Webサイト改善の進め方5ステップ。分析に役立つツールも解説|東京のWEB制作会社・ホームページ制作会社|株式会社GIG
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Webサイト改善の進め方5ステップ。分析に役立つツールも解説
2023-04-09 制作・開発
当初想定していたよりもWebサイトで成果が上がらない場合、Webサイトの改善に取り組むのは王道の戦略です。一方で「改善といっても、具体的にどう改善すべきかわからない」と悩んでいる担当者の方も多いのではないでしょうか。
成果につながる改善を実施するためには、現状の問題点をきちんと把握したうえで、適切な施策を打つ必要があります。
そこで今回は、Webサイトを適切に改善するための進め方や注意点、分析に役立つ解析ツールなどもあわせて解説します。
Webサイト改善で重視すべき3つの指標
Webサイトを作ってみたものの、思うような成果が出ていないケースでは、まずは以下の3つの指標をもとにデータ分析を行い、課題を明確にするところからがスタートです。
指標1. リピート訪問率
リピート訪問率とは、1人あたりのユーザーがWebサイトを何回訪れているかを示す指標となります。Webサイトのコンバージョンを増やすためには、このリピート訪問率を高めることが不可欠です。
リピート訪問率が低いケースでは、ユーザーが何度も訪れたくなるようなWebサイトになっていない可能性が高いといえます。そのため、まずはUI/UX、コンテンツなどの見直しが必要となります。
▼リピート訪問率の計算方法
リピート訪問率 = セッション数 / ユーザー数
・セッション数:ユーザーがWebサイトに訪問した回数のこと
・PV数:ユーザーがWebサイトに訪問してページを見た回数のこと
指標2. ページビュー(PV)・セッション
PV・セッションは、ユーザーがWebサイト内をどれだけ訪問、回遊したかを測る指標で、これを最重要視するWebサイトも少なくありません。
もちろんPVは多いほうがいい一方、PVの多い原因がWebサイトの構造や使い方などが分かりづらかったり、情報を閲覧するのに何度もページを移動しないといけない仕組みになっていたりと、使い勝手が悪くユーザーに不便な思いをさせた結果という可能性もあります。
そのため、直帰率やコンバージョン(CV)率など、ほかの指標もあわせて確認することをおすすめします。
▼ページビュー・セッションの計算方法
ページビュー・セッション = ページの閲覧数 / サイト訪問回数
指標3. コンバージョン(CV)数・率
CVとは、Webサイト上で商品の購入や問い合わせ、資料請求などのアクションを起こすこと。CV数は単純にCVが出た数で、CV率はアクセス数に対するCVの割合を示す指標です。
CVが低調な場合、PVなどが売上や成約に直結していないといえます。逆に高い場合は成果が出ているWebサイトといえるため、Webサイトの成果を測るために重要な存在です。
▼コンバージョン率の計算方法
コンバージョン率 = コンバージョン数 / セッション数
Webサイト改善の5ステップ
ここからはWebサイトの具体的な改善ステップについて解説します。Webサイトの改善は、大きく以下の5つのステップに分けられます。
1. 現状を分析する
2. 課題を洗い出す
3. 改善案を立案する
4. 改善案を実施する
5. 効果を測定する
Webサイトの改善においても、現状分析~改善・測定までのサイクルを繰り返し、PDCAをまわすことで、より成果につながるWebサイトの構築が可能になります。
STEP1. 現状を分析する
まずは、現状の問題点を分析するところからはじめましょう。そこからボトルネックを発見し、それらを改善する施策を実施することで、成果が出しやすくなります。
しかし、現状分析は地味ですが大変な作業です。とくにWebサイトのコンテンツがすでに多い場合、現状分析だけで一大プロジェクトになってしまうケースも想定されます。また現状分析は改善施策を出すための手段でしかないため、分析だけして満足しないようしましょう。
以下では、現状分析のフェーズで追うべき指標やポイントをまとめました。
■閲覧数
Googleアナリティクスに代表されるアクセス解析ツールを活用し、現状のPVやセッション、ユーザ数を把握することは必須です。これらの数字が以前より減っているのか・増えているのかといったように全体の動きも確認しましょう。
