アートディレクターってどんなおしごと? 現役アートディレクターが解説|東京のWEB制作会社・ホームページ制作会社|株式会社GIG
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アートディレクターってどんなおしごと? 現役アートディレクターが解説
2022-10-31 制作・開発
こんにちは、株式会社GIGのLeadGrid事業部にて、デザインチームのマネージャーを務める向田嵩(TKC)です! 普段はクライアントワークで、サイトやロゴのデザインやアートディレクションを担当しています。
「アートディレクター」はどのようなお仕事かイメージがわかない人も多いのではないでしょうか?僕も、アートディレクターになるまで、そしてなったばかりの頃は何をすれば良いか分からず、試行錯誤をしながら業務内容をつかんでいきました。
今回の記事では、サイト制作におけるアートディレクターのお仕事や心構えについてご紹介していきます。アートディレクターに興味のある方や、アートディレクターなりたての方の参考になれば幸いです。
アートディレクターとは?
サイト制作におけるアートディレクターとは、「デザイン制作のスケジュールと質を担保する責任者」です。
「スケジュール」に関しては、もちろんデザインをスケジュール通りに完了させることも重要ですが、予定通りにサイトを公開するためにエンジニアの実装負荷も鑑みながらデザインのアウトプットを調整することもアートディレクターの仕事です。
また「質」に関しては、「クライアントの課題を解決に導くためのデザイン」の方向性を定めたり、実際に制作されるデザインがその方向性からずれていないかを確認したりする必要があります。
アートディレクターとデザイナーの違い
アートディレクターはクライアントの要望を叶えるためのデザインの方向性を定め、デザイナーにデザイン制作を依頼します。そのため、figmaやillustratorなどで手を動かすのはデザイナーになることが多くなります。
アートディレクターは「どのようなデザインにすべきか」の道標を示したうえで、制作されるデザインがその方向性からずれていないかを確認することに注力します。
アートディレクターの仕事の流れ
サイト制作でのアートディレクターの仕事は、3つのステップに分けられます。
ステップ1. ヒアリングでクライアントの課題・要望を正確に把握する
デザインの方向性を決めるにあたって、クライアントの課題・要望を正確に把握しなければいけません。僕がアートディレクターを務める案件では、主に以下の項目をデザイナーと一緒になってお客様にヒアリングします。
- サイト制作で達成したい目的
- (リニューアル案件の場合)現状のサイトの課題点
- ターゲットユーザーのイメージ(仕事・年齢・男女比・PC or SPファーストなど)
- 企業・サービスの強み・訴求ポイント
- サイトで与えたい印象
とくに注意すべき部分として、「サイトで与えたい印象」は、かっこいい・スタイリッシュ・可愛いなど、言葉のみでやりとりをしていると認識の齟齬が発生しやすくなります。「お客様の思い描くかっこいい」と「デザイナー・アートディレクターがイメージするかっこいい」を一致させるためにも、参考サイトなど実際のデザインをお客様と一緒に見ながら印象のすり合わせを行うことが大切です。
また、僕が以前執筆した「デザイナーのコミュニケーション術」という記事もお客様とのやりとりの参考になるかと思います!
ステップ2. デザインのコンセプト設計
ターゲットやサイトの目的など、ヒアリングした内容から逆算してデザインの要素の方向性を定めていきます。この方向性を定めることをGIGでは「コンセプト設計」と呼んでいます。
「ターゲットが比較的に高めの年齢層なので、小さい文字は避ける」「お問い合わせにつなげることが一番の目的なので、お問い合わせボタンが目立つ配色にする」「プロフェッショナルな印象を与えるために、真剣な表情の写真を使用したり、細身のフォントを使用してスタイリッシュさを出す」など、世界観を作り出すためのデザインの要素をロジカルに決定していきます。
詳しいコンセプト設計の方法は、石井さんが執筆したこちらの記事が参考になります。
関連記事:デザイン制作をするなら知っておきたい、デザインコンセプト設計
ステップ3. 制作中のデザインのクオリティ担保
コンセプトが決定したら、デザイン制作の段階に移ります。アートディレクターは主に以下の観点でデザインの質を確認し、デザイナーにフィードバックをしていきます。
- コンセプト設計に基づいたデザインになっているか?
