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データベース構築・設計の依頼費用はいくら? 相場や費用を抑えるコツも解説
2023-07-09 制作・開発
DX推進が求められる昨今、基幹システムの導入や再構築を検討する企業が増えています。そういったシステムを導入するのにあわせて必要なのが、データベースの構築・設計です。
ただし、データベースといっても個人事業主がおもに使うデータベース『Microsoft Access』から、大企業が使う『Oracle Database』までさまざまな種類が存在します。具体的なデータベースの構築・設計に関する費用相場がわからなければ、外部企業への依頼も難しくなるでしょう。
そこで今回はデータベースの構築・設計に関する費用相場を解説します。
データベース構築・設計とは
データベースとは、日々の業務で蓄積された大量のデータを意味すると同時に、ユーザーが検索・追加・更新・削除しやすいように整理されたデータの集まりのことを指します。
こういったデータの集まりを効率よく管理・運用するためには、データベース管理システムなどが必要です。
代表的なデータベースには、アメリカのオラクル社が製造する『Oracle Database』や、『MySQL』といったものが挙げられますが、単にデータベースを導入するだけでは、効率的なデータ運用ができるわけではありません。
データベースを活用してデータ管理を行うためには、現実世界の情報を抽象化し、どのような情報をどういった構造でデータベース化するのかを細かく設計することが求められます。
この一連の流れを「データベース構築・設計」とIT業界では定義しています。
適切にデータベースの構築・設計を行うことができれば、データ分析にも役立ち、売上アップや業務効率化の実現にもつながるはずです。
データベース構築・設計にかかる費用相場
効率的なデータ運用を行うためには、データベースの構築・設計にまつわる費用はどうしても高くなります。また、データベースも小規模なものから大規模なものまで実にさまざまで、どのくらいの規模感のものを導入するかでも費用は変わるでしょう。
ここでは具体的なデータベース構築・設計に関する費用相場・目安感を解説します。
導入するデータベースのイメージ | 費用相場 |
個人事業主向けのシンプルなデータベース | 5万円~30万円 |
中小企業向けのシンプルなデータベース | 30万円~300万円 |
大企業向けのデータベース | 500万円~ |
基幹システム用のデータベース | 3000万円~ |
1. 個人事業主向け
概要 | 詳細 |
データベース | Microsoft Access |
共有方法 | ローカルPC |
データベースを共有する人数 | 1~2人 |
費用相場 | 5万円~30万円 |
納期 | 1週間 |
個人事業主の場合、データベースを導入せず、エクセルやスプレッドシートでデータを管理している方も多いのではないでしょうか。
それで問題ないケースも多いかと思いますが、ここではMicrosoft Accessを利用するパターンを想定して解説します。
Microsoft Access(Access)は、関係データベース管理システム(RDBMS)のひとつで、複雑なコマンドやコーディングなしでも、データの検索・追加・変更・削除といった作業が可能です。
※関係データベース:表のようなテーブルに情報を入れ、関連するデータを結びつけられるデータベースのこと
また、Microsoft Excelからのインポート・エクスポートも簡単で、プログラミングなしでも簡単にデータベースシステムを構築できます。
PC1台にAccessをインストールする場合、個人、もしくは2名程度で共有できるシンプルなデータベースを構築することが多くなります。納期を1週間と見積もると、費用相場は約5万円~30万円の間に収まることが多いと考えられます。
2. 中小企業向け
概要 | 詳細 |
データベース | AccessやSQL Server Express |
共有方法 | NASやデータベースサーバー |
データベースを共有する人数 | 3~10人 |
費用相場 | 30万円~300万円 |
納期 | 1ヶ月~3ヶ月 |
中小企業向けとして、NAS(ネットワーク上に接続できるHDD)に保存されたAccessを想定して解説します。
