Web制作の要件定義で発注者側が知っておきたい4つのポイント|東京のWEB制作会社・ホームページ制作会社|株式会社GIG

Web制作の要件定義で発注者側が知っておきたい4つのポイント

2023-06-16 制作・開発

Web制作やシステム開発において、どのような機能を実装していくかを明確にしていく要件定義。外部の制作会社に制作を依頼する場合であれば、制作会社が発注者よりヒアリングを行い、要件定義を固めていくのが一般的です。

そして発注者側からすると「制作のプロに任せているのだから、期待通りの制作物が仕上がる」と思われるかもしれませんが、実はこの要件定義のフェーズで注意しないと、想定外の事態が起こりえます。

そのため、制作会社にすべてを一任するのではなく、発注者側もプロジェクトの一員であると意識を持ち、特に要件定義では過不足がないかどうか、認識のズレがないかどうか、最新の注意を払う必要があります。
そこで今回、発注者側も知っておくべき要件定義での4つのポイントをご紹介いたします。

はじめに:なぜ発注者側にとっても要件定義が重要なのか

通常のWeb制作のプロジェクトでは要件定義を行い開発が進んでいきますが、規模が小さい案件では要件定義がないまま進行してしまうこともあります。そうすると、後々言った言わないといったトラブルが発生してしまったり、認識が違い期待していた機能が実装されていない、といったことも起こりえます。

特に機能の不足があった場合は、追加開発が必要なため、追加の開発コストそして追加の開発期間が必要になります。そういった開発プロジェクトのトラブルは事業計画にも影響が出てしまうため、規模の大小関わらず、Web制作のプロジェクトでは要件定義は必須であるととらえ、制作会社側と認識のズレがないよう、実装したい機能が正しく要件定義されているか注意が必要です。

また、要件定義は開発会社とのトラブル回避のためだけでなく、本当に必要な機能は何かを精査する意味でも重要です。様々な機能を実装したにも関わらず、実際にリリースしてみたら使わない機能であったというケースは非常に多くあります。
必要な機能を精査することで、開発コストを抑え、開発スケジュールの長期化を防ぐことができるため、下記にご紹介するポイントを抑えながら、しっかりと要件定義を進めていきましょう。

発注者側も知っておくべき要件定義の4つのポイント

ポイント01. 機能要件の洗い出しがしっかりと行われているかどうか

 
上述の通り、制作会社に任せっきりにするのではなく、発注者側もプロジェクトの一員として必要な機能要件の洗い出しに参加し、開発機能の抜け漏れをなくし、余計な開発コストがかからないよう注意すべきです。

機能要件の洗い出しでは、まず制作プロジェクトの目的を明確にし、目的を実現するためにどのような機能が必要かを明確にしていきましょう。もしリニューアルプロジェクトの場合であれば、現状のシステムの問題点の洗い出しも行っていきます。

そして洗い出した機能に対して、どういった動作をするべきか、制作会社側と認識のズレがないよう定義していきます。また、システムにおける権限をどうするか、運用フェーズでの運用、保守体制をどうするか、セキュリティ要件をどうするか、さらには対象ブラウザやOSをどうするかなども明確にしていきます。

なお、洗い出した機能に対し、実装難易度も確認すべきです。いざ開発が進行していったら、ロジックが破綻しており実は開発できなかった、とならないよう要件定義が現実的であるかどうかも注意が必要です。

 
参考:
Webコンサルティング・アクセス解析の取り組み
キーワード設計・アクセス解析の方法
SEOコンサルティングの方法

 

ポイント02. 競合分析、参考サービスを洗い出し、時にプロトタイピングによる認識合わせが重要

 
Web制作の要件定義は目に見えないものをつくっていく性質上、開発会社との認識合わせは容易ではありません。そのため、抽象的な会話だけで要件定義を進めていくのではなく、どのような動作を期待しているのか、どういったUI/UXをイメージしているのかをすでにある競合サイトや参考サービス、また時にはプロトタイピングを通じて、実装前に開発会社側と認識を合わせていくことが重要です。

GIGでWeb制作を行う場合、両社のイメージを合わせていくためにはヒアリングだけでは厳しいと考えており、要件定義のフェーズで競合サービスや参考サービスを洗い出し、制作物が解決すべき課題に対してどのようなUI/UXにすべきかを調査し、認識合わせを進めていきます。

