カスタマージャーニーマップ設計のメリットや効果的な方法、事例などポイントをまとめました|東京のWEB制作会社・ホームページ制作会社|株式会社GIG
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カスタマージャーニーマップ設計のメリットや効果的な方法、事例などポイントをまとめました
2021-01-13 制作・開発
商品・サービスの購入手段や、消費者の価値観が多様化している現代。ユーザーニーズや行動を把握するための手法として「カスタマージャーニーマップ」が注目されています。
カスタマージャーニーマップは、ユーザーの複雑な行動や心理を的確に捉え、マーケティングを成功に導く指標となります。Webマーケティングの戦略構築に必要不可欠な要素です。
この記事では、Webサービスの制作支援を得意とするGIGが、カスタマージャーニーマップの設計方法について解説します。具体的な作り方や事例もあわせて参考にしてください。
カスタマージャーニーマップとは
カスタマージャーニーマップとは、ユーザーが商品やサービスを購入するまでの行動や心理状態を予測して可視化したものです。
カスタマー(customer)は顧客、ジャーニー(journey)は旅を意味するように、ユーザーが「どの時点でサービスや商品を認知し、興味を抱き、購入まで至るか」のプロセスを一連の旅に見立てています。
具体的に、以下4段階のユーザーの行動と心理状態を、時間軸に沿って分析します。
- 商品やサービスを認知する
- 興味を持つ
- 比較検討する
- 購入する(コンバージョンする)
カスタマージャーニーマップが必要な場面
カスタマージャーニーマップによって顧客の行動を可視化し、効果的なマーケティング戦略を的確に捉えることで、Webサービスの方向性を正しく決められます。
Webサイトやオウンドメディアを立ち上げるとき、「どのようなユーザーに」「どうアプローチをするか」という綿密なマーケティング戦略が重要となります。戦略の材料として、カスタマージャーニーマップがあると有益です。
カスタマージャーニーマップを使い、ユーザーの思考や感情、行動を洗い出すと、ユーザーとのタッチポイントが明確になります。コンテンツテーマも、ユーザーに最適なものを検討できるでしょう。
カスタマージャーニーマップを作るメリット
カスタマージャーニーマップを作るるメリットは、以下の2点です。
- 顧客視点のマーケティング施策を立案できる
- プロジェクトメンバー間の共有認識を生み出す
商品・サービスの販促に効果的であるだけでなく、チーム内部の連携を高めることにもつながります。それぞれのメリットを具体的に確認しておきましょう。
メリット1. 顧客視点のマーケティング施策を立案できる
商品やサービスを購入するのは顧客であるため、カスタマージャーニーマップを用いて、顧客視点でマーケティング施策を考えることが重要になります。
顧客が自社の商品やサービスを認知したあとに「なぜその商品やサービスに興味を持つのか」「なぜ検討した結果購入に至るのか」を明確に理解すると、行うべき施策を可視化できます。
顧客の行動や心理を考えずにマーケティングをしても、効果が出にくいのは明らかです。カスタマージャーニーマップによって顧客が購入したくなるポイントがわかれば、現状のマーケティング施策の改善点を見つけ出せます。
メリット2. プロジェクトメンバー間の共有認識を生み出す
カスタマージャーニーマップは、チームの連携を図るためにも役立ちます。
プロジェクトに関わるメンバーが複数人いる場合、商品やサービスに対する思い、最適と考えるマーケティング施策にばらつきが出るのは当然でしょう。
カスタマージャーニーマップは顧客の考えを可視化しているので、プロジェクトメンバーの顧客に対する認識を統一することができます。
結果、マーケティング施策の検討や情報共有をチーム内でスムーズに行うことができ、より精度の高い戦略の立案が可能になります。
カスタマージャーニーマップの作り方
カスタマージャーニーマップの作り方を、以下6ステップで解説します。
- ペルソナ設計
- カスタマージャーニーのゴール設定
- カスタマージャーニーマップのフレーム設定
- 情報収集
