カスタマージャーニーマップの作り方【現役インハウスマーケターが解説】|東京のWEB制作会社・ホームページ制作会社|株式会社GIG

カスタマージャーニーマップの作り方【現役インハウスマーケターが解説】

2023-09-27 制作・開発

こんにちは、株式会社GIGでインハウスマーケティングやクライアントのマーケティング支援を行っている早河です。

近年、カスタマージャーニーマップなどを活用し顧客との関係性の可視化を行い、適切なタッチポイントでアプローチしていくことが重要視されています。そこで今回はカスタマージャーニーマップの基礎知識から作成方法、注意点までをご紹介します。

カスタマージャーニーマップとは

カスタマージャーニーマップは、顧客が製品やサービスを利用する過程を可視化し、理解するためのツールです。これは、顧客がある商品やサービスに接するとき、その経験や感情、行動を追跡し、グラフィカルなマップや図表として表現することで、ビジネスやマーケティング戦略を改善し、顧客体験を最適化するのに役立ちます。以下ではその効果や重要性についてご紹介します。

カスタマージャーニーマップの効果1. 顧客中心のアプローチの実現

カスタマージャーニーマップは、顧客の視点から製品やサービスを理解するための強力なツールです。顧客の経験、感情、ニーズを明確にすることで、顧客中心のアプローチを実現し、顧客にとってより満足度の高い体験を提供できます。

カスタマージャーニーマップの効果2. コミュニケーションの円滑化

顧客が製品やサービスを利用する過程を可視化することで、異なる部門やステークホルダー間で共通認識をもつことができ、コミュニケーションを円滑にします。組織全体が顧客のニーズと目標に向けて協力するための枠組みを提供します。

カスタマージャーニーマップを作成するメリット5つ

カスタマージャーニーマップを作成するメリットは、顧客体験の向上からビジネス戦略の最適化まで、多岐にわたります。

カスタマージャーニーマップを作成するメリットとして、次の5つが挙げられます。

  1. 顧客体験が向上する
  2. 顧客との接点を強化できる
  3. マーケティング戦略の改善に役立つ
  4. 社内で認識を共有できる
  5. 課題の優先順位を明確にできる

それぞれ解説します。

1.顧客体験が向上する

カスタマージャーニーマップを通じて、顧客が製品やサービスとどのように相互作用しているかを理解することができます。これにより、顧客のニーズに合わせた体験を設計し、顧客満足度を高めることが可能になります。

2.顧客との接点を強化できる

顧客の旅の各ステージでの接点を明確にすることで、顧客との関係を深め、よりパーソナライズされたコミュニケーションを行うことができます。これは、顧客ロイヤルティの向上にも寄与します。

3.マーケティング戦略の改善に役立つ

顧客の行動パターンや好みを把握することで、より効果的なマーケティング戦略を立てることができます。ターゲットとする顧客セグメントに合わせたキャンペーンやプロモーションを展開することが可能です。

4.社内で認識を共有できる

カスタマージャーニーマップは、社内の異なる部門間で顧客体験に関する理解を共有するのに役立ちます。これにより、チーム間の連携が強化され、一貫した顧客体験を提供するための努力が統合されます。

5.課題の優先順位を明確にできる

顧客の顧客が製品やサービスを利用する過程を視覚化することで、顧客が直面する問題点やフリクションが明らかになります。これにより、ビジネスが直面する課題に対して優先順位をつけ、効率的に解決策を導くことが可能です。

これらのメリットは、顧客中心のアプローチに基づくもので、ビジネスの成長と競争力の向上に直結します。カスタマージャーニーマップは、顧客の視点をビジネスプロセスに取り入れるための重要なツールです。

カスタマージャーニーマップの基本要素3つ

カスタマージャーニーマップを構成する基本要素は3つあります。下記3つの基本要素を組み合わせてカスタマージャーニーマップを作成し、分析することで顧客の視点からビジネスやサービスを改善するための戦略を立てることが可能です。

1. 顧客のペルソナ

顧客のペルソナは、特定のターゲット顧客グループを定義するためのキー要素です。これは一般的なデモグラフィック情報だけでなく、行動パターン、好み、関心事、目標、課題なども含みます。顧客ペルソナを理解することは、カスタマージャーニーマップの基盤を築く第一歩です。

2. 顧客のステップとタッチポイント

顧客を理解するために、製品やサービスを体験するまでの主要なステップと、それに関連するタッチポイントをマッピングします。ステップは一般的に、製品やサービスを認識、情報収集、購入、アフターサポートなどの段階に分かれます。タッチポイントは、Webサイト、アプリ、電話サポート、店舗訪問、ソーシャルメディアなど、顧客がブランドや製品に接触する場所や方法を指します。