そしてGIGでは予算に応じてプロトタイピングを行う場合もあります。HTMLのみ、もしくはプロトタイピングツールを使い、実際の完成イメージを想像しやすい状態で認識合わせを行い、要件定義の精度を高めていきます。

 
参考:
プロトタイプ制作・開発をプロジェクト初期で取り組む
競合分析・ユーザビリティ調査の方法

 

ポイント03. 実装したい機能の優先順位づけを行い、無駄な機能がないか確認する

 
Web制作の現場では、しばしば開発機能を盛り込みすぎてしまい、開発期間の長期化、および開発コストの肥大化が起きてしまいます。一方で時間とコストをかけて実装したのに、実際は使われない機能だった、となってしまっては企業活動としてデメリットでしかありません。

また、様々なデータの分析・解析をもとに開発を進められるWeb制作だからこそ、データをもとに根拠ある機能開発を進めるべきです。そのため必要最低限の機能でリリースし、サービスの成長過程に応じて必要な機能を定めていくことで、無駄のない、かつ企業利益を最大化させることができるのです。

そこで最初の要件定義では、実装したい機能の優先順位を決めることが重要です。DB、マイページ、管理者ページ等々、各開発項目に対してどういった機能があれば運用できるか、最低限必要な機能を見極めることで、開発コストを抑え、開発スケジュールを短縮し、リリース後の分析・解析のリソースをかけることが可能になります。

 

ポイント04. スケジューリングが破綻していないかどうか

 
要件定義によって必要な開発項目が決まるため、機能ごとの開発期間から最終的な制作スケジュールが確定します。逆に言えば、要件定義が不十分であるとスケジュールが不正確なものになってしまうため、注意が必要です。

特にプレスリリース等でリリース日を公表しているなど、制作スケジュールを厳守しなければならない制作プロジェクトにおいては、要件定義のフェーズにて制作スケジュールに問題ないかどうかを発注者側も注意する必要があるでしょう。

GIGでは開発メンバーだけでなく、発注者であるクライアント企業の方とも制作進行を可視化して共有できるよう、両社で閲覧できるガントチャートに落とし込み、スケジューリングを行っていきます。

そして、何をいつまでにFIXさせないと開発が遅延してしまう恐れがあるかなどを留意しながら、マイルストーンを立て、両社で納期意識を持ったスケジューリングでWeb制作を問題なく進行できるようにしています。


Webサイトの要件定義の流れ

Webサイトの要件定義を行う際は、次の4つのステップで進めるのが効果的です。

  1. 現状分析と課題を整理する
  2. 仮説の立案を行う
  3. 関係各所との合意形成を行う
  4. 要件定義書を作成する

それぞれ解説します。

1.現状分析と課題を整理する

まずは、Webサイトを作成する目的や目標を明確にし、現在の状況を分析します。そこで、現状の問題点や課題を洗い出し、整理することで、改善すべき点を明確にしましょう。

2.仮説の立案を行う

次に、課題解決のための仮説を立てます。仮説とは、問題を解決をするための潜在的な解決策やアイデアです。

ここで立案した仮説は、後のテストや検証の基礎となる重要な要素です。

3.関係各所との合意形成を行う

立案した仮説を基に、プロジェクトに関わるステークホルダー(クライアント、開発チーム、マーケティングチームなど)との合意形成を行います。そして、各ステークホルダーの要望や制約を理解した上で、プロジェクトの方向性を調整しましょう。

4.要件定義書を作成する

最後に、合意された内容を基にして、要件定義書を作成します。この文書には、Webサイトの機能、性能、デザイン、セキュリティなどの詳細が含まれます。

要件定義書は、開発プロセスの指針となり、プロジェクトの進捗を管理するための重要な文書です。


Webサイトの要件定義書に記載すべき主な項目9つ

Webサイトの要件定義書には、プロジェクトの成功に不可欠な多くの要素を記載する必要があります。

以下は、要件定義書に記載すべき主な9つの項目です。

  1. 背景・目的
  2. プロジェクト概要
  3. サイト構成
  4. システム要件
  5. 技術要件
  6. インフラ要件
  7. セキュリティ要件
  8. リリース要件
  9. 運用・保守計画

