UI/UX改善の方法とは?成功事例からプロセスやポイント、思考法を紹介|東京のWEB制作会社・ホームページ制作会社|株式会社GIG

UI/UX改善の方法とは?成功事例からプロセスやポイント、思考法を紹介

2023-07-10 制作・開発

この記事では、UI/UXとは何か、UI/UXの改善方法を解説します。事例もあわせてご紹介しますので、UI/UXを理解したい方、Webサイトやアプリの開発/改善を検討されている方はぜひご覧ください。

UI/UXとは

UI/UXとは、ユーザーインターフェース(UI)とユーザーエクスペリエンス(UX)をまとめたもの。Webデザインやアプリ開発において欠かせない考え方であり、手法です。

UIはユーザーとプロダクトが触れる接点を指しており、ボタンやメニュー、入力フォームなどがあげられます。UXはユーザーがプロダクトをとおして得る体験を指しています。つまりUIをとおして得られた体験がUXです。

使いやすいプロダクトはユーザーの満足度の向上につながるため、利用者数や売上数の向上なども期待できます。

UI/UXの関係性

上記の説明からもわかるように、UIはUXを構成するひとつの要素です。ユーザーが迷いなく使えるプロダクトを作ることが、そのままUXに影響します。

UXを向上させるには、UIの改善が欠かせません。プロダクトが抱える課題を解決し、成功へ導くには、UIとUXの関係性を正しく理解することが大切なのです。

なぜUI/UXの改善が必要なのか

インターネットの普及により、情報の収集方法が変わり、サービスやプロダクト購入前などに詳細な情報を入手している人も少なくありません。視覚的に必要な情報を得られるようにUIを改善することで、ユーザーの離脱を防ぐ効果が期待できます。

また、魅力的なUIで引き付けたユーザーにより良い体験を提供することがUXの改善です。ユーザーがプロダクトを「使いやすい」「楽しい」と、ポジティブな印象をもってもらうことで満足度が向上し、リピータの育成やSNS拡散による新規顧客の獲得につなげることが可能です。

つまり、UI/UXの改善はユーザーと良好な信頼関係を築くだけではなく、ビジネスの成長に欠かせません。

UI/UXの改善方法

UI/UXを改善するための基本的なプロセスは以下のとおりです。

・ユーザーニーズや市場の調査
・分析
・プロトタイピング
・テスト

プロセスと役立つツールについて解説します。

ユーザーニーズや市場の調査

UI/UXを改善するには、まず現状の把握とユーザーのニーズを理解することです。ユーザーの顕在的なニーズを把握するには、ユーザビリティテストやアンケートといった方法があります。潜在的なニーズの調査には、インタビューや行動観察が役立ちます。

WebサイトのUI/UXを改善するときは、『Googleアナリティクス』やヒートマップツール『Clarity』などのツールを活用しましょう。こうしたツールはユーザーの行動を可視化できるため、どのような改善が必要なのか企画立案に役立ちます。

UI/UXの改善にあたって競合調査は必須です。また、ユーザーから寄せられた声も改善の糸口をつかむきっかけとなります。下記の記事でくわしく解説していますので、参考になさってください。

関連記事:
競合調査とは?やり方や注意点、5つのフレームワークも解説
VoC(顧客の声)はどう活用すべき?カスタマーサクセスが解説

分析

調査結果をもとに、プロダクトが抱えている課題を特定します。「上位下位関係分析法」を用いて、ユーザーのニーズを階層的に整理することで、重要なニーズが明確化します。

さらに、ターゲットとなるペルソナを定義し、ユーザーがプロダクトと出会ってから実際に利用するまでの道のりを可視化した「カスタマージャーニーマップ」を作成します。これによりユーザーへの理解を深め、改善の優先順位を設定することが可能です。

