KPIツリーとは? 作成手順やKPI・KGIとの違いを解説|東京のWEB制作会社・ホームページ制作会社|株式会社GIG
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KPIツリーとは? 作成手順やKPI・KGIとの違いを解説
2023-04-08 制作・開発
大きな目標を達成するために、必要なタスクを分析・図式化することは、チームメンバーへの理解を促すと同時に、業務改善や状況把握にも役立つはずです。
たとえば「売上の倍増」のような大きな目標に向かうためには、どのようなプロセス・タスクが必要なのか、図を見ただけで一目で現状を把握できるようにしたいものです。
そのような際によく活用されるのが「KPIツリー」です。
近年ではデータにもとづいて意思決定を行う「データドリブン」を推し進める企業も増えている印象ですが、データドリブンにも「KPIツリー」はぜひ活用すべきものだといえます。そこで今回はこの「KPIツリー」について解説します。
KPIツリーとは
KPIツリーとは、最終目標のKGIを達成するために必要な要素となるKPIをロジックツリー(樹形図)で可視化したもの指します。
ただ、KPIツリーを作成するにあたり、そもそもの要素として「KPI」と「KGI」、また両者の違いなどは最低限把握しておくことが求められます。それぞれの定義をここで確認しておきましょう。
KPIとは?
KPIとは、「Key Performance Indicator」の略称で、日本語では「重要業績評価指標」または「重要達成度指標」と訳されます。目標達成に至るまでの「プロセス(過程)」を数値化し、目標達成度を測る指標のひとつです。
「業績の向上」「顧客満足度の向上」「ブランド力の強化」など、企業活動を行ううえではさまざまな目標が存在しますが、このようなどこか抽象的な目標に対して、達成度の評価基準を明確に定めることは難しいものです。
こうした抽象的な目標をより明確にするために、KPIというカタチで指標を定め、目標の達成度合いを可視化することが昨今の主流となりつつあります。
また、目標達成までの「プロセス(過程)」で評価基準を設けて分析を行うことを「KPI分析」と呼びます。最近では、Webマーケティングをはじめ、営業や製造業、小売業などさまざまな現場でも活用されている分析手法のひとつです。
KGIとは?
KGIとは「Key Goal Indicator」の略称で、ビジネスの最終的な目標の達成度合いを定量的に表す指標のことを指します。日本語では、「重要目標達成指標」と訳されることが多いです。
もう少しわかりやすくいえば、「すべての目標の最終到達地点」となるような指標のことです。たとえば、「売上高」は、KGIとしてもっとも典型的な指標のひとつとなります。
基本的にKGIには、経営理念や企業が掲げるビジョンなどをもとに設定することになります。
高い目標を持つことは大切ですが、同時に達成可能な数値でなければ意味がありません。具体的な数値で、かつ現実的なKGIを設定するように心がけましょう。
KPIとKGIの違い
両者の違いは、KPIが「中間目標」であるのに対し、KGIは「最終目標」の指標という部分です。 つまり、KPIを達成せずにKGIを達成することはできないといえるでしょう。
KPIとKGIは互いに相関関係にあるため混同しがちですが、この2つの違いについてはしっかりと把握したうえで、KPIツリーを作成することが不可欠です。
KPIツリーを作成するメリット
KPIツリーを作成するメリットはたくさんありますが、とくに大きな効果が得られると筆者が思うポイントを解説します。
メリット1. 指標や目標が明確になる
KPIツリーは、定めた目標へたどり着くための道しるべとなるものです。KGI達成のためにどのような要素を満たす必要があるのか、自社に不足しているものは何か、日々どのような成果を積み上げる必要があるのかなど、必要なアクションを具体化できます。
また、各KPIの関連性も見えやすくなるため、KGIを達成するまでのプロセスで迷うことも少なくなり、全体像の理解もしやすくなります。プロジェクトメンバー全員で共通の目標を持ちやすくなるはずです。
メリット2. ボトルネックを早期発見できる
KPIツリーを作成することで、KGIの達成を妨げるボトルネックの早期発見につなげることができます。
たとえば、売上アップのためにWeb広告を出稿した結果、アクセス数は増えているが、問い合わせは想定より増えないといったことはあるかと思います。
この場合、KPIツリーを作成していれば、「問い合わせフォームの入力完了率」が低いことが原因で、問い合わせ数が思ってる以上に伸びていないなど、問題の原因が見えてきます。