数人程度の従業員でデータ共有したい中小企業でも、Accessは活用可能です。従業員の情報と連携した勤怠管理をデータベース化する、エクセルで分割管理していた業務をデータベースで統合するといった、シンプルながらも日常業務の効率化に有効なデータベースの構築ができます。
また、Microsoftがリリースしている別のデータベースに「SQL Server」というものがあります。こちらは本格的なデータベースなので、導入にあたってはそれなりの費用が掛かりますが、無償版として『SQL Server Express』も用意されています。
無償版なので、1データベース10GBまでといったデータ制限なども設けられていますが、もう少し高度なデータベースが欲しくなった場合、こちらの活用を検討してみてもいいでしょう。
3. 大企業向け
概要 | 詳細 |
データベース | MySQLやPostgreSQL |
共有方法 | Webサーバーやデータベースサーバー |
データベースを共有する人数 | 大人数 |
費用相場 | 500万円~ |
納期 | 3ケ月~6ケ月 |
大企業が使うとなると、AccessやSQL Server Expressの無償版では難しいでしょう。専用のデータベースサーバーやWebサーバーなどを構築したうえで、業務システムを大人数で利用するためのデータベースシステムの導入が不可欠です。
ここでは、Webシステムを前提に解説しますが、Webシステムを構築する際によく利用されるデータベースが『MySQL』や『PostgreSQL』です。どちらもフリーかつオープンソースのデータベースなので、導入自体には費用はかかりませんが、拡張機能を利用したいなどのケースでは有料版も用意されています。
一方で、サーバーOSやミドルウェアを含めたサーバー構築の費用が掛かるのはもちろんのこと、ブラウザでデータベースを操作するための開発も必要となるため、構築費用はぐっと高くなります。
また、データベースを共有する人数によって、分散処理やネットワーク最適化なども考慮する必要があります。
4. 基幹システム用
概要 | 詳細 |
データベース | Oracle DatabaseやSQL Server |
共有方法 | APサーバーやデータベースサーバー |
データベースを共有する人数 | 大人数 |
費用相場 | 3000万円~ |
納期 | 半年~数年 |
基幹システムなどに代表されるような、一元管理されたデータベースが全業務システムの中枢を担うパターンでは、Oracle DatabaseやSQL Serverなどの有料データベースが利用されることがほとんどです。
基幹システムは、データベース単体で構築されることはなく、基幹システムの一部としてデータベースを導入するケースが一般的です。そのため、費用相場は基幹システム全体の導入相場となります。また、SAPなどのERPパッケージを導入するケースもあります。
基幹システムの導入となるため、当然ながら費用は高額になる傾向にあります。
データベース構築・設計費用に影響する要素
ケース別での費用の相場感を理解していただいたうえで、データベースの構築・設計の費用が、どのような要素によって左右されているのかを解説します。
要素1. テーブル・カラム・レコード・リレーションの数
テーブル・カラム・レコード・リレーションの数は、データベースの構築・設計費用を大きく左右する要素です。以下では、それぞれの用語を具体的に解説します。
■テーブル
データベースにはさまざまな種類のデータが格納されていますが、そのデータはバラバラではなく、データの種類ごとに規則性をもって格納されているのが一般的です。このデータベースの種類ごとの単位を「テーブル」と呼びます。
データベースのテーブルはエクセルで例えられることが多く、エクセルのシートがデータベースのテーブルに該当します。データベースは複数のテーブルを保持し、テーブルごとにデータを管理しています。
■カラム
カラムは「コラム」とも呼ばれ、「属性」を意味します。エクセルで例えると「列」に該当する垂直方向にあるデータのことを指します。
■レコード
レコードはデータそのものを意味します。エクセルで表現するとレコードは「行」に該当する水平方向にあるデータのことを指します。「行」は「ロウ」という用語を使用するケースもあります。
■リレーション
リレーションとは、先ほど見た「関係データベース」を構築する際の「要素同士の関係性」のこと。エクセルでいえば、関連付けられた別々のデータのことを指します。
データベースを構築・設計する際には、複数のテーブルを関連付けて、データを編集・活用できるようにします。
