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Webアプリケーション開発の費用/料金相場は? 現役エンジニアが解説!
2022-06-26 制作・開発
Webアプリケーションは、簡単なものなら1~2人の人員で1か月もあれば開発してリリース(公開)が可能とされています。しかし、近年はWebアプリケーションに対するユーザーの目も肥えており、デザイン面や操作面、Webページが表示されるまでのスピードなど、求められる基準が高くなっていると感じます。
そういったユーザーの要望をすべて満たそうと思えば、当然ですが開発費用はかさんできます。しかし開発依頼者としては、少しでも開発費用を抑えたいはず。
そこで今回は、Webアプリケーション開発の費用・料金の相場感、開発費用を安く抑えるコツなどをエンジニア目線で解説していきます。
Webアプリケーション開発で作れるアプリ例
まずはWebアプリケーション開発でよく作られるアプリの種類を、相場感も合わせて確認していきましょう。
1. ECサイト
開発費用相場:200〜3,000万円
インターネット上で商品の売買ができるWebサイトのことをECサイトと呼びます。代表的なECサイトとして「Amazon」や「楽天」などが挙げられます。
個人情報を保護するためのセキュリティ、選択した商品を決済まで保留しておく買い物カゴ、クレジットカードの決済機能など、対応すべきことが非常に多いのがECサイトの特徴です。
ECサイトはトレンドの移り変わりが激しいので、時間をかけてゼロから作るスクラッチ開発よりも、ベースがあるパッケージ開発で制作するのが主流です。代表的なECサイト用のパッケージとして「EC-CUBE」「Magento」「Welcart(WordPressのプラグイン)」などが挙げられます。
いくらでも多機能化できるだけに、開発費用の相場感もかなり幅があります。どこまでの機能に対応するのか、商品数はどのぐらい必要か、どのテンプレートを元に開発するのかなどに費用は左右されるため、予算を決めるのが難しいのも特徴です。
関連記事:ECサイト制作費用と料金相場|サイトの種類や助成金を徹底解説
2. 掲示板/Q&Aサービス
開発費用相場:500~5,000万円
掲示板とは、参加者が自由に文章などを投稿し、書き込んでいくことでコミュニケーションを図れるWebページのことを指します。ユーザーが自らコンテンツを生み出してくれるメリットがある一方、最近では「荒らし」や「誹謗中傷」行為が問題となっているため、運用サイドにもさまざまな対策が必要になっています。
Q&Aサービスは、質問をする側が電子掲示板でスレッド(1つの内容ごとに集められる返信のまとまり。スレと略されることも)を設ける要領でトピックを立てて、質問に対して回答できるユーザーが書き込みを行います。不特定多数のユーザーから回答を得られるので、さまざまな分野や内容の質問に回答が期待できます。
簡単な掲示板やQ&Aサービスサイトなら、1~2人の開発者で1ヶ月もあれば開発できるかと思います。ただし、検索機能や会員機能、決済機能、位置情報管理などの高度な機能を設ける場合は、開発コストが増えていきます。
3. SNS
開発費用相場:3,000~8,000万円
TwitterやInstagramなど有名なSNSも、Web版のサービスはWebアプリケーションに含まれます。SNSを独自に開発する場合、ユーザー情報や個人情報の管理、投稿機能などを実装する必要があるでしょう。
また、ユーザーが増えれば増えるほど、サーバーのスペックを増強する必要があり、インフラ環境にも力を入れなければならないのがSNS関連の開発です。
社内や友達間でのコミュニケーションが目的であれば、そこまでの費用はかからないかと思います。しかし決済機能やフォロー機能などを追加する場合、費用もぐっと高くなる印象です。
4. 口コミサイト
開発費用相場:2,000~5,000万円
就職や転職を考えているとき、家電や洋服など商品の購入を検討しているとき、レストランのレビューを見るときなど、生活のさまざまな場面で活用されているのが口コミサイト。
口コミサイトに寄せられる情報は個人的な主観による意見や感想が中心ですが、多くの意見が集まれば集まるほど、そのサイトの信頼度も増していくのが特徴です。
会員登録をして口コミを投稿するだけでのサイトであれば、ひと月程度で開発できます。何かしらのインセンティブを与える設計や、口コミ閲覧件数に制限を設ける機能などを組み込むと、費用は高くなるでしょう。
Webアプリケーション開発の流れ
ここでは、基本的なWebアプリケーション開発の流れについて確認していきましょう。なお、今回ご紹介する基本的な流れは、業界用語で「ウォーターフォール型開発」と呼ばれています。
※ウォーターフォール型開発 :
「要件定義→基本・詳細設計→プログラミング→テスト→リリース」というように、開発プロセスを最初に計画した時系列に沿って進めていく開発手法のこと。上流の開発工程からトップダウン形式で進められるので、開発の計画や管理がしやすく、大規模プロジェクトで用いられることが多い手法。
ステップ1. 要件定義・ヒアリング
