ABテストの実施方法を4ステップで解説。成果を出すコツから便利ツールまで|東京のWEB制作会社・ホームページ制作会社|株式会社GIG

ABテストの実施方法を4ステップで解説。成果を出すコツから便利ツールまで

2023-07-09 制作・開発

Webマーケティング分野で働く方なら、サイトのCVR改善などに頭を悩ませた経験があるのではないでしょうか。その際に有効な手法のひとつがABテストです。

この記事では、数多くの企業のマーケティング支援をおこなってきた当社が、ABテストの方法や成果を出すコツ、便利なツールについてまとめてご紹介します。

ABテストとは

ABテストとは、マーケティング手法の一つで、特定のページや広告などで複数のバリエーション(Aのページ/Bのページ)を用意して同時に、または期間をわけて配信することで、どちらがより効果的かを比較検証する方法です。

たとえばWebサイトのランディングページにおいて、ボタンの色やコピーの文言を変えた2つのバージョンを作成し、訪問者にランダムに表示します。そうすることで、どちらのバージョンのほうがコンバージョン率が高いのかなどを分析できます。

この手法は、パフォーマンスの高いページまたはコピーやクリエイティブを見つけるのに用いられ、効果的な施策の実施に役立ちます。

実際にABテストを実施検証した事例をまとめた記事は以下です。


CV最大化のためのABテストはどうやる? Workship MAGAZINEの事例をもとに紹介|東京のWEB制作会社・ホームページ制作会社|株式会社GIG

今回はCVを最大化させるためのABテストについて、事例をもとに『Workship MAGAZINE』編集長の内田 一良(じきるう)さんにお話いただきました。

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ABテストの実施方法

ABテストを正確に実施できれば、ユーザーの反応がよい効果的なクリエイティブを選ぶことが可能になります。

ABテストは以下のステップで進めます。

1. 仮説を立てる
2. クリエイティブを制作する
3. テストを実行する
4. 効果を検証する

Step1. 仮説を立てる

ABテストをはじめる際の最初のステップは、明確な仮説を立てることです。

仮説を立てる際は、仮説が具体的で測定可能であること、そしてビジネス目標に直結するかを考慮しましょう。

漠然とした仮説では、テストの結果がどう解釈されるべきかが曖昧になり、効果的な改善ができなくなる可能性があります。仮説の設定は、ABテストの方向性を決定づける重要なプロセスであり、慎重に行う必要があります。

Step2. クリエイティブを制作する

次にクリエイティブを制作します。ここで指す「クリエイティブ」とは、テスト対象となるデザインやコンテンツのことです。

クリエイティブは、ボタンの色やCTA(成約を促す訴求文)の文言など、変更したい要素に焦点を当て、異なるバージョンを用意します。クリエイティブ制作時に重要なのは、テストする要素以外はできるだけ統一し、変更点の影響だけを正確に測定できるようにすることです。

このステップでの作業は、デザイナーやライターとの連携が求められる場合もあるため、計画的に進めることが求められます。このステップを丁寧に行うことで、ABテストの精度を高め、より信頼性のある結果を得ることが可能となります。

Step3. テストを実施する

仮説をもとにクリエイティブを作成したら、テストを実施します。

テストをはじめる前に、目標とするサンプルサイズ(調査対象者数=広告閲覧者数やサイト訪問者数など)やテスト期間を明確に設定する必要があります。サンプルサイズが小さすぎると結果の信頼性が下がるため、どのくらいの期間でどの程度のサンプルサイズが得られるかを事前に検討しておきましょう。

クリエイティブの配信や分析にはツールを使用することで、配信の自動化やリアルタイムでのデータ収集が可能になります。テストの進行状況に注意を払い、予期せぬトラブルに迅速に対応できる体制を整えることも大切です。

Step4. 効果を検証する

最終ステップでは、収集したデータをもとに、仮説が正しかったのか、クリエイティブの反応はどうだったのかを分析します。

この段階で重要なのは、データを正確に解釈することと、その結果をどう活用するかの戦略を立案することまでセットで行うことです。

具体的な数値だけでなく、ユーザーの行動パターンや反応の背後にある心理も考察し、今後の改善点や新たな仮説の立案につなげます。ここでは、単なるデータ解析の知識だけでなく、マーケティングの視点からの深い洞察が求められます。