- カスタマージャーニーマップに集めた情報を記入
- ストーリーに結びつける
ステップ1. ペルソナ設計
Webサービスを利用するユーザーを具体的にイメージし、 「ユーザーの象徴として定義された人物(ペルソナ)」を設定するのが、ペルソナ設計です。自社の商品やサービスを利用してほしい人物の年齢、性別、職業、趣味などを設定していきます。
ペルソナ設計で重要となるのは、ペルソナが抱える課題を明確にすることです。課題を解決するために「ペルソナが何を考え、どのように行動するのか」と考えることがカスタマージャーニー設計を行う第一段階と言えるでしょう。
ペルソナ設計については、以下の記事でGIGの事例を交えて詳しくご紹介しています。
ステップ2. カスタマージャーニーのゴール設定
カスタマージャーニーのゴールを設定します。カスタマージャーニーのゴールは、開発するWebサービスが達成するべき目的になります。最適なマーケティング施策立案のために、明確なゴールを設定することがポイントです。
例えば、ペルソナが「商品を購入」することなのか、ペルソナが「問い合わせ」をすることなのかといった具合です。ゴールの内容により、マップ作成のための情報収集の範囲や、マーケティング施策の内容が変わります。
ステップ3. カスタマージャーニーマップのフレーム設定
ペルソナ設計によって集める情報をマッピングするための、フレームを作ります。ここでは、上記の図のような一般的によく使われるカスタマージャーニーマップのフレームを例に説明します。
まず横軸に「認知」「興味」「比較検討」「購入」の4つのプロセスを入れます。
縦軸には「ペルソナとのタッチポイント」「ペルソナの思考や感情」「ペルソナの潜在ニーズ(インサイト)」を設定しましょう。これによりユーザーの動きや心情の変化、企業のタッチポイントと施策が時系列に沿って明確にわかるフレームが出来上がります。
フレーム設定の一例を紹介しましたが、フレームの内容に決まりはありません。上記の例でなくても、必要に応じて柔軟に項目を設定してみましょう。
ステップ4. 情報収集
マップに必要な情報を集めます。設計したペルソナを考慮した上で、以下ような具体的な疑問を軸に情報収集すると良いでしょう。
- 考えられるタッチポイントは何か
- ユーザーが各段階で何を感じるか
- それに対する課題は何か
- 施策はどのようなものにするか
情報収集には、社内にあるお問い合わせ履歴や既存顧客情報を使用します。実際に市場調査やユーザーへのアンケート/インタビューの実施を行うことで、想定したペルソナと実際の声に乖離がないか発見できます。
ステップ5. カスタマージャーニーマップに集めた情報を記入
集めた情報を、設定したフレームにマッピングします。まずはラフに入れ込んでいき、プロジェクトメンバーと議論を重ねて完成させると良いでしょう。
担当者だけではなく、社内の役職や立場が違うメンバーで作成すると、より生産的なものになりおすすめです。営業担当、開発担当、マーケティング担当、可能ならば経営陣まで、さまざまな属性の方を巻き込んで取り組みましょう。
ステップ6. ストーリーに結びつける
マッピングが完了したら、改めて情報を整理し、ペルソナの心理状態や行動をストーリーに結びつけます。誰が見ても理解できるように、わかりやすいストーリーを組み立てましょう。
ストーリーに結びつけたら、カスタマージャーニーマップの完成です。
カスタマージャーニーマップ設計のポイント
カスタマージャーニーマップを作るとき、大きなポイントが3つあります。
ポイントを押さえずに作成したカスタマージャーニーマップは、ユーザーのニーズを汲み取れず上手く機能してくれません。マーケティング戦略に役立つカスタマージャーニーマップとなるように、以下の3つのポイントを押さえましょう。
ポイント1. 既存顧客にヒアリングする
実際に自社の商品やサービスを購入している顧客にヒアリングをすることは、カスタマージャーニーマップ設計において重要です。
既存顧客は、すでに「認知/興味/比較検討/行動」のプロセスを経ている貴重なユーザーです。カスタマージャーニーマップのフレームに沿ってヒアリングすることで、良質な情報が収集できるでしょう。
このとき、ポジティブな意見だけではなくネガティブな意見も集めることで、改善するべき課題が見えてきます。
