オウンドメディア戦略設計の7ステップ|失敗につながるパターンを解説|東京のWEB制作会社・ホームページ制作会社|株式会社GIG

オウンドメディア戦略設計の7ステップ|失敗につながるパターンを解説

2023-09-26 制作・開発

オウンドメディアで成果を出すには、効果的な戦略設計が必要です。そこでこの記事では、オウンドメディアの立ち上げからの流れをステップバイステップで解説します。

また、戦略時に意識すべき重要なポイントや、弊社が実施したオウンドメディアの支援事例もご紹介します。

オウンドメディアを通して「今より多くのターゲットにリーチしたい」「より効果的なブランディングをしたい」とお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。

オウンドメディアとは

オウンドメディアとは、企業や団体が自ら運営し、コンテンツを通じて情報発信をおこなうメディアのことです。

従来の広告や宣伝とは異なり、読者に価値ある情報を提供し、ブランドの信頼性を高めることが目的で運用されます。オウンドメディアは、ターゲットとなる顧客層に合わせたコンテンツを発信することで、読者の関心を引き、エンゲージメントを促進します。

また、メディアを通じて、企業は自社の価値観やメッセージを直接的に伝え、顧客との関係を深めることも可能です。成功しているオウンドメディアは、単なる情報の発信源にとどまらず、ブランドの顔として、顧客とのコミュニケーションを強化する重要な役割を担っています。

オウンドメディア戦略設計7ステップ

オウンドメディアの成功は、戦略的な設計から始まります。このセクションでは、効果的なオウンドメディア戦略を構築するための7つのステップを紹介します。

1. 企業の課題を明確にする
2. オウンドメディアの目的・目標を設定する
3. 競合サイトをリサーチする
4. ペルソナを設定する
5. KPIを設定する
6. 運用体制を編成構築する
7. コンテンツ制作方針を整理する

STEP1. 企業の課題を明確にする

オウンドメディア戦略の第一歩は、企業の課題を明確にすることから始まります。このステップでは、現在のビジネス環境や市場の動向を分析し、企業が直面している具体的な問題点を特定します。

顧客のニーズや競合他社の戦略、業界のトレンドなど、多角的な視点が必要です。課題を明確にすることで、オウンドメディアの目的が具体化し、目指すべき方向性が見えてきます。

このステップを通じて、オウンドメディアが解決すべき課題や、強化すべきポイントが明らかになり、より効果的なコンテンツ戦略を立てられるようになります。

STEP2. オウンドメディアの目的・目標を設定する

企業の課題を明確にしたら、オウンドメディアを通じて達成したい具体的な成果を定義します。

たとえば、以下のような例が挙げられます。

・SEO集客による認知拡大
・リード獲得
・リードナーチャリング
・ブランディング強化
・採用促進

企業ごとの目的に応じて、適切なコンテンツや運用スケジュールを計画し、目標達成に向けた戦略を練ります。

また、オウンドメディアの目的を社内で共通認識として持つことも重要です。これにより、制作するコンテンツの方向性や運用方針が明確になり、成果が出やすくなります。

オウンドメディアは短期的な成果が出にくいため、長期的な視点での運用が必要です。そのため、目的と目標を明確にし、継続的な取り組みを心がけることが成功へのカギとなります。

関連記事:オウンドメディアの立ち上げ手順9ステップ|費用や成功のコツも事例に基づき解説

STEP3. 競合サイトをリサーチする

オウンドメディア戦略の第3ステップでは、自社がどのような位置にあるかを理解するために、競合他社のオウンドメディアや関連サイトを分析します。

競合調査の目的は、他社の強みや弱み、マーケティング戦略を把握し、差別化を図った戦略が練られるようにすることです。

競合調査時には、まず競合調査の目的を明確にし、調査対象となる企業を選定します。次に、自社の長所と短所を洗い出し、競合との差別化を図るための仮説を立て、仮説にもとづいた戦略を練ります。

また、市場の変化に対応するために、競合調査は一度きりではなく定期的におこなうことも重要です。

関連記事:競合調査とは? やり方や注意点、5つのフレームワークも解説!

STEP4. ペルソナを設定する

オウンドメディア戦略4つ目のステップは、ペルソナの設定です。ペルソナとは、Webサイトを訪れるユーザーを具体的にイメージし、その象徴として定義された人物像のことを指します。

ペルソナ設計をおこなうことで、Webサイトの戦略や設計、コンテンツの軸が明確になり、ユーザー視点に立った構築が可能になります。

・年齢
・性別
・居住地
・家族構成
・職業
・収入
・生活パターン
・性格
・興味関心
・情報収集方法

ペルソナ設計には、前のステップまでに収集した情報を整理し、上記のような多岐にわたる項目を設定します。これらの情報をもとに、リアリティのあるペルソナを設計し、Webサイトの戦略や設計の軸を明確にします。

関連記事:ペルソナ設計とは? 設計の方法から分析、ワークショップ、事例までを徹底紹介

STEP5. KPIを設定する

オウンドメディア戦略5つめのステップは、KPI(重要業績評価指標)の設定です。KPIは、オウンドメディアの目標達成度を測定するための指標であり、成功への道筋を示す重要な要素です。

