GA4の導入方法とは? 初心者向けに基本設定をわかりやすく画像で解説|東京のWEB制作会社・ホームページ制作会社|株式会社GIG
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GA4の導入方法とは? 初心者向けに基本設定をわかりやすく画像で解説
2022-12-20 制作・開発
こんにちは、株式会社GIGメディア事業部の黒木です。
アクセス解析に携わる担当者なら誰もが一度は使用したことがあるGoogleアナリティクス。
これまで私たちはユニバーサルアナリティクス(UA)と呼ばれるバージョンを活用してきましたが、ついに2023年6月末にUAのサービスが停止してしまいました。いますぐGoogleアナリティクス4(GA4)に完全移行する必要があります。
この記事では、まだUAを使用していてGA4への移行が済んでいない方や、これからアクセス解析を始めたいと考えている方向けに、GA4の導入方法を画像付きで紹介いたします。
Googleアナリティクス4(GA4)とは
Googleアナリティクスとは、2005年にGoogleから提供されているアクセス解析ツールです。2012年にクロスドメイン・クロスプラットフォームで計測可能なUAがリリースされ、2020年にWebサイトとアプリを横断的にトラッキングできるGA4がリリースされました。
UAとGA4の大きな違いは、計測軸が変わることです。UAはページに対するセッションを重要視した計測になっていましたが、GA4ではユーザーの行動(=イベント)を軸に計測する仕様になっています。
そのため、複数デバイスを使用しているユーザーや、サイト・アプリを横断しているユーザーの行動をより具体的に分析できます。
Googleアナリティクス4(GA4)とユニバーサルアナリティクス(UA)4つの違い
GA4とUAの違いは、大きく分けて以下の4つとなります。
・計測軸の変化:セッションからイベントへ
・デバイスを跨いだユーザーの追跡
・AIによる予測分析の導入
・レポートのカスタマイズ性
それぞれについて詳細を解説します。
1. 計測軸がセッションからイベント単位に変化
GA4とUAにおいて最も重要な違いは、やはり計測軸が「セッション」から「イベント」へと変わったことです。
UAでは、ユーザーがWebページを訪れている時間(セッション)を基にデータを集めていました。一方、GA4ではユーザーの具体的な行動(イベント)を中心にデータを収集します。たとえば、特定のボタンをクリックしたか、特定のページに滞在したかなどの情報を詳細に追跡します。
2. デバイスを跨いだユーザーの追跡
UAとGA4のもう一つの重要な違いは、ユーザーのデバイスを跨いだ行動の追跡が可能になったことです。
UAでは、あるユーザーが異なるデバイスやブラウザを使用すると、それぞれが別のユーザーとして計測されてしまいました。しかし、GA4では同一のユーザーが複数のデバイスやブラウザを使用しても、それらの行動を一つのユーザーとして追跡することができます。
3. AIによる予測分析の導入
GA4は、AI技術を用いてユーザーの行動を予測する機能を導入しました。
この機能により、ユーザーの将来の行動や購入確率などを予測し、より効果的なマーケティング戦略を立てることが可能になりました。一方のUAでは、このような予測分析機能は提供されていません。
4. レポートのカスタマイズ性
GA4はユーザーが自由にレポートをカスタマイズできるようになりました。
UAでは標準のレポートテンプレートを使用することが主でしたが、GA4ではユーザー自身が重要視するデータに基づいたレポートを作成することができます。これにより、ユーザーは自分たちのビジネスに最も関連性の高い情報に焦点を当てることが可能になりました。
GA4を導入するためにGoogleタグマネージャー(GTM)を設定しよう
GA4導入後の初期設定をスムーズに進めるために、まずはGoogleタグマネージャー(GTM)を先に準備しましょう。
GTMとは、htmlへの埋め込みが必要になる計測タグや広告タグを、オンラインの管理画面上から一括管理できる無料ツールになります。htmlを都度編集する手間を省けるため、GA4でアクセス解析を始めるタイミングで一緒に導入することをお勧めします。ここでは設定方法を紹介します。
