UXリサーチ実施のプロセスを解説|適切な手法と準備【目的別】|東京のWEB制作会社・ホームページ制作会社|株式会社GIG

UXリサーチ実施のプロセスを解説|適切な手法と準備【目的別】

2023-09-01 制作・開発

UXリサーチはユーザー視点のプロダクト開発において欠かせない手法です。ユーザーのニーズを的確に把握し、プロダクトを最適化するにはUXリサーチのプロセスを正しく理解したうえで活用することが大切です。

この記事では、UXリサーチのプロセスについて簡単に解説します。ユーザーのインサイトを得るための基本的な手法やリサーチ前の準備など、新規事業の開拓やプロダクトの改善などに役立つ方法を提供します。

UXリサーチのプロセス

ユーザーのニーズを把握するためのUXリサーチのプロセスは以下の通りです。

1. 目的を明確にする
2. リサーチ手法を決める
3. 調査を実施する
4. ユーザビリティテストを実施する
5. データを分析する
6. プロセスをくり返す

それぞれ簡単に解説します。

1. 目的を明確にする

まずは、プロジェクトの状況を把握して、目的を明確にします。現状を把握しておかなければ、改善に向けたUXリサーチの設計を立てることができません。

現状を把握したら、改善に向けて目標となるKGIとKPI(主要業績評価指標)を設定します。UXリサーチにおけるKGIとKPIの例は以下の通りです。

KGIKPI

・顧客満足度の向上
・収益の増加
・市場認知度の拡大

・WebサイトのPV数増加
・CVRの向上

目的を明確にすることで、UXリサーチの方向性を定めることができます。

関連記事:KPIツリーとは?作成手順やKPI・KGIとの違いを解説

2. リサーチ手法を決める

どのように目的を達成するのか、KPIにあわせたリサーチ手法を決めます。リサーチの手法には以下のように「定量調査」と「定性調査」があります。

定量調査定性調査

・アンケート
・アクセス解析
・ABテストなど

・インタビュー
・ユーザビリティテストなど

定量調査はデータとして数値化できる調査方法です。定性調査は数値化が難しい行動や背景などから潜在ニーズを探ります。それぞれ目的にあわせて選ぶことが大切ですが、いくつか組み合わせて実施することも可能です。

3. 調査を実施する

リサーチ手法が決まったら、調査を実施します。選択したリサーチ手法に従って、アンケートやインタビューを実施します。適切な回答が得られるように、事前に質問の内容を検討しておきましょう。

このフェーズでは基本的にデータ収集を中心に行います。必要であればレポートにまとめるなど、関係者と共有しやすいように整えておきましょう。

4. データを分析する

各調査で収集したデータを分析します。調査方法によっては膨大なデータを得られるでしょう。分析しやすいようにデータを整理します。分析したデータは、グラフやチャートなどで見やすいように整えると、共有時に他者への理解を助けてくれます。

定性調査で得たデータの分析は、画像やテキストなどの情報からユーザーの感情や行動などを分析します。

プロダクトの改善のためのUXリサーチで、ユーザビリティテストから得たフィードバックがデータとしてある場合、フィードバックから改善に向けた潜在ニーズをくみ取り解決策を検討します。

5. プロトタイプを作成する

データの分析結果をもとに、プロトタイプを作成します。ユーザーと接するプロダクトは、ユーザビリティテストを実施してもよいでしょう。ユーザーに実際に使用してもらって使い心地などのフィードバックをもらいます。

特定の専門家が使用するツールなどターゲットが限られているプロダクトには、この方法は向いていません。テストの結果から改善点を洗い出して、プロダクトに反映させます。

6. プロセスをくり返す

 最後にプロダクトがユーザーニーズを満たしているのか、解決策を検証します。これらのプロセスは一度限りのものではありません。ユーザーのニーズは時代とともに変化しており、求められるプロダクトも変化します。

UXリサーチのプロセスをくり返して、課題やニーズを洞察し、解決に向けて取り組むことが大切です。

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インサイト獲得するためのUXリサーチの手法

UXリサーチの手法のなかでも、ユーザーのインサイトを獲得しやすい3つの手法について解説します。

ユーザーインタビュー

ユーザーに直接質問を投げかけて意見を収集する方法です。リアルタイムで反応を見ることができるため、感情を理解しやすいメリットがあります。インサイトを獲得するには、インタビューで聞く内容を事前に決めておくことが大切です。

関連記事:ユーザーインタビューとは?手順や実施目的、成功のコツを解説

アンケート調査

事前に設定した質問に対する回答から、ユーザーの興味や関心、意見を収集してインサイトをくみ取ります。

年齢や性別などターゲットを絞った統計的なデータを得られる点がメリットです。オンラインアンケートなら、対象エリアを広げられるので便利です。

ユーザビリティテスト

最低限の機能を実装したプロトタイプを実際に使ってもらって、販売前に使いやすさや改善すべき課題を評価する方法です。どのように使うのか指示をして、ユーザーが使う過程や反応を記録して分析します。