■ユーザー属性
こちらもアクセス解析ツールで確認できます。Webサイトに訪問したユーザーの年齢や性別、新規ユーザーとリピーターの割合などを確認します。
Webサイト作成時には、ペルソナなどを設定して訪問ユーザーの属性を洗い出しますが、本来目的とする属性の方の訪問が少ないケースも想定されます。その場合は、コンテンツの内容見直しやペルソナの再設定などが必要となるでしょう。
■使用デバイス
どのようなデバイスからWebサイトに訪問しているかを把握することも大切なことです。パソコンやスマホといったように、デバイス別でのコンバージョン率を比較することで、改善ポイントが見えてくることもあります。
■アクセスタイミング
どの時間帯や曜日にアクセスが多いのか、または少ないのかを把握することで、ペルソナを再設定する手がかりとなるはずです。
また、アクセスが多いタイミングと、Webサイトを定期的に更新するタイミングが合っているかどうかも重要です。
■流入経路
訪問ユーザーが、どのメディアを通じてWebサイトを訪れているのかも把握しておく必要があります。
今の時代はSNSからの流入が多くなっているため、SNSマーケティングを強化する施策は優先的に行う必要があるでしょう。
■流入キーワード
流入キーワードを確認する際には、Googleサーチコンソールというツールを使うことが多くなります。
検索で使われたキーワードを調べることで、訪問者が何を求めてWebサイトに訪問しているのかが把握できます。また、ユーザーがどれくらい自社のことを認知しているのかを知りたい時にも役立ちます。
■サイト内行動
Webサイト内での、下記のようなユーザの行動を把握することも大切です。
・どのWebページから流入しているのか
・Webサイト内をどれぐらい回遊しているのか
・ユーザーが目的のWebページにたどりついているのか
・どのWebページで離脱しているか
また、アクセス解析ツールだけでなく、ヒートマップツールを使うことで、どこがクリックされているか、どのあたりで離脱しているかなど、1ページ単位でさらに詳細に現状を把握することができます。
■競合調査
競合他社と比べて、自社Webサイトに足りないものがないか確認することも不可欠です。仮に他社と比較して見劣りする箇所がある場合、速やかな改善が必要となります。
また競合調査を行うことで、他社の戦略やユーザーのニーズに関する調査にも役立ちます。
■ヒューリスティック評価
ヒューリスティック評価とは、UI/UXの専門家がその経験則(ヒューリスティック)にもとづいて、Webサイトなどを評価する手法のことを指します。
ヒューリスティック評価のおもな特徴は、決められた観点でチェックを行うことが挙げられます。まずはチェックリストを作成し、そのチェックリストに沿ったカタチでスコアづけをしていくことになります。
専門家からスコア化してもらうことで、自社だけでは発見できなかったボトルネックを見つけるきっかけになるかもしれません。
STEP2. 課題を洗い出す
現状分析が終われば、分析だけして満足しないよう、その分析結果をふまえて自社のWebサイトが抱えている課題を洗い出していきます。
その際に、「何をどの程度改善したいのか」といった明確な目標値を設定することで、よりWebサイトの改善が実のあるものとなるはずです。
ただし目標値を設定する場合、「現実的に自社サイトで達成できる目標か」は十分に気をつけましょう。現実的な目標値を設定するために、「KPI分析」を行ってみるのも選択肢のひとつです。
STEP3. 改善案を立案する
課題の洗い出しが終われば、次は改善案を立てましょう。ここでは代表的なWebサイトの改善案をいくつか解説します。
■表示速度の改善
現代のユーザーは、表示速度の遅いWebページをじっと待ってはくれません。それゆえに離脱率はおのずと高くなってしまいます。
どれだけ優良コンテンツであっても、離脱率が高ければユーザーの目にとまることはないでしょう。また、離脱率が高くなると、今度はGoogleからの評価も下がってしまい、そうなればコストをかけてまでWebサイトを運用する意味すらなくなってしまいます。
そうならないためにも、表示速度の改善は常に意識する必要があるでしょう。
■ファーストビューの改善
