初心者こそ意識したいロゴデザイン制作の考え方。大切な4つのポイントを解説|東京のWEB制作会社・ホームページ制作会社|株式会社GIG

初心者こそ意識したいロゴデザイン制作の考え方。大切な4つのポイントを解説

2023-04-11 制作・開発

こんにちは! 株式会社GIGのクリエイティブ事業部でデザインやアートディレクションをしている千田崇史と申します。

普段はクライアントワークでWebサイトのデザイン制作を中心とした業務を行なっております。それ以外の過去の実績としては、アプリのUIやロゴ、名刺、パンフレット、ノベルティグッズ、写真撮影のディレクション、動画編集など、幅広く担当してきました。

その中で今回は、ロゴデザインを制作するときの考え方について、まだ経験の浅いデザイナーに向けた内容で記事としてまとめてみました。

ちなみに今回の内容は、グラフィックツールの操作方法やテクニック等の、技術的なものではありません。より本質的な部分でもある、ロゴの存在意義や特性から考えたアイデアの捻出ポイントや、高品質なロゴデザインを生み出す為の、自身のマインド的な考え方をまとめています。

ロゴデザインの技術的なスキルは、実際に手を動かしながら時間をかけて習得する部分が大きいので、知識として理解したとしてもすぐに目の前の業務へ応用を効かせることが難しい場合が少なくありません。それに対し、ロゴデザインの考え方の部分に関しては比較的取り入れやすく、グラフィックの見せ方に繋がる所でもあるので、早い段階で知識として持っておくとメリットが大きいです。

また、以下にまとめさせていただいた内容は、ロゴデザイン以外のデザイン制作物全般にも言えることなので他の媒体のデザインをするときにも有効かと思います。

少しでも参考になる所があれば幸いです。


ロゴの役割

ロゴデザインの考え方について説明する前に、そもそものロゴの役割について、正しく理解しておく必要があります。

この部分の認識が間違っていると、これから説明する内容も正しく汲み取ることができなくなってしまうので、簡単に解説しておきます。

ロゴには大きく分けて2つの役割が存在します。

ハンバーガーを提供しているあの有名な「バーガーキング」を例にして考えてみます。

▲出典:バーガーキング公式サイト

このバーガーキングの文字が、Wordの黒文字テキストで書かれているだけのロゴデザインと、現在のロゴデザインのように、色や形を取り入れてデザインされたマークを比較すると、明らかに後者の方が記憶に残りやすくなるかと思います。

さらに、ハンバーガーをモチーフとしたこのロゴは、言語の壁さえも超えて、言葉で説明しなくても何の商品を取り扱っているのか、感覚的に理解することができます。

このように、ロゴには「ユーザーの認知度を高める」という役割と、色や形などの表現で意図したイメージを作り出し「他社との差別化を図る」という2つの役割があります。

※サービスの内容次第では、他にも様々な役割を意識したデザインも存在するのですが、基本的な考え方としては上記のものになると考えています。


ロゴデザイン制作時の考え方 4つのポイント

ロゴの役割について、ざっくりと理解していただいた所で、ここからは本題となる「ロゴデザイン制作時の考え方」について、特に重要な4つのポイントを挙げてみました。

ポイント1. コンセプトの反映、印象の方向性、視覚的な美しさの3つを意識

ロゴデザインには冒頭で説明したように、大きく分けて「ユーザーの認知度を高める」という役割と「他社との差別化を図る」という2つの役割が存在します。

ロゴデザイン制作をする上では、最低限これらの条件が満たせるデザインを検討していく必要があるのですが、これらをもう少し実際のデザイン検討フェーズに近い視点で考えていくと、以下の3つのポイントに置き換えることができます。

コンセプトの反映がされているか

サービスのコンセプトがしっかりとデザインに反映されているかどうか。

サービス内容や企業理念、将来のビジョンなどを事前に深くまで理解し、それらをデザインに反映することで、同業他社との差別化が強まり、ブランディングがより強固となります。

