カスタマージャーニーマップをWebサイト設計に活かす方法とメリットを解説|東京のWEB制作会社・ホームページ制作会社|株式会社GIG
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カスタマージャーニーマップをWebサイト設計に活かす方法とメリットを解説
2023-03-31 制作・開発
Webサイトは、企業のブランドや商品を伝える重要なツールです。そのため、Webサイトを設計する際は、単に見た目や機能性だけでなく、ユーザーのニーズや行動を考慮し、ユーザーにとって魅力的で使いやすいWebサイトを作ることが重要です。
ユーザーのニーズや行動を把握、理解するには、カスタマージャーニーマップというツールを活用するのが効果的です。カスタマージャーニーマップとは、ユーザーが商品やサービスを購入するまでのプロセスを可視化する方法で、ユーザーの目的や課題、感情などを把握し、Webサイトの改善点や訴求ポイントを見つけることができます。
そこで今回は、カスタマージャーニーマップをWebサイト設計に活かす方法とメリットを解説します。これからWebサイトの構築をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
カスタマージャーニーマップとは?
カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品やサービスに初めて触れてから購入に至るまでの一連の体験を可視化した図表です。
このマップは、顧客の行動、思考、感情の変化を時系列に沿って追いかけ、マーケティング戦略や顧客体験の改善に役立てるために使用されます。
具体的には、顧客がどのような経路で製品にたどり着き、どのタッチポイントでどのような体験をするかを分析し、顧客のニーズに合わせたサービス改善を目指します。
カスタマージャーニーマップを作成することで、顧客が直面する問題点を明確にし、それを解決するための施策を立てることが可能です。また、社内での共通理解を深め、チーム全体の顧客中心の思考を促進するツールとしても活用されます。
カスタマージャーニーマップの作り方と手順6つ
カスタマージャーニーマップを作成する手順は、顧客の体験を視覚化し、製品やサービスの改善点を見つけるための重要なプロセスです。
カスタマージャーニーマップの作成は、以下の6つの手順を踏むのが効果的です。
- ペルソナを設定する
- マップの横軸(フェーズ)を設定する
- 顧客の行動とタッチポイントを洗い出す
- 顧客の思考や感情を設定する
- 施策や課題を検討する
- 定期的な評価と改善を行う
それぞれ解説します。
1.ペルソナを設定する
ペルソナは、理想的な顧客像を表す架空のキャラクターです。ペルソナを設定することで、特定の顧客グループのニーズ、欲求、行動パターンを理解しやすくなります。
ペルソナは、年齢、性別、職業、趣味、ライフスタイルなどの詳細な情報を含めて作成します。
2.マップの横軸(フェーズ)を設定する
カスタマージャーニーの各フェーズは、顧客が製品やサービスに触れる一連の段階を表します。
例えば「認知」「検討」「購入」「使用」「評価」といったフェーズを設定します。
3.顧客の行動とタッチポイントを洗い出す
顧客が各フェーズでどのような行動を取るか、どのタッチポイント(接点)で製品やサービスと接触するかをリストアップします。
これには、オンラインでの検索、店舗訪問、カスタマーサービスとの対話などが含まれます。
4.顧客の思考や感情を設定する
顧客が各タッチポイントで抱く思考や感情をマッピングします。これにより、顧客の満足度やフラストレーションの原因を特定できます。
5.施策や課題を検討する
カスタマージャーニーマップを分析して、顧客体験を向上させるための施策や改善すべき課題を検討します。
これには、サービスの迅速化、情報提供の改善、ユーザーインターフェースの最適化などが含まれます。
6.定期的な評価と改善を行う
カスタマージャーニーマップは一度作成したら終わりではありません。市場や顧客のニーズの変化に合わせて、定期的に評価と改善を行うことが重要です。
これにより、常に顧客中心のサービスを提供することが可能となります。
これらの手順を踏むことで、カスタマージャーニーマップは顧客の体験を深く理解し、ビジネスの成長に貢献する強力なツールとなります。
実際にマップを作成する際には、チームでブレインストーミングを行い、顧客の視点に立って考えることが大切です。また、データに基づいた客観的な分析を行うことも忘れずに行いましょう。
カスタマージャーニーマップをWebサイト設計に活かす方法5つ
次に、カスタマージャーニーマップをWebサイト設計に活かす、以下の5つの方法を紹介します。
- ユーザー理解を深める
- コンテンツ戦略の最適化に活かす
- ナビゲーションの改善に活かす
- CVR(コンバージョン率)の改善に活かす
- フィードバックの収集に活かす
それぞれ解説します。
1.ユーザー理解を深める
カスタマージャーニーマップを用いて、ユーザーの行動パターンやニーズ、痛点を把握します。
これにより、ユーザーがサイトを訪れる理由や目的を理解し、それに合わせた設計を行うことが可能です。
2.コンテンツ戦略の最適化に活かす
ユーザーが各フェーズで求める情報をカスタマージャーニーマップで特定し、適切なコンテンツを提供することで、ユーザーエンゲージメントを向上させます。
コンテンツはユーザーが求める形で、適切なタイミングで配置することが重要です。