ファーストビューとは、ユーザーがWebページを表示した時に、一番はじめに目に入る箇所のことを指します。スクロールしない状態で画面に表示される箇所を指しており、ユーザーの第一印象を左右する重要な要素です。
そのため、ファーストビューで「いったい何が言いたいのかわからない」「情報量が多すぎる」などと感じられてしまうと、離脱率は上がってしまうでしょう。
ユーザーの関心をより引くためにも、ファーストビューでは自社の強みやビジョンを明確に打ち出すことが求められます。
■SEOの内部対策を施す
時間とお金を費やして作成したWebページは、なるべくGoogleの検索結果で上位表示させたいはずです。そのためにはSEOにおける「内部対策」が重要になります。内部対策には大きく2つの効果があります。
ひとつ目は、Googleの検索エンジンにクロール(巡回)してもらい、Webサイトを見つけてもらうこと。Googleの検索エンジンに発見されないことには、検索結果に上位表示されることはありません。まずは発見してもらうことが第一です。
そしてもうひとつは、Googleの検索エンジンにWebページの内容を正しく理解し、評価してもらうことです。
仮にこれらの内部対策が不十分だった場合、ユーザーが求めているコンテンツを作成していても、クローラーが巡回してこなかったり、巡回してきたとしても適切にWebサイトの内容を理解してもらえず、Googleの検索エンジンに正しく評価されなかったりします。
Webサイトの改善にあたっては、再度Googleに正しく評価されやすいWebサイトになっているかどうか見直す必要があるでしょう。
STEP4. 改善案を実施する
Webサイトを分析してあがった改善案は、効果の高いものから順に優先順位をつけて実施しましょう。
大きな効果が見込めるであろう箇所は、ひとつずつ丁寧に改善案を実施し、有効性を正確に把握することが大切です。効果的な施策を優先的に実施し、効率を高めましょう。
STEP5. 効果を測定する
Webサイトの改善案における施策が一通り終われば、数日後には効果測定は行いましょう。しっかりと分析して実施した改善案でも、悪い結果になる可能性もあるので、定期的にチェックすることが求められます。
また改善効率を上げるためには、Google Analyticsにも実装されている「A/Bテスト」を活用することもおすすめです。
■A/Bテスト
A/Bテストとは、Webサイトのコンバージョン率を最適化するための施策のひとつです。一部の要素のみが異なるAパターンとBパターンという2つのWebページを用意し、どちらの方がコンバージョン率が高いかを測定します。
A/Bテストを実施することで、より成果につながるWebサイトへとブラッシュアップできるので、売上アップにもつながるはずです。
Webサイト改善に役立つツール
ここでは代表的なWebサイト改善に役立つツールを紹介します。それぞれの特性を把握したうえで、自社のWebサイトにとって効果的なツールを選定し、活用していくことが大切です。
ツール1. Google Analytics
Google Analyticsとは、Googleから提供されている無料のアクセス解析ツールです。
ユーザーがどこから来て、どのWebページを訪問し、どのぐらいの売り上げにつながったのかなどを可視化できるので、Webサイトの運用を行う際には欠かせない定番ツールです。インターネット上にも多くの情報があり、ほかのGoogleツールとの連携もスムーズです。
また、今まではユニバーサルアナリティクス(UA)と呼ばれるバージョンを使用してアクセス解析を行っていましたが、2023年6月末をもってUAのサービスは停止しました。これからはGoogle Analytics 4(GA4)で解析作業を行う必要があります。
UAとGA4の大きな違いは、計測軸が変わることです。従来のUAはWebページに対するセッションを重要視した計測になっていましたが、GA4ではユーザーの行動を軸に計測する仕様になっています。
そのため、複数デバイスを利用しているユーザーや、Webサイトやスマホアプリを横断しているユーザーの行動をより具体的に解析できるようになっているといえます。
一方、操作が格段に難しくなっていることも事実なので、GA4に特化した解説記事を読み、専門家の意見を聞くことが重要です。
ツール2. AIアナリスト