例:CTAを目立たせたデザインというコンセプトなのでCTAが強調されているかなど - デザインに一貫性があるか
例:フォントサイズにばらつきがないか、タイトルやボタンなどの要素に一貫したルールがあるか - 情報が正確に伝わるデザインか?
例:誤って情報が伝わるような余白感や色分けになっていないかなど - 純粋にデザインとしてクオリティが低くないか?
- 実装可能なデザインか。また、実装スケジュールに見合ったデザインになっているか?
5の部分に関しては、エンジニア経験などがないと判断がしづらい部分もあるかと思います。経験がない場合は、必要に応じてエンジニアと連携をとるようにしましょう。
アートディレクターとしての心構え
アートディレクターをする上で心がけたい3つのポイントをご紹介します。
心構え1. スケジュールから逆算して考える
アートディレクターはスケジュール通りにデザインが進行するように、「何がいつまでに揃っている必要があるか」という部分を把握しておく必要があります。
たとえば、TOPページをデザインするにあたって、企業のロゴが必要になる場合には少なくともデザイン着手前にロゴのガイドラインが必要です。そのためタスクとしてクライアントに依頼をするなど、先回りをして必要な情報・素材を回収する必要があります。
また、スケジュールが厳しい場合には他の部分で作業が巻けないかなど、デザイナーとタスクや役割分担を調整する必要もあります。
常に納期を意識して、間に合わせるためには何をすべきかを逆算して考えるようにしましょう。
心構え2. 課題解決と表現のバランスを意識する
デザインの本質は課題解決ですが、課題解決を意識しすぎて表現の部分が疎かになると、個性のないデザインになってしまいます。反対にいわゆる“エモい”デザインでも、度が過ぎると何が伝えたいのか分からなくなります。
デザインの機能的・情緒的な役割のバランスを意識しながらクオリティのチェックをしましょう。
- 機能的役割:ターゲットにとって使いやすいか、情報が正しく伝わるか(= ユーザービリティ・アクセシビリティ)
- 情緒的役割:ターゲットに狙い通りの印象を与えられるか
心構え3. 一つの考えに執着しない
ときには、デザイナーが作り上げたものの一部が、事前にアートディレクターがイメージしていないものになっているケースがあります。もちろんそのデザインが方向性から全くずれている場合には、デザイナーに修正を依頼する必要があります。
しかし、そのデザインがアートディレクターの“想定”ではなく“想像”を超えて良い場合もあり、クライアントの課題の解決につながる場合もあります。
アートディレクターだからといって自分の考えや想定に縛られてデザインをチェックするのではなく、「こういうアプローチもあったのか!どうすれば方向性によりマッチさせられるだろうか?」というように柔軟な思考も大切になります。
株式会社会社GIGではアートディレクターを募集しています
サイト制作のアートディレクションの仕事の流れや心構えについて僕の経験をもとにまとめさせていただきました。
アートディレクターなりたての頃は、いろいろな視点からデザインをチェックしながらスケジュール管理をするのは正直大変でしたが、慣れてくるととてもやりがいのあるお仕事です。また、デザイナーと協力しながらチームとしてものづくりに取り組めるのも醍醐味の1つです。
この記事を読んで少しでもアートディレクターというお仕事に興味を持ってくれれば嬉しいです!
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話を聞いてみたい方も歓迎です。お気軽にご連絡ください!
向田 嵩(TKC)
LeadGridデザインチームマネージャー。ニューヨーク州立大学パーチェス校で数学・情報工学、メディアアートを学び、2020年に新卒としてGIGに入社。クライアントワークでのデザイン・アートディレクション や『LeadGrid』という自社サービスのUI/UXデザインを担当。