カスタマージャーニーマップの作り方は、下記の記事で解説しています。

関連記事:カスタマージャーニーマップの作り方【現役インハウスマーケターが解説】

プロトタイピング

課題の解決策を見つけるために、仮説を立ててプロトタイプを作成します。プロトタイピングはユーザーのニーズを考慮し、機能や導線を設計していくフェーズです。より良いUXを提供するには、多くのアイデアが必要となります。たくさんのアイデアを収集し、意見を反映させるためにはオンライン上で共有できるツールを選ぶと効果的です。

プロトタイプの作成には『Figma』や『Adobe XD』などがよく使われています。チームとのコラボレーションに役立つ機能が豊富なため、スピード感をもった進行が可能です。

関連資料:プロトタイプガイドブック

テスト

作成したプロトタイプを使用して課題を解決できるのか検証します。テストには「UX評価」と「ユーザビリティ評価」を実施し、ユーザーのフィードバックを収集します。フィードバックをもとに新たな改善点を修正します。

うまく解決できないときは、視点を変えて作成することも大切です。こうした評価と改善のPDCAサイクルをまわし続けることで、ユーザーの満足度に繋がるUI/UXの持続的な向上につなげることが可能です。

UIデザインの改善に欠かせないABテストの手法については、下記の記事でくわしく解説しています。

関連記事:ABテストの実施方法を4ステップで解説。成果を出すコツから便利なツールまで

UI改善のポイント

すぐれたUIとは、見やすさや使いやすさを意識したデザインのことです。どのように改善すればよいのか、ポイントをかんたんに解説します。

ポイント1. シンプルなサイト階層にする

まず、ユーザーが理解しやすいように、サイト構造はできる限りシンプルにします。適切なナビゲーションデザインかどうか見直すことも大切です。また、UIデザインの一部にユーザーの感情に訴えるデザイン要素を組み込むことで、UXの向上につながります。

スマートフォンなどモバイル端末の利用者が多いときは、モバイルファーストのUI設計を考慮することが大切です。

ポイント2. デザインの一貫性

デザイン制作において、ボタンやバナーの形状を統一するなど一貫性をもたせることもポイントです。くり返し使用するデザインなら、テンプレート化しておいても良いでしょう。見た目にも統一感をもたせられるため、ユーザーがWebサイト内で迷うことなく操作できます。

入力フォームなどのUIデザインについては下記の記事で解説しています。

関連記事:見やすい・良いフォームデザインは3つの要素で決まる

ポイント3. アクセシビリティ

UIの改善には、ウェブコンテンツアクセシビリティガイドライン(WCAG)に準拠し、すべてのユーザーが使いやすいインターフェイスデザインを制作しましょう。

WCAG2.0は国際規格ISO/IEC40500:2012として承認されています。3.0の草案ではWebコンテンツやアプリ、ツールなどをカバーすることを目的として、時代やテクノロジーの開発にあわせてアップデートされている規格です。

WCAGを理解したアクセシブルデザインは、誰もが使いやすいデザインを実現するために欠かせません。以下でアプリやWebのアクセシビリティについて解説していますので、ぜひお役立てください。

関連記事:アプリ・ウェブのアクセシビリティ向上に重要な3要素

ポイント4. プラットフォームのルール

各プラットフォームごとにデザインの原則やレイアウト、色、インタラクションなどのルールが存在します。もし、特定のOSで動作するプロダクトのUIを改善するなら、各プラットフォームのルールを理解しておかなければなりません。

たとえばAppleなら「Human Interface Guideline」、Googleは「Material Design」、Microsoftは「Windows アプリの設計とコーディング」が参考になります。ルールを理解して作成したデザインは、OSを利用するユーザーにより良い体験を提供することが可能です。

UX改善のポイント

優れたUXへ改善するためのポイントは3つあります。

・ユーザーのインサイト
・UXタイムスパンを考慮する
・リフレーミングを行う

それぞれかんたんに解説します。

ポイント1. ユーザーのインサイト

まずユーザーのインサイトを把握することはUX改善において大切なことです。調査・分析を入念に行って、ユーザーの本音となるインサイトを把握しましょう。

インタビューで「こういう機能をつけてほしい」と要望を聞いて実践しても、なかなか思うような成果が得られないときは、把握しているインサイトが誤っている可能性があります。ユーザーの声に隠されたインサイトをくみ取ることで満足度に繋がるUXの改善が可能です。