ポイント2. まずはシンプルに作る
カスタマージャーニーマップは、難しく考えずシンプルに作ることが大切です。
カスタマージャーニーを作ることは、複雑で労力が必要な作業と感じる方も多いでしょう。しかし、カスタマージャーニーマップはあくまでもマーケティング施策を立案するための材料です。
カスタマージャーニーの作成に注力しすぎて、完成することが目的にならないよう注意しましょう。
また、カスタマージャーニーマップはスポット的な内容になることも多いです。ユーザーの消費行動の変化は激しく、半年もすれば情報が古くなりマーケティングへの活用が難しくなります。簡潔で情報更新がしやすい仕組みでマップを作りましょう。
ポイント3. 企業の願望を詰め込みすぎない
カスタマージャーニーを企業視点で作成して、企業の理想や願望を詰め込みすぎてしまうパターンがあります。
「きっとこんな考えで購入してくれる」「きっとこんな行動をとるはずだ」という考えで作成されたカスタマージャーニーは、上手く機能しません。なぜなら、企業の願望とユーザーの心理や行動が一致していないことが多いためです。
あくまでも利用するのはユーザーであるということを念頭に置いて、情報収集によって得られたデータを正確にマッピングして、顧客視点の心情を反映することがマップ作成で重要です。もし情報の事実確認が取れない場合は、必ず仮説検証を行いましょう。
GIGのカスタマージャーニーマップ設計事例
GIGは、カスタマージャーニーマップ設計などの施策を行い、クライアント企業のWebサービス成長を支援している企業です。下記事例で作成したカスタマージャーニーマップは、実際にクライアント企業のマーケティング戦略に貢献しています。
ここからは、GIGが行ったカスタマージャーニーマップ設計事例をご紹介します。
株式会社ネストエッグ様『be-topia』
ネストエッグ様の貯金アプリ『finbee(フィンビー)』への送客を目的に、オウンドメディアである『be-topia(ビートピア)』のカスタマージャーニーマップを設計しました。付随して、ペルソナ設定、メディアのコンセプト作り、サイト制作、記事の制作、メディア運用まで、一貫して担当しています。
finbeeは2016年のローンチ以来、広告中心の集客施策により貯金意欲がある顕在層を多く獲得しています。さらなるユーザー獲得のため、潜在層へのアプローチとしてオウンドメディアを立ち上げることになりました。
工程上、最も時間をかけたのは初期のメディア設計です。ネストエッグ様と議論を重ねながらbe-topiaのペルソナを固め、カスタマージャーニーマップを設計しました。カスタマージャーニーマップのゴールは、「be-topiaでやりたいことを見つけ、finbeeを使ってもらうこと」。このゴールに向け双方の認識が統一したことで、マーケティングの施策をスムーズに顕在化できました。
結果として、メディアサイトとコンテンツの世界観が統一され、ユーザーの気持ちに寄り添うメディアが完成しました。カスタマージャーニーマップの導入で、安心して制作をお任せいただけたと考えています。
カスタマージャーニーマップ設計のご相談はGIGまで
Webサービスで確実に効果を出すためには、立ち上げ時からユーザーに寄り添った綿密な戦略が必要となります。戦略の策定には、カスタマージャーニーマップの設計から始めることが有効です。マーケティング施策の成功のために、カスタマージャーニーマップをぜひ取り入れてみましょう。
Webサイト構築を得意とするGIGでは、さまざまなWebサービスの制作/開発でカスタマージャーニーマップ設計を行い、Webマーケティングを成功に導いてきました。培った経験と知識で、クライアント様それぞれに最適なカスタマージャーニーマップ設計のご提案が可能です。
カスタマージャーニー設計のご相談は、お気軽にGIGまでお問い合わせください。
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GIG BLOG編集部
株式会社GIGのメンバーによって構成される編集部。GIG社員のインタビューや、GIGで行われたイベントのレポート、その他GIGにかかわるさまざまな情報をお届けします。