サイト制作の鍵は「コンセプト」にあり。事例に学ぶコンセプトの作り方|東京のWEB制作会社・ホームページ制作会社|株式会社GIG

サイト制作の鍵は「コンセプト」にあり。事例に学ぶコンセプトの作り方

2024-11-28 制作・開発

Webサイトは、企業の存在意義を明確化し、新たなビジネスの可能性を感じさせる必要不可欠なツール。しかし、単にサイトを制作し情報を掲載しているだけでは、競合に埋もれてしまい、企業が持つ本来の価値を引き出すことはできません。そこで必要になるのが「サイトコンセプト」。サイトを訪れるユーザーに、どんな情報を、どんな伝え方で届けたいのか。それによってどんな行動を引き起こしたいのか。サイトの軸を明確化し、目的達成へと導く、重要な概念です。

今回は、サイト制作の鍵である「コンセプト」について、GIGでコンセプト策定をメインに行っている廣内が、実際の事例にもとづいて解説します。初めてサイト制作を担当するマーケティング担当者から経験豊富なWeb担当者まで。すべてのサイト制作者にとって価値ある情報をお届けします。

サイトコンセプトとは「羅針盤」

繰り返しになりますが、サイトコンセプトは、Webサイトの軸となる、いわば「羅針盤」。Webサイトの目的、ターゲットユーザー、届けたい情報とその価値を明確にすることで、伝えたい内容がターゲットに「伝わる」ように導きます。

羅針盤のない船は、目的地にたどり着けない

Webサイトの制作は、様々な要素が複雑に絡み合う大規模プロジェクトです。要件を定義し、ワイヤーフレーム(ページの構成案)を引き、それに沿ったデザインをしたうえで実装をし、ようやくリリース....と思ったら、次はサイトを継続的に動かすためのコンテンツを制作し、SEOへの対策もしなければなりません。ある意味で、サイトコンセプトが欠如したWebサイトはどこへ向かうべきか分からず、迷走を続けてしまう「羅針盤のない船」のような状況と言えます。

サイトコンセプトは、そのような状況を防ぎ、貴重な時間とお金を最大限に活用するために必要な取り組みと言えるでしょう。

サイトコンセプトの重要性を事例で解説

ここからは、実際にGIGにて実施したプロジェクト事例をもとに、サイトコンセプトの重要性を確認していきます。

A社:社名変更に伴う刷新感を打ち出すコーポレートサイト

まずは、社名変更に伴いコーポレートサイト、ロゴといったアイデンティティの刷新を図ったプロジェクト。A社はもともと、2つあったグループ会社が融合し、1つのホールディングスとして生まれ変わったという経緯があり、社内文化があまり統合されていなかったという背景をお持ちでした。くわえて、複数の事業が絡み合う状態でもあり「一貫した指針、方向性を見出すことが難しい」といった状況もありました。

そこで取り組んだのが「ブランドDNA」の再発見です。異なる企業文化を持つホールディングス会社だったからこそ、これまでの企業変遷の中で大切にしてきた価値観、想い、歴史。そういったものをワークショップを通じて整理をさせていただき、企業の持つDNAに「しなやかさ」「支える」といったワードを発見。そうしたワードをコンセプトとして定義したことで、サイトのTOPのビジュアルにはロゴのモチーフとなっている「スパイラル」が流れる様子を波として表現し「しなやかさ」を視覚的に表現したり、これまであまり前面に打ち出していなかった経営理念を表現するページを用意し、「支える」ことの決意を表明したり。

サイトコンセプトを明確化することで、A社の持つブランド価値を表現するだけでなく、社内外からのステークホルダーからへ新たな企業イメージを抱かせるきっかけにもなっています。

B社:歴史に裏打ちされた柔軟性を伝える採用サイト

B社は、約80年にもわたり業界に貢献されてきた老舗卸業者です。業界内でも認知度が高く、幅広くメーカーと販売店をつなぐ役割を担っています。しかし、その歴史の長さ、業態の複雑さゆえに、求職者や学生から「堅苦しいのではないか」や「少し前時代的な印象がある」といった先入観をもたれることが多く、実際にお持ちの魅力が伝わりにくいといった課題がありました。

そこで、ヒアリングや企業様の価値の整理を通じて設定したのが「古いけれど、古くないのです」といったサイトコンセプト。歴史の長さを「古い」と伝えるのではなく、B社が柔軟な姿勢で時代に適応し続けてきたからこそ、約80年もの歴史を築き上げてきた...というメッセージを込めています。実際に、B社さまとお話をさせていただいても、お人柄や話しぶりから古いと感じたことはなく、むしろ、歴史に裏打ちされた「自信」のようなものを感じました。

そのような魅力を伝えるために、古さの意味を転換したサイトコンセプトを打ち立てて制作。デザインにはシンプルでありながらクラシカルな雰囲気のレイアウト、モダンなあしらいを導入し「歴史を重ねてきた信頼感」と「現代的な革新性」を表現。さらに、サイトトップに掲載するキャッチフレーズや求職者・学生へのメッセージもGIGで刷新し、想いが伝わるライティングをいたしました。これらの取り組みによって、当初は単に「古い」といった単なるネガティブイメージから、「古さゆえの信頼感、柔軟性」といったポジティブイメージへの転換が図られたことで、サイトを訪れるステークホルダーの方々へB者の持つ歴史の重みと柔軟な企業姿勢が伝わる一助になったと考えています。