ステップ1. GTMにログインする
GTM公式サイトにアクセスします。「無料で利用する」をクリックし、GTMを利用するGoogleアカウントでログインしましょう。
ステップ2. アカウントを作成する
ログインすると新しいアカウントの追加という画面が表示されます。アカウント名は自社の名前、国は日本に設定します。
ステップ3. コンテナ(GTMで管理したいサイト)の設定を行う
コンテナ名には、GTMを導入して管理したいサイトドメインを設定すると分かりやすいです。ターゲットプラットフォームは「ウェブ」を設定します。
ステップ4. 利用規約を確認する
利用規約が表示される(日本語未対応)ため、内容を確認して下の「GDRPで必須となるデータ処理規約にも同意します」にチェックを入れて右上の「はい」をクリックします。
すると、GTMタグが発行されるのでGA4で計測したいと考えているサイトのhtmlを編集してGTMタグを設置しましょう。
設置する箇所は2ヶ所です。画面上でも指示されている通り、<head>内のなるべく上部と<body>直後にそれぞれ指定のコードをコピー&ペーストします。
これでGTMのアカウント登録は完了です。
GA4の導入方法:新規でアナリティクスを導入する場合
まずはGoogleアナリティクスの導入が今回初めての方向けに解説します。
ステップ1. Googleアナリティクスにログインする
まずはGoogleアナリティクスの公式ページにアクセスします。「さっそく始める」をクリックし、Googleアナリティクスを利用するGoogleアカウントでログインしましょう。
ステップ2. Googleアナリティクスのアカウント登録を行う
Googleアカウントでログインすると、アナリティクスのアカウント設定画面になります。
ここではアカウント名を設定します。
アナリティクスでは一つのアカウントで複数サイトの分析を行うことが可能です。そのため、今後絶対に一つのサイトしか計測しないというケース以外は、アカウント名は企業名やカテゴリ名など、分析対象のサイトを包括するような名前をつけると分かりやすいです。
下にスクロールするとデータ共有設定に関する4項目が表示されます。内容を確認し、支障がなければ全てチェックして「次へ」ボタンをクリックします。
ステップ3. 計測したいサイトのプロパティ設定を行う
ここからは実際にアナリティクスを用いて、計測を行いたいサイトを管理するプロパティの設定を行います。
プロパティ名に計測対象のサイト名を記載します。
レポートのタイムゾーンと通貨はアメリカ合衆国/ドルがデフォルト設定されているため、国内サイトを対象とする場合は日本/円に変更します。
変更した後、「詳細オプションを表示」を選択します。
ここでは計測対象のサイトのURLを記入しましょう。
また、UAのみ作成するか、UAとGA4の両方を作成するかを選択する項目があるため、「Googleアナリティクス4とユニバーサルアナリティクスのプロパティを両方作成する」を選択します。
ステップ4. ビジネス情報を登録する
計測対象のサイトのビジネス情報を詳細に設定します。
- 業種:サイトと関わりの深い業種を選択します
- ビジネスの規模:自社に該当するものを選択します
- ビジネスにおける利用目的:アナリティクスでどんな分析を行いたいと考えているのか、当てはまるものを選択したら「作成」ボタンをクリックします
ステップ5. 利用規約を確認する
地域を「日本」に変更し、それぞれの利用規約を確認したら「同意します」にチェックを入れます。末尾の「同意する」ボタンをクリックしたら設定は完了です。
ステップ6-1. 計測に必要なGoogleタグをGTMで管理(推奨)
実際に計測を行うためにはタグをサイトに設置する必要があります。タグの設置方法はGTMで一括管理する方法と、直接サイトのhtmlに挿入する方法があります。
まずはGTMで一括管理する方法をご紹介します。
最初にGTMの「ワークスペース」タブを選択します。左端の「タグ」をクリックしたら右上の「新規」をクリックします。
「タグの設定」が表示されたらクリックして、タグタイプの中から「Googleアナリティクス:GA4設定」を選択します。
選択すると測定IDの記入を求められます。