たとえば、顧客・販売・在庫情報を関連付けて管理できるデータベースを構築する場合、テーブル・カラム・レコード・リレーションの数は増えます。すると構築にかかる時間や手間も増え、人件費がかさむため構築・設計費用も高額になるという仕組みです。
要素2. データベースの共有方法
データベースをどのように共有するのかも、費用相場を大きく左右する要素となります。
たとえば、ネットワークに接続しない形(スタンドアロン)でデータベースを構築するならば、個人のPCにAccessをインストールし、実行環境を整えるだけでデータベースは構築できます。必要なのはAccess購入費用とデータベースの構築・設計費用だけです。
一方、社内LANでデータベースを共有する場合、データベースサーバーを構築するところからがスタートです。データベース共有の自由度を高めるとなると、実行環境の構築にも費用が掛かることになります。
要素3. セキュリティの質
企業で扱うデータは基本的には社外秘となるものがほとんどなので、セキュリティ対策は重要です。このセキュリティ対策をどの程度まで実装するのかでも、費用相場は変動するでしょう。
スタンドアロンのデータベースをインターネットに接続せずに利用する場合、たしかにセキュリティは必要ないかもしれません。しかし、そのような利用方法は現実的とはいえません。
データベース共有の自由度が高いほど、セキュリティの質を高めることが求められ、そのぶんセキュリティ対策のコストも高額になります。
データベース構築・設計費用を安く抑えるコツ
この項目では、データベース構築・設計費用を抑えるコツについて解説します。
もちろん費用は安いほど良いですが、同時に適正価格というのもあり、「安かろう悪かろう」というのはデータベース構築・設計にもいえます。低価格にこだわり過ぎるのもよくありません。
ここでは、データベースのクオリティを維持しつつ、費用を抑えるため最低限やるべきことを解説します。
コツ1. データベースを活用する目的を明確化させる
データベースを構築することで「何を実現したいのか?」「どんなことをしたいのか?」など目的を明確にすることが大切です。
「そんなことわかってるよ!」と感じるかもしれませんが、システムを導入するにあたり、そのオマケとしてデータベースを導入するぐらいに考えている方もいます。
データベースはシステムを構成するツールのひとつですが、ツールを使って何をするかが重要であり、ツールを導入することが目的になってはいけません。
たとえば「顧客行動を分析するため、顧客・販売・在庫情報をリアルタイムで可視化させたい」など、できる限り具体的なゴールは明確化させましょう。そうすれば開発会社も、適正価格での見積もり提案がしやすくなります。
コツ2. スモールスタートを心がける
データベースの構築・設計で失敗するパターンのひとつに、「はじめから完璧を目指して、多くの機能を搭載してしまう」ことが挙げられます。
多数のテーブル同士が連携する複雑なデータベースでは、たとえ要件定義がきちんとなされていても、想定外のエラーは発生しがちです。その都度修正していては人件費も予想以上に膨らみます。
このようなケースでは、データベースの機能を最小限に絞って開発・運用をスタートさせる「スモールスタート」が最適です。
データベースを実際に運用することで必要な機能を洗い出し、順次拡張できることは、スモールスタートのメリットといえます。
コツ3. システム開発の補助金を活用する
データベースだけ導入するケースは考えられないので、ここではシステム開発全般で活用できる費用を安く抑えるコツとして、国の「補助金」制度を活用することをおすすめします。
システム開発の規模感や目的にもよりますが、利用できる補助金はおもに以下の4種類です。
補助金 | 詳細 | 補助額(通常枠) |
ものづくり補助金 | 競合優位性に優れたサービス開発を計画している | 100万円~1000万円 |
事業再構築補助金 | コロナの影響で売上が減少して事業転換を計画している | 100万円~8000万円 |
IT導入補助金 | ITツールを導入して業務効率化・生産性向上を計画している | 30万円~450万円 |
小規模事業者持続化補助金 | システムを活用して販路拡大を計画している | 50万円 |
ただし、1つのシステム開発で活用できる補助金は1つだけです。また、申請すれば必ずもらえるものでもありません。