ここでは効果検証を最終ステップとしましたが、実際には検証結果をもとに再度Step1に戻り、次なる改善へのスタート地点へ戻ります。

何度も検証と実施を繰り返すことで、より質の高いマーケティング成果が得られることを理解しておきましょう。

ABテストの方法は3種類

ABテストには複数の種類があり、テストの目的や対象に応じて適したテスト方法は異なってきます。

同一ページ内での変更を検証するテストから、複数ページにまたがる大規模なテスト、さらには多変量テストまで、さまざまなケースに対応する方法が存在します。

より精度の高い分析を行うには、適切なテストタイプを選ぶことが重要です。

1. 同一ページで行うテスト

同一ページで行うテストとは、一つのウェブページ上(同じURL)でテスト対象のみを変更して、その効果を検証するテスト方法です。

ここではボタンの色や文字の大きさなど、クリエイティブにおける細かい要素の変更が対象となります。

このテスト最大の利点は、ソースコードも書き換えがほとんど不要なため、工数や時間があまりかからないこと。また、同一ページで行うテストのため、結果を比較しやすく分析が容易です。

しかし、大きな変更をテストする際には、この方法だけでは限界があることも理解しておく必要があります。

2. 複数ページにまたがるテスト

複数ページにまたがるテストのことを「ファネルテスト」と呼びます。このテストは、同一ページ内の要素だけでなく、一連の遷移先となる複数のWebページにわたってテスト対象の要素を切り替えることで、各ページにおけるクリック率など比較するテストです。

たとえばECサイトであれば、LP(ランディングページ)や商品一覧ページから、商品詳細ページや商品購入ページへと進む過程で、ユーザーは商品を購入したり途中で離脱したりします。

一連のページ遷移内で複数のページの要素を切り替えて、各ページ遷移ごとのパターンをテストするのがこの方法。「サイト訪問から購入まで」など、ユーザー体験の一連の流れをテストすることが可能です。

ファネルテストの注意点として、テストパターンの数が増えるほど必要なトラフィックが多くなるため、結果を得るのに時間がかかるという点が挙げられます。

3. 多変量テスト

多変量テストとは、同じページ内にある複数の要素を切り替えてテストする手法です。

たとえばヘッダー・画像・ボタンなど、ページ内の複数の要素に対して異なるバリエーションを設定し、それらの組み合わせごとに効果を測定します。

この手法の利点は、複数要素の相互作用を理解し、最適な組み合わせを見つけられる点にあります。一方で、テストする要素とバリエーションの数が増えると、必要なサンプルサイズも大きくなり、テストに時間がかかるという点には注意が必要です。

そのため多変量テストは、どの要素や組み合わせをテストすればよいのか判断しかねている場合にもおすすめです。しかし、実施には高い専門知識と十分なトラフィックが必要なため、初心者には難しい場合があることも理解しておくべきでしょう。

ABテストのメリット

マーケティング手法のなかでも、ABテストにはメリットが多くあります。

メリット1. 実施のハードルが低い

ABテストのメリットとして、実施ハードルが低いという点が挙げられます。

ABテストは、2つ以上のパターンを作り、どちらがより高いエンゲージメント率やCVRを出すのかを比べるというシンプルな効果検証の手法です。そのため、特別な技術や高度なマーケティング知識がなくとも、基本的な方法を理解すれば簡単に実施できます。

また、ABテストが容易にはじめられるツールも多く、初心者でもスムーズにテストを進めることが可能です。

この低いハードルが、多くの企業や個人がABテストを取り入れる大きな理由となっています。短期間でフィードバックが得られるため、迅速な改善や最適化が期待できます。

メリット2. 低コスト/低リスクで実施できる

ABテストのもう一つの魅力は、低コスト/低リスクで実施できる点にあります。

多くの場合、既存のプラットフォームや無料のツールを使用してテストをおこなえます。そのため、資金が十分ではない中小企業やフリーランスでも導入しやすいといえるでしょう。