3. 顧客の感情とニーズ

顧客の感情とニーズを捉えることは、カスタマージャーニーマップの最も重要な要素の一つです。顧客が各ステップやタッチポイントでどのような感情を抱いているか(喜び、不満、不安、興奮など)を記録し、具体的なニーズや課題を特定します。

カスタマージャーニーマップの作成手順

次は、実際にカスタマージャーニーマップを作成する5つの手順を解説します。

ステップ1. リサーチとデータ収集

顧客に関する情報を収集し、既存のデータや調査結果を確認します。顧客へのインタビューやフィードバックをしてもらうなど、実際に顧客が体験したことをデータとして収集します。また、競合他社や業界トレンドに関する情報を集め、市場状況を理解することもより全体を俯瞰的に見るうえで重要です。

ステップ2. ペルソナの定義

ペルソナは、顧客セグメントを具体的なキャラクターとして表現するもので、カスタマージャーニーマップの基盤となります。収集したデータを元に、異なる顧客ペルソナを定義します。たとえば、異なる年齢層、性別、購買力などを考慮します。各ペルソナの特性や行動パターン、好みを詳細に記述します。

ステップ3. ステップとタッチポイントのマッピング

カスタマージャーニーマップを構築するために、顧客の体験をステップとタッチポイントに分割し、マッピングします。顧客が製品やサービスと接触するステップを特定し、それぞれを順序通りに配置します。各ステップでのタッチポイント(例: Webサイト、アプリ、カスタマーサポートなど)を特定し、それらを関連付けます。

ステップ4. 感情とニーズのドキュメンテーション

顧客の感情とニーズを理解し、各ステップとタッチポイントにおいて、顧客がどのような感情を抱いているかを記録していきます(例: 満足、不満、興奮、不安)。それを記録していくなかで、顧客が各ステップで何を求めているか、どの課題に直面しているかを明確にします。

ステップ5. カスタマージャーニーマップの作成

ステップ1〜4で収集した情報をもとにカスタマージャーニーマップを作成します。

各ペルソナごとに異なるマップを作成します。ステップとタッチポイントを示すタイムラインをまとめたカスタマージャーニーマップの作成は、ビジネスが顧客体験を改善し、効果的な戦略を策定するために非常に重要なステップです。マップを定期的に更新し、顧客の変化するニーズに合わせてアクションを起こすことが成功の鍵となります。

カスタマージャーニーマップを作成するうえでの7つの注意点

カスタマージャーニーマップを作成および活用する際には、いくつかの注意点を考慮することが重要です。以下に、カスタマージャーニーマップに関する注意点をいくつか紹介します。

注意点1. データを正確に収集する

カスタマージャーニーマップはデータに基づいて作成されるべきです。顧客の行動、感情、ニーズに関する正確な情報を収集し、信頼性のあるデータを使用してマップを作成します。不正確な情報は誤った方向性への対策を導く可能性があります。

注意点2. 複数のペルソナを考慮する

企業は通常、複数の異なるペルソナ/セグメントを対象としています。カスタマージャーニーマップを作成する際には、異なるペルソナの経験を理解し、それに合わせてマップをカスタマイズすることが必要です。すべての顧客が同じ経験をするわけではありません。

注意点3. 過度な単純化を回避する

カスタマージャーニーマップは顧客の体験を捉えるための有用なツールですが、過度な単純化には注意が必要です。実際の体験は複雑で多様であり、すべてを単一のマップに詰め込むことは難しい場合があります。

注意点4. 実践に結びつける

カスタマージャーニーマップを作成したら、それを実践に結びつけることが重要です。マップを活用して、顧客体験を改善するための戦略やアクションプランを策定し、実行に移します。

注意点5. マップを定期的に更新する

顧客のニーズや行動は時間とともに変化します。したがって、カスタマージャーニーマップを定期的に更新し、最新の情報を反映させることが重要です。常に顧客の変化に適応する準備が整っていることが成功の鍵です。

注意点6. 組織内で共有/連携を行う

カスタマージャーニーマップは組織内の異なる部門やステークホルダーと共有されるべきです。組織全体が顧客の視点を共有し、連携して改善プロジェクトを進めることが大切です。

注意点7. 顧客プライバシーを尊重する

顧客データを収集する際には、プライバシー法規制に準拠し、顧客のプライバシーを尊重することが不可欠です。個人情報を適切に取り扱うためのポリシーとプロセスを確立しましょう。

カスタマージャーニーマップの活用方法

カスタマージャーニーマップを実際のマーケティングで活用する際は、顧客の視点で考え、実際の顧客とのインタビューや調査を行い、データに基づいたマップを作成することが重要です。

