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オウンドメディアのKPI一覧|フェーズに適したKPI設定例や計測ツールも紹介
2023-09-27 制作・開発
オウンドメディアの成功を測るためには、適切なKPIの設定が不可欠です。本記事では、オウンドメディアの効果を正確に測定し、改善へと導くためのKPI設定方法を紹介します。
具体的なKPI例や、それらを管理・分析するためのツールもあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
オウンドメディアにおけるKPIとは
KPI(Key Performance Indicator)とは、主要業績評価指標を意味します。具体的な内容はのちほど解説しますが、オウンドメディアのおけるKPIには、以下のような項目が挙げられます。
・CV
・PV
・SS
・UU
・目標ページへの到達数
・自然検索流入数
・検索順位10以内数
・SNSシェア数
・配信/投稿数
上記KPIは、オウンドメディアの目標達成度を定量的に評価するための指標であり、メディアの成果を明確に把握する数値となります。
オウンドメディアにおけるKPI設定は、メディアの成長を促すための重要なプロセスです。適切なKPIを設定し、定期的に分析・見直しをおこなうことで、オウンドメディアの価値を最大限に引き出し、ビジネスの成功につながります。
また、KPIは市場の変化やビジネスの成長にともない、定期的に見直しをおこなうことが望ましく、その時々に求めるKPIへ更新する必要があります。
KGIとの違い
KGI(Key Goal Indicator)とは、主要目標指標を意味する用語です。KGIはビジネス全体の最終的な目標を表す指標であり、たとえば売上や市場シェア率などが該当します。
一方KPIは、これらの大きな目標に到達するための途中経過やプロセスを測る指標として位置付けられます。
オウンドメディアの運営においては、これらの指標を適切に設定し、連携させることが重要です。KGIに基づいて戦略を立案し、KPIを通じて日々の運営の効果を測ることが、オウンドメディアを通したビジネスの目標達成に必要な考え方と言えます。
オウンドメディアのKPI設定手順
オウンドメディアの成功を左右するKPI設定には、明確な手順が必要です。
1. メディア作成目的に合わせたKGIの設定
2. KPIツリーの作成
3. KPIの妥当性をチェック
各プロセスについて解説します。
STEP1. メディア作成目的に合わせたKGIの設定
オウンドメディアのKPIを設定するには、まずメディアの目的に合わせたKGIを明確にすることが重要です。
たとえばオウンドメディアの目的が、事業の売上アップである場合、KGIはブランド認知度向上やリード獲得などを設定します。この段階で、オウンドメディアの長期的なビジョンと短期的な目標を結びつけ、具体的な数値目標を設定することが重要です。
KGIを明確にすることで、後続のKPI設定がより具体的なものになります。
STEP2. KPIツリーの作成
KGIを設定した後、オウンドメディアのKPIツリーを作成します。KPIツリーは、KGIに至るための中間目標や活動を体系的に整理したものです。
たとえば、ブランド認知度向上を目指す場合、関連するKPIとしてはページビュー数や訪問者数、SNSでのシェア数などが挙げられます。
KPIツリーを作成することで、各活動が全体の目標達成にどのように寄与しているかを視覚的に把握でき、戦略的な意思決定が容易になります。
STEP3. KPIの妥当性をチェック
KPIツリーを作成したあとは、設定したKPIの妥当性をチェックします。このチェックには、SMARTの法則を活用するとロジカルに確認できます。
・Specific(具体的)→ KPIが明確で具体的な目標を示しているか
・Measurable(測定可能)→ 数値で測定できるか
・Achievable(達成可能)→ 現実的な範囲で達成可能か
・Relevant(関連性)→ オウンドメディアの目的と関連しているか
・Time-bound(期限が明確)→ 達成期限が設定されているか
SMARTの法則は上記のとおり、それぞれの英単語の頭文字からとっています。
このプロセスを通じて、設定したKPIが実際にオウンドメディアの目標達成に寄与するかどうかを評価します。
オウンドメディアKPIリスト
ここでは、オウンドメディアで設定されるKPIの例を9つ紹介します。
KPI | 意味 |
CV (コンバージョン) | 目標達成数 |
PV (ページビュー) | ページの閲覧数 |
SS (セッション数) | ページ・サイト訪問回数 |
UU (ユニークユーザー) | ページ・サイト訪問者数 |
目標ページへの到達数 | 目標ページへの訪問数 |
自然検索流入数 | (Googleなどの)検索プラットフォーム経由の訪問数 |
検索順位10以内数 | 検索結果での上位表示ページ数 |
SNSシェア数 | SNSでの共有数 |
配信・投稿数 | コンテンツの配信・投稿回数 |
CV
オウンドメディアにおいて、もっとも重要となり得るKPIが「CV(コンバージョン)」です。コンバージョンとは、訪問者がサイト上で目的とする行動を完了することを指します。
