文章のトンマナを合わせるとは?読みやすさを意識した記事をつくろう|東京のWEB制作会社・ホームページ制作会社|株式会社GIG
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文章のトンマナを合わせるとは?読みやすさを意識した記事をつくろう
2025-06-25 制作・開発

こんにちは、GIGで記事制作を担当している熊澤です。ライター歴7年。これまでに200本以上の記事制作を担当し、読者に届く文章づくりを追求しています!
「トンマナ」とは、「トーン(tone)&マナー(manner)」を組み合わせた言葉です。デザイン領域でも使われる言葉ですが、文章においては、文調や語尾などをそろえることで、全体の印象が統一され、信頼感や読みやすさを高める効果があります。
ただ、トンマナの大切さは理解していても、複数の書き手が関わるメディアや立ち上げ直後のフェーズだと、気をつけていても文体や語り口に差が出てしまうことがありますよね。
そこで今回は、トンマナを整えるポイントや決め方を整理してお伝えします。文章づくりのヒントを見つけてもらえたらうれしいです。
文章の「トンマナを合わせる」とは
そもそもトンマナとは?
文章におけるトンマナ(トーン&マナー)とは、語尾や言葉づかい、表現の丁寧さなど、文の雰囲気をそろえること。文章の印象を統一するためのルールとも言えます。
トーン(tone)
文章の温度や雰囲気を決めるもの。たとえば、読者が「カジュアルで親しみやすいな」「真面目で信頼できる内容だな」などと感じる記事の印象は、使う語尾や語彙、リズムなどのトーンにより決められています。マナー(manner)
言葉の使い方をそろえるための基準です。「です・ます調(敬体)」や「だ・である調(常体)」といった文体だけではなく、「漢字をひらく」「記号の使い方をそろえる」など、細かい書き方のルールが含まれます。
トーン&マナーの両方が整っていると、どの記事を読んでも“そのメディアらしい”空気を感じてもらえます。
ビジネスにおけるトンマナを合わせる場面
「トンマナを合わせる」というと、Webメディアのコンテンツや記事に限った話と思われがちですが、さまざまなビジネスシーンで活用が可能。「なんか良い」と感じる制作物ほど、トンマナが意識されている場合が多いです。
【制作物の例】
・企画書や提案書
・メールマガジンやLINE配信
・プレスリリース
・採用ページや会社案内
なお、全体のトンマナをそろえるには、文章だけでなく、レイアウト・写真・アイコンなどのビジュアル面の調整も必要です。
より統一感を高めたい方は、以下の記事を参考にしてみてくださいね。

文章のトンマナを合わせたほうが良い理由
文章のトンマナがちぐはぐだと、読む側は注意がそがれ、内容が頭に入ってきづらくなってしまいます。たとえば、以下のような文章です。
【例】
弊社では、多様な働き方に対応した制度を整備しております。育児や介護との両立がしやすくなるよう、在宅勤務の導入も進めているんですよ〜!
