメージが付きやすいよう、具体的な事例をもとに紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

オウンドメディアを通じて自社のオンラインプレゼンスを高め、効果的なマーケティング施策を展開していきましょう。

オウンドメディアとは?

オウンドメディアとは、企業が自分たちの手で「管理・情報発信するプラットフォーム」のことです。商品やサービスの魅力・想いを伝え、ブランドイメージ構築や顧客との繋がりを強化する役割があります。

Owned=所有/Media=情報伝達媒体

他にも、企業が情報を伝える方法はアーンドメディアとペイドメディアがあります。

アーンドメディアは、口コミやSNSにより、情報が自然に拡散される形式です。一方、ペイドメディアは、広告やスポンサーなど「支払いをして利用する」メディアであり、ターゲットとする顧客層に対して、直接アプローチするために利用されます。

SNSとの違い

SNSは、X(旧Twitter)Facebook・Instagramなど全般を指します。オウンドメディアとSNSの大きな違いは「所有権」です。

SNSの場合、広く・早く情報を拡散する手段として有効ですが、あくまで外部のプラットフォームを使用しているため、規約変更やサービス終了が自社の情報発信に大きな影響を及ぼす可能性があります。

一方、オウンドメディアは自社で完全に管理しているため、外部要因の影響を受けにくいのが特徴です。

公式サイトとの違い

しばしば混同されがちな公式サイトとオウンドメディアですが、役割には大きな違いがあります。

  • 公式サイト:製品やサービス情報、プレスリリースなどを一方的に提供する場であり、企業の「顔」となる存在。

  • オウンドメディア:双方向性の情報提供を目的とし、顧客との関係構築やエンゲージメントの強化を目指す。

公式サイトが企業情報の「発信口」であるのに対し、オウンドメディアは顧客との「対話の場」としての役割を担っています。

オウンドメディアのメリット

オウンドメディアには3つのメリットがあります。顧客接点・コスト削減・リクルーティングなど、多方面での効果が期待できますので、ぜひ活用してみましょう。

ターゲットに合わせた顧客層の確保

オウンドメディアを活用することで、製品やサービスに高い関心を持つ潜在顧客を引き寄せられるようになります。

たとえば、エコフレンドリーな商品を扱う企業が、持続可能な生活についてブログを運営しているとします。ブログの内容に興味を持った読者は、定期的に記事を読むうちに、企業のファンとなり、製品を使うようになる可能性があるでしょう。

マーケティングコストの削減

オウンドメディアによるコンテンツマーケティングは、有料広告に比べてコストを抑えながらも、長期にわたって顧客を引きつけられます。

一般的なリスティング広告の場合、10件のコンバージョン目標に対して約10万円のコストがかかりますが、オウンドメディアなら初期投資後の大きな費用は発生しません。

さらに、自社のプラットフォームであるため、契約終了などのリスクを考えずに安定して情報発信を続けられる点も利点です。

採用面でのアドバンテージ

自社のプラットフォームであるオウンドメディアから発信する情報だからこそ、企業の本質的な魅力や働く環境のリアルな側面を、編集・制限なしに正直に伝えられます。

例えば、社員の成長物語やプロジェクトの成果を紹介すれば、その業界でキャリアを築きたい技術者に直接アピールできます。働くイメージをより具体的に湧かせられるため、優秀な求職者からの応募が期待できるのです。

オウンドメディアのデメリット

オウンドメディアの運営には、メリットだけではなくデメリットもあります。「成果が出るまでの時間の長さ」や「運営コストの負担」の観点から、事前にデメリットを把握しておきましょう。

成果が出るまでに時間がかかる

オウンドメディアのデメリットの一つめは、目に見える成果を得るまでに時間がかかる点です。質の高いコンテンツを制作し、検索エンジンで上位表示されるまでには、数ヶ月以上の時間を要する場合があります。