それぞれ解説します。

1.背景・目的

まずは、プロジェクトを開始する理由や、達成したい目標を明確に記述します。また、Webサイトが解決しようとしている問題や、ビジネス上の目標を具体的に説明します。

2.プロジェクト概要

次に、プロジェクトの内容や範囲、期間、関係者、予算などの基本情報を概説します。ここでは、プロジェクトの主要となるKPIや成果物についても触れるようにします。

3.サイト構成

プロジェクト概要が決まれば、サイトの全体的な構造や、主要なページとその機能を示します。ここでは、ナビゲーションの流れや、ユーザーがどのように情報を探すかについても記述します。

4.システム要件

サイトの構成ができたら、次にサイトが正常に機能するために必要なハードウェアやソフトウェアの要件を定義します。

ここでは、サーバーのスペックやデータベースの種類、必要なライブラリやフレームワークなども詳細に記載します。

5.技術要件

次に、サイトを構築するために使用する技術やプログラミング言語、ツールなどを明記します。そして、フロントエンドとバックエンドの技術スタックについても説明します。

6.インフラ要件

要件定義書のインフラ要件とは、Webサイトやシステムを運用するために必要な基盤となる技術的な要件を指します。

これには、ホスティング環境やネットワーク構成、バックアップ戦略などが含まれます。

7.セキュリティ要件

Webサイトの要件定義書のセキュリティ要件は、システムの安全性を確保するために非常に重要です。

セキュリティ要件の主な項目には、データ保護、暗号化、アクセス制御、セキュリティテストなどがあります。

8.リリース要件

要件定義書のリリース要件とは、Webサイトやシステムが公開される際に満たすべき条件や手順を定めたものです。

これには、バージョン管理やデプロイメントプロセス、リリース後の監視方法などが含まれます。

9.運用・保守計画

最後に、サイトが長期にわたって安定して機能するための計画を立てます。

ここでは、定期的なメンテナンス、アップデートのスケジュール、トラブルシューティングのプロセスなどを記載します。

上記の項目は、Webサイトの要件定義書を作成する際の骨格となり、プロジェクトチームが一貫した理解を持ち、効率的に作業を進めるための基盤となります。ただし、各項目は、プロジェクトの性質や規模に応じてカスタマイズが必要なケースもあるため、注意しましょう。


Web制作の要件定義を行う際に発注者が注意すべきポイント6つ

Web制作の要件定義を行う際に発注者が注意すべきポイントとして、次の6つが挙げられます。

  1. プロジェクトのビジョンと目標の設定
  2. コミュニケーションの維持と協力
  3. ユーザーのニーズの理解と要件定義への反映
  4. リソースと予算の管理
  5. リスクの特定と管理
  6. 品質管理

それぞれ解説します。

1.プロジェクトのビジョンと目標の設定

プロジェクトの成功には、明確なビジョンと目標が不可欠です。これにより、プロジェクトチームが一貫した方向性を持ち、意思決定を行う基準を持つことができます。

ビジョンと目標を設定する際には、SMART基準(具体的、測定可能、達成可能、関連性があり、時間に基づいた)を用いるのが効果的です。

2.コミュニケーションの維持と協力

プロジェクトの進行においては、開発者、デザイナー、ステークホルダー間での効果的なコミュニケーションが重要です。そこで、定期的なミーティングや進捗報告、フィードバックのループを設け、誤解を防ぎ、協力を促進しましょう。

3.ユーザーのニーズの理解と要件定義への反映

ユーザーのニーズを正確に理解し、それを要件定義に反映させることが、ユーザー満足度を高めるポイントです。そこで、ユーザー調査やインタビュー、ペルソナ設定などを行い、ユーザーの要求を深く掘り下げ、要件に落とし込みましょう。

4.リソースと予算の管理

リソースと予算はプロジェクトの範囲と品質を決定する要因です。そこで、リソースの割り当てや予算の配分、コストの監視を行い、プロジェクトが計画通りに進行するよう管理しましょう。また、予期せぬコスト増加を避けるために、余裕を持った予算計画を立てることが重要です。

5.リスクの特定と管理

プロジェクトには、さまざまなリスクが伴います。そこで、起こりうる問題を事前に特定し、リスクマネジメントプランを策定することで、問題が発生した際に迅速な対応が可能となります。そこで、リスクの評価と優先順位付けを行い、対策を講じておくことが重要です。

6.品質管理

制作されたWebサイトの品質を保証するためには、品質管理プロセスを確立する必要があります。これには、コードレビュー、テスト計画、ユーザビリティテストなどが含まれます。品質基準を設定し、それに従って製品が開発されているかを定期的に確認することが大切です。


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