BtoB企業にもメディアが必要! プロが教えるメディアサイトの立ち上げ&集客方法|東京のWEB制作会社・ホームページ制作会社|株式会社GIG

BtoB企業にもメディアが必要! プロが教えるメディアサイトの立ち上げ&集客方法

2022-10-31 制作・開発

こんにちは、LeadGrid事業部のディレクターとして働く水嶋です。

最近は、BtoB領域でも、商品やサービスの導入前にインターネットで調査をする人が増えている印象です。それに伴い、自社の強みやサービス内容を発信できる自社HPの重要性が増してきています。

「検索されたときに自社HPが上位に表示されてほしいし、そこからお問い合わせをしてほしい」と思っているWebや営業担当、経営者の方も多いのではないでしょうか。

そんな方々におすすめなのが、メディアサイトの立ち上げです。ここでは、数々のメディアサイト立ち上げにかかわってきた筆者が、BtoB企業におけるメディアサイトについて解説します。


BtoB企業がメディアサイトを立ち上げるべき理由

メディアサイトはBtoC企業の場合に有効な施策で、BtoB企業ではあまり効果を発揮しないというイメージはありませんか?

確かにそう言われていた時代もありましたが、現在ではBtoB企業もメディアサイトを立ち上げることが重要な施策の一つと考えられています。背景には、Webサイトの量が急増し、読者に情報が届きづらくなっているという事情があります。

Googleが2008年に発表した「We knew the web was big...」という記事によれば、1998年にGoogleがインデックスしたWebサイトが2600万ページだったのに対し、2008年時点では1兆ページにまで増加。2022年時点で発表から14年も経っているので、ページ数はさらに増え続けているでしょう。

Googleの検索結果に表示される情報が少なければ、ただ情報を発信しているだけでユーザーに見つけてもらえます。しかし、これだけ膨大なWebページが存在する以上、なんとなくコーポレートサイトで情報を発信するだけではユーザーに届きません。

そこで活用できるのが、メディアサイト立ち上げという施策です。BtoB企業の場合、メディアサイトを立ち上げて情報を発信すれば、自社のサービスやプロダクトを認知し、興味を持ってもらえる可能性が高まります。


BtoB企業のメディアサイトで発信すべき情報

みなさんは、なにか困ったことや分からないことがあったときにどうしますか?

おそらく、スマホを持っている人の多くは、情報を「検索」しはじめるはずです。

ちょっとキツい表現ですが、「ggrks(ググレカス:人に質問する前にGoogleで調べろ)」というネットスラングがあったり、や英語でも“Google it”というような言葉があったりと、Google検索は仕事、プライベートに関わらず私たちの日常になってきています。

ここから、Google検索で情報を探す読者のニーズにあった情報を発信すれば、ユーザーに見つけてもらえる可能性が高まることが分かります。つまり、「ユーザーの悩みを解決する情報を発信すること」が重要なのです。

たとえば、システム開発をしている企業なら、システムの外注で悩んでいる社内のIT担当者向けに「システム開発の外注で注意すべき点」に関する情報を発信する。オフィスビルを運営している企業なら、オフィスビルの引越しを検討する企業向けに「良いオフィスビルの選び方」に関する情報を発信する、などの手法が考えられます。


BtoB企業がメディアサイトを運営する効果

BtoB企業の情報が届きづらくなっている現状と、メディアサイトで発信すべきなのはユーザーの悩みを解決できる情報であることを整理してきました。

では、具体的にユーザーの悩みを解決する情報を発信することで、企業はどんな効果を得られるのでしょうか?

効果1. 潜在顧客に認知してもらえる

潜在顧客とは、まだ自社サービスやプロダクトを知らない見込み顧客のことです。彼らの悩みを解決できるようなコンテンツを作成できれば、潜在顧客はそのサイトを「信頼できる情報を発信してくれるサイトだ」と考えます。

そうなれば、メディアサイトを入り口に自社サービスやプロダクトを認知してくれたり、会社の名前を覚えてくれたりします。自社のことを認知してもらいにくいBtoB企業にとっては、貴重な機会になるでしょう。

効果2. プロダクトや会社の信頼を高められる

メディアサイトは、継続的に運営することで成果が上がる施策です。ユーザーの悩みを解決できるコンテンツがストックされていくと、ユーザーの回遊率(1回のサイトアクセスで閲覧するページ数の割合)が向上する可能性は高まります。

回遊率が向上している状態は、ユーザーが最初にアクセスしたコンテンツ以外も見てくれていることを表します。メディアサイトやコンテンツの構成を工夫し、ユーザーの悩みをたくさん解決できればできるほど、「このサイトは自分の知りたいことや悩みを解決してくれるサイトだ」と思ってもらえます。

こうした情報発信を積み重ねると、プロダクトや会社の信頼を高めることにつながります。ただし、裏を返せば「このサイトはあまり役に立たない」と思われた場合、プロダクトや会社の信頼を損なう可能性もあります。ユーザーの心理に寄り添ったサイトをつくることが大切です。


