スタートアップ/ベンチャーが取り組むべき採用広報施策4つ|リソース・コストを抑えながら採用する方法|東京のWEB制作会社・ホームページ制作会社|株式会社GIG

スタートアップ/ベンチャーが取り組むべき採用広報施策4つ|リソース・コストを抑えながら採用する方法

2025-06-10 カルチャー

スタートアップやベンチャー企業にとって、自社に合う人材の獲得は事業成長の要です。しかし、大手企業のような知名度や採用予算がない中で、どのようにして自社にフィットする人材を見つけ、惹きつけるか。これは多くの経営者や人事担当者の方が抱える悩みだと思います。

求人媒体に掲載しても応募が集まらない、採用コストばかりがかさむ。そんな状況に直面しているなら、採用広報の戦略を見直すタイミングです。採用広報は、単に求人情報を出すことではありません。自社の魅力や文化、働く人々のリアルな姿を積極的に発信し、候補者との間に「共感」を生み出す活動です。

私たち株式会社GIGも2017年の創業以来、採用広報に力を入れ続けてきました。その結果、最近では自社サイトとWantedlyだけで平均月84件の応募があり、一人あたり採用コストは31.2万円に抑えられています。

この記事では、少ないリソースでも効果を最大化できるはじめに取り組むべき採用広報施策を私たちの事例も交えながら解説します。

スタートアップ/ベンチャーが取り組むべき4つの採用広報施策

端的に、取り組むべき施策を少ないリソースで効果を出すためのポイントを交えながら説明します。

採用広報は、求人情報にくわえ、企業のビジョン、文化、働く環境、社員のリアルな声などを積極的に発信することで、候補者との間に信頼関係を築き、自社への理解と共感を深めてもらうことを目指します。

採用サイトの活用/コンテンツ制作

採用サイトは、企業の顔となる重要な情報発信拠点です。求人媒体では伝えきれない企業の魅力や文化、働く環境を自由に表現できる場であり、候補者が「この会社で働きたい」と感じるきっかけを作る上で非常に有効です。

GIGでは、採用媒体にほとんど頼らず、自社の公式サイトおよび採用サイトを主要な採用チャネルとして活用しています。これは、採用媒体に掲載する費用を抑えつつ、自社のメッセージを最も効果的に伝えられるため。採用サイトを制作するのに料金はかかりますが、あとで回収できる必要経費だと考え、必ず用意しておきましょう。

採用サイトに掲載するコンテンツも重要。実際にGIGの採用面接に来られる方の約90%が採用サイト(およびWantedly)のコンテンツを閲覧しています。コンテンツで特に効果を感じているのは、以下のテーマです。

社員インタビュー:
実際に働く社員の生の声は、企業の雰囲気を伝える上で最も説得力があります。仕事のやりがい、苦労、キャリアパス、入社理由などを具体的に語ってもらうことで、候補者は入社後のイメージを具体的に描くことができます。GIGのブログでは、多種多様な職種の社員インタビューを掲載し、それぞれの入社前の課題や入社理由、現在の業務内容を紹介しています。

参考記事:関わるすべての人が、前向きで明るくいられる「ものづくり」を - ディレクター・林 瑞希


業務/実績紹介:
どのような仕事をしているのか、具体的な業務内容やプロジェクト事例を紹介します。単なる職務記述書ではなく、その仕事を通じて得られる経験やスキル、社会への貢献度などを伝えることで、候補者の興味を引きつけます。

参考記事:多様なソリューションを通じて課題解決に挑む、GIG・セールスの仕事


参考記事:エントリー数は4倍増。受発注の関係を超えた「パートナー意識」がプロジェクト成功へと繋がった。 | ルミネ様


創業の思い:
企業の成り立ちや創業者のビジョンを伝える記事は、候補者が企業の根幹にある思想に触れる良い機会となります。GIGのブログでは、創業者の岩上による「創業の思い」に関する記事も公開しており、企業の原点や目指す方向性を深く理解してもらうことに繋がっています。

参考記事:LIGを辞めてGIGを設立しました。創業メンバー募集中です。


記事制作で重要なのは、企業の「リアル」を伝えることです。飾らない言葉で、ありのままの姿を発信することが、候補者との信頼関係構築に繋がります。

SNS運用

現代において、SNSは企業と個人が繋がるためのツールです。採用広報においても、SNSは企業の日常や社員のリアルな姿を伝える上で欠かせない存在となっています。特に組織規模が小さいスタートアップ・ベンチャーにおいては、一緒に働く社員の人柄の求職者がもっとも重視する点といっても過言ではありません。無理にビジネスのことを発信する必要はなく、趣味や興味のことでも構いません。どのような人が働いているのかを伝えるために、会社名を出しつつ、無理なく続けられる自由な発信を行っていください。、