たとえば商品購入や資料請求、メール登録などが該当します。オウンドメディアの目的に応じて、コンバージョンの定義は異なりますが、その数値はメディアの成果を直接的に反映します。
オウンドメディアの効果を具体的に測定するため、どのコンテンツが効果的に目標達成に寄与しているかを把握するには、CV数の測定は不可欠です。
PV
「PV(ページビュー)」も、オウンドメディアにおいては重要な指標です。ページビューとは、訪問者がWebサイト内のページを閲覧した回数を示します。
このKPIは、オウンドメディア内におけるコンテンツがどれだけ関心を集められているか、コンテンツ内における人気度などを測るために用いられます。
しかし、PVだけでは訪問者の質やエンゲージメントの深さは測れないため、他のKPIと組み合わせて分析することが重要です。
SS
オウンドメディアにおける重要なKPIの1つに「SS(セッション数)」があります。セッション数とは、サイトに訪れたユーザーの数を示します。
SSもPV同様、オウンドメディアがどれだけ認知度をとれているか、どれだけ関心を寄せられているかを測るために重要です。
ユーザーの来訪者数を増やすための起点づくりを考える必要があるという点では、PVやSSは近い部分があります。違いとして、PVを増やすには一人のユーザーに多くのページを閲覧してもらうための施策を考えますが、SSを増やすには、多くのユーザーに訪問してもらえるようなメディアの施策が必要になります。
UU
SS同様、来訪者数に関連するKPIの1つに「UU(ユニークユーザー数)」があります。UUとは、特定の期間内にサイトを訪れた個別の訪問者の数を表します。
UUは、サイトのリーチや多様なユーザー層へのアピール度を測るための指標です。UU数が高ければ、新しい訪問者を引きつけていることになり、オウンドメディアの拡散力や魅力が高いと判断できます。
目標ページへの到達数
オウンドメディアの成果を測定する上で重要なKPIの1つが「目標ページへの到達数」です。
こちらのKPIは、訪問者が特定の目標ページにどれだけアクセスしたかを示す指標で、たとえば自社商品の購入をCVに設定している場合、製品情報ページなど、サイト運営者が訪問を促したいページの到達数を測ります。また、問い合わせページなど、ゴールに至るまでの中間指標を設定することも重要です。
目標ページへの到達数を測定することで、オウンドメディアのコンテンツがユーザーにどれだけ関心を持たせ、重要なページへの導線が狙い通りに機能しているかを判断できます。
自然検索流入数
SEOに力を入れる場合、「自然検索流入数」も設定が必要なKPIです。自然検索とは、Googleなどの検索窓から検索する行動を意味し、自然検索流入数は検索結果画面からサイトに訪れるユーザーの数を指します。
自然検索流入数は、SEO効果やコンテンツの検索エンジンにおける可視性を測る指標となります。高い自然検索流入数は、サイトが検索エンジンで上位に位置に表示され、多くの訪問者にリーチしていると判断できます。
検索順位10位以内数
オウンドメディアにおけるSEOの重要なKPIとして「検索順位10以内数」も挙げられます。こちらの指標は、検索結果画面の上位10位以内に表示されているWebページの数を示します。
検索順位とCTR(クリック率)は、密接に相関しています。2021年度のデータではありますが、検索結果の1位は平均で13.94%のCTRがありますが、10位では1.32%と大きな差があるのです。(※参考:CTR Research Study: The Largest Ever for SEO)
検索順位が高い状況とは、より多くの潜在的な訪問者にサイトが露出し、クリックされる可能性が高まることを意味します。つまり、検索順位10以内に入るページ数を増やすKPIは、オウンドメディアのトラフィック増加に直結する指標と言えるのです。
SNSシェア数
オウンドメディアの影響力を測る上で、「SNSシェア数」も重要です。この指標は、コンテンツがSNS上でどれだけ共有されたかを示します。
SNSシェア数が高い状況とは、コンテンツがユーザーに価値があると認識され、積極的に拡散されていることを意味します。
SNSのエンゲージメント(反応)は、ブランドの認知度向上や新しい訪問者の獲得に直接的に貢献するため、シェア数以外のエンゲージメントも同時にチェックしておくとよいでしょう。
配信・投稿数
最後に紹介するKPIが「配信・投稿数」です。この指標は、公開されたコンテンツの数を示し、オウンドメディアの活動量や一貫性を測るために用いられます。
配信・投稿数が多い状況とは、定期的に新しい情報を提供できていることを示します。ユーザーが飽きないオウンドメディアにするには、コンテンツを定期的に配信・投稿することは重要です。
しかし、数量だけ追って、コンテンツの質がともなわなければ、ユーザーにとって有益なメディアにはなりません。高品質で関連性のあるコンテンツを定期的に提供することで、訪問者の関心を引きつけ、エンゲージメントを高められるのです。
フェーズごとのKPI設定例
オウンドメディアのKPI設定は、メディアの成長段階に応じて適切に設定することが重要です。ここでは、以下のフェーズにおけるKPI設定例をご紹介します。
・立ち上げ時期
・運用初期(半年〜1年)
・運用中期以降(1年〜)
関連記事:メディアサイトを制作するなら知っておきたい流れとポイント