ボトルネックは、適切に現状を把握できていなければ発見が遅れてしまいがちです。KPIツリーで指標を細分化して可視化できていれば、どこの数字に問題があるかが明確になり、労力を割くべきポイントもわかってきます。
メリット3. データが可視化され効果検証がしやすい
KPIツリーでは、最終的に達成する目標までのプロセス・タスクが細分化されるので、よりピンポイントで精度の高い数値が入手でき、かつ適切な効果検証を実施することができます。
事実にもとづくデータは説得力が増すため、上長の意思決定を促すことにもつながるはずです。
そのためにも、KGI達成に向けたKPIに間違いがないかは定期的に振り返り、改善を繰り返す必要があるでしょう。
KPIツリーの作成手順
メリットについても把握していただいたところで、ここからは具体的なKPIツリーの作成手順について解説します。
手順1. KGIを設定する
KPIツリーとはいうものの、まずはKGIを設定するところがスタートです。KPIツリーは、KGIを起点として要素の洗い出しやタスクの細分化を行っていくものなので、KGIが決まっていなければそもそも作成できません。
ビジネスの最終的な目標(ゴール)はどう設定すべきなのか、自社の描く未来やビジョンに沿ってKGIを設定しましょう。
手順2. KGIを構成する要素を順に洗い出す
KGIが決まれば、次のステップとしてKSF(成功要因)を抽出する作業が必要です。
KSFとは、「Key Success Factor」の略称で、目標を達成するための要因となるような出来事のことを指します。日本語では、「重要成功要因」と訳されます。
たとえば、売上を倍増させるというKGIを設定するのならば、「新規顧客の増加」や「既存顧客のリピート率増加」などがKSFとして抽出されるでしょう。
ビジネスシーンで目標やゴールを設定する場面では、それを達成するための成功要因はひとつとは限らず、複数の成功要因を洗い出すことが求められます。
また、目標達成のためにマイナスになってしまう要因をあげることも重要で、マイナス要因を改善する方法なども同時に検討できればベストです。
手順3. 「SMART」を活用してKPIを設定する
KSFの抽出まで完了すれば、その要素に適したKPIを検討する必要があります。KPIを検討するうえで意識すべきフレームワークとして、「SMART」と呼ばれるものが存在します。
「SMART」とは、KGIを達成するために必要なKPIの設定に役立つ以下の5つの要素の頭文字を取ったものです。
・Specific(明確な)
・Measurable(測定可能な)
・Achievable(達成可能な)
・Relevant(関連した)
・Time-bounded(期限が定められた)
それでは具体的に「SMART」の中身を確認してみましょう。
【Specific(明確な)】
KPIとして設定する指標からあいまいさをなくし、だれが見ても一目でわかるような明確かつ具体的な数値を設定することを指します。そうすればメンバー全員で同じ目標を共有でき、かつ同じ目標に向かった行動がとれるはずです。
【Measurable(測定可能な)】
KPIを、一定期間内で測定可能な指標にすることを指します。定量的かつ測定可能な指標にすることで、各期間やメンバー間で比較ができ、改善策も立てやすくなります。
【Achievable(達成可能な)】
KPIは、達成可能な指標であることが求められます。あまりにも現実とズレすぎたKPIだと、メンバーのモチベーションの低下をまねき、かつ過剰な業務負荷をかけるおそれもあります。
過去に同様の実績などがあればそれを参考に、現実的に達成可能な目標設定を行いましょう。
【Relevant(関連した)】
KGIとKPIの各指標は関連している必要があります。KGIとの関連性が低いと、KPIを達成してもKGIへの貢献度が低くなり、KPIを設定する必要性がなくなってしまいます。
KPIとKGIとの関連性は常に意識することが重要です。
【Time-bounded(期限が定められた)】
どんなタスクでも期限が定まっていないものは基本的にはありませんが、「いつまでにどれだけの成果を上げたいのか」といった期限を具体的に定めるようにしましょう。
同じ目標でも1ヶ月で達成するのと、1年後に達成するのとでは、大きく意味が異なります。期間がかかり過ぎると、競合他社に先を越されるかもしれませんし、費用対効果に見合わない結果につながる恐れもあるでしょう。
手順4. ロジックツリーで可視化する
要素の洗い出し、KPIの設定が完了したら、それらをロジックツリーで可視化していきます。