GIGでは、X(旧Twitter)やYouTubeといったSNSを積極的に活用しています。たとえば、GIGの社員であるじきるうさん(@zikilluu)や、代表の岩上(@takataka23313)さんのXアカウントからは、個人の発信にくわえ、自社サイトの記事更新や求人情報などを発信しています。これらのアカウントが採用に与える影響はとても大きく、「じきるうさんのアカウントでGIGを知りました」「岩上さんのポスト好きです」と求職者の方に言ってもらえることが多々あります。

SNSは、人を入口として自社へ興味を持ってもらうきっかけとなっています。特にスタートアップにおいては、社員一人ひとりが「採用広報担当」となり、自社の魅力を発信していくことが、採用成功への近道となります。


リファラル採用の促進

リファラル採用とは、社員の紹介を通じて人材を採用する手法です。これは、採用コストを抑えられるだけでなく、企業の文化や価値観にフィットする人材を獲得しやすいという大きなメリットがあります。社員が自社の魅力を理解し、共感しているからこそ、信頼できる知人を紹介できるのです。

GIGでもリファラル採用は重要な採用チャネルの一つです。社員が「この人と一緒に働きたい」と思える人材を紹介してくれることは、採用のミスマッチを防ぎ、入社後の定着にも繋がっています。

リファラル採用を促進するためには、社員が自社の採用戦略や求める人物像を正確に理解していることが前提です。定期的に採用に関する情報共有を行い、どのような人材を求めているのかを明確に伝える必要があります。紹介者にインセンティブを提供するなどの制度設計も効果的です。

採用ピッチ資料の活用

採用ピッチ資料は、企業の魅力を体系的に伝えるためのプレゼンテーション資料です。これは、採用イベントでの説明や、候補者への情報提供、社員のリファラル活動など、多岐にわたる場面で活用できます。特にスタートアップにおいては、まだ世の中に広く知られていない自社の魅力を、面談や面接の場で短時間で伝えるためのツールとなります。

採用ピッチ資料に含めるべき主なページは以下の通りです。

  • 会社概要
    企業名、設立年、所在地、代表者など基本的な情報
  • ビジョン・ミッション・バリュー
    企業が何を目指し、どのような価値観を大切にしているのかを明確に伝えます。候補者が共感できるかどうかの重要な判断基準となります
  • 事業内容・プロダクト
    どのような事業を展開し、どのようなプロダクトやサービスを提供しているのかを具体的に説明します。社会にどのような価値を提供しているのかを伝えることが重要です
  • 市場・(競合と比較した際の)強み
    参入している市場の規模や成長性、競合との差別化ポイントなどを客観的なデータに基づいて示します。企業の将来性や成長ポテンシャルをアピールできます
  • 組織体制・メンバー
    どのような組織で、どのようなメンバーが働いているのかを紹介します。社員の顔写真や簡単なプロフィール、チームの雰囲気などを伝えることで、候補者は入社後のイメージを具体的に描くことができます
  • 働き方・制度
    勤務時間、福利厚生、評価制度、キャリアパスなど、働く上で気になる情報を具体的に説明します
  • 採用ポジション・求める人物像
    現在募集しているポジションの詳細と、そのポジションで活躍するために必要なスキルや経験、そしてどのような人物を求めているのかを明確に伝えます
  • 選考プロセス
    応募から内定までの流れを分かりやすく説明します。候補者が安心して選考に進めるよう、丁寧な説明を心がけます

採用ピッチ資料は、一度作成すれば様々な場面で活用できるため、投資対効果の高い採用広報ツールと言えます。視覚的に分かりやすいデザインで、定量・定性の両面から魅力を伝えることを意識してください。

採用広報を成功に導く3つのポイント

採用広報は、単発の施策ではなく、継続的な取り組みが重要です。ここでは、採用広報を成功に導くための3つのポイントを解説します。

発信内容の軸となるペルソナを明確にする

採用広報において、誰に何を伝えたいのかを明確にすることは非常に重要です。ターゲットとなる候補者像(ペルソナ)を具体的に設定することで、発信するメッセージやコンテンツの方向性が定まり、より効果的なアプローチが可能になります。

ペルソナを明確にするために、最低限以下の点を深掘りします。

  • 基本情報
    年齢、性別、居住地、学歴、職歴など
  • 価値観・志向性
    仕事に対する価値観、キャリアプラン、重視する働き方、企業選びの軸など
  • 課題・悩み
    現在の仕事やキャリアで抱えている課題、転職を考えるきっかけなど