事業計画案や賃上げ計画案などの書類をきちんと提出したうえで、審査を受ける必要があるので、申請手続きのハードルは高めです。
しかし、補助金の活用ができれば、システム開発の費用を抑えることにもつながります。こういった補助金制度があることは意識しておきましょう。
データベース構築・設計の外注先を選ぶポイント
最後に、データベース構築・設計を制作会社に依頼するにあたって、依頼先を選ぶポイントも解説します。
ポイント1. 自社開発の割合が高いか
データベースの構築・設計はシステム開発の一部として行うことがほとんどですが、システム開発の手法は会社ごとにさまざま。全工程を自社のみで行っている会社もあれば、案件を獲得するだけで、作業自体は下請け企業に丸投げしてしまうような会社もあるのは事実です。
システム開発では多重請負は当たり前のように横行しており、その場合はマージンを上乗せする形で金額が膨らんでいくことが想定されます。請負先が増えれば増えるほど、費用が上がっていくことは間違いないでしょう。実際、多重請負を嫌がり、外部への再委託を禁止するといった取り決めを行うケースもあります。
また、構築・設計費用が高くなるだけでなく、中間業者が間に入ることで作業中のコミュニケーションにも時間を要し、意思疎通が難しくなることも。
自社開発の比率が高い会社では抱えているエンジニアのレベルが高い傾向にあり、依頼元とエンジニアの間に中間業者が入らないぶん、細かい要望が伝わりやすくなります。外注先を選定する際には、自社開発の割合が高いかどうかが重要な選定ポイントです。
なおGIGでは、ご依頼いただいたプロジェクトはかならず社内の開発部署が担当し、開発内容に合わせて社内外のプロフェッショナルを巻き込んだチーム編成を行っております。
ポイント2. 最初から1社に候補を絞らない
馴染みの会社や大手企業の名前を見ると、そこに依頼したくなるものです。ですが、その企業が本当に自社のシステム開発を行うのに適した企業かどうかは別問題。
データベースの構築・設計といっても、データベースの種類はひとつだけではありません。Oracle Databaseを導入する経験が豊富な企業もあれば、MySQLのようなオープンソースのデータベース構築に強い会社も存在します。
どのデータベースを用いて構築・設計していきたいのかはある程度決めておき、そのデータベースを得意としている、または導入実績が豊富な会社に依頼するようにしましょう。
そのためにも、最初から1社だけに依頼先を決めてしまうのではなく、数社程度でもいいので候補を複数見つけ、相見積もりを取ることをおすすめします。
打ち合わせを通じて、エンジニアのスキルレベルや開発実績などを比較しながら選定していくことが大切です。
仮にA社に依頼をしたシステムが希望通りに完成しても、B社に任せれば同レベルでもっと安く開発してもらえた可能性があったと分かれば、きっと後悔するはずです。そうならないためにも、相見積もりを取ったうえで、打ち合わせはしっかりと行うように心がけましょう。
データベース構築・設計はGIGにお任せください
データベースを導入するにあたり「データベースで何をしたいのか」「どのように活用すべきなのか」をまずは明確にできれば、理想とするデータベースのカタチも見えてくるのではないでしょうか。
しかし、理想とするデータベースを実際に構築・設計するためには、システム開発のプロである企業の協力は欠かせません。外注先を選ぶポイントもさきほど解説しましたが、どの開発会社を選ぶべきなのかは、かなり迷うところだと思います。
株式会社GIGは、ナショナルクライアントからスタートアップまで、Webコンサルティング、UI/UXデザイン、システム開発など、DX支援をおこなうデジタルコンサルティング企業です。
また、45,000人以上が登録するフリーランス・副業向けマッチングサービス『Workship』や、7,000人以上が登録するデザイナー特化エージェントサービス『クロスデザイナー』、リード獲得に特化したCMS『LeadGrid』、UXコンサルティングサービス『UX Design Lab』などを展開しています。
GIGでは、システム開発やデータベースの構築・設計はもちろんのこと、クライアント企業が抱える課題を明確化し、目的を達成するためのプランニングから運用・改善まで総合的にサポートいたします。
データベースの構築・設計のご相談は、お気軽にGIGまでお問い合わせください。
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