BtoB企業がメディアサイトを立ち上げる流れ

「BtoB領域におけるメディアサイトの重要性はわかったけど、実際にどのように立ち上げていくの……?」という疑問をお持ちの方もいるでしょう。

ここからは、メディアサイトを立ち上げる流れを3つのステップに分けてご紹介していきます。

ステップ1. メディアサイトの目的と方向性を決める

まず、メディアサイトの基本となる「方向性」と「テーマ」を決めましょう。具体的に言うと、「誰のためのサイトなのか(ターゲット設定)」「何について発信するのか」を決めていくことになります。

ただ、メディアサイトの方向性やテーマを決めるのは少し難しいです。コツとしては、自社のプロダクトや事業領域に特化させ、さらに「顧客の知りたい情報」を届けられるテーマを選ぶのがおすすめです。

たとえば、弊社が新規メディアサイトの立ち上げをお手伝いした韓国のIT&スタートアップ情報を発信するKORITというメディアサイトの場合。

もともと韓国と日本での事業展開支援サービスを提供していたコンサルティング企業のスターシア様が「韓国のスタートアップ市場は現在盛り上がっているが、日本のメディアで韓国のスタートアップ情報に特化して情報発信をしているメディアは少ない」というユーザーニーズを解決するために立ち上げたメディアサイトです。

▲出典:KORIT

事業領域とユーザーニーズを踏まえたメディアサイトになっており、コンセプトが一貫していて読み応えがあります。

逆に、テーマを決めないと途中から発信する内容がブレてしまいます。こうなると情報に一貫性がなくなり、せっかくユーザーが一つのコンテンツを見てくれても、他のコンテンツに興味を持ってくれなくなるでしょう。

テーマを決めて発信内容を確立させることは、限られたリソースでよりよい情報を発信し、無数にあるWebサイトのなかに埋もれない強みを持ったメディアサイトをつくるために重要です。

ステップ2. 実際にメディアサイトを制作する

サイトの方向性とテーマが決まったら、実際にメディアサイトを制作していきます。

メディアサイト制作の流れは、おおまかにまとめると以下になります。

  1. 要件定義:サイトに必要なページや導線を設計する
  2. デザイン制作:ターゲットに合わせたデザインを制作する
  3. 実装・コーディング:要件やデザインに合わせてをサイトを構築する
  4. テスト:実際に出来上がったサイトが問題ないかをチェックする

まず、メディアサイトの制作を外部企業に依頼する場合は、サイトに必要なページや導線の設計である「要件定義」を行います。この際は、「サイト納品後、記事やデザインなどをどこまで発注側(運用者側)で編集できるか」「画像や動画、フォントの装飾など、記事の装飾に必要な機能があるか」などのすり合わせを行いましょう。

デザイン面のすり合わせでは、発注側がイメージしている参考サイトを共有し、どこの部分がよいと感じているかを伝えるとコミュニケーションがスムーズになるでしょう。

こうしたすり合わせが終わった後は、基本的にサイトの完成を待っていればOKです。サイトが納品されたら、完成品をチェックします。「PCはもちろん、スマホなどでもサイトが問題なく表示されているか」「デザイン崩れなどが起きていないか」「操作に問題がないか」などを確認しましょう。テストが終われば、サイト制作は終了です。

ステップ3. コンテンツを制作する

メディアサイトの納品後、あるいはサイト制作と並行しながら、実際にコンテンツをつくっていきます。この際、まずは競合するメディアがあるのか、ある場合はどういったメディアなのかをリサーチしましょう。

そのうえで、「競合メディアと正面から戦って勝ちにいく」「競合メディアが取りこぼしているジャンルに絞ってコンテンツを制作する」など、競合メディアを踏まえた戦略を立てることが大切です。

戦略が固まれば、あとはそれに従って安定的にコンテンツを制作できる体制を整えましょう。メディアサイトはとにかく運営を継続することが大事なので、自社でライターを確保するのが難しい場合は外部ライターの活用も検討し、毎月安定してコンテンツを出せるようにしましょう。


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BtoB企業がメディアサイトを立ち上げる際のポイント・注意点

ここまでの内容から、BtoB企業がメディアサイトを立ち上げるまでの流れをご理解いただけたと思います。しかし、メディアサイトの立ち上げにあたっては、注意点や見逃しがちなポイントがいくつもあります。

今回は、そのなかから筆者がとくにお伝えしたいポイントを厳選し、解説していきます。

ポイント1. サブドメインとサブディレクトリを効果的に活用する

BtoB企業のメディアサイトを制作する際、ドメインの設定方法は以下の3パターンが考えられます。

  • サブディレクトリを活用する
  • サブドメインを活用する
  • 新規ドメインを取得する

もし、現在すでに運用しているコーポレートサイトやサービスサイトがなく、ドメインを独立させる必要がある場合は、新規ドメインを取得してメディアサイトを立ち上げることになるでしょう。しかし、そうでない場合は「サブディレクトリ」または「サブドメイン」を活用してメディアサイトを立ち上げることをおすすめします。