ポイント2. UXタイムスパンを考慮する

「UXタイムスパン」とは、ドイツでおこなわれたUXセミナーの成果がまとめられた『UX白書』で提唱されている考え方です。

ユーザーがプロダクトを利用するまでの過程を「利用前」「利用中」「利用後」「利用時間全体」の時間軸に分けて、それぞれのフェーズで得られる体験を踏まえて考えることで、より良いUXの提供が可能だと考えられています。

カスタマージャーニーマップも同じようにユーザーの体験を可視化するものですが、UXタイムスパンはその前の準備で活用します。

ポイント3. リフレーミングを行う

リフレーミングとは視点を変えて解釈することを指します。UXを改善したつもりでも、なかなか成果が出ないときに効果的な方法です。これまでの解釈とは別の角度から捉えることで、新たな解決策やアイデアを発見できることがあります。

たとえば、あるバナーのクリック率が低い場合、「バナーのデザイン」を改善すれば解決するのではないかと考えます。しかし、考え方の角度を変えると「バナーまでの導線が悪いのでは?」とも考えることが可能です。こうしたリフレーミングは、考え方に偏りが生じるケースもあるため、複数人でアイデアを共有することがポイントです。

UI/UX改善に役立つ思考法

UI/UX改善には以下の思考法が役立ちます。

・UXハニカム
・デザイン思考
・人間中心設計
・リーンUX

それぞれかんたんに解説します。

UXハニカム

UXハニカムは、情報アーキテクチャ論の開拓者ピーター・モービル氏が提唱したUXを構成するハニカム構造のフレームワークです。ユーザーが感じる価値「Valuable」を中心に以下の6つの要素で構成されています。

Useful:役に立つ
Usable:使いやすさ
Findable:見つけやすさ
Credible:信頼性
Accessible:アクセス性
Desirable:好ましさ

UXハニカムを使用することで、ユーザーにとって価値のある体験とはどのようなものかをイメージしやすくなります。解決すべき課題を多角的にとらえることができるだけではなく、完成したデザインの評価にも活用できます。

デザイン思考

デザイン思考とは、デザイナーがデザインを考案するときに用いるプロセスをビジネスの課題解決に役立てるための思考法です。多くの研究者が独自のプロセスを提唱していますが、有名なのはスタンフォード大学のハッソ・プラットナー・デザイン研究所(d.school)が提唱している5段階モデルです。

Empathize:共感
Define:問題定義
Ideate:創造
Prototype:プロトタイプ
Test:テスト

デザイン思考は新規事業や既存事業の改善にも役立つ思考法です。人間中心の視点を重視することで、ユーザーに深く共感できます。思考法のため、プロセスの途中でもやり直しがしやすいメリットがあります。何度もくり返し取り組むことで、より良い成果へつなげることが可能です。

デザイン思考については、下記の記事でくわしく解説しています。

関連記事:デザイン思考を実践するための5つのプロセスを解説|日常生活で活用する方法も

人間中心設計

人間中心設計とは、プロダクトを使用するユーザーを中心に考えるアプローチ方法を指します。デザイン思考のベースにもなっており、ユーザーが快適に使用するためにはどうすればよいのか、使う人の視点でより良いデザインを追求します。

人間中心設計には以下の6つの基本原則があり、国際規格「ISO 9241-210」で定められています。

・ユーザー、タスク、環境の明確な理解にもとづいたデザイン
・デザインと開発全体へのユーザー参加
・ユーザー中心の評価によるデザインの実施と洗練
・プロセスのくり返し
・ユーザー体験全体に取り組むデザイン
・学際的なスキル・視点を含むデザインチーム