なお、労働環境の改善に資する諸施策については、今後も継続的に検討を行い、必要に応じて関係各所との調整を実施いたします。
具体的に確認していきましょう。
このように、一つの文章やメディア内で雰囲気が統一されていないと、読者が「読みづらいな」「誰に向けた文なのかな?」と感じてしまいます。伝えたい情報の質や内容にこだわるのはもちろん大切ですが、“どう書くか”も欠かせない要素なのです。
文章のトンマナを整える7つのポイント
記事制作にばかり集中していると、どうしても「この一本をどう仕上げるか」に目が向きがちになります。でも、二本目、三本目……とコンテンツを増やすうちに、メディア全体のトンマナが、少しずつズレてしまうケースは少なくありません。
そこでここでは、文章のトンマナを整える7つのポイントを紹介します。
語尾や文体のバラつき(ですます調/である調など)
「〜です」「〜ます」で語りかける丁寧な文体(ですます調)と、「〜だ」「〜である」で断定する常体(である調)が混在していると、読者はどんな距離感で読めば良いのか迷ってしまいます。
どちらを使うかは自由ですが、記事やメディア内で統一することが大切です。
【使い分けの目安】
・ですます調:親しみやすく、やわらかい印象にしたいとき
・である調:論理的で、専門性や信頼感を出したいとき
また、語尾だけでなく言い回しのバラつきにも注意が必要です。同じ意味でもどんな言葉を使うか、一度立ち止まって考えてみましょう。
・「おすすめです」/「推奨されます」
・「使ってみてください」/「ご利用ください」
漢字とひらがなの開き方(例:出来る or できる)
「出来る」と「できる」など、漢字にするかひらがなにするかで、文章の印象は変わります。また、あるところでは「出来る」と書いているのに、別の箇所では「できる」としているような書き方だと、文章にまとまりがなく、稚拙な印象を与えることも……。「分かる/わかる」「頂く/いただく」などもよく混在しがちな表現なので注意が必要です。
ひらく・とじるの判断に迷ったときは、メディアとして表記ルールがあると安心です。表記については、以下の記事に詳しく記載されています。日々の執筆でも、チームでのチェック体制でも活用できる内容なので、ぜひチェックしてみてください。

敬語・タメ口・丁寧語の基準(フレンドリー/フォーマル)
「〜してね」「〜なんです」といったフランクな語り口と、「〜してください」「〜でございます」といったフォーマルな表現が混ざると、誰に向けた文章なのかがあいまいになってしまいます。
とくにインタビューや対談記事では、話し手の個性や雰囲気を活かそうとするあまり、語り口にばらつきが出やすいものです。たとえば、Aさんは親しみやすい話し言葉なのに、Bさんはかっちりした敬語で受け答えしていると、読者に“会話の温度差”を感じさせてしまうケースもあります。
読者が違和感なく読み進められるように、全体としてフレンドリーにするのか、フォーマルに寄せるのかをあらかじめ決めておくことが大切です。
「呼びかけ方」(あなた/みなさん/〜な人へ)
文章の冒頭や見出しで読者に語りかけるとき、呼びかけ方がそろっていないと、全体の印象がブレやすくなります。
たとえば、記事タイトルでは「〜したい人必見!」とカジュアルに呼びかけているのに、本文では「みなさま」「ご利用者さま」とかしこまっていたら、読者は少し距離を感じてしまうかもしれません。
このズレが起きやすいのは、次のような場面です。
・記事の導入文やリード文
・タイトルや見出し
・メルマガ・LINE配信の冒頭
・キャンペーンやLPなど、読者に行動を促す箇所
どの呼び方を使うかによって読者との距離感が決まるため、あらかじめ基準を決めておくと安心です。
専門用語の扱い(使う?やさしく言いかえる?)
専門用語をどこまで使うかは、読者の知識レベルによって判断がわかれるポイントです。
たとえば「UX」「ROI」「SEO」など、知っている人にとっては当たり前の言葉でも、初めて聞く人にとってはつまずきの原因になります。
読者層 | 専門用語の使い方 | 具体例 |
初心者向け | ・できるだけ日常的な言葉に言いかえる ・必要な場合は最初に補足を入れる | ・UX(ユーザー体験)、KPI(達成目標の指標)など ・※を用いて注釈をいれる |
上級者向け | ・専門用語をそのまま使用 | ・解説なしでも読み進められる構成にする |
どんな言葉を言いかえ、どこから説明を添えるか、メディアとしてルールを決めておくと読みやすさが安定します。
タイトルのトーン(硬派/やさしい/感情に寄せる)
タイトルのトーンと本文にズレがあると、読者は無意識に違和感を覚えてしまいます。たとえば、タイトルがビジネス寄りで堅い印象なのに、本文はやわらかい語り口だったりすると、クリック後に「思っていたのと違う」と感じさせてしまう原因になります。
また、「短く情報を伝える」か、「エモーショナルに惹きつける」かによっても、そのメディアらしさやファンがつきやすい雰囲気も変わるものです。
・短く情報を伝える
例:「企業のSNS活用法3選」、「SEO記事の構成ポイント」
→ 事実をコンパクトに伝えたいときや、ビジネス寄りの媒体に多いスタイル・エモーショナルに惹きつける
例:「“バズらない”と悩むあなたへ。SNS運用のヒント、教えます」
→ 心に響く言葉を使い、感情で惹きつけたいときに有効なスタイル
タイトルのトーンも「統一感のあるデザイン」の一つとして整えるのがおすすめです。
文字数の制限
意外と見落とされがちなのが、一文や一段落あたりの文字数のばらつきです。とくにスマホで読む場合、一文が長かったり改行が少なかったりすると、それだけで「なんだか読みにくい」と感じて読むのを止めてしまうかもしれません。
読みやすさを安定させるには、シンプルなルールを設けておくのが効果的です。
・一文は60〜80文字以内
・一段落は2〜3文で改行
・タイトルは30文字以下で
こうしたルールがあると、どの記事も読みやすく整っている印象に仕上がります。
文章のトンマナの決め方
誰に届けるか
どんなに丁寧に書かれた文章でも、読み手とトーンが合っていなければ、うまく届きません。たとえば、就活生向けの情報発信なのに、社会人歴10年目向けのような難しい表現が続いたら、読者は「自分のことじゃない」と感じてしまうかもしれません。
ターゲット像を明確にするためには、次のような視点から整理してみるとイメージが固まりやすくなります。
・どんな年代?(例:20代前半、子育て中の30代など)
・どれくらいの知識がある?(初心者/経験者/プロ)
・何に困っている?どんな悩みをもっている?