速やかなROI(投資収益率)や短期的な成果を期待する企業にとっては、大きなデメリットとなり得るでしょう。

運営コストがかかる

オウンドメディアを維持するには、一定のコストが必要です。専門的な知識を持つ人材の採用や外注、さらにはコンテンツの定期的な更新と効果測定のためのツールに費用がかかる場合もあります。

一定額のコスト負担は、特に小規模企業やスタートアップにとって、運営の大きな障壁となるかもしれません。

オウンドメディアとは?3つの事例を紹介

理論だけではオウンドメディアの魅力や可能性のすべてを把握することは難しいかもしれません。そこでこちらでは、3社の成功事例を紹介します。成功事例から、自社のオウンドメディアに最適な戦略を描きましょう。

①となりのカインズさん

出典:株式会社カインズ

「となりのカインズさん」は、ホームセンター大手のカインズが運営するオウンドメディアです。日常生活に役立つコンテンツや社員の顔出し記事を通じて、製品だけでなく、企業文化や価値を伝えることに成功。開設から1年で月間400万PVを達成しました。

「ホームセンターをDXするメディア」というコンセプトのもと、社内外の施策を融合させた親しみやすいメディアとして、大きな成果を上げています。

②watashi+(ワタシプラス)

出典:株式会社資生堂

「watashi+(ワタシプラス)」は資生堂が運営するオウンドメディアで、メイクやスキンケアを中心に、美容・健康に関する情報を発信しています。

「バーチャルメイク」や「肌パシャ」といった体験型コンテンツを搭載し、ユーザーとの実質的な接点を創出。オンラインショップへの流入を促し、直接的な売上に貢献しています。

また、資生堂がターゲットとする20〜40代の女性だけでなく、男性の美容需要にも応えるコンテンツを展開し、他社との差別化を実現しています。

③CAREER HACK

出典:エン・ジャパン株式会社

「CAREER HACK」は、エン・ジャパン株式会社が運営するWeb・IT業界専門のオウンドメディアです。業界で活躍する人々の生き方や働き方を紹介。専門性の高い記事制作と、働く人たちへ共感性を提供することで、成功を収めています。

特に、業界を絞った専門的なコンテンツは、Web・IT業界に興味があるユーザーから高い評価を受けており、エン・ジャパンのブランディングとサービス利用の促進に寄与しています。

オウンドメディアの簡単な始め方

オウンドメディア立ち上げは何から始めればいいか迷いますよね。こちらでは、基本的なプロセスと、必要なツールやリソースを紹介します。

難しく捉えられがちですが、以下のステップを踏めば効果的な運用が可能になるはずです。

  1. 目的とターゲットを明確にする
  2. プラットフォームを選ぶ
  3. コンテンツを作る
  4. 効果測定とPDCAを回す

①目的とターゲットを明確にする

最初に、目的とペルソナ(架空の見込み客)を設定しましょう。企業がオウンドメディアを立ち上げる際の主な目的は、以下の要素が考えられます。

  • 企業ブランドの認知度を向上させたい
  • 新規顧客を獲得したい
  • 親和性の高い人材を採用したい

立てた目的をチーム全体で共有し、一貫した方向性を持つことが重要です。目的が定まっていないと、コンテンツの方向性がぶれ、結果的に期待した効果を得られないリスクがあります。

また、ターゲットを具体的に設定し、そのペルソナに合わせたコンテンツ計画が成功の鍵です。ペルソナは、実在する人物のように深く詳細に掘り下げるのがポイント。以下のように設定してみましょう。

【ペルソナ設定の事例】

ペルソナ名:山田さおり
年齢:30歳
職業:IT企業でマーケティング担当
年収:500万円
居住地:東京都内、一人暮らし
趣味:旅行、読書、カフェ巡り
購買行動:オンラインで情報収集しつつレビューを参考にしながら慎重に購入を決定
抱えている問題:仕事とプライベートのバランスを取ること、効率的な情報収集方法
情報収集手段:SNS(特にInstagram)、ブログ、YouTube