UXリサーチの目的別手法と事前準備

UXリサーチは目的にあわせた手法を選ぶことが大切です。ここでは、目的別のリサーチ手法と準備について解説します。

新商品開発

新商品開発でUXリサーチを用いるときは、目標となる課題は以下のような定量調査を中心に実施します。

・ユーザーインタビュー
・アンケート
・競合分析

何より新商品開発においては、ユーザーの興味関心を理解することが大切です。グループインタビューなど、目的に合わせてユーザーの意見を集約します。

ユーザーインタビューをオンラインで実施するときは、デバイスのOSバージョンやネットワーク環境などを確認しましょう。

リサーチ中に画面が途切れてしまわないように、接続状態をテストしておくことも大切です。

競合調査では市場の傾向や他社の強みを把握することで、自社のプロダクトの価値観を構築できます。

<事前準備>
・通信環境やスケジュールを確認する
・ユーザーが競合製品と比較しやすいようにプロトタイプを構築する
・競合調査・市場調査をおこなって差別化のポイントを見極める

仮説検証

ある特定の仮説や予想が正しいものかを確認するためにUXリサーチを行うときにおすすめの手法と事前準備は以下になります。

・コンセプトテスト
・ユーザビリティテスト
・ABテスト
・アクセス解析

仮説検証を実施するときは、いくつか仮説のバリエーションを提示して、ユーザーの反応を確認します。複数の仮説を検証するときは、幅広いプロダクトの調査に使えるコンセプトテストが役立ちます。Web媒体のみならABテストも効果的です。

<事前準備>
・A/Bテストに使用する要素や検証する内容を明確にする
・ユーザビリティテストのシナリオを準備して検証内容を明確にする

関連記事:UI/UX改善の方法とは?成功事例からプロセスやポイント、思考法を紹介

スピード重視

迅速に調査を実施して改善策に取り組みたいときは、スモールリサーチが便利です。

スモールリサーチは家族や友人など身近な人に聞いて、フィードバックをもらう方法です。時間や費用をかけずにリサーチできるため、実施しやすいメリットがあります。

ただし、身近な人の意見のみなので結果が偏る可能性があることには注意が必要です。

予算があるときは、リモートでアンケートを取ってもよいでしょう。事前にアンケートを送っておくことで迅速に意見を収集できます。

<事前準備>
・通信環境やWeb会議システムなど接続の確認
・アンケートの説明と事前質問の送付

UXリサーチのプロセスを進めるうえでの注意点

UIリサーチを円滑に進めるためには、プロセスにおいていくつか注意してほしい点が5つあります。

1. データや情報の共有ミス

UXリサーチで得たデータや情報が関係者で共有されていないと、誤解が生じてプロジェクトにも影響します。適切な意思決定が難しくなるため、事前にデータ共有に使えるツールやシステムの導入や、共有ルールを策定しておくことが大切です。

2. 調査対象者の偏り

インタビューやアンケートを実行するときは、対象者の属性に偏りがでないようにすることが大切です。

対処法としては、オンラインコミュニティやSNSなど属性が異なるユーザーが集まるプラットフォームやリサーチサービスの活用があげられます。

関連記事:ペルソナ設計とは?設計の方法から分析、ワークショップ、事例まで徹底紹介

3. フィードバック収集が適切でない

ユーザーからのフィードバックが不足すると、インサイトの獲得が難しくなります。多くの意見を集められるように、複数のリサーチ手法を組み合わせるとよいでしょう。

ほかにはデザインなどの制作段階にあわせて、フィードバックが得られるように体制を整えておく方法もあります。

4. 予算・時間の制約によるリサーチ不足

予算や時間などに制約があると、十分なリサーチが行えないことがあります。費用も時間もかけられないときは、プロジェクトにおける重要な部分のみに着目してリサーチを行うのがおすすめです。

もしくはプロジェクトの工程別にこまかく実行するなど、必要に応じて取り入れる方法もあります。

5. 分析結果の解釈の誤り

せっかく収集したデータも分析を誤ると期待しているような効果は得られません。収集したデータを扱うときは、専門家の協力を仰ぎ、適切な解釈が得られるようにしましょう。または、複数人でデータを共有して、異なる視点からの意見やアイデアを求める方法も効果的です。

UXリサーチはGIGにおまかせください

UXリサーチはプロダクトにおけるUXを向上させるために欠かせない手法です。プロセスを実施することで、ユーザーのインサイトを理解した改善策を導きだすことができます。

GIGでは『UXDesignLab』を展開しており、UXデザインやサービスデザインのノウハウをもとに課題の発見・分析・改善とWebサイト制作の戦略設計のサポートを行っています。

Webサイトの改善にあたって「どこを改善したらよいのかわからない」「サイト設計ができない」などお困りなら、ぜひGIGにご相談ください。差別化ポイントを意識したUXリサーチやペルソナ設計など、貴社にあわせた支援を行います。

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