また、良いテスト結果が得られたものだけ変更して、結果が芳しくないものは元に戻すことができるのも特徴。大規模な制作やリニューアルと比べ、大きな失敗をするリスクを避けられます。

ABテストのデメリット

ABテストにはデメリットも存在するため、実施にあたっては慎重な計画と準備が必要となります。

このセクションでは、ABテストのデメリットに焦点を当て、具体的な課題とその対処法について解説します。

デメリット1. 一定数以上のアクセスが必要となる

ABテストのデメリットとして、一定数以上のアクセスが必要となる点が挙げられます。

この手法は、ユーザーの反応を比較するため、十分なサンプル数が不可欠です。アクセス数が少ない場合、結果の信頼性が低くなり、誤った判断を下すリスクが高まります。

とくに、新しいWebサイトや小規模なサービスでは、この問題が顕著になることが多いです。適切なサンプルを確保するために広告を出稿したり、コンテンツを増やしたり、他の分析手法との組み合わせたりなど、事前の準備が求められるでしょう。

デメリット2. 継続的に実施する必要がある

ABテストのデメリットとして、継続的な実施が必要になる点が挙げられます。

適切なテストを行うためには、サンプル数が必要になるため、2週間以上の実施が必要になることも。また、一度のテストで得られた結果が有効であっても、市場の動向やユーザーのニーズは常に変化しています。そのため、長期的にパフォーマンスをあげるためには、継続的にテストを繰り返す必要があります。

実施ハードルが低いとはいえ、継続的に実施することの労力やコストも無視できない問題になります。マーケティングの人的リソースが限られている場合、このデメリットは計画の立案や実施において慎重な配慮を必要とするでしょう。

ABテストを実施するタイミング

ABテストは、以下のように、特定の問題が発生した際や、改善の余地が見られる場合に取り組むのが一般的です。

コンバージョン数が増えない

コンバージョン数が増えないとき、ABテストは効果的な手段となります。

コンバージョン数は、ボタンの色やコピーなど、些細な違いで大きく影響されることも。ABテストをもちいることで、どの要素がコンバージョンへの障壁となっているのかを特定できる可能性があります。

コンバージョン数が少ない場合、デザインやコンテンツが適切か見極めるために、ABテストを実施したほうがよいと言えるでしょう。

LP(ランディングページ)からの離脱率が高い

LP(ランディングページ)からの離脱率が高いときも、ABテストを実施すべきタイミングだと言えるでしょう。LPは訪問者を顧客へと転換するための重要なページのため、離脱率の高さは、売上に反比例します。

ABテストを行うことで、訪問者が離脱する原因を分析できます。

テストの結果をもとに、ページのデザインやコンテンツ、ナビゲーションなどを最適化し、訪問者が求めている情報やサービスに素早くアクセスできるように改善することが重要です。

ファーストビューの要素が多い

サイト訪問者が最初にみるファーストビューに要素が多い場合、ABテストを実施することで要素の取捨選択や最適な組み合わせを検討できます。

ファーストビューとに情報が過剰に詰め込まれていると、訪問者は混乱してしまう可能性があります。

ABテストを実施することで、どの要素が訪問者の興味を引き、どの要素が逆効果であるのかを判断できるため、分析結果をもとに改善することで離脱率の低下やCVRの向上が見込めるでしょう。

ABテストツールの紹介

効果的かつ簡単にABテストが実施できるようになるツールをご紹介します。

名称公式URL提供会社
Juicerhttps://juicer.cc/ログリー株式会社
KAIZEN PLATFORMhttps://kaizenplatform.com/株式会社Kaizen Platform
Sitesthttps://sitest.jp/株式会社グラッドキューブ
Ptenginehttps://www.ptengine.jp/株式会社Ptmind
KARTE Blockshttps://blocks.karte.io/株式会社プレイド


なお、ABテストのツールとして有名だった「Google Optimize」は、2023年9月30日をもってサポート終了することが発表されています。(参照元:Google オプティマイズのサポート終了 - Optimize ヘルプ)

