多言語サイトの作り方とは? 制作会社が必要性や注意点も解説|東京のWEB制作会社・ホームページ制作会社|株式会社GIG
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多言語サイトの作り方とは? 制作会社が必要性や注意点も解説
2022-11-12 制作・開発
日本国内の市場だけでなく、海外の国や地域へのビジネス展開を考えている企業にとって、今や多言語サイトの作成は必須だといえます。
しかし、自社サイトの翻訳や言語切り替えの方法など、どことなく難しく感じている方も多いのではないでしょうか。
今回は、多言語サイトを作る必要性やメリット、具体的な作成方法などを解説していきます。
▼株式会社GIGが担当した多言語サイトの制作事例▼
多言語サイトとは
多言語サイトとは、サイト内のコンテンツを自国以外の言語においても利用できるようにしているサイトのことを指します。
ただ、飲食店のサイトでは、掲載されているメニュー情報を英語や中国語などの言語に翻訳するだけでなく、「どんな料理なのか」が伝わるように解説文などを付け加えたものもあります。
このように、ただサイト内の文章を日本語から外国語に翻訳するだけが多言語対応ではありません。
また、日本語を一字一句直訳すると、日本語特有の慣用表現が伝わりにくくなったり、文化の違いから思わぬタブーに触れてしまったりすることなども考えられます。
あらゆるコンテンツや商品においても共通することですが、多言語対応を行う際には、言語以外の要素にも目を向ける必要があります。
多言語サイトはなぜ必要?制作のメリット
インターネットが生活インフラの一部となり、スマホひとつで世界中のどこからでも検索できる今の時代。海外展開を考えている企業にとって、多言語サイトはなくてはならない存在といえます。
ここでは、多言語サイトの必要性とメリットを整理します。
メリット1. グローバルビジネスの足掛かりになる
海外展開を視野に入れている場合、ターゲットとなる国や地域の人に自社のことをまず知ってもらう必要があります。
サイトが日本語版しかなかった場合、海外に向けてのPR効果はほとんど期待できません。しかし、現地の人にとっての母国語で表示されるサイトがあれば、自社の魅力を少なからずアピールできるはずです。
自社の認知度を高めて海外展開を行う手段として、多言語サイトは非常に効果的でしょう。
メリット2. インバウンドの集客が見込める
コロナ禍の落ち着きにより、外国人観光客が日本に戻りつつあります。外国人観光客が日本の情報を収集する手段は、ガイドブックやパンフレットだけではありません。
現代社会では、インターネットを利用して行きたい場所やお店を事前にリサーチすることも当たり前になりました。サイトが多言語対応していれば、外国人向けの店舗であることをアピールできるでしょう。
メニュー情報を単に翻訳するだけでなく、どのような料理なのかといったこともより詳細に解説できれば、安心感にもつながります。海外で話題になれば、別の外国人観光客を呼び込むきっかけにもなるはずです。
メリット3. 企業のブランディングにも役立つ
サイトを多言語化している企業や店舗に対して、「積極性がある」「将来性を感じる」など良いイメージを持つユーザーは多いのではないでしょうか。
多言語サイトを制作する効果は、なにも海外だけのユーザー向けに企業をアピールできるだけではありません。日本国内のユーザーや顧客、将来ともに働くかもしれないグローバル人材に対しても好印象を与えることができます。
多言語サイトは、企業のブランディングそのものにも役立つといえるでしょう。
多言語サイトの作り方
世界的なCMS(サイトのコンテンツを構成するテキストや画像、デザイン、レイアウト情報などをまとめて保存・管理するシステム)である「WordPress」には、じつは多言語サイトを制作できるプラグインが数多く揃えられています。
また、「Wix」や「Jimdo」などに代表されるホームページ制作ツールには、多言語サイト制作用の機能が標準搭載されているケースもあります。
しかし、今回はあえてそういった機能を使わず、既存のページを外国語に翻訳し、多言語サイトを制作するための方法をかんたんに解説します。
手順1. 翻訳する言語・コンテンツを決める
サイトの多言語化を行う場合、全ページが翻訳の対象となることがほとんどですが、場合によってはコンテンツを限定して翻訳することで手間とコストを抑えることにもつながります。
翻訳するコンテンツを絞り込む方法としては、海外からのアクセスの多いページや、海外のユーザーに向けた情報が含まれているページを選ぶのがベストでしょう。
また、翻訳対象のコンテンツを選ぶと同時に、アクセスの多い国や地域、将来展開する見込みのある国や地域なども踏まえて選定を行うことが重要です。
ターゲットとなるユーザー層がある程度限られてくれば、国や地域ごとのユーザー像を深掘りしていくことで、より大きな成果につながるはずです。
手順2. 翻訳する