KPIを設定することで、オウンドメディアの運用が目指すべき方向性が明確になり、効果的な戦略立案と実行が可能になります。

オウンドメディアのKPI設定では、以下のような指標が考慮されます。

・訪問者数
・ページビュー
・滞在時間
・コンバージョン率
・リード獲得数

これらのKPIは、オウンドメディアの目的に応じて選定され、定期的に測定・分析される必要があります。たとえば、ブランド認知度向上を目的とする場合は、訪問者数やページビューが重要です。一方で、リード獲得や顧客獲得を目指す場合は、コンバージョン率やリード獲得数が重要な指標となります。

また、KPIは定期的に見直しをおこない、必要に応じて調整することで、オウンドメディアの成果を最大化できます。

関連記事:オウンドメディアのKPI一覧|フェーズに適したKPI設定例や計測ツールも紹介

STEP6. 運用体制を編成構築する

オウンドメディアが成功するかは、運用体制に大きく依存します。

オウンドメディアが目的に沿った運用がされているか、安定的にコンテンツ配信できているか、一定以上の品質を保てているかなど、舵をとる編集長が必要です。そのほか、コンテンツを作成するメンバーも決める必要があります。

記事のテンプレートや運用フローを整え、記事作成のスケジュールを決めるなど、組織的に運用する仕組みを作ることも同時に実施しておくことも重要です。

関連記事:オウンドメディア編集部の体制構築方法をイチから解説! おさえておきたいポイントも

STEP7. コンテンツ制作方針を整理する

オウンドメディア戦略の最終ステップは、コンテンツ制作方針を整理することです。

ここでは、文章や画像などのテイストを決めることや、コンテンツのジャンル、配信時のルールなどを制定します。

また、コンテンツのクオリティを担保するための基準を設けることも重要です。GIGでは、Workship MAGAZINEで実際に使用している「記事クオリティチェックリスト」をもとに、以下のような方針を定めています。

1.冗長表現を削除する:文章をコンパクトにし、言いたいことを明確にする
2.一文一義を意識する:一つの文で一つの主張をすることで、主張のはっきりした文を作る
3.指示語の使用を控える:指示語の使用は控えめにし、目的語を明確化する
4.具体的に書く:曖昧な表現を避け、具体的に書く
5. ファクトベースを心がける:私見を排除し、事実にもとづいて書く
6. 表記を統一する:一つの記事内、またはメディア全体で、使う単語を統一する

これらの方針にもとづいてコンテンツを制作することで、オウンドメディアのクオリティを高め、読者に価値ある情報を提供できるようになります。

関連記事:今すぐ使えるオウンドメディア記事クオリティチェックリスト【Workship MAGAZINEで実際に使っているものを大公開!】

オウンドメディア戦略設計で重要な3つのポイント

オウンドメディアの戦略設計において、とくに重要となる3つのポイントを紹介します。

・フェーズに合わせたKPIを設定する
・読者を意識したコンテンツを制作する
・継続できる運用体制を構築する

フェーズに合わせたKPIを設定する

オウンドメディアの成功を測るためには、フェーズごとに適切なKPIを設定することが不可欠です。

立ち上げ初期では、運用体制の構築やコンテンツ投稿の量が重要なKPIになります。安定的にコンテンツ配信ができるようになってきたら、PVやSSなどの訪問者数、SNSであればエンゲージメントなどの数値をKPIにするとよいでしょう。

また、メディアの認知がとれてきた時期では、エンゲージメントの向上やリード獲得数の増加など、より具体的な成果に焦点を当てたKPIを設定します。長期的には、顧客ロイヤルティの向上や継続的な売上貢献など、ビジネス成果に直結するKPIが中心となります。

各フェーズに合わせたKPIを設定し、定期的に達成度を測定・評価することが重要です。

読者を意識したコンテンツを制作する

オウンドメディアのコンテンツ制作において、企業が伝えたい内容だけを配信していても、思うように成果は出ません。読者のニーズや関心を深く理解し、それに応えるコンテンツを提供することが重要です。

これには、ペルソナ分析や市場調査が役立ちます。また、読者のエンゲージメントを高めるためには、視覚や聴覚など多角的にアプローチできる画像や動画などを用意することも効果的です。

テクニカルな点では、SEOを意識したキーワードの選定や、読者が共感しやすいストーリーテリングの技法を取り入れることも効果的です。

読者の視点に立ったコンテンツ制作を行うことで、オウンドメディアの魅力を高め、読者との強い結びつきを築けます。

継続できる運用体制を構築する

オウンドメディアの長期的な成功には、継続可能な運用体制の構築が不可欠です。

このためには、まず明確な目的と戦略を定め、それにもとづいた運用計画を策定することが重要です。運用チームの役割と責任を明確にし、各メンバーのスキルや専門知識を最大限に活用します。

また、定期的なコンテンツの更新と品質管理を確実に行うためには、効率的な業務フローと適切なツールの導入も必要です。

オウンドメディアで失敗するパターンとは?