要件定義とは、搭載機能の洗い出し、システムの環境を支えるサーバーやデータベース、セキュリティ対策などインフラ要件、利用デバイス・ブラウザ・OSなどを定義するサイト要件に加え、「保守・運用方法」「必要な人員」「開発期間」などをそれぞれ決める工程のことを指します。
要件定義をベースに今後の開発が進むため、この工程はとても重要です。ここでミスをすると、たとえシンプルなWebアプリケーション開発でもやり直しばかりが発生し、リリース延期につながることもあります。
関連記事:Web制作の要件定義で発注者側が知っておきたい4つのポイント
ステップ2. 基本設計
基本設計は、要件定義をもとにシステムの基本を設計する工程です。操作画面や操作方法、データの入出力、画面インターフェースなど、実際のイメージと照らし合わせながら、要件が反映されているかを確認していきます。
お互いが納得のうえで開発が進められるよう、レビューを重ねていくことが大切です。
ステップ3. 開発・テスト
基本設計にもとづいてプログラミングを行う工程です。プログラミングが終われば「システムの要件定義を満たしているか」「想定通りの動きをするか」といったことを、以下の順で段階的にテストするのが一般的です。
1. 単体テスト
2. 結合テスト
3. 総合テスト
4. 運用テスト
関連記事:バグを生まないためのソフトウェアテストとは?目的や機能をテストをエンジニアが解説
ステップ4. 保守・運用
リリースしたアプリを継続的に利用するためには、不具合が発生していないかを監視する必要があります。また、Webアプリケーションには不特定多数のユーザーがいるので、サーバーがダウンしないよう、インフラ面の監視は必須。
リリースしたアプリを良い状態に保つためには、定期的なアップデートが欠かせません。
関連記事:「Webサイト保守」の費用相場はどれくらい?東京のWebサイト制作会社が解説
Webアプリケーション開発の費用/料金相場
Webアプリケーションでも、ユーザーが求めているものをすべて実装しようと思えばコストは高くつきます。Webアプリケーション全体の費用の相場感は、約1,000~8,000万円と幅があるものの、この金額は最低ラインといっていいでしょう。実装する機能数が多ければさらに高額になります。
ただ、開発に占める費用のほとんどは人件費です。ここでは、開発における人件費をまず確認し、その他の費用を見ていきます。
開発費は「人月×人月単価×開発期間」で決まる
アプリ開発では、おもに「人月」という作業量を表す単位で開発コスト(人件費)を算出するのが一般的です。
例えば、1ヶ月間のアプリ開発を行うのに3人の開発要員が必要ならば、「3人月」という表現を用いることになります。アプリ開発の見積書や請求書などにもこの「〇人月」という表現はよく使われています。
・人月:システムエンジニアやプログラマーなど1ヶ月間の開発に必要な人員
・人月単価:人員1人が1ヶ月間作業した場合の単価
・開発期間:開発~カットオーバー(アプリ公開)までの期間
以上の3要素がかけ合わされてアプリ開発は進められます。つまり、アプリ開発における開発費は、「人月×人月単価×開発期間」で決まります。
一例として、3ヶ月間の開発期間で、単価を一律100万円とする3名の開発要員を必要とする場合、「3人×100万円×3ヶ月間 =900万円」。人件費は900万円と算出できます。
今回はわかりやすく一律単価にしましたが、実際には上級エンジニアや新人プログラマー、WebアプリなのでWebデザインを専門に行うWebデザイナー、管理者のWebディレクターなど、どんなスキルを持つ人材がプロジェクトにかかわるかで単価が変動します。
人月単価の目安
筆者の経験から判断すると、以下の金額がスキル別エンジニアの人月単価の目安です。
・新人エンジニア:~80万円
・一般エンジニア:80万円~140万円
・上級エンジニア:140万円~250万円
この金額を安いと感じるか、高いと感じるかは人それぞれですが、会社員の平均的な月給よりは高額といえます。ただし、エンジニアの給料もここから算出されますので、会社員の平均月給より高くなるのは仕方がないでしょう。
その他費用に含まれるもの
Webアプリケーション開発にかかる費用は、開発費(人件費)だけではありません。
たとえば、Webアプリケーションを動かすために必要不可欠なサーバー代やドメイン代、Oracleなどの有償のデータベースを利用するならばデータベース代も必要になってきます。開発メンバーが使用する開発環境も、基本的には発注元が用意します。
また、SSLサーバー証明書は、Webサイトの運営者の実在性を証明し、Webサーバーとブラウザの間で通信データの暗号化を行うための電子証明書です。これもユーザーからの信頼を得るためには必要でしょう。
最近では、AWSやAzureに代表されるクラウドサービスを利用してWebアプリケーションを運用することが主流になりつつあります。クラウドサービスは基本的には使ったぶんだけを毎月支払うサブスクリプションタイプなので、毎月のランニングコストに計上されます。
保守・運用費
Webアプリケーションは「公開したら終わり」ではありません。バグがないアプリは残念ながら存在しませんし、何かの拍子に「バズる」ことで、ユーザーが爆発的に増えてサーバーダウンする可能性もあります。Webアプリケーション周りのインフラに関するメンテナンス費は、保守・運用費として常に計上する必要があります。
