案件を炎上させないためのプロジェクトマネジメントTips5選|東京のWEB制作会社・ホームページ制作会社|株式会社GIG
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案件を炎上させないためのプロジェクトマネジメントTips5選
2023-03-29 制作・開発
こんにちは。LeadGrid事業部でディレクター・プロジェクトマネージャーとして働く水嶋です。Web制作において、プロジェクトマネジメントをする立場になった方なら、その守備範囲の広さとプロジェクトごとに変わる進行に、悩んだことがあるのではないでしょうか。
そこで、約50社のWeb制作においてディレクションを行ってきた私が、どうすれば炎上しないプロジェクト進行ができるかについてお伝えします。
そもそもプロジェクトマネジメントとは何か?
プロジェクトとは
プロジェクトマネジメントとは、その名のとおりプロジェクトをマネジメントすることです。そもそも、プロジェクトとはなんでしょうか?
プロジェクトマネジメント協会が発行する、プロジェクトマネジメントの体系がまとまっている書籍『プロジェクトマネジメント標準 PMBOK入門』によると、以下のように定義されています。
仕事には定常業務とプロジェクトがあります。定常業務は継続的に行われ、規定の手順に沿って行われるのに対し、プロジェクトとは、
- 明確な開始時期と終了時期がある
- 独自性があること(いままでに存在しなかった製品やサービスを創造するために行われる)
というものです。
Web制作のプロジェクトに関して言及すると、会社にも異なりますが、著者が所属しているプロジェクトの開始時期は発注後のプロジェクトキックオフで、終了時期はサイトの納品・公開になります。
基本的に、新規でWebサイトを制作するときも、現状あるWebサイトをリニューアルするときも、開始時期と終了時期はWebサイト制作が中止にならない限り変わりません。
プロジェクト | 定常業務 | |
仕事の性質 | 独自性が高い | 日常的な業務 |
仕事の期間 | 開始時期と終了時期がある | 繰り返し行われ、無期限 |
プロジェクトマネジメントとは
「プロジェクトマネジメント」とは、各種知識やスキルなどを利用した、プロジェクトを成功させるための活動のことを言います。プロジェクトを成功させるためには、単にプロジェクトの目標を達すればよいのではなく、プロジェクトで合意された制約条件内で目標を達成しなければなりません。(『プロジェクトマネジメント標準 PMBOK入門』p.9より)
マネジメントされているプロジェクトはタスクが明確になっていて、作業に問題が発生したり、計画から問題が起こったりした場合は、随時対応が行われます。
プロジェクトマネジメントはタスク管理と間違えられがちです。しかしタスク管理だけではなく、プロジェクト全体を俯瞰して、スケジュール、品質、コスト管理を行ってプロジェクトの目的を達成させるのがプロジェクトマネジメントの役割です。
それでは、本題の炎上しないためのプロジェクトマネジメントについてお伝えできればと思います。
プロジェクトはどうして炎上してしまうのか?
経験上、成功するプロジェクトにはそれぞれの成功要因があります。同じように、炎上してしまうプロジェクトにも決まった失敗要因があります。
なぜプロジェクトが炎上するかというと、「クライアントとの認識のすり合わせができていない」ことに帰結することが多いです。
そして、具体的に認識のすり合わせができていないというのは、以下のような場合を指します。
- スケジュールが明確になっておらずいつの間にか遅延する
- タスクが明確でなく、期日までに間に合わないことで進行が遅延する
- 要望や要件のすり合わせに認識齟齬があり、クライアントの期待値と違うデザインや実装になっている
案件を炎上させないためのプロジェクトマネジメントTips5選
Tips1. 不安を払拭する
人はやることが決まっていないと不安になります。反対にこの目標を達成するために、いま自分たちはこの位置にいて、このタスクをする必要があると明確になっていれば、やるべきことがわかっているので安心します。
【キックオフ】
プロジェクトの目的や進め方、作業範囲、スケジュール、コミュニケーション方法や事前にわかっているリスクの共有を行います。キックオフはプロジェクト最初のミーティングなので、前提である目標のすり合わせと、それを達成するための進め方を明確にすることで、クライアントの不安を払拭します。
また事前にわかっているリスクを共有することで、「このリスクがあるのでお互いに気をつけていきましょう」という心構えを、発注側と受注側でもつことができます。
【進行段階】
定例ミーティングを設定し、そのときにスケジュールとタスクの進捗確認、必要に応じて現状発生しているリスクの共有を必ず行いましょう。定例ミーティングの頻度に関しては、プロジェクトの期間やタスクの量にもよりますが、筆者の場合、3か月単位のプロジェクトで週に1回、必要に応じて2回のミーティングを設定することが多いです。