3.ナビゲーションの改善に活かす
カスタマージャーニーマップを分析して、ユーザーがサイト内で直感的に動けるようなナビゲーションを設計します。
ユーザーが迷わずに目的の情報や機能にたどり着けるようにすることが、使いやすいサイト設計のポイントです。
4.CVR(コンバージョン率)の改善に活かす
ユーザーがコンバージョンに至るまでの障壁をカスタマージャーニーマップで特定し、それを取り除くことで、コンバージョン率の向上を図ります。
例えば、購入プロセスの簡素化や、フォームの入力項目の削減などが考えられます。
5.フィードバックの収集に活かす
カスタマージャーニーマップを通じて、ユーザーからのフィードバックを積極的に収集し、それをサイト改善のためのインサイトとして活用します。
ユーザーの声を反映させることで、より満足度の高いサイトへと進化させることが可能です。
これらの方法を適切に活用することで、ユーザー中心のWebサイト設計が可能となり、結果としてビジネスの成果にもつながるでしょう。
カスタマージャーニーマップは、ユーザーの体験をデザインする上で非常に有効なツールです。ただし、定期的な見直しとアップデートを行いながら、ユーザーの変化に対応していくことが大切です。
カスタマージャーニーマップをWebサイト設計に活かすメリット5つ
カスタマージャーニーマップは、ユーザー中心の設計思想を実現するための重要なツールです。カスタマージャーニーマップをWebサイト設計に活かすことで、ユーザーの視点を深く理解し、それに基づいて魅力的なWebサイトを作成できるメリットがあります。
以下では、ユーザーに魅力的なサイトを作成するメリットを解説します。
- ユーザー体験を最適化できる
- ユーザーの購買プロセスにある課題やボトルネックを特定できる
- マーケティング施策を効率的に立案できる
- 組織やチーム内の共有認識を形成できる
- 継続的なサイト改善を促進できる
それぞれ解説します。
1.ユーザー体験を最適化できる
カスタマージャーニーマップを使用すると、ユーザーがサイトを訪れる理由とその行動パターンを明確に把握できます。これにより、ユーザーが求める情報や機能を簡単に見つけられるようにサイトを設計できます。
例えば、ECサイトを運営する際には、ユーザーが使いやすいサイトを作りたいというお悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。
そこで、カスタマージャーニーマップを活用し、ユーザーが商品を検索しやすいようにナビゲーション改善を行うことで、ユーザーが欲しい商品を素早く見つけられるようになり、満足度を向上させることができます。
2.ユーザーの購買プロセスにある課題やボトルネックを特定できる
ユーザーが製品やサービスを購入する過程で直面する問題点や遅延の原因を特定し、それらを解消することでコンバージョン率を向上させることができます。
例えば、旅行代理店などの予約サイトでは、予約プロセスの途中でユーザーが離脱してしまうといったお悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。
そこで、カスタマージャーニーマップを活用し、予約プロセス中の混乱を引き起こす要因を特定し、それを解消することで予約完了率を高めることが可能です。
3.マーケティング施策を効率的に立案できる
カスタマージャーニーマップは、ユーザーがどのタッチポイントでエンゲージメントを示すかを理解するのに役立ちます。これにより、どのタッチポイントが最も影響力があるかを理解し、マーケティングリソースを最も効果的な方法で配分することができます。
例えば、食器棚メーカーの株式会社パモウナでは、Webサイトのリニューアルを検討する際に、カスタマージャーニーマップを用いて顧客の購買プロセスを詳細に分析しました。まず、食器棚の購入者や購入検討者へのインタビューを実施し、店舗でのユーザー行動を観察するなどして、ペルソナ像を明確にしました。その後、現状の顧客体験(AsIs)と理想的な顧客体験(ToBe)のカスタマージャーニーマップを作成し、具体的な改善策を導き出しました。このアプローチにより、Webサイトのコンバージョン率を199%向上させることに成功しています。
4.組織やチーム内の共有認識を形成できる
カスタマージャーニーマップは、チームメンバー間で顧客の体験に関する共通の理解を築くのに役立ちます。これにより、チーム全体が一貫した顧客中心のアプローチを取ることができます。
例えば、株式会社ロフトワークでは、新卒採用向けWebサイトのリニューアルに際して、就職活動中の学生のカスタマージャーニーマップを作成しました。このプロセスでは、就活生自らが参加するワークショップを通じて、彼らの行動や感情をマッピングし、課題を抽出。これにより、Webサイトの方向性を定め、社員全員が就活生向けのコンテンツの必要性に気づくことができました。
5.継続的なサイト改善を促進できる
カスタマージャーニーマップは、ウェブサイトのパフォーマンスを定期的に評価し、ユーザーのニーズや行動の変化に応じてサイトを改善するためのフレームワークを提供します。
例えば、レゴブロックで有名なLEGO社では、Webサイトの運営指針を定めるためにカスタマージャーニーマップを作成しました。ユニークなホイール型のマップを用いて、「Before(サービス体験前)」「During(体験中)」「After(体験後)」の3つのフェーズに分け、顧客行動をマッピング。このマップを通じて、Webサイトでの再訪率・回遊率を高める戦略を立てることができました。