この測定IDはGA4で確認することができます。GA4のホーム画面に戻ると初期設定が完了していないため「タグの設定手順を確認」というボタンが表示されます。
クリックするとストリームの詳細が表示されるため、ここから測定IDをコピーしましょう。
その後、下にある「トリガー」をクリックし、測定対象ページとして「ALL Pages」を設定します。
これでタグとトリガーが最低限設定されたため、右上の「保存」をクリックします。
その後、プレビュー機能を活用してGA4のタグが発火(=正常に作動している)ことを確認し、問題なければ公開ボタンを押します。公開ボタンを押さないと計測が開始されないので注意が必要です。
これでGA4の導入は完了になります。公開後はGA4上でトラフィック数など基本的なデータの確認ができます。コンバージョンやイベントなど詳細なデータを取得するには、GTM上で別途詳細な設定が必要になります。
より詳細な説明が必要な場合は、以下の記事をご覧ください。
ステップ6-2. 計測に必要なGoogleタグを直接htmlに挿入(非推奨)
非推奨にはなりますが、Googleタグをサイトのhtmlに直接挿入する方法もあります。
GA4の利用規約を確認した後、「実装手順」というウィンドウが表示されるため「手動でインストールする」を選択します。
するとGoogleタグが表示されるため、計測対象サイトの<head>要素の直後にコピー&ペーストすれば作業完了です。
htmlコードに直接挿入する方法には弱点があります。
アクセス解析ではアナリティクス以外のツールを導入する可能性もあります。また、コンバージョンをはじめとするイベントを定義して計測したい場合、それらの数が増えれば増えるほどhtmlコードを都度書き換えなければなりません。結果、htmlソースがごちゃついてしまい管理が大変になる恐れがあります。
シンプルなアクセス解析しか行う予定がない!という場合はこちらの方法でも良いのですが、複数ツールを活用し、長期的にWeb施策を実行する場合はGTMでの管理がおすすめです。
GA4の導入方法:UAをすでに導入している場合
すでにUAを導入している企業がGA4を導入する方法は、とてもシンプルです。
GA4を導入したいプロパティ上で「管理」>「GA4設定アシスタント」をクリックし、「新しいGoogleアナリティクス4プロパティを作成する」を選択すればOKです。
GA4のプロパティを開設したあとは、計測を行うために別途GA4用のGoogleタグの設定が必要になります。やり方は新規でアナリティクスを開設する時と同じになりますが、推奨はGTMでの管理になります。
タグの設置後、GA4プロパティ上で「レポート」>「リアルタイム」で実際に計測が開始されているかどうかを確認し、問題なければ最低限の初期設定は完了となります。
GA4移行後の分析をスムーズに行うための5つの初期設定
ここからはGA4で正確な数値を計測するためにやっておきたい初期設定を紹介します。
1. データ保持期間を最長の14ヶ月に設定する
GA4は収集したデータの保持期間がデフォルトだと2ヶ月に設定されていますが、特に理由がなければ最長の14ヶ月に変更しましょう。
左端下の歯車マーク「管理」からプロパティ配下の「データ設定」>「データ保持」を開き、イベントデータの保持を14ヶ月に変更し、保存ボタンを押しましょう。
2. IP除外設定を行う
自社やクライアント、ベンダー企業など関係者のアクセスを除外し、正確なアクセスを計測するための設定です。
左端下の歯車マーク「管理」からプロパティ配下の「データストリーム」を開きます。
ストリームの詳細から「タグ設定を行う」を選択します。
ページが遷移するとGoogleタグの「設定」があるため、右上「すべて表示」をクリックして「内部トラフィックの定義」を選択します。
内部トラフィックルールの作成画面が表示されるため、除外したいIPアドレスを登録します。
ルールを設定したら管理画面に戻り、「データ設定」>「データフィルタ」を選択し、先ほど作成したデータフィルタの編集画面を「>」から開きます。
編集画面では「フィルタの状態」を変更しましょう。
テストの状態になっているため、「有効」に設定することでGA4上では関係者のアクセス数を除外したデータのみを計測することが可能になります。
3. クロスドメインの計測設定を行う