Webアプリケーション自体の不具合などは、納品から一定期間は開発元の会社が「瑕疵担保責任」 を負うケースがほとんどで、期間内は開発元の会社が不具合の修正を無償で行います。しかし、責任期間を過ぎると基本的には別途費用が発生しますので、その期間は契約時に確認が必要です。
Webアプリケーション開発の費用を抑えるコツ
アプリ開発で一番気になるのはやはり費用の部分。なるべく安く抑えたいところですが、費用を削れば品質の低下をまねく恐れがあります。品質を確保したうえで、できるかぎり費用を抑えるにはどうしたらいいのでしょうか。ここでは、現役エンジニアの目線から開発費を抑えるためのコツを解説します。
コツ1. 補助金活用を活用する
Webアプリケーション開発を行う場合、国が用意している補助金制度を活用できることはご存知でしょうか。じつは、現役エンジニアでも知らない人は多いです。
Webアプリケーション開発の規模や目的にもよりますが、活用できる補助金はおもに4種類存在します。
補助金 | 詳細 | 補助額(通常枠) |
ものづくり補助金 | 競合優位性に優れたサービス開発を計画している | 100万円~1000万円 |
事業再構築補助金 | コロナの影響で売上が減少して事業転換を計画している | 100万円~8000万円 |
IT導入補助金 | ITツールを導入して業務効率化・生産性向上を計画している | 30万円~450万円 |
小規模事業者持続化補助金 | システムを活用して販路拡大を計画している | 50万円 |
1つのWebアプリ開発で活用できる補助金は1つだけです。ただ、申請すれば必ずもらえるものではなく、申請フローも複雑です。補助金によっては事業計画案や賃上げ計画案などの書類を提出したうえで、審査を受ける必要があります。
ですが、審査が通り採択されれば、アプリ開発の費用を抑えることにもつながります。「申請手続きが面倒だから」と申し込まないのはもったいないです。こういった制度があることだけでも、頭の片隅に置いておきましょう。
コツ2. MVPやラボ型契約を検討する
MVP(Minimum Viable Product)とは、必要最低限の機能だけをまずは実装してリリースし、その後ユーザーの要望などに応じて順次機能を追加する手法のことを指します。これならスモールスタートできるため、開発費用を安く抑えることが可能です。
ラボ型契約とは、発注元の要望に応じたスキルを持っている専任のエンジニアチームを構成し、一定期間(半年~1年ほど)の月額費用固定で開発を進める形態のことを指します。
トレンドの移り変わりが激しいWebアプリ開発では、とにかくスピードが求められます。トライアルアンドエラーで開発を進める「アジャイル開発」という開発手法が主流になりつつありますので、専任チームがスピード感をもって集中的に開発を行い、コスト削減にもつながるラボ型契約は、Webアプリ開発に向いている契約形態だといえます。
※アジャイル型開発:
仕様や設計の変更があることを前提に、厳密な仕様は決めず、「計画→設計→実装→テスト」といった短い開発サイクルを繰り返す開発手法。「素早い」「機敏な」という意味を持つ「アジャイル」という言葉が示す通り、素早くリリースしてブラッシュアップしていく。
アジャイル開発は仕様変更に強く、プロダクトの価値を最大化することに重点を置いた開発手法です。WebサイトやECサイト、SNSなど市場動向が予測しにくく、ライフサイクルが早いプロダクトに向いています。
Webアプリケーション開発で失敗しないための注意点
アプリケーション開発には、どうしても失敗のリスクがつきもの。ここでは、失敗を避けるために確認したいポイントを整理します。
注意点1. 要件定義を明確に
開発したいWebアプリケーションの内容は明確にしておきましょう。発注元があいまいな状態だと、開発側もあいまいなものしか作れません。「この仕様にはどういう意味があるの?」といった開発側の疑問を少しでも減らすことは、やり直し防ぐことにもつながります。
要件定義を進めるためには、以下の点が重要です。
・数値付きで見込んでいる効果を表現する
・機能に優先順位をつける(絶対に必要な機能、余裕があればほしい機能など)
・どのくらいの予算感で開発してほしいかを伝える
Webアプリケーション開発に限りませんが、数値でコミュニケーションを取ることで、開発元も発注元がどのような規模感のアプリを欲しているのかをイメージしやすくなると思います。
注意点2. 最初から1社に候補を絞らない
良い開発会社と出会うためには、最初から1社だけで依頼先を決めてしまうのは不十分だといえます。数社程度でもいいので候補を複数見つけ、相見積もりを取っていきましょう。打ち合わせを通じて、エンジニアのスキルレベルや開発実績などを比較しながら選定していくことが大切です。
たとえA社に依頼をしたシステムが希望通りに完成しても、B社に任せれば同レベルでもっと安く開発してもらえた可能性があったと分かれば、きっと後悔するでしょう。そうならないためにも、相見積もりを取ったうえで、打ち合わせはしっかり行ってください。
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