翻訳方法を選ぶ作業も必要です。あまり翻訳に予算をかけれない場合、機械翻訳を選ぶのも方法のひとつ。しかし、機械翻訳は手軽にできる一方で、間違った翻訳になる可能性も考慮しておかなければなりません。
なお、機械翻訳を使う場合は、必ず主語を入れてから翻訳するようにしましょう。そうしないと、「あなた」のつもりでも「わたし」と翻訳されてしまい、意味が通じなくなる可能性もあります。
また、機械翻訳しやすい日本語をあらかじめ使うことや、まず日本語から他言語に翻訳し、再度日本語に翻訳して意味が通じるかをチェックすることも大切です。
機械翻訳以外にも、翻訳会社に依頼したり、クラウドソーシングでフリーランスに依頼したりする方法もあります。予算との兼ね合いですが、翻訳が完了したら日本在住の外国人と現地の外国人とでダブルチェックすることもおすすめです。
手順3. 外国語ページのURLを決める
多言語サイトを構築するためには、まずは外国語ページのURLを分けることからはじめます。外国語ページのURLを分けるおもな手法は、以下の3パターンです。
・国別ドメイン(ccTLD)を使用する(例:https://giginc.co.us)
・サブドメインを使用する(例:https://us.giginc.co.jp)
・サブディレクトリを使用する(例:https://giginc.co.jp/en-us)
3つのURL構造にはそれぞれメリット・デメリットがありますので、以下で確認しておきます。
【国別ドメイン(ccTLD)を使用する】
国別ドメイン(ccTLD)を使用する方法は、多言語展開する国が決まっているサイトにはメリットはあります。一方、アメリカやイギリス、オーストラリアなど英語圏全体に展開したい場合にはあまり適していません。
【サブドメインを使用する】
サブドメインを使用する方法は、サブドメインを使用して新しいサイトを作ることができ、英語・中国語などそれぞれの言語で構築できる点がメリット。しかし、サイトが分かれるため管理の手間が増えやすく、検索エンジンの評価も低くなりがちなのが難点でしょう。
【サブディレクトリを使用する】
サブディレクトリを使用する方法は、たとえば英語の場合は「/en-us」というページを作るだけで公開できます。この手法だと、ドメインを変更することなくまとめて管理できるのがメリットですが、ユーザーがサイト内で迷いやすくなるというデメリットもあります。
手順4. サブディレクトリを使用して外国語ページを作成する
3パターンのURL構造を見てみましたが、サイトの管理のしやすさ・SEO面などを考慮すると、外国語ページの構築には「サブディレクトリ」を使うのが最適だと考えます。
実際、グローバル企業のコーポレートサイトで、通常ドメインの後に「/en-us」や「/zh-cn」などと記されているサイトを見たことがあるかもしれません。
そのため、以下の作成手順では、サブディレクトリを使用した外国語ページの作成を前提に解説を進めます。
手順5. カテゴリー・パーマリンクを設定する
サブディレクトリが作成できたら、外国語トップページと外国語記事のURLを分かりやすくするために、カテゴリーとパーマリンクの設定を行ってもいいでしょう。
カテゴリーとは記事の分類のことで、パーマリンクとは各ページごとのURLのこと。たとえば、「https://giginc.co.jp/blog/multilingual-website」というURLであれば、カテゴリーは「blog」の部分で、パーマリンクは「https://giginc.co.jp/blog/multilingual-website」というURLの文字列全体を指します。
上記のコンテンツを多言語化する場合、作成したサブディレクトリが反映されるように「https://giginc.co.jp/en-us/blog(カテゴリー名)/multilingual-website(個別ページのURL)」のような形のURL構造にするのがおすすめです。
なお、WordPressの場合はデフォルトだとパーマリンクに「Category」の文字列が含まれてしまうため、「プラグインを使う」「パーマリンクの設定を見直す」などの方法で削除しましょう。
手順6. headタグ内のメタタグを書き換える
少し複雑な話になりますが、ページ内の文章がどの言語で書かれているかを指定するコードを変更するために、ページの「headタグ」内にある「メタタグ」を書き換える作業も忘れてはいけません。
※headタグ:html(ページ作成用の言語。世の中のほとんどのWebサイトで使われている)で書かれた文章全体の情報を定義するためのタグ。その名の通り冒頭に記されることが多く、言語(日本語or英語など)やページタイトルなどを定義する
※メタタグ:headタグ内などに書かれるタグ。言語やページタイトルなどの細かい情報を個別に定義するために使われる
具体的には、header-en.phpというファイル内に書かれている「<html lang=“ja”>」を「<html lang=“en”>」に変更します。
