数値推移をまとめるだけではない、成果につながるアクセス解析とは|東京のWEB制作会社・ホームページ制作会社|株式会社GIG

数値推移をまとめるだけではない、成果につながるアクセス解析とは

2024-10-29 制作・開発

GIGでサイトのアクセス解析・Webコンサルティングを担当している池上です。

サイト運用をしている方であれば、GA4やサーチコンソールの数値を分析したり、ヒートマップを見たりとアクセス解析を実施されている方が多いのではないでしょうか。

しかし「ただただ、数値の推移をまとめたレポートになってしまった」「結局、何をすればいいのかわからない」などアクセス解析を実施しているが、サイト運営に活用できていないといったお話しをお伺いすることも少なくありません。

この記事では、数値の推移をまとめることに留まらない、Webサイト・マーケティングに活用できる「本質的なアクセス解析」をするための方法・進め方を解説します。

アクセス解析に取り組む2つの意義

アクセス解析の本当の価値は、数値推移の背後にある「なぜ」を理解し、それを具体的な改善策や施策に落とし込むことにあります。よくアクセス解析は単なる数値の推移をまとめる作業であると認識されていますが、数値の推移をまとめるだけでは、Webサイトの改善に活用できません。

関連記事:アクセス解析でわかること|データを改善に生かす方法を詳しく解説

1. 無数の施策から取り組む内容を決めるため

Webサイトの運営やデジタルマーケティングでは、取り得る施策は多岐に渡ります。

SEO対策、コンテンツマーケティング、UI/UX改善、広告運用、ソーシャルメディア戦略など、施策は無数に存在しており「どの施策に優先的に取り組むべきか」を決定することは、非常に難しい課題です。

Webサイトには固有の課題や目標があり、それぞれに適した解決策が異なります。アクセス解析は、自社のサイト状況に合わせた施策を考えるために実施するものです。

たとえば、アクセス解析によって商品ページの直帰率が高いことが判明した場合、商品説明の改善やレイアウトの最適化といった具体的な施策に取り組むことができます。また、特定のキーワードからの流入が少ないことが分かれば、そのキーワードに関連するコンテンツの強化やSEO対策に注力するといった戦略を立てられます。

アクセス解析により、データを元に自社のWebサイトに最適な施策を選び出すことができます。データに基づいた意思決定を行うことで、限られたリソースを効果的に活用し、最大の成果を得られるでしょう。

関連記事:Webサイト改善の進め方5ステップ。分析に役立つツールも解説

2. 関係者でWebの課題に対する認識を揃えるため

Webサイトの運用やマーケティング活動には、多様な専門家が関わっています。SEO担当者、デザイナー、エンジニア、編集者など、それぞれが異なる視点と専門知識を持っています。さまざまな視点があることは強みである一方、それぞれでWebサイトで重視するポイントも異なり、課題認識の不一致を生む原因にもなりかねません。

たとえば
- SEO担当者は検索エンジンからの流入数や順位を重視
- デザイナーはユーザーインターフェースの使いやすさや視覚的魅力を重視
- エンジニアはサイトの技術的な側面やパフォーマンスを重視
- 編集者は平均滞在時間やコンテンツの質を重視

このようにWebサイトといえども専門性によって重視するポイントが異なるため、意見の相違や優先順位の食い違いが生じることがあります。

そのためアクセス解析によって客観的なデータを共有することで、チームとして優先度が高い課題の整理、全体像の把握、スムーズな合意形成の促進につながります。

とくにプロジェクト全体を管理するプロジェクトマネージャーは、サイト全体の数値を基に判断することが求められるため、アクセス解析担当者と密に連携する、PM自身がアクセス解析をおこなうなどすると、「関係者の視点+データ」を基にした意思決定ができるようになります。

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アクセス解析を成果につなげるためにやるべきこと

分析の目的(問い)を決める

効果的にアクセス解析を行うには、まず明確な目的を設定することが重要です。「デジタルマーケティングの方向性を決める」や「コンバージョンを増やすための改善策を見つける」など、具体的な目標を定めることで、分析の方向性が明確になります。