Tips2. タスクとスケジュールの認識をあわせる
事前に全体のスケジュールとマイルストーンを共有しましょう。それぞれを共有することで発注側と受注側でプロジェクトの全体観を共有し、タスクの期日への認識をお互いに強くもつことができます。
タスクの期日が現実的に難しい場合や、少し進めてみたタスクがどうしても期日までに間に合わないなどの事態が発生する場合もあるでしょう。そんなときでもマイルストーンを共有しておくことで、「デザインは○/○から始まるので、Aタスクについては最長で○日までにお願いします。難しければ全体のスケジュールを延長する場合がでてきます」などのコミュニケーションがとれるようになります。
またタスクに関しては、タスク一覧をスプレッドシートなどにまとめて、だれが担当しているのか、いつまでにやらなければいけないのか期日を明確にして共有することが有効です。チャットなどで質問されたことでも、何往復もやりとりが発生しそうな質問や、確認に時間がかかりそうなものはシートにまとめることで流さないようにしましょう。
Tips3. 信頼を積み重ねる
不安を取り払った後は、クライアントの信頼を積み重ねることを意識しましょう。プロジェクトの初期段階はとくに、信頼関係が成り立っていない時期なので、意識的に当たり前の質をあげることが重要です。
たとえば、以下のようなことに気をつけましょう。
- 返信を早くする➞もしすぐに返信ができない場合でも、「確認して○日までにご連絡します」と連絡。
- 渡す内容に誤りを出さない、誤字をなくす➞二重確認をしっかりする。
- 質問するときは、相手の考える時間を軽減するように質問を工夫する。➞クローズドクエスチョン、相手がなにを確認すればいいかを明確にする
プロジェクトマネジメントでは、プラスアルファを行って当たり前のことがおろそかになるよりも、当たり前のことを当たり前にしていくということのほうが、安定したプロジェクトマネジメントをするうえでとても重要になります。
Tips4. MTGで決めること・決めないことを事前に設定する
MTGは準備が9割です。下記の項目を意識しましょう。
- アジェンダを伝える
- ゴールを決める
- それに合わせて時間をファシリテーターがコントロールする
- 10分前にアジェンダが終わらないと予期できければ、延長してもよいかor別途MTGを設定するかorSlackでやりとりができるかを相手に合意をとる
MTGの無断延長は絶対に禁止です。相手の時間を尊重し、MTGの時間を有意義に使いましょう。
タスクの管理の仕方はこちらの記事をご参照ください。
Tips5. 心理的安全性を確保する
心理的安全性とは、自分の意見や考えを率直に伝えられたり、恐れずに発言できたりする状態を指します。
Googleの調査結果で「成功するチームの構築にもっとも重要なのは心理的安全性である」という研究結果が明らかになりました。
心理的安全性のために大切なのは、話しやすい雰囲気と助け合いができる環境をつくっておくことです。
たとえば、以下のようなことを心がけます。
- 意見を言われたときに、相手を否定しない、意見を言ってくれたことに感謝する
- 理由をつけて感謝する(いつどんなときに、誰が、なにをしてくれたのか)
このような雰囲気をつくることで、社内メンバーとのコミュニケーションが活発になり、早めにリスクを予期できるようになったり、クライアントとの円滑なコミュニケーションができるようになったりします。
リスク管理はマイナスではなくプラスで行おう
最後に、プロジェクトマネジメントでは、あらゆるリスクを想定して、そのリスクを事前に回避・対処するリスク管理能力が必要です。
リスク管理はマイナスではなく、プラスで行った方がうまくいきます。
プロジェクトメンバーには、「これをしなきゃいけない」よりも、「こういうプロジェクトになったら楽しいよね」という伝え方をしたり、プロジェクトの目的を共有します。タスクに関しては、「やってくれてありがとう」の気持ちでコミュニケーションをとっていくとプロジェクトの雰囲気が良くなります。雰囲気が良くなることで、お互いの協力関係がを築くことができます。
プロジェクトマネジメントは、それぞれの専門分野のメンバーがいるなかでプロジェクトを行っていきます。自分だけでは見えていなかったリスクなどをメンバーから挙げてもらうことで、より安全で安定したプロジェクトマネジメントができるようになります。
Web制作のプロジェクトマネジメントでお悩みのご担当者様は、プロジェクトマネジメントのプロフェッショナルが揃った株式会社GIGまでぜひお問い合わせください!
WebやDXの課題、お気軽にご相談ください。
水嶋 結
株式会社GIG LeadGrid事業部ディレクター。立教大学現代心理学部を卒業後、新卒でGIGに入社。現在は、ユーザー目線で仕事ができるWeb業界に興味をもち、ディレクターとしてコーポレートやサービスサイト、メディアサイトなど多岐にわたるサイト過去30社以上のディレクションを担当。