ロジックツリーとは、問題や課題を分解して樹形図のカタチにしたものです。KPIのロジックツリーとなる「KPIツリー」では、頂点に「KGI」を設定し、ツリーの枝葉として各「KPI」を配置していく構成となります。
KPIツリーでは、KGI達成のために必要なKPIをロジックツリーで分解します。これによってどんなKPIを設定すれば良いのかがひと目で分かり、目標を達成するためのプロセスが見えやすくなります。
また、KPIツリーで関係性や構成が把握しやすくなれば、KPIの進捗状況や改善案の検討もかんたんになるでしょう。
手順5. KPIツリーを見直し、修正する
KPIツリーでは、いくつものロジックパターンを作り出すことができます。
たとえば、売上金額を「商品購入者数×一人あたりの平均購入金額」と分解することもあれば、「新規購入者からの売上金額合計+リピーターからの売上金額合計」と分解することも可能です。
どちらが正しいかどうかではなく、いくつものアプローチがあるということです。
そして、KPIツリーに数値をあてはめて実際に運用を開始してみると、どの数値がKGIに影響を与えているのかが、少しずつ明確になってきます。
つまり、KPIツリーは一度作ってそれで完成というものではありません。定期的に見直し、修正を加えていく必要があります。
KPIツリーを作成する際のコツ
ボトルネックや課題の早期発見にも役立つKPIツリーですが、業務で十分に活用するためには、ある程度の作り方のコツを抑えておきたいところ。最後にKPIツリーの作り方のコツについて解説します。
コツ1. 四則演算できる要素にする
すべてのKPIでは、四則演算(足し算・引き算・掛け算・割り算)を用いて作成することが求められます。
たとえば、「オンラインショップのアクセス数」をKGIに設定する場合、アクセス数を増やすための手段である「SNS流入+新聞広告流入+Web広告流入+メルマガ流入」などのKPIを足し算してアクセス数を算出することになるでしょう。
KPIの数値を積み重ねることで、KGIの目標を達成できるようにするためには、四則演算できる要素でKPIツリーを作ることが求められます。
コツ2. 単位に注意する
KPIツリーで結びついているKPI同士は同じ単位でないと、ツリーの辻褄が合わなくなることがあり、論理が成立しなくなりますので注意が必要です。
たとえば営業職で、受注数の単位が「件」となるケースでは、商談数やテレアポ数についても、同様に単位は「件」で統一する必要があります。
単位を設定することで間違いを最小限に抑えることにもつながり、KPIの数値管理もやりやすくなります。
コツ3. 遅行指標と先行指標を把握する
遅行指標とは、結果より遅れて発生する指標のことを指し、先行指標とは、結果が出るより前に現れる指標のことを指します。
KPIツリーでは、ツリーの上流に近づくほど遅行指標の傾向が強くなります。その理由は下流に位置するKPIの成果の積み重ねが、ツリーの上流に位置するKPIやKGIの達成に必要なためです。
KPIツリーを作成する際には、KGIに近い上流のKPIほど遅行指標に、KGIから枝分かれした下流のKPIほど先行指標になっているかを確認しましょう。
コツ4. 優先順位を明確にする
KGIを達成するためには、基本的には複数のKPIを設定する必要があります。しかし、そうすればKPIがいくつも乱立することになるので、タスクの優先順位は明確にしておきましょう。
またタスクの優先順位は、チームメンバー全員で共有できておかなければなりません。どこから手をつければ良いのか分からず、個人の判断でタスクを進めてしまうのはとてもリスキーです。
メンバー全員がタスクの優先順位を共有したうえで、プロジェクトを進められるように心がけましょう。
コツ5. 要素の重複に注意する
KPIツリーを作成する際には、重複した要素をKPIとして設定することはなるべく避けるようにしましょう。
タスクが重複すると、効率性や生産性の低下につながるだけでなく、KPIツリーの効果を十分に発揮できなくなります。
ですが、KGIを達成するための手段が複雑な場合には、例外として重複する要素を取り入れるケースもあります。自社の業務内容やKGIを考慮したうえで、柔軟に対応することが求められるでしょう。
KPIの設定、ツリーの作成支援はGIGにお任せください
KPIツリーを作成することで、目標や目的、ボトルネックなどが明確化され、効果検証がしやすくなります。
ですが、必ず四則演算ができる要素にする必要があったり、単位をそろえる必要もあったりと、ある程度の作成のコツを知っておく必要はあります。
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