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プロポーザル方式(企画競争入札)とは?技術力の高い事業者の選び方
2024-05-01 制作・開発
プロポーザル方式(企画競争入札)とは、企画書や提案書をもとに契約を結ぶ事業者を決める選定方法です。一般的に「入札」は価格が重視されやすく、契約を結んだ事業者のスキルはわからないこともあります。
プロポーザル方式(企画競争入札)は提案書をもとに選ぶため、技術力が確かな事業者を選ぶことが可能です。しかし、どのように選べばよいのかわからない方もいるのではないでしょうか?
この記事では、プロポーザル方式の企画競争入札とは何か、技術力の高い事業者の選び方について解説します。公的機関でWebサイト制作やWebシステム開発の調達にお悩みの方は、ぜひお役立てください。
プロポーザル方式(企画競争入札)とは
プロポーザル方式(企画競争入札)とは、複数の事業者に提出してもらった提案書(プロポーザル)を評価して、適切な提案を選ぶ方法です。
価格競争ではなく企画競争のため、企画力や提案力に強みをもつ中小企業が力を発揮しやすい入札方式といえます。
事前に策定された公正な審査で決めることができるため、客観性や公平性を確保したうえで選定が可能です。
プロポーザル方式で調達する業務は、デザインやシステム開発、プロモーションなど労働やサービス、技術・知識など役務を提供するものです。
具体的な成果物や結果が見えるものではないため、価格競争には向いていません。
そのため、プロポーザル方式(企画競争入札)は企画力や提案力、技術力に自信をもつ企業に参加してほしいときに向いています。
プロポーザルとコンペの違い
企画競争入札には、プロポーザル方式のほかにコンペ方式もあります。どちらも企画力や提案力を評価して選定するものですが、それぞれ評価の対象が異なります。
・プロポーザル方式:提案者(事業者)
・コンペ方式:提案そのもの
プロポーザル方式は事業実施方針や体制、実績なども含めて判断して提案者(事業者)を選びます。
一方、コンペ方式では事業者の実績の有無を問わず「提案」を選びます。
そのため、プロポーザル方式(企画競争入札)で調達するときは、提案した事業者の評価もおこなわなければなりません。
プロポーザル方式(企画競争入札)で調達するメリット・デメリット
プロポーザル方式(企画競争入札)のメリットとデメリットについて解説します。
プロポーザル方式(企画競争入札)のメリット
・成果物の品質
・対応の柔軟性
・信頼関係の構築
プロポーザル方式(企画競争入札)は、企画書や提案書が評価されるため、企業は自社の強みを生かした提案が期待できます。
また一般競争入札と違って、交渉によっては契約内容の変更が可能です。こうした変更は一般競争入札ではできません。プロポーザル方式(企画競争入札)の大きなメリットといえるでしょう。
プロポーザル方式(企画競争入札)のデメリット
・コストがかかることがある
・評価が難しい
・両者の負担が大きい
企画競争入札(プロポーザル方式)は価格重視ではないため、入札よりもコストがかかる可能性が高いことがデメリットとしてあげられます。
また、適切な提案書を集めるために、明確な評価基準や提案依頼書の作成が必要です。事業者も企画書や提案書の作成が必要になるなど、お互いに負担がかかります。
関連記事:システム開発の入札・調達方法は?入札の流れと成功させるコツ
プロポーザル方式の特徴と一般競争入札の違い
提案書を評価する選定方法には、プロポーザル方式以外に一般競争入札の「総合評価落札方式」もあります。それぞれの違いについて解説します。
評価基準の柔軟性
プロポーザル方式(企画競争入式)では透明性を確保するため、明確な評価基準を設定して公開する必要があります。評価基準を設定するのは、価格競争では勝てない技術力の高い事業者を公平に選ぶためです。
一般競争入札では落札者決定基準として公告時に公表されますが、事前に明示されているため、あとから変更はできません。
プロポーザル方式(企画競争入札)は、提案を決めたあとに契約を締結するため、目的にあわせて評価基準を調整することが可能です。ただし、変更理由は公表しなければなりません。
落札者決定基準
プロポーザル方式(企画競争入札)は優れた提案をした事業者を選ぶ方法です。そのため、契約前に交渉をおこないます。そのため、もし交渉がうまくいかなかったときは、次の順位者と交渉が可能です。
一般競争入札で調達するときは、落札者を決める基準を定めなければなりません(地方自治体法施行令第167条の10の2)。一方、プロポーザル方式(企画競争入札)は、落札者ではなく「優先交渉権者」を決めます。
提案内容の創造性
価格競争入札は価格が重視されるため、選定段階で事業者の技術力は不明です。そのため、実際にプロジェクトが進みだしてから、その事業者の技術力を知ることも少なくありません。
提案書が重視される場合、選んでもらえるよに各事業者は提案書の作成に力を入れてきます。そのため、一般競争入札では見られない創造性の高い提案書を集めることが可能です。
応募者の多様性
プロポーザル方式(企画競争入札)は提案書だけではなく、事業者の過去の実績も審査の対象です。そのため、ある程度実績のある事業者が参加しやすい方法です。