立ち上げ時期
オウンドメディアの立ち上げ時期におけるKPI設定は、主に「運用体制の基盤づくり」という行動目標に焦点を当てる必要があります。
CV数やSS数などは、コンテンツが安定的に配信されることが前提条件となるため、まずは具体的な数値目標よりも、メディアの運用目的の明確化や、目的達成に必要なリソースの確保が重要です。
メディアの運用担当者には、KGIやKPIなどの目標や、更新スケジュールなどの具体的な情報を共有し、安定的なコンテンツ配信のために必要な状況づくりに専念するとよいでしょう。
関連記事:オウンドメディア編集部の体制構築方法をイチから解説! おさえておきたいポイントも
運用初期(半年〜1年)
オウンドメディアの運用初期(半年〜1年)では、コンテンツ制作の量を確保することが重要です。このフェーズでは、メディア内のコンテンツを充実させることが重要になるため、記事の作成本数や公開本数をKPIとして設定します。
新規コンテンツの制作だけでは間に合わない場合、社内ですでに保有しているナレッジをオウンドメディアのコンテンツとして配信することも1つの方法です。オウンドメディア内のコンテンツが充実することで、メディアの魅力が高まり、ユーザーの来訪者数増加につなげられます。
また、徐々に訪問数が増えてきている場合は、PVやSSなどの来訪者数もKPIに設定するとよいでしょう。
運用中期以降(1年〜)
オウンドメディアの運用中期以降(1年〜)のKPIでは、PV数やSS数など、サイトのトラフィックに関連する指標を設定することになります。また、記事の品質向上も考慮し、ページあたりの滞在時間やスクロール率、熟読率、記事間の回遊率など、ユーザー行動を意識した数値もKPIに含めます。
来訪者に関連する分析は、Googleアナリティクスやヒートマップツールなどで計測可能です。
また、売上に直結する商品やサービスの購入数、問い合わせ数などのCVも追っていきます。そのため、CTA(Call To Action)の改善も重要で、ユーザーが望むアクションを促すための戦略を練る必要があります。
オウンドメディアの効果測定ができるツール
オウンドメディアの効果を正確に測定するためには、適切なツールの選定が不可欠です。オウンドメディアの効果を具体的に把握し、改善策を立てるために必要な、無料で使える3つのツールをご紹介します。
アクセス状況:Google Analytics
▲出典:Google Analytics
オウンドメディアの効果測定において、Google Analyticsは不可欠なツールです。Google Analyticsを使用することで、PVやSS、UUや目標ページ到達数など、設定するKPIを網羅的に把握できます。
また、ユーザーの行動パターンや流入経路の分析を通じて、どのコンテンツが効果的に機能しているか、またどのような改善が必要かを詳細に理解することが可能です。
たとえば、特定のキャンペーンページへの流入数やコンバージョン率を追跡することで、マーケティング施策の効果を評価し、必要に応じて戦略を調整できます。
関連記事:GA4の導入方法とは? 初心者向けに基本設定をわかりやすく画像で解説
自然検索流入クエリ:Google Search Console
▲出典:Google Search Console
Google Search Consoleは、オウンドメディアのSEO効果を測定するために必要なツールです。このツールを利用することで、自然検索からの流入クエリや自然検索流入数、Webページが検索結果で何位に表示されているかなどの把握が可能です。
Google Search Consoleのデータを分析することで、オウンドメディアのコンテンツが、ターゲットにどれだけリーチしているかが評価できるようになります。
分析結果をもとに、コンテンツの改善やキーワード戦略の最適化をおこない、オウンドメディアの検索エンジンにおける可視性を高めることで、より多くのトラフィック獲得につながります。
関連記事:Googleサーチコンソールの導入設定方法と使い方を初心者向けにわかりやすく画像で解説
サイト内ユーザー行動:Microsoft Clarity
▲出典:Microsoft Clarity
Microsoft Clarityは、サイト内でのユーザーの行動パターン、クリックやスクロールの動き、さらにはユーザーがどの部分で離脱するかなど、詳細なユーザー体験を可視化できます。
Microsoft Clarityのデータを活用することで、ユーザーエンゲージメントやコンバージョン率に関連するKPI指標の改善が可能です。
たとえば、ユーザーがもっとも関心を持つコンテンツの部分を特定し、それをもとにしたコンテンツの調整や、ユーザーが興味を示す領域にCTAを配置するなど、UIにまで施策の幅を広げられるようになります。
オウンドメディア運用支援ならGIGにお任せください
この記事では、オウンドメディアの効果的な運用に必要なKPIの設定方法について詳しく解説しました。
オウンドメディアの運用において、成果を最大化したい場合、適切なKPI設定が重要です。
記事を通じて、自社のオウンドメディアに適したKPIの設定方法を学び、実際の運用に活用していただけますと幸いです。
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