具体的な行動パターンをイメージしながら彼らが必要とする情報を提供すると、リーチ率が高まります。

②プラットフォームの選定

続いて、オウンドメディアをどのプラットフォームで運営するかを決めましょう。社内で立ち上げる場合、WordPressのようなCMSが一般的ですが、Shopifyやferret Oneなど他の手段を検討してみてもいいでしょう。

ただし、社内リソースやスキルが限られている場合は、専門代理店への外注も選択肢の一つです。また、「SNS運用も開始してさらに集客したい」と思っても、同時スタートは危険です。急ぎ足での拡張は避け、まずはオウンドメディアを確立してからSNSでの横展開を図るのがおすすめです。

③コンテンツを作る

ターゲットに響くコンテンツ制作は、オウンドメディア運用の核となります。Google AdsのキーワードプランナーやGoogleトレンドなどを活用して、ターゲットが求める情報を提供し、SEO施策を講じながら検索上位を目指すのが重要です。

コンテンツ制作において、社内リソースの配置と役割は以下の通りです。

名称

人数

役割

コンテンツマネージャー

1人

全体のコンテンツ戦略を立案し、制作スケジュールを管理

ライター

2〜3人

記事やコンテンツの執筆を担当。複数いると、多様なトピックをカバーできる。

エディター

1人

提出されたコンテンツの校正・編集を担当し公開前の品質を保証。

デザイナー

1人

記事内の画像やグラフィック、ウェブサイトのデザインを担当。

SEO/SEMスペシャリスト

1人

コンテンツの検索エンジン最適化(SEO)と検索エンジンマーケティング(SEM)戦略を担当。

人的リソースは、プロジェクトの規模・目標・コンテンツの質と量などによって変わります。また、小規模チームでは、一人が複数の役割を担うケースもあります。

④効果測定とPDCA

コンテンツ公開後は、その効果を定期的に測定し、改善点を見つけ出してPDCAサイクルを回しましょう。Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを用いて、訪問者数やページビュー、滞在時間などの基本データを収集します。

効果測定により「どのコンテンツが良いパフォーマンスを示しているのか」「訪問者がどのポイントで離脱しているのか」が把握できます。よりユーザーに受け入れられるコンテンツの改善に繋げましょう。

オウンドメディアを成功させるコツ

オウンドメディアを成功させるコツは「読者にとって価値のあるコンテンツを定期的に更新し管理する」ことです。

読者に響くコンテンツを作るのが難しいと思ったら、ターゲット・ペルソナ設定に立ち返ってみてください。例えば、ターゲットが健康意識が高い会社員なら「忙しい朝に役立つ時短レシピ」「通勤時間でできるストレッチ」のように、具体的なライフスタイルを描いて問題解決策を提案するのが大切です。

また、運営の目的や効果を「定量的かつ検証可能な成果指標」として設定し、メディアを育てる意識を持ち続けることが大切です。

まとめ

オウンドメディアは、ブランド認知度の向上・顧客ロイヤルティの強化・マーケティングコストの削減など、多方面での効果が期待できます。一方、成果が出るまでに時間がかかるため、目的や成果をしっかりと定義したうえで、長期的な視点を持つことが大切です。

社内リソースや専門知識に不安がある場合は、外部のプロと協力すると、効率的かつ効果的なメディア運営が可能になります。オウンドメディアを通じて自社のオンラインプレゼンスを高め、長期的なビジネス成果を目指しましょう。

株式会社GIGは、ナショナルクライアントからスタートアップまで、Webコンサルティング、UI/UXデザイン、システム開発など、DX支援をおこなうデジタルコンサルティング企業です。また、45,000人以上が登録するフリーランス・副業向けマッチングサービス『Workship』や、7,000人以上が登録するデザイナー特化エージェントサービス『クロスデザイナー』、リード獲得に必要な機能を備えたCMS『LeadGrid』、UXコンサルティングサービス『UX Design Lab』などを展開しています。

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