GIGでも、採用活動を行う際には、まずどのような人材を求めているのか、その人物像を具体的に言語化することから始めます。例えば、「自律的に行動できる人」「新しい技術への探究心がある人」といった抽象的な表現だけでなく、「過去にどのような経験をして、どのような課題を解決してきた人か」「どのような環境で、どのような働き方を求めているか」といった具体的な行動や思考パターンまで掘り下げていきます。これにより、採用サイトのコンテンツ内容やSNSでの発信内容が、ターゲットに響くものに。採用活動におけるミスマッチを防ぐことにもつながります。

メッセージの一貫性を保ち、継続的に発信する

採用広報は、一度やれば終わりというものではありません。企業の魅力や文化は常に変化し、市場の状況も移り変わります。そのため、一貫性のあるメッセージを継続的に発信し続けることが重要です。

ここでいう「一貫性」とは、採用サイト、SNS、社員の紹介など、どのチャネルを通じて情報に触れても、企業が伝えたい核となるメッセージがブレないことを指します。GIGの採用広報で発信している価値観のひとつは、「モノづくりと顧客への提供価値へのこだわり」。その価値観が伝わるように採用サイトのコンテンツのどれをとっても、メッセージが伝わるよう内容を意識します。

継続的な発信は、企業の認知度を高め、潜在的な候補者との接点を維持するために不可欠です。定期的に新しいコンテンツを公開したり、SNSで日常の様子を発信したりすることで、企業への関心を途切れさせない工夫が必要です。GIGでは、ブログ記事の定期的な更新や、社員によるSNSでの情報発信を奨励することで、常に新しい情報を届け、候補者との関係性を深めています。

一貫性のあるメッセージを継続的に発信することで、企業のブランドイメージが確立され、候補者からの信頼を獲得することができます。これは、長期的な視点での採用成功に繋がる重要な要素です。

効果測定を行い、施策を改善し続ける

採用広報は、一度施策を実行したら終わりではありません。効果を測定し、改善を繰り返すことで、より効率的で成果の出る採用活動へと繋がります。

具体的には、以下のような指標を定期的に分析し、PDCAサイクルを回すことが重要です。

■採用サイトのアクセス状況
指標例:セッション数、新規ユーザー数、エンゲージメント率、平均セッション継続時間、応募数など
分析の視点:サイト全体や各コンテンツへのアクセス数、ユーザーのサイト内での行動を分析します。どのコンテンツがよく見られ、候補者の興味を引き、最終的に応募に繋がっているのかを明らかにします。

■応募者・入社者が印象に残ったコンテンツ
指標例:面接・面談時のヒアリング、入社後アンケートの結果など。
分析の視点:定量的なデータだけでは測れない「なぜ応募したのか」「どのコンテンツが心に響いたのか」といった質的な情報を収集します。候補者の意思決定に繋がったコンテンツの要素を特定し、今後のコンテンツ制作に活かします。

■応募経路
指標例:各採用媒体からの応募数、SNS経由の応募数、リファラルでの応募数など。
分析の視点:どのチャネルからの応募が多く、質が高い候補者と出会えているかを把握します。これにより、費用対効果の高い媒体にリソースを集中させることができます。

■採用決定率
指標例: 書類選考通過率、面接通過率、内定承諾率など。
分析の視点: 応募から採用に至るまでの各選考プロセスでの歩留まりを可視化します。特定の段階で通過率が低い場合は、そのプロセスに課題がある可能性を特定し、改善策を検討します。

これらのデータを定期的に分析し、採用広報戦略の改善に役立てます。例えば、特定のページの離脱率が高い場合は、内容やデザインを見直したり、応募者から評価の高かったコンテンツの要素を他の記事にも応用したりします。

感覚に頼るのではなく、具体的なデータに基づいて次のアクションを決定することが、限られたリソースの中で最大の効果を生み出し、採用広報を成功に導く鍵となります。

GIGでは採用広報/コンテンツ制作の支援を行っています

スタートアップやベンチャー企業にとって、採用広報は単なる情報発信ではありません。それは、自社の「らしさ」を明確にし、それに共感する人材と出会うための重要な戦略です。大手企業のような潤沢なリソースがなくても、戦略的に採用広報に取り組むことで、質の高い採用を実現することは十分に可能です。ぜひ、まずは簡単に始められるSNSとインタビュー記事の制作に取り組んでみてください。

また、GIGでは、採用広報に関するご相談も承っております。インタビュー記事の制作やSNSの運用などもお手伝いできますので、お気軽にお問い合わせください。

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