AIアナリストとは、WACUL社が提供するアクセス解析ツールで、人工知能をもとにWebサイトを解析し、改善案の提案をしてもらえます。
ベースとしてGoogle Analyticsのデータを解析しているため、Google Analyticsとの連携は必要です。
Webサイトの規模にもよりますが、一部の機能は無料でも活用することができます。ユーザー属性の情報やアクセス状況に対して自動でレポートを作成してくれるほか、施策ごとの成果状況を一元管理して確認することも可能。また、自社のWebサイトの解析をもとに、改善案の提案をしてくれる機能も搭載されています。
ツール3. Microsoft Clarity
Microsoft Clarityは、ユーザー行動の分析に特化した無料のヒートマップツールで、ウェブサイトの現状を視覚的に把握できます。
たとえば、Webページ内でユーザーが動かしたマウスの動きを記録することで、ユーザーがどの部分に関心を持っているかなどを確認できます。
逆にユーザーの関心が低い部分もはっきりとさせることができるため、Webページにおける弱点部分の解析にも役立ちます。
ヒートマップツールでは、これらをサーモグラフィーのように濃淡がついたカタチで確認することとなり、ユーザーの行動を客観的・視覚的に把握できるので、ボタンの大きさや配色などデザインを含めた改善につなげることができます。
Webサイト改善の注意点
きちんと現状分析を行い、改善案をもとに施策を施しても、成果が伴わなければ意味がありません。最後にWebサイト改善を行うの際の注意点も解説します。
注意点1. 目的やターゲット層をあいまいにしない
まずは目的やターゲット層をあいまいにせず、明確化させることが何よりも大切です。
目的やターゲット層が明確でなければ、改善した結果が成功しているのか、失敗しているのかの判断すらできません。
Webサイトを改善する目的やWebサイトそのものの目的、数値を使った目標を明確化することで、根本的な軸をズラさず、メンバー全員で分析・改善の施策が考えられるようになります。
注意点2. 主観だけに頼らずデータを活用する
自分の経験や勘だけを頼りに、Webサイトの改善を行っていませんか?
誰かの主観だけを頼りにWebサイトを変えることは避けましょう。何かの要素を変更する際には、きちんと根拠を明確にすることが重要です。
Webサイトの改善には、たしかに感覚的・視覚的な要素からアプローチする定性分析も必要なのですが、データや数値からアプローチする定量分析も不可欠です。
Webサイトでは、ユーザー数やPV数、直帰率・離脱率、CV率まで、あらゆるデータを蓄積できます。これらのデータを活用しないのは損といえ、データ分析を行って定期的に改善案を出していくことが必要です。
またデザインを変更する場合には、ヒートマップツールなどを上手に活用し、ユーザーの動きなどを確認しながら変更を加えていくことをおすすめします。
Webサイトの改善はGIGにお任せください
Webサイトの運営を行っていると、「成果が出ない」や「収益につながらない」など、思っていた効果が得られないことは少なくありません。そのようなケースでは、Webサイトの問題点などを明確にしたうえで、改善策を施すことが不可欠です。
しかし、Webサイトの改善を行う際には、ツールを活用して現状分析や改善後の定期的な測定なども行う必要があり、ノウハウを有する人材や改善に向けたコストが必要になります。ここをコストカットしてしまうと、なかなか適切な改善につながらないこともあります。
そうならないためにも、Webサイトの改善を丸ごと外部の企業に依頼するというのも選択肢のひとつです。
株式会社GIGは、ナショナルクライアントからスタートアップまで、Webコンサルティング、UI/UXデザイン、システム開発など、DX支援をおこなうデジタルコンサルティング企業です。また、リード獲得に特化したCMS『LeadGrid』、UXコンサルティングサービス『UX Design Lab』などを展開しています。
企業様のWebサイト改善のご支援も数多く行っており、Webサイトを改善することでその企業やサービスが持っている魅力を最大限に発揮し、成果につながった事例も数多く存在します。
Webサイト改善のご相談は、お気軽にGIGまでお問い合わせください。
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