まず、サブディレクトリとは、コーポレートサイトのメインドメイン(例:https://giginc.co.jp)の配下につくられた要素(https://giginc.co.jp/blog)のことです。コーポレートサイトにメディアサイトをぶら下げるような形をイメージしてください。

サブディレクトリを使うメリットは、コーポレートサイトがGoogleから受けるSEO面の評価(ドメインパワー)がサブディレクトリにも反映されること。すでにメインドメインを長く運営していてドメインパワーが強い場合、サブディレクトリを活用するのがおすすめです。

ただし、メインドメインのサイトと全く違うジャンルのサイトをつくる場合、サブディレクトリで立ち上げてしまうとユーザーを混乱させる可能性があります。このケースではサブドメインを使うほうがいいでしょう。

サブドメインとは、たとえば楽天ブックス(https://books.rakuten.co.jp)や楽天マガジン(https://magazine.rakuten.co.jp)のように、楽天のメインドメイン(rakuten.co.jp)の前に.で区切った形のドメインを指します。

サブドメインの強みは、メインドメインとは全く違うジャンルのサイトをつくる際、メインドメインと関連性を持たせつつ、ドメインパワーをメインドメインから一部引き継げることです。

ポイント2. ターゲットを意識してサイトをデザインする

メディアサイトのデザインは、単にかっこよくてオシャレな見た目にすればいいわけではありません。メディアサイトのターゲットに合わせて、そのメディアをターゲットにどう見せたいかを意識したデザインにすることが重要です。

たとえば、ターゲットの年齢層が高めなら少しフォントを大きくする。学生や20代のターゲットに新しい・若々しい印象を抱かせたい場合は、明るく元気なトーンの色を使う。こうした工夫をすると、ターゲットに響くサイトデザインを完成させられます。

では、実際の事例を見てみましょう。

タイミー様が運営されている『タイミーラボ』というサイトは、スキマ時間を利用して収入を得るギグワークという働き方をしている人をターゲットにしています。

▲出典:タイミーラボ

デザイン面では信頼感と前向きな明るさ、 分かりやすくミニマルな様子を表現し、ギグワークの認知やイメージの向上を意識したデザインにすることで、ギグワークに対してポジティブな印象を与えています。

ポイント3. メディアサイト公開後の予算・リソースを確保しておく

メディアサイトは、「制作して終わり」ではありません。むしろ、運用を開始してコンテンツを制作していく段階が本番といっていいでしょう。

メディアサイトは公開後からコンテンツを発信していく必要があり、成果が出るまで時間がかかるのも特徴です。当然、メディアサイトの制作から成果が出るまでの間には、多くのコストとリソースを必要とします。「メディアサイト制作にお金と時間をかけずぎて、コンテンツが全然制作できなくなっちゃった……」といったことがないよう、その後のコンテンツ制作も見すえて予算やリソースを確保しましょう。

ただし、「ブランドのターゲットに響くデザイン」を制作するには、ある程度のコストをかけたほうが良いのも事実です。ユーザーの信頼を得るために一定のデザイン性は必要なので、両者のバランスを考えながら制作会社を探しましょう。


メディアサイトを立ち上げたあと、コンテンツはどうやって制作するべき?

BtoB企業のメディアサイトの立ち上げについてご理解いただけたでしょうか。ただし、先にも触れたようにメディアサイトは立ち上げて終わりではなく、その後の運用が本番です。最後に、メディアサイトを立ち上げた後のコンテンツ制作についてかんたんに解説しておきましょう。

BtoB企業にとってニーズが高い「潜在顧客に認知してもらう」という目的でメディアサイトを運営する場合、重要になるのは「コンテンツがGoogle検索で上位表示されること」です。いわゆるSEOにしっかり取り組む必要があります。

Google検索で上位表示され、そこからサイトへ集客するためには、検索されやすい(検索ボリュームの多い)キーワードを意識して記事を書くようにしましょう。ただし、検索ボリュームが多くても、競合メディアが記事をたくさん書いているキーワードで上位表示されるのは難しいです。検索ボリュームが多いにもかかわらず、競合がそれほどコンテンツを制作していない分野にチャレンジするのがおすすめです。

なお、検索ボリュームについては、下記のようなツールを使えば調べられます。

こうした競合分析で得た情報をもとに、月3~5本のコンテンツ制作を3ヶ月くらい続けてみましょう。

ドメインの強さにもよりますが、3ヶ月たつと記事に順位がつきはじめるので、引き続き「ユーザーの困っていることを解決する」という観点でコンテンツをつくり続けていきましょう。方向性が正しく、読者に評価されていれば徐々に成果が出てくるはずです。


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水嶋 結

株式会社GIG LeadGrid事業部ディレクター。立教大学現代心理学部を卒業後、新卒でGIGに入社。現在は、ユーザー目線で仕事ができるWeb業界に興味をもち、ディレクターとしてコーポレートやサービスサイト、メディアサイトなど多岐にわたるサイト過去30社以上のディレクションを担当。