上記のように、カスタマージャーニーマップの活用法を理解し、メリットを活かすことで、自社のWebサイトがユーザーにとってより魅力的で使いやすいものになり、ビジネス目標の達成にも寄与するでしょう。
カスタマージャーニーマップをWebサイト設計に活かす際の注意点と対策
カスタマージャーニーマップをWebサイト設計に活かす際には、以下のような注意点と対策を考慮することが重要です。
- リアルなユーザーデータを使用すること
- 全てのユーザーが対象となるマップを作成すること
- 定期的に更新と改善を繰り返すこと
- 関連部署と連携すること
- アプションプランを策定すること
それぞれ解説します。
1.リアルなユーザーデータを使用すること
カスタマージャーニーマップを作成する際には、実際のユーザーデータやフィードバックを基にすることが重要です。
仮定や推測に基づいて作成されたマップでは、実際のユーザー体験を反映しない可能性があるため、十分な注意が必要です。
2.全てのユーザーが対象となるマップを作成すること
一部のユーザーの体験だけに焦点を当てると、他のユーザーグループのニーズを見落とすことがあります。
そこで、異なるペルソナに基づいた複数のジャーニーマップを作成することで、より包括的な理解を得ることが可能です。
3.定期的に更新と改善を繰り返すこと
ユーザーの行動や期待は、時間とともに常に変化します。
そこで、カスタマージャーニーマップを定期的に見直し、最新のデータに基づいて更新することが重要です。
4.関連部署と連携すること
カスタマージャーニーマップの作成には、マーケティング、セールス、カスタマーサポートなど、組織内のさまざまな部署の協力が必要となります。
そこで、日頃から部署間のコミュニケーションを促進し、共有認識を形成することが大切です。
5.アプションプランを策定すること
カスタマージャーニーマップは、ただ作成するだけでは不十分です。
そこで、カスタマージャーニーマップから得られた洞察をもとに、具体的なアクションプランを策定し、実行に移すことが重要です。
これらの注意点を踏まえてカスタマージャーニーマップを効果的に活用することで、Webサイトのユーザー体験がより向上し、ビジネス成果が高まるでしょう。
カスタマージャーニーマップをWebサイト設計に活用した事例
カスタマージャーニーマップをWebサイト設計に活用した成功事例はいくつかあります。以下にその事例をいくつか紹介します。
海外旅行計画者を対象とした事例
出典:https://qualva.com/qualvatics/archive/482/
Airbnbの事例では、Airbnbを利用して宿泊先を探す日本人のペルソナを想定し、宿泊候補を探す、宿泊先を決める、宿泊地に行く、宿泊地を評価するという流れの中で、各タッチポイントにおける行動や思考、感情をマップにまとめています。
食器棚メーカーの事例
出典:https://designalpha.jp/knowledge/ux/cjm/
株式会社パモウナがWebサイトをリニューアルする際にカスタマージャーニーマップを活用し、コンバージョン199%アップに成功しました。
顧客の行動や心理状態をマップに書き表し、課題を明確にした後、理想の状況を想定して具体的な解決策を導き出しています。
採用サイトに活用した事例
出典:https://webtan.impress.co.jp/e/2013/11/27/16409
株式会社ロフトワークが新卒採用向けWebサイトをリニューアルする際に作成したカスタマージャーニーマップの事例です。
ここでは、就活生と企業がワークショップを通じて共同で作成し、就活生の行動や感情をマップにまとめ、Webサイトリニューアルの方向性を定めることができました。
カスタマージャーニーマップを活用したWebサイト設計には株式会社GIGがおすすめ
このように、Webサイト設計にカスタマージャーニーマップを活用することで、よりビジネス効果の高いWebサイトを制作・運営することが可能です。
ただ、カスタマージャーニーマップを作成する際は、ペルソナ設定や各フェーズにおける顧客行動の分析と予測などに専門的な知識と豊富な経験が必要です。
そこで、カスタマージャーニーマップを活用したWebサイト設計を行う際におすすめしたいのが、株式会社GIGです。
株式会社GIGでは、Webマーケティングにおける豊富な成功事例と経験をもとに、顧客視点に立ったマーケティング施策を提案いたします。また、クライアントごとに異なるユーザーの思考や感情、行動を洗い出すことで、ユーザーに最適なコンテンツテーマを検討し、より精度の高い戦略の立案をサポートします。
株式会社GIGは、このようなマーケティングプロジェクトを成功させるための具体的なノウハウを提供できるのが強みです。
株式会社GIGは、ナショナルクライアントからスタートアップまで、Webコンサルティング、UI/UXデザイン、システム開発など、DX支援をおこなうデジタルコンサルティング企業です。
また、45,000人以上が登録するフリーランス・副業向けマッチングサービス『Workship』や、7,000人以上が登録するデザイナー特化エージェントサービス『クロスデザイナー』、リード獲得に必要な機能を備えたCMS『LeadGrid』、UXコンサルティングサービス『UX Design Lab』などを展開しています。
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