C社:素材の価値を伝えるオウンドメディア

C社は、有名ガラスメーカーとして長年にわたり建築から私たちの生活までを支えてきた企業であり、その品質と信頼性で高く評価されています。これまでガラスはものづくりのための資材とみなされることが多く、その可能性が十分に伝わっていないという認識がありました。そこで、C社は改めてガラス素材の持つ価値を再定義し、新たな可能性を伝えることを目指したオウンドメディアを立ち上げるべく、GIGにお問い合わせをいただきました。

そこで、まず検討したのが「素材そのものの価値とは」といった根本的な内容について。企業のご担当者さまからレクチャーをいただいたり、ヒアリングをしたりしながら、ガラスという素材の持つ可能性を整理し、「ガラス=建築資材から、ガラス=創造資材」と定義。素材が空間やプロダクトに与える感動や豊かさによって、これまでにない体験や生活の質を向上させる可能性を示すことを目指しています。実際のオウンドメディアでもガラスそのものの輝きや暖かみを感じさせるビジュアルを採用し、ユーザーが直感的に素材のもつ価値を触れられるような構成にしています。また、掲載するコンテンツも素材のもつ価値を伝えるべく、専門家のインタビューや解説を取り込み、ガラスがいかに私たちの生活や環境にポジティブな影響をもたらすかを伝えるストーリーとして機能しています。

効果的なサイトコンセプトの作り方

ここまでで、Webサイト制作における「コンセプト」が、ユーザーに強い印象や企業の本質を伝える重要な要素であることを確認しました。では、実際にそれらのコンセプトがどのような手順によって生み出されるのか。ここからは効果的なサイトコンセプトの作り方を4つのステップに分けて解説します。

1.サイト制作で「誰に」「何を」伝えたいのかを整理する

サイトコンセプトを構築する第一歩は、ターゲットユーザーと彼らに伝えたいメッセージを明確にすることです。これは、Webサイトの目的を達成するための羅針盤となります。このステップを疎かにすると、サイト全体が迷走し、期待する成果を得られない可能性が高まります。

具体的には、以下の2つのポイントの整理を行います。

・誰に(ターゲットユーザー)Webサイトを通して誰に情報を届けたいのか?年齢、性別、職業、興味・関心、利用デバイス、抱えている課題など、可能な限り具体的にペルソナを設定します。既存顧客と新規顧客で異なる場合は、それぞれ設定しましょう。ターゲットを絞り込むほど、効果的なメッセージを届けられます。

・何を(伝えたいメッセージ):ターゲットユーザーに何を伝えたいのか?どのような情報を提供することで、彼らのニーズに応え、課題を解決できるのか?製品やサービスのメリット、企業の理念、業界の動向など、伝えたいメッセージを明確にしましょう。

これらの要素を整理することで、Webサイトの方向性が定まり、後続のデザインやコンテンツ制作がスムーズに進みます。例えば、B社の採用サイトの例では「歴史に裏打ちされた柔軟性」を求職者に伝えることで入社後の成長環境やキャリア形成の安心感を伝えたように、改めてなぜ、Webサイトを制作するのか、それによってどんな目的を達成したいのかを言語化して整理することが重要です。

2.ターゲットに情報を伝えることでどんな「変化」を生み出したいのかを考える

次に、ユーザーがWebサイトを訪れることでどのような変化を期待できるのかを考えます。企業に対して抱くイメージや行動を促す仕掛けを意識しながら、単なる情報発信にとどまらないようにコンセプトを企画します。

例えば、A社のコーポレートサイト刷新プロジェクトでは、「一貫した方向性」を示すことで、社内外のステークホルダーに対する企業の信頼感と革新性を訴求することが目標でした。このように、伝えたい情報を「どのように伝えるか」によって、受け手であるターゲットに「伝わる」サイトに変化します。

3.1と2の要素を「一言」にまとめ、キーフレーズ化する

1と2で整理した内容をもとに、伝えたいメッセージをシンプルに表現するキーフレーズを設定します。効果的なキーフレーズは、コンセプトのエッセンスを凝縮し、ビジュアルやデザインのガイドとして機能するだけでなく、サイト全体に統一感を持たせる役割も果たします。例えば、「古いけれど、古くないのです」というB社のキーフレーズがその企業イメージを一言で体現しているように、一言にまとめられたコンセプトは、さまざまな展開を予感させる言葉として機能します。

4.そのコンセプトから、具体的な制作イメージが浮かぶかを確認する

最後に、設定したコンセプトが具体的なデザインや構成に結びつくかを確認しましょう。制作チームやクライアントとイメージを共有し、同じ方向性を持ってプロジェクトを進められるかが重要です。

まとめ|コンセプトがサイト制作の成否を左右する

サイトコンセプトは、単なる装飾や言葉遊びではなく、プロジェクト全体を支える「基盤」であり「羅針盤」です。今回ご紹介した4つのステップを踏むことで、企業の持つ本質的な価値や想いをより効果的に伝え、ユーザーの心に響くサイトを構築することが可能になると考えます。あらゆる要素が絡み合うWebサイトの制作において、コンセプトこそがすべての判断基準となり、プロジェクトの成否を左右するといっても過言ではないと、私たちは考えています。

株式会社GIGではサイトのコンセプト設計からサイト制作をリードしています。「作りたいWebサイトのイメージはあるけれど、うまく言語化できていない」や「サイト制作プロジェクトを成功に導きたい」などのお悩みを抱えている方は、ぜひ一度ご相談ください。サイト制作の専門家が貴社とともに、一緒になってサイト制作を進めさせていただきます。

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