・どんな情報を求めている?
・どんな言葉になじみがある?
相手の顔が浮かぶと、自然とトンマナも定まりやすくなります。
何を感じてほしいか
文章の目的は、単に情報を届けるだけではありません。同じテーマでも、信頼を得たいのか、共感を得たいのかによって、語り口や構成、言葉の選び方が変わってきます。
たとえば、記事の種類ごとに「感じてほしいこと」を想像すると、選ぶ言葉や伝え方のイメージがつかみやすくなります。
種類 | 読者に感じてほしいこと | トンマナの例 |
導入事例を紹介した記事 | 自分たちにもできそう、信頼できそう | 事実に基づきつつも親しみある語り口で、読みやすくシンプルに |
先輩社員のインタビュー記事 | 親近感、会社の雰囲気が伝わること | 会話調でやわらかい表現を多めに。語尾に「〜なんです」「〜でした」などやさしい調子を使う |
社員のブログ | 共感、親しみ、人となり | 一人称(私)で語る、カジュアルな語り口。表現の揺れもOK |
新機能のご案内メール | 興味・期待感、行動したくなる気持ち | ポジティブで前向きな言葉を意識。本文はわかりやすく簡潔に |
どのように伝えるか
説明するのか、語りかけるのか、ストーリーで引き込むのか。同じ内容でも、伝え方によって読者の受けとめ方に差が出ます。
たとえば、新しい制度を紹介する記事を書いたとします。「〇〇という制度を導入しました。概要は〜〜です」と事実を並べるだけでは、ただの情報提供で終わってしまうでしょう。でも、「じつはこんな声から生まれた制度なんです」と背景や想いを交えて伝えれば、読者との距離が近づくかもしれません。
ほかにも、伝え方にはいろいろな手段があります。
・結論ファーストで、要点をわかりやすく伝える
・読者に問いかけながら、対話するように進める
・ストーリーで始めて、感情に訴えかける
・図や箇条書きを使って、視覚的に整理する
どれが正解ということではなく、読み手にどう届いてほしいかに合わせて、伝え方を選ぶのがポイントです。
まとめ
文章のトンマナをそろえると、読者に意図が伝わりやすく、心に残る記事になります。さらに、記事単体ではなくメディア全体で統一すれば、複数の記事を読んだ読者にも「もっと読みたい」と感じてもらいやすくなるでしょう。
「社内でトンマナを整えたいけれど、ルール作りや運用に手が回らない……」と感じる場合、外部の視点を取り入れてみるのも一つの方法です。GIGでは、伝えたいメッセージやブランドの世界観に合わせたコンテンツ制作をサポートしています。ご興味があれば、ぜひお気軽にご相談ください。
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熊澤 南
大学時代は文学部社会学を専攻。卒業後、民間企業の人事部で採用・教育に携わる。2017年よりライター業を開始し、フリーランスとしても活動。2024年に株式会社GIGへジョイン。現在はマーケティング事業部に所属し、取材や導入事例記事などのコンテンツ制作を担当する。