対して、一般競争入札は「全省庁統一資格」をもっていれば参加できます。将来的にプロポーザル方式(企画競争入札)へ参加を目指し、一般競争入札で経験を積む事業者もいます。
プロポーザル方式(企画競争入札)で技術力の高い事業者の選び方5つ
プロポーザル方式(企画競争入札)で求める成果物を手に入れるには、発注側の準備も大切です。技術力の高い事業者を選ぶポイントについて解説します。
1. 明確な調達仕様書を作成する
プロポーザル方式(企画競争入札)では、提案書で技術力や実績なども含めて評価することが大切です。
公告に添付する調達仕様書や提案依頼書の内容が不明瞭だと、提案書の質が低下し、評価も難航します。スムーズに選考を進めるためにも、わかりやすい調達仕様書を作成することが大切です。
公的機関のWebサイト制作は、ウェブアクセシビリティへの対応が求められています。適合レベルAAへの準拠については必ず盛り込みましょう。
関連記事:アクセシビリティの「AA」とは?Webサイト制作における達成基準を解説
2. 長期プロジェクトは小規模案件に分割する
大規模プロジェクトを小規模に分割して、資本力の小さい業者にも入札に参加できるように機会を提供します。参加する事業者が増えることで、技術力の高い事業者を見つけやすくするのです。
プロジェクトを分割するときは、合理的な調達単位を見つけましょう。調達したい案件の特性にあわせて、契約方式や調達方式を選べるように環境を整えることも大切です。
3. 落札実績があるか確認する
プロポーザル方式(企画競争入札)で事業者を探すときは、落札実績を確認するケースも少なくありません。
落札実績は『調達ポータル』で確認できますが、掲載のない事業者のコーポレートサイトの制作実績などで確認しましょう。事業者の資格種類や落札実績を閲覧できます。
気になる事業者があれば、公的機関を含め、民間事業者など多くの実績があるかを確認してください。
4. フィードバックを提供する
良い提案がなかった場合、落札できなかった事業者にはどういう理由で採用できなかったのかフィードバックをおこないます。これにより次回の提案に役立ててもらうことが可能です。
こうしたコミュニケーションにより提案の質も変わってきます。契約後、事業者に任せきりにせず、定期的にミーティングを実施することで、トラブルへの早期発見や対処、想定外のリスクを避けることができます。
5. 提案書提出までの工数を考慮する
企画競争入札(プロポーザル方式)で落札するために、参加事業者は提案書に力を入れて作成します。もし、公告で出した調達仕様書や提案依頼書に不明点があったときに備えて、問い合わせ窓口を用意しておきましょう。
より良い提案をもらうために、コミュニケーションが取れる環境を作ります。これにより、発注側の要望も伝えやすくなります。
技術力の高い制作会社へ直接依頼する方法
プロポーザル方式と同じ随意契約でも競争性のない随意契約があります。これは、発注側が案件の性質や目的が競争入札に適さないなど、いくつかの条件を満たした場合に利用することが可能です。
具体的な条件やメリットについて解説します。
随意契約を選べる条件を理解する
公的機関の案件は競争入札が原則ですが、以下に該当する場合、随意契約を結ぶことが可能です。
・緊急の必要により競争入札に付することができないとき。
・競争入札に付することが不利と認められるとき。
・時価に比して著しく有利な価格で契約を締結することができる見込みのあるとき。
・競争入札に付し入札者がないとき、又は再度の入札に付し落札者がないとき。
・落札者が契約を締結しないとき。
出典:e-GOV検索「地方自治体法施行令」
各地方自治体で随意契約のガイドラインが策定されているため、調達前に確認しておきましょう。
時間とリソースを節約できる
直接契約は特定の制作会社を選んで契約を結ぶため、一般競争入札よりも契約までのプロセスが少なく、経費を抑えられる可能性があります。
実績も技術力も確かなうえで契約を結ぶので、目的を達成しやすいというメリットがあるのです。急なプロジェクトで選定する期間がない場合も、直接契約ならスムーズです。
要件定義から依頼できる
Webサイト制作やシステム開発を依頼する場合、調達仕様書や提案依頼書でどのようなものを求めているのか要件を定義しなければなりません。
専門性・技術力の高い制作会社なら、要件定義から依頼することが可能です。明確な方向性を定めてプロジェクトを始められるため、目的を達成しやすいといえます。
関連記事:Web制作の要件定義で発注者側が知っておきたいポイント
Webサイト制作は実績が豊富なGIGにおまかせください
入札とは価格を重視した選定方法です。公的機関からの依頼において、透明性と公平性などを確保するためには欠かせません。しかし、価格競争が困難な事業者のなかには技術力がすぐれた制作会社も少なくありません。
プロポーザル方式(企画競争入札)は、こうした技術力の高い事業者を選ぶことができます。確実に目的を達成するには、技術力をもった制作会社へ直接依頼することもご検討ください。
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