ツールの乗り換えを検討中の方も、参考にご覧くださいませ。

Juicer

Juicerトップページ▲出典:Juicer

・ツール名:Juicer
・URL:https://juicer.cc/

Juicerは、ログリー株式会社が提供するABテストツールです。初心者でもカンタンに操作できる、ビジュアルエディタがJuicerの特徴です。

ABテスト以外にも、ペルソナ分析やNPS、BtoB分析などの基本機能が無料で利用でき、有料機能としては「データ活用プラン(月額20万円~)」や「DMP分析レポートプラン(月額5万円~)」などがあります。

Webサイトの改善を目指すマーケティング担当者のなかでも、A/Bテストに不慣れな初学者の方にとくにオススメのツールです。

KAIZEN PLATFORM

KAIZEN PLATFORMトップページ▲出典:KAIZEN PLATFORM

・ツール名:KAIZEN PLATFORM
・URL:https://kaizenplatform.com/

KAIZEN PLATFORMは、マーケティング活動をトータルサポートしてくれるプラットフォームです。A/Bテストのほかにもヒートマップツールやアクセス解析ツール、パーソナライズ機能なども用意されています。

導入から運用定着まで、コンサルタントがサポートしてくれるのも特徴です。そのぶん、月額料金は類似サービスと比べて高価ですが、継続的なサイト改善をひと手間で改善したい企業にはオススメのサービスと言えます。

資金的に余裕はあるが、サイト改善のリソースが社内にない企業に向いているツールと言えるでしょう。具体的な利用料金は、公式サイトからのお問合せが必要です。

SiTest

Sitestトップページ▲出典:SiTest

・ツール名:SiTest
・URL:https://sitest.jp/

Sitestは、ABテストだけでなく、ヒートマップ解析やEFO(入力フォーム最適化)などの機能を搭載している、LPO(ランディングページ最適化)に特化したオールインワンツールです。

知識や経験が少ない初心者の方でも扱いやすい操作画面が特徴。ウェブサイト全体のアクセス状況や、ページのヒートマップ解析結果をレポートで出力できるため、分析結果の把握や共有もしやすいツールと言えます。

料金プランについては、公式サイトからのお問合せが必要ですが、LPからのコンバージョン率向上を図りたい方にはオススメのツールです。

Ptengine

Ptengineトップページ▲出典:Ptengine

・ツール名:Ptengine
・URL:https://www.ptengine.jp/

Ptengineは、タグを一つ設置するだけで、ヒートマップやアクセス解析までおこなえるツールです。ABテストなどで使うクリエイティブもノーコードで実装できるうえに、分析画面も見やすいため、初心者の方でも効率的にWebサイトの改善ができる仕様になっています。

Ptengineには無料で使いはじめられるプランもありますが、アクセスボリュームによって月額料金が変動します。

クリエイティブ作成にかけるコストがない企業や、とにかくスピード感をもって施策を実行したい企業にオススメのツールです。

KARTE Blocks

KARTE Blocksトップページ▲出典:KARTE Blocks

・ツール名:KARTE Blocks
・URL:https://blocks.karte.io/

KARTE Blocksは、ABテストなどの各種施策や定量的なアクセス分析、ユーザー行動分析が可能となるオールインワンツールです。KARTE Blocksの特徴は、施策の実行からパーソナライズまでノーコードで実装できる操作性の高さにあります。

利用料金は、初期費用10万円に加え、12万5000円から計測PVによって変動する仕様になっているため、詳細は公式サイトからのお問合せが必要です。

KARTE Blocksは、ノーコードで簡単にABテストを実施したい企業や、エンジニアの工数を削減したい企業にオススメのツールと言えます。

ABテストの支援はGIGにお任せください

ABテストは、初心者でもはじめやすいマーケティング手法の一つです。成果に直結する分析がおこなえるという点で、コンバージョン数を向上させたいWebサイトなどをお持ちの方は、ぜひ一度試してみてください。

しかし、ツールの導入やクリエイティブの作成、継続的な運用などにハードルを感じている方もいらっしゃるかもしれません。

GIGでは、豊富な経験と深い知識をもつ専門家が、企業のマーケティングをサポートしています。ABテストの実施から分析、施策立案に至るまでご支援し、企業ごとのニーズに応じた最適な戦略を提供します。

「コンバージョンの高いWebサイト・Webアプリを作成したい」という方は、GIGまでお気軽にお問い合わせください。

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