GA4で複数ドメインの計測を行う場合はこちらの設定も行いましょう。異なるドメイン間のユーザーの行動を分析できるようになります。
左端下の歯車マーク「管理」から「データストリーム」で計測対象のサイトを選択し、「タグ設定を行う」に進みます。
「ドメインの設定」を選択し、ドメイン条件を設定したら完了です。
4. Googleシグナルを設定する
異なるデバイス・プラットフォームを横断した計測を行えるようになるため、忘れずに有効にしましょう。
プロパティ管理画面の「設定アシスタント」画面から「Googleシングルを有効にする」の項目の「>」ボタンから管理画面に移ります。
設定画面を開くとGoogleシグナルのデータ収集に関する規約などが表示されます。
右上の「設定」をクリックしましょう。
そのまま「続行」を選択します。
利用規約が表示されるため、確認したら「有効にする」をクリックしたら設定完了です。
5. Search Consoleと連携する
コンテンツSEOに取り組む場合は必ず連携しましょう。
左端下の歯車マーク「管理」からプロパティ配下の「サービスとのリンク」のなかの「Search Consoleのリンク」を選択します。
Search Consoleと接続したいGA4のプロパティとウェブストリームを選択したら完了です。
Search Consoleそのものの導入方法は、以下の記事をご覧ください。
CVなどのイベント設定方法
GA4では、一部のイベントは自動的に計測されます。これらは「自動収集イベント」と呼ばれ、設定を変更することなく計測できる情報です。
以下に、GA4で自動的に収集される主なイベントの一部を示します。
・first_visit:ユーザーが初めてサイトを訪れた時点でトリガーされます。
・session_start:ユーザーが新たなセッションを開始した時点でトリガーされます。
・page_view:ユーザーがページを訪れた時点でトリガーされます。
・scroll:ユーザーがページをスクロールした時点でトリガーされます。
・click:ユーザーがページ内の要素をクリックした時点でトリガーされます。
これらの自動収集イベントは、GA4の基本的なユーザー行動の追跡に役立つでしょう。
任意のイベントを作成する手順
自動で収集されるイベントと別に、任意のイベントを作成しておいて、情報を収集する手順もあります。任意のイベントを作成するには、まずGA4のメイン画面より「設定 > イベント」と進みます。するとイベントの管理画面が表示されます。
「イベントの作成」画面を開き、「作成」ボタンを押すと、下の図のようなカスタムイベントの作成画面に遷移します。
この画面で、パラメータとそれに対応する演算子・値を入力することで任意のイベントが作成できます。
このとき、必ずパラメータのイベント名を入力してください。イベント名を入力しなかった場合、他のイベントまでカスタムイベントとして計測される可能性があります。
よく任意のイベントとして登録することの多い設定は、「特定のページに訪れた数」が挙げられます。下記は、その場合の設定画面です。
※下記は「https://giginc.co.jp/blog/」ページを訪れた数を集計するカスタムイベントです。
目的に合わせて適切なカスタムイベントを作成しましょう。
GA4移行のご相談はGIGへ!
以上、GA4の導入方法と初期設定を解説しました。
2023年7月のUA停止後もスムーズにアクセス解析を行うためには、早めにGA4導入の対応を行いましょう。とはいえ、「社内にノウハウのある担当者がいないから不安」という悩みを持つ企業様も多いです。
株式会社GIGではWebマーケティング支援の一環として、GA4移行のご相談も承っています。GA4導入後のイベント設計やサイト分析業務のサポートなども可能です。
お困りの担当者はぜひお問合せください。
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黒木 鈴華
メディア事業部 マーケティングメディアチーム シニアエディター。1996年生まれの早稲田大学社会科学部卒。学生時代よりライターとしてコンテンツSEOに携わる。新卒入社から数社を経験した現在に至るまで一貫してコンテンツディレクターとしてオウンドメディア運用支援に従事。前職では役員就任も経験。