印象の方向性は適切か

想定ユーザーを考慮して、ロゴデザインから与える印象を検討します。

そのときに確定した印象の方向性(シンプル・ポップなど)が適切に反映されているかを確認しながら制作を進めていきます。

視覚的な美しさが担保されているか

ただ単にコンセプトが反映されていて、印象の方向性が正しければいいと言う訳ではありません。

サービスに愛着を持ってもらい、ファンを増やす為にも、視覚的に美しく気持ちの良いと感じるデザインに仕上げていく必要があります。

基本的には、上記の3つを判断基準とし、これらがバランス良く担保されているかを意識して考えながらデザインを検討していきます。

これらの一つでも欠けてしまっている、もしくは誤った方向性で打ち出してしまっている場合、ロゴデザインとしての役割が担えなくなってしまいます。

ポイント2. クライアントについての理解を深める

クライアントの全てを詰め込んだロゴを作るためには、事前にクライアントについての理解を深めておく必要があります。

たとえば、サービス名の由来や、サービスの種類・特徴、企業理念、競合他社、既存ユーザーなどの現在明確になっている内容から、将来的な会社のビジョンまで。

会社案内のパンフレットや、Webサイトを隈なく全て読み解くなどして、クライアント先へ入社できるくらいの理解度まで追いつけるようにインプットしていきます。

クライアントに対しての理解度が高ければ高い程、クライアントと対等になってロゴデザインを検討でき、より本質的な部分を見据えた提案が可能になります。

ポイント3. 完成形のワンランク上を目指す

ロゴデザインは、基本的に一度納品してしまうと後から修正を加えることができません。

広告やWebサイト、名刺などに印刷して長く使用されるものでもあり、会社やサービスの第一印象を決める重要な要素にもなるため、ここまでやるかと言われるくらい、細部まで意識したデザインの調整を加えていきます。

調整するディテールのレベル感としては、一例を挙げるとするならば「錯視」の調整です。

人間の目は近接する要素の影響を受けやすく、実際に指定した値よりもサイズが大きく見えたり、小さく見えたり、色が濃く見えたりするものです。

その部分の繊細な調整は、審美眼を持ったデザイナー自身が細かく手動で調整する必要があり、技術の見せ所でもあります。

ここをするかしないかで、ロゴデザインのクオリティは大きく変化していきます。

ポイント4. ロゴデザインの展開後をイメージする

ロゴデザインは、クライアントへプレゼンし、納品するまでがゴールではありません。

納品後、作成したロゴデザインが世に出回り、意図した役割を果たしてくれる所までをイメージする必要があります。

そのため、そのときの状況次第ではありますが、可能であればそれに応じたデザインを用意してあげる必要があり、たとえばカフェのロゴデザインを制作していた場合は、紙袋やコースターに印刷されて使用される状況が想像できるので、クライアントがその未来をイメージできるようにモックアップを作成してあげるなどをすると、新しい気づきに繋がります。

またもう少し違った視点で考えると、ロゴデザインを海外でも展開していく予定がある場合。色や形などがその国の文化にマッチした表現になっているか等も考慮してあげる必要があります。

色ひとつをとっても、国によって与える印象や意味が異なり、例えば日本では、緑=初心者、というイメージが一般的ですが、中国では、緑=不誠実、といったイメージを与えてしまいます。

そのため、海外展開を予定しているサービスのロゴを作成する際には、とくに注意が必要です。


ロゴデザイン制作で初心者が持つべき3つのマインド

ここからは、ロゴデザインを制作する際に初心者のデザイナーが陥ってしまいやすい考え方と、その対策となるマインドをまとめていきます。

マインド1. ロゴデザイン制作は時間のかかるもので、愚直に向き合うもの

ロゴデザインの制作をしたことがない人や、まだ経験の浅い人にありがちなのが、ロゴデザインは成果物が小さいため、短時間で作成可能だと思い込んでしまうことです。

そのため、すぐにアイデアが出てこなかったり、コンセプトを形にしていくのに時間がかかってしまうことに焦りを感じてしまうこともあるかと思いますが、ロゴデザイン制作とはそういうもので、イメージよりも時間を要するという点をあらかじめ認識しておく必要があります。