そして、検索エンジンに「英語版のページはこちらですよ」と伝えるために、プログラムを少し変更します。具体的には、日本語と外国語のページに「<link rel="alternate" hreflang="○○(言語・地域コード)" href="◯◯(URL)"> 」というタグをそれぞれ書き加えます。
<link rel="alternate">タグは、そのページの代わりのページを示すときに使われるタグです。このalternateには、英語で「別の」「代わりの」という意味があり、一連のタグは多言語サイトで他の地域・言語用ページのURLを指定する役割があります。
なお、Googleは以下の3種類のURLを<link rel="alternate">タグで指定することを推奨しています。
・他言語版ページのURL
・日本語ページのURL
・デフォルト言語ページのURL
たとえば、英語と日本語の2か国語に対応したページの場合は、次のように英語ページのURL、日本語ページのURL、デフォルト言語のURLの3つのURLを指定することになります。
・<link rel="alternate" hreflang="en" href="https://giginc.co.jp/en/">
・<link rel="alternate" hreflang="ja" href="https://giginc.co.jp/ja/">
・<link rel="alternate" hreflang="x-default" href="https://gig.co.jp/ja/">
ただし、上記の作業はかなり複雑なうえ、操作を間違えるとホームページ全体に甚大な被害が出る可能性があります。不安な方はWordPressの多言語サイト作成用のプラグインを使うか、ホームページ作成ツールに搭載されている翻訳機能などを使いましょう。
手順7. 外国語ページ用のXMLサイトマップを作成する
外国語ページ用のXMLサイトマップを作り、Googleに登録することもお忘れなく。
※XMLサイトマップ:検索エンジンにサイト内の構造やページ内容を伝えるためのマップ
XMLサイトマップはWordPressであればプラグインなどの導入で作成できますし、ホームページ制作ツールであれば標準機能でサポートされている場合もあります。Googleに登録するためには、「Google Search Console」というツールを活用しましょう。
サイトマップに登録してから実際にインデックス(Googleの検索結果に表示)されるまで、だいたい1週間〜10日ほど時間は要するでしょう。
多言語サイトを作る際の注意点
最後に、多言語サイトを作る際の注意点についても確認しておきましょう。
注意点1. 機械翻訳をそのまま使わない
機械翻訳の技術も向上しつつありますが、やはりまだまだ不自然な点が多いのも事実。そのまま翻訳結果を使ってしまうと、さまざまな悪影響が発生するでしょう。
機械翻訳した記事をそのまま使用すると、読者に「この記事の日本語訳はなんだか変だな……?」と思われてしまい、読者離れにつながってしまいます。
また、Googleが発表する「Googleの品質に関するガイドライン」により、機械翻訳で生成された記事はペナルティの対象となる可能性があります。
サイト訪問者からはマイナスイメージを持たれ、Googleからもペナルティを受けなければならないとなると、多言語化の意味がありません。機械翻訳した記事をそのまま使用するのはやめましょう。
注意点2. デザインやSEOの好み・傾向は国ごとに違う
ページの翻訳が完了したら、国ごとのデザインやSEOを意識し、日本の常識にとらわれすぎないようにしましょう。
昨今はグローバル化により世界的にトレンドが平均化されつつありますが、言語や宗教が違う以上、国ごとの特徴は健在です。
デザインの好みやユーザーのニーズ、検索キーワードの傾向などは国によって異なるため、作成した各言語のサイトが検索結果に表示されるようSEOを行い、ユーザーに満足してもらえるデザインを用意する必要があります。
デザインに関しては、その国でメジャーなサービスのサイトなどを分析し、好まれるデザインの傾向を発見して外国語ページのデザインに活かす。SEOに関しては、翻訳している言語のキーワード調査などを行い、結果をふまえて各国にあわせたSEOを行う、などの手法が考えられるでしょう。
注意点3. 言語切り替えボタンの作成は必須
筆者は外資系企業のサイトを見る際、日本語に切り替えるボタンが設置してあるとすぐに切り替えてサイトを閲覧します。皆さんはどうでしょうか?
実際、言語切り替えボタンがあると海外の人もスムーズにサイトを閲覧できるようになるでしょう。つまり、ユーザーから好印象を持たれるサイトになるはずです。
さらに、国旗などを言語切り替えボタンのデザインにするだけでも、オシャレで国際感があふれるサイトになります。
多言語サイトを制作する際には、言語切り替えボタンの作成は必須といえます。
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