以下では、カスタマージャーニーマップをマーケティング施策に活用する際の事例3つを紹介します。

1.コンテンツマーケティング

カスタマージャーニーマップをコンテンツマーケティングに活用する際は、カスタマージャーニーマップを用いて、顧客がどのような経路で製品やサービスを知り、選択し、購入するかを把握するかが重要です。この情報を基に、ターゲットや配信タイミング、購入の際の心理的ハードルなどを理解することで、最適なコンテンツの提供が可能となります。

カスタマージャーニーマップをコンテンツマーケティングに活用するためのポイントには、次の7つが挙げられます。

  • 顧客の購買プロセスを理解すること
  • ターゲット顧客のペルソナを設定すること
  • 各フェーズに適したコンテンツを提供すること
  • コンテンツの種類を多様化すること
  • 顧客の反応を測定して改善を続けること
  • ストーリーテリングを活用すること
  • SEOを意識したコンテンツ作成すること

2.SNSマーケティング

カスタマージャーニーマップをSNSマーケティングに活用する際は、カスタマージャーニーマップを用いて、顧客がどのように自社の製品やサービスに興味を持つか、またどのように情報を収集するかを把握し、それに応じた手法を考えることが重要です。

特にSNSマーケティングでは、自社のSNSアカウントのフォロワーを増やすことも必要です。そこで、フォロワーを獲得するためのカスタマージャーニーマップを作成し、コンセプトやキャンペーンの内容を精査しましょう。

SNSマーケティングでは、投稿したSNSコンテンツを「シェアしてもらう」ための施策を講じることで、より効果的なマーケティング活動を実現できます。そこで「SNSでシェアしたくなるコンテンツ」を作成するために、カスタマージャーニーマップを活用するのもおすすめです。

カスタマージャーニーマップをSNSマーケティングに活用するためのポイントには、次の5つが挙げられます。

  • SNSマーケティング専門のチームや担当者を決めること
  • 目的やターゲットを明確にすること
  • 炎上リスクに注意して、ITリテラシーを習得すること
  • 計画とKPIを立てて実行すること
  • 自社ターゲットが多く利用するSNSを選び、指標を把握しデータを分析すること

3.メールマーケティング

カスタマージャーニーマップをメールマーケティングに活用する際は、カスタマージャーニーマップを用いて、顧客が「購買活動のどのフェーズにいるか」を見極め、適切な情報をメールで配信することが大切です。

顧客の購買活動のフェーズには、AISCEAS(アイシーズ)モデルを活用すると良いでしょう。AISCEASとは、次の各フェーズの頭文字をとった造語です。

  • Attention(注意)
  • Interest(関心)
  • Search(検索)
  • Comparison(比較)
  • Examination(検討)
  • Action(購買行動)
  • Share(情報共有)

カスタマージャーニーマップをメールマーケティングに活用するためのポイントには、次の5つが挙げられます。

  • 配信の目的・ターゲットの設定を明確にすること
  • メール配信リストやコンテンツ内容は自社データを活用すること
  • KPIを設定すること
  • 配信のタイミングを顧客ごとに最適化すること
  • 伝わりやすい件名やコンテンツにすること

カスタマージャーニーマップを活用して効果的なマーケティングを

ここまででカスタマージャーニーマップの概要から作成方法、注意点までをご紹介しました。顧客との接点を正確なデータをもとに可視化することで、ステークホルダーとの共通認識を持つことができ、ビジネスを適切な方向へ導くことができます。

株式会社GIGでは、カスタマージャーニーマップの作成はもちろん、マーケティングを中心とした中長期的な事業の成長を支援しています。ご興味がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

また、一緒に働くメンバーも募集中です。少しでもご興味を持っていただいた方は、ぜひカジュアル面談でお話しましょう。

株式会社GIGは、ナショナルクライアントからスタートアップまで、Webコンサルティング、UI/UXデザイン、システム開発など、DX支援をおこなうデジタルコンサルティング企業です。

また、45,000人以上が登録するフリーランス・副業向けマッチングサービス『Workship』や、7,000人以上が登録するデザイナー特化エージェントサービス『クロスデザイナー』、リード獲得に必要な機能を備えたCMS『LeadGrid』、UXコンサルティングサービス『UX Design Lab』などを展開しています。

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早河 太貴

1997年3月生まれ。アドテクノロジー企業、SNSマーケティングの支援会社など数社を経て2021年9月に株式会社GIGに入社。現在は、フリーランス・副業人材と企業のマッチングサービス『Workship』のマーケティングマネージャーとして、戦略の設計から施策実施までを一気通貫して担当。