(参考:人間中心設計の国際規格ISO9241-210:2010のポイント

人間中心設計についてくわしく知りたい方は、下記の記事でくわしく解説していますので、参考になさってください。

関連記事:人間中心設計とは?具体的な設計方法と事例を解説

リーンUX(Lean UX)

アジャイル開発の原則をUXデザインに適用したUX改善のプロセス。短期間でユーザーにリーンUXとは、アジャイル開発の原則をUXデザインに適用したUX改善のプロセスのこと。短期間でユーザーにとって使いやすいデザインのプロダクトへと導きます。最小限の機能で制作し、ユーザーの反応を見ながら改善をくりかえしてくため、テストと改善のプロセスを高速にまわせるのが特徴です。

リーンUXのプロセスは以下のとおりです。

思案:ユーザーリサーチ、アイデア、スケッチ、ストーリーボードなど
作成:ワイヤーフレーム、プロトタイプなど
確認:データ・分析、ユーザビリティテストなど

ユーザーからのフィードバックをもらえる体制を築いておくことで、よりスピーディーなプロダクトの改善につなげることができます。プロトタイプの作成においても、チームでアイデアを出しながらデザイン・実装まで行うことがポイントです。

関連記事:リーンUXとは?Webデザインに使える、システム開発モデルの応用概念

UI/UX改善の成功事例

株式会社GIGが担当した、UI/UX改善の成功事例を3社ご紹介します。

事例1. 山田朱織枕研究所 様


▲出典:山田朱織枕研究所

山田朱織枕研究所は、医学的研究と臨床経験をもとに計測したオーダーメイド枕を提供しています。最新情報を追加していくなかで、下記のような課題を抱えていました。

課題:モバイル端末に対する最適化ができていない、サイト動線が複雑

課題解決のために、情報を整理してディレクトリ構造の設計を見直し、ユーザーに正しく情報を伝えられるサイトを目指しました。整理した情報をもとに作成したワイヤーフレームやデザインを共有。プロダクトの訴求ポイントとユーザーニーズを踏まえたストーリー性のあるWebサイトへとリニューアルいたしました。

リリース後、お問い合わせ件数が増加。テレビ取材にともなうサーバーの負荷分散も成功しています。

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事例2. Chatwork株式会社 様


▲出典:Chatwork株式会社

Chatwork株式会社は、国産ビジネスチャットツールを提供しています。サービスサイトにおいて、下記のような課題を抱えていました。

課題:採用ブランディングの強化、広告の最適化

短期間の開発を希望されていたため、提案の初期段階でキービジュアルとなるデザインを提案しました。認識齟齬が起きないように、事前にすり合わせをおこないました。信頼感や安心感を与えるデザインと、情報の視認性の高さを意識したデザインを意識して制作しました。

オンライン上でフィードバックをおこなえる『Figma』を活用したことで、約2か月でリリースが実現しました。

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事例3. 株式会社タイミー 様


▲出典:株式会社タイミー

株式会社タイミーは、面接・履歴書不要で好きな時間に働けるギグワークのプラットフォームを展開しています。プラットフォームの運営にあたって、以下のような課題を抱えていました。

課題:従来のアルバイト採用とは異なる新しい働き方に対して不安をもつ人が多い

そこでスポットワーク(雇用型ギグワーク)の実態を伝えるオウンドメディアの立ち上げることとなりました。まずは、提供いただいたペルソナやデザイン案をもとにUIデザインを制作。『Figma』の活用やGIG開発のCMS『LeadGrid』の導入などにより、円滑なコミュニケーションを実現し、サイトリリースへとつなげることができました。

リリース後、約5か月でPV数が約9倍という成果を出しています。以降も長期的なコンテンツ運用の支援をおこなっています。

事例の詳細はこちら

UI/UXの改善はユーザー理解が大切

今回の記事では、UI/UXの改善方法について解説しました。プロセスをふまえることで、ユーザーへの理解を深めることができます。ユーザーのニーズを捉えることができれば、より良い体験を提供できるプロダクトの開発が可能です。ご紹介した思考法も活用することで、多角的な視点を養うことができます。

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