オウンドメディアの運営において、とくに注意すべき失敗パターンがいくつか存在します。これらのパターンを理解し、避けることが重要です。

以下のよくある失敗パターンについて、それぞれ解説します。

1. 達成困難な目的が設定されている
2. コンテンツの質が低い
3. 公開しただけで更新されていない

達成困難な目的が設定されている

オウンドメディアでよく見られる失敗の1つに、達成困難な目的を設定しているケースが挙げられます。

現実的でない高すぎる期待値や、具体性を欠いた目標は、運用上の課題を生み出しやすく、結果的にプロジェクトの失敗につながります。

たとえば、短期間での高いトラフィックの獲得や、即時的な売上増加など、現実と乖離した目標設定は避けるべきです。

オウンドメディアでは、達成可能な目標を設定し、段階的に成果を積み重ねることが重要です。

コンテンツの質が低い

コンテンツの質も、オウンドメディアの成功可否に大きく影響する要素です。

質の低いコンテンツは、読者の関心を引きつけられずに、ブランドイメージを損なう原因となります。逆に質の高いコンテンツとは、ターゲットにとって有益で関連性が高く、かつ独自性のある情報を提供するものです。

コンテンツの質を保つためには、定期的な市場調査やターゲットのニーズ分析、競合コンテンツ戦略の理解が必要です。加えて、社内の編集プロセスの強化、専門知識を持つライターやデザイナーの採用、コンテンツの定期的な更新と改善も、質の高いコンテンツ制作には欠かせません。

公開しただけで更新されていない

オウンドメディアのコンテンツは、公開した後も継続的な更新が必要です。しかし、この更新作業がおこなわれていないことで、成果につながっていないケースも見られます。

コンテンツが古くなると、情報の鮮度が失われ、読者の関心を引くことが難しくなります。また、SEOにおいても、まったく更新されていないコンテンツよりも、トレンド要素などを踏まえて定期的に更新されるコンテンツのほうが、検索順位に良い影響が出る傾向があります。

運用チームは、コンテンツの配信カレンダーを作成し、計画的にコンテンツを更新する体制を整えることが重要です。また、読者のフィードバックや分析データを活用して、コンテンツの質と関連性を継続的に向上させる努力も必要です。

GIGのオウンドメディア支援事例紹介

ここまでオウンドメディアの戦略について解説しましたが、実例があるとより理解しやすいかと思います。そこで、多様な業界のクライアントに対してオウンドメディアの支援をおこなっているGIGの、2つの事例を紹介します。

日機装株式会社

日機装株式会社は、工業・航空・医療分野で、ポンプや航空機部品、医療機器などの専門的な機器を提供するメーカーです。

こちらの事例では、日機装のオウンドメディア「Bright」の立ち上げを支援しました。

このプロジェクトでは、日機装が直面していた認知度の低さという課題に対処するため、以下を目的に設定しています。

・情報発信を通じて認知度を高め、会社のファンを増やすこと
・広報に情報が集まる仕組みとしてメディアを機能させること

GIGオリジナルのCMS『LeadGrid』を使用し、日機装の広報担当者様とGIGのチームが協力し、メディアリリース後は当初目的の認知度向上が実現し、求職者の紹介数や採用決定数も増加する結果になりました。

事例記事:認知度が向上し、採用活動にも良い影響が生まれているオウンドメディア立ち上げプロジェクトの裏側 | 日機装様

株式会社タイミー

株式会社タイミーは、スキマバイトアプリ「タイミー」と、地方での「はたらく」体験を提供する「タイミートラベル」を運営する企業です。

こちらの事例では、タイミーのオウンドメディア「タイミーラボ」のサイト設計から実装、コンテンツ制作までを支援しました。

株式会社タイミーでは、さまざまなステークホルダーに対して、タイミーを使うことのメリットや、タイミーの利用者はどういった人なのか、その伝え方に課題を感じていました。

この課題に対して、以下のような支援をおこなっています。

・社内でのサイト方向性の確立
・タイミーらしさをデザインやコンテンツで表現する

結果として、リリースから約5か月でPV数が9倍に増加したことで、多くの方にタイミーの魅力を発信することに成功しました。また、オウンドメディアを新入社員研修にも活用されるなど、社内の方達にも好影響を与えられるメディアとなりました。

関連記事:パートナーとして伴走した結果、約5ヶ月でPVは9倍へ。「らしさ」を追求したオウンドメディアに成長 | タイミー様

オウンドメディアの戦略設計ならGIGにおまかせ

この記事では、オウンドメディアの基本から、戦略設計のステップ、失敗するパターン、そしてGIGの成功事例まで幅広く解説しました。

デジタルマーケティング担当者やコンテンツマーケティングに関心のある方は、ぜひ参考にしていただけると幸いです。

オウンドメディアを成功させるためには、目的を見失わず、戦略的なアプローチが必要です。自社だけではリソースが足りない、効果的な戦略支援をプロに任せたいとお考えの方は、GIGまでお気軽にお問い合わせください。

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