更に言うと、実際にロゴデザインを見る人によって受ける印象は異なるため、デザインには100%の正解は存在しません。

細かいところを見ても、錯視を考慮した調整や、黄金比を用いた造形など、クオリティを高めるポイントは無限にあります。

なので、ロゴデザインに終わりはなく、限られた時間の中でどれだけ100点に近づけるかという意識で、愚直に向き合うことが大切になってきます。

マインド2. ラクして作れるロゴデザインは、それなりのもの

デザインは作業フローなどを見直すなどして効率化を図り、検討する時間を多く確保できるようにする等して品質を高めることは可能ですが、クオリティを高めるためにはそれ以上に、ロゴデザインに向き合う姿勢や熱量が大切になってきます。

ラクをして短時間で作れるものは、やはりそれなりのもので、デザインに関してはその対象に向き合った分だけ、良い答えに辿り着けるものだと思っています。

もちろん納期やコストの制約もありますが、その限られた時間の中で最低限、自分の中でやり切ったと思えるくらいに粘れる根気も大切です。

熱量的には120%を目指すことで、ロゴデザインのクオリティはもちろん、自分自身の成長にも大きく繋げていくことができるでしょう。

また、将来的にロゴデザインの一部をAIで自動化させることが一般化する時代が来るかもしれません。それでも人がロゴデザイン制作に絡んでいる以上は、この考え方は重要になってくるはずなので、この意識を持ち続けることも大切です。

マインド3. プロのデザイナーであるという意識を持つ

仮にロゴデザインの制作経験が少ない初心者のデザイナーで、上手くいくか自信がないという人の場合も、その仕事にアサインされている時点で実力が認められている証なので、自信を持って取り組んでください。

ほかのデザイン業務で得たデザインスキルが必ず活かせるはずです。

また、クライアントからは経験年数問わず、どのようなデザイナーでもプロとして見られているので、それ相応の品質で答える責任があります。

自分の力だけではアイデアが出てこない場合は、身の回りにいるデザイナーも頼り、他の人の考え方やアドバイスも積極的に取り入れながら進めていくと、成功の近道になるかもしれません。


デザインは論理と技術の掛け合わせ

個人的にデザインとは「過去に積み上げてきた知識から生まれる論理性」と「イメージを形にすることができる技術力」の2つが掛け合わさることで生まれるものだと考えています。

しかし、これらのスキルを習得するためには、後半の3つのマインドで述べた「根性論的な考え方」が必要になってくる場面も多く存在すると考えているので、もし共感できる所があれば、意識していただくのが良いかなと思います。

また、ロゴデザインの制作フロー全般を学びたい方におすすめしたい教材として、佐藤浩二さんの「成功に導く型とクオリティを高めるロゴデザイン実践講座」という動画教材がとても詳しく分かりやすい解説になっていましたので、合わせて紹介させていただきます。最近、書籍の販売も開始したようなので、是非一度ご覧になってみてください。

なお株式会社GIGは、Web制作、Webデザイン、Webマーケティング、コンテンツ制作、サービス開発など、Web戦略をトータルで支援するデジタルコンサルティング企業です。ロゴデザインを含むデザイン全般の支援も行なっていますので、デザインのご相談はお気軽にお問い合わせください。

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千田 崇史

大学時代はメディアデザインを学ぶ傍ら、デザイン制作会社でアルバイトをして下積みの経験を積む。その後、印刷会社とWeb制作会社にて、主にWebデザイン・写真・動画・チラシ・名刺など、幅広い媒体のデザイン制作を経験した後、2021年10月 GIGにジョイン。現在はクリエイティブ事業部のデザイナーとして、クライアントワークを行なっている。