目的が定まれば、それに関連する指標やデータに焦点を絞ることができ、効率的に分析を進められます。目的を明確にすることで、膨大な項目から本当に必要な情報を抽出し、必要最低限の時間で分析と施策の立案につなげられます。

いきなり分析ツールの数値を確認するのではなく、まずはサイトを観察する

効果的なアクセス解析には、サイトなどの対象を詳細に観察することも重要です。いきなり分析ツールの数値に飛びつくのではなく、まずはユーザー目線でサイトを閲覧し、改善点の仮説を立てることから始めましょう。データだけを見ても、その背後にある問題の本質を捉えにくく、改善する箇所や優先度の判断が難しいためです。ユーザー視点とデータを照らし合わせながら分析を進めることで、よりインパクトの大きい改善策を導き出すことができます。

関連記事:【初心者必見】サーチコンソールの説明書|使い方・専門用語を解説

自動化できる部分はツールに任せる

データの収集や可視化といった作業を自動化することで、考える部分に時間を使えるようになります。Looker StudioGoogle Apps Script(GAS)などのツールを活用すれば、表やグラフの作成を自動化できます。(無料で利用可能)

自動化によって、データを収集する、グラフを作るなどの作業にかかる可視化にかかる時間を大幅に削減でき、データの解釈や戦略の立案といった、考える部分に集中できるようになります。自動化は単なる効率化だけでなく、考える部分に時間を使えるようになるため、より質の高い分析と意思決定を可能にします。

数値推移をまとめるだけでなく、改善施策まで導き出す

アクセス解析の真の価値は、単なる数値の羅列や推移のまとめではありません。確かに、サイトの現状を数値で把握することは重要ですが、それだけでは不十分です。アクセス解析の本質的な役割は、これらの数値を深く分析し、具体的な改善施策やマーケティング方針の示唆を導き出すことにあります。

たとえば、ページビュー数の減少を報告するだけでなく、その原因を探り、回復のための具体的な戦略を提案することが求められます。そのため、まとめ作業はツールに任せ、分析者は「何をすべきか」という実行可能な提案を生み出すことに集中すべきです。

改善への筋道を仮説を立てて考える

効果的なアクセス解析には、問題の特定だけでなく、その解決への道筋を明確にすることが重要です。まず、サイト分析を通じて発見した問題や数値の異常、気になる事象を明確にします。

次に、なぜその問題が発生しているのか、どのような改善が効果的かについて仮説を立てます。たとえば、特定ページの滞在時間が短い場合、コンテンツの質や量、レイアウトの問題などが考えられます。最後に、これらの仮説に基づいて具体的な解決策や改善施策を提案します。

「問題→仮説→解決策」の流れを意識することで、より効果的で実践的なアクセス解析が可能になります。

▲弊社で実際に使用している施策フォーマット

「どの指標で効果検証をするのか」実施前に決定する

改善施策を実行する前に、その効果をどのように測定するかを明確にすることが重要です。具体的には、実施する施策によってどの指標が改善されるべきか、そしてその施策の成否をどの指標で評価するのかを事前に決定しておく必要があります。

たとえば、SEOであれば掲載順位やセッション数、ページ内容の改善であれば滞在時間やページ内スクロール率などが評価指標となります。

事前に評価指標を決めておくことで、施策実施後の効果測定がスムーズになります。また改善される指標が明確になるため、期待できる効果が明確になるでしょう。

アクセス解析は次に実施することを明確にする手段

アクセス解析は、単なる数値の推移をまとめることではなく、具体的な改善策を導き出すことに価値があります。明確な目的設定、ユーザー視点での観察、データの自動化活用が重要であり、また数値の背後にある「なぜ」を理解し、問題→仮説→解決策の流れで改善への道筋を立てることが必要です。

株式会社GIGではサイトのアクセス解析を実施しています。「サイトの運用方針が決まらない」「コンバージョンが増えない」などのお悩みを抱えている方は、ぜひ一度ご相談ください。Web・デジタルマーケティングの専門家がサイトを分析し、解決策をご提案いたします。

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池上 遼弥

法政大学法学部卒。上級ウェブ解析士。学生時代からコンテンツマーケティングに携わり、株式会社GIGに入社。Webマーケティング全体やSEOの戦略設計から施策実行までを担当。