記事コンテンツのタイトルに【2021年版】と入れてはいけない理由|東京のWEB制作会社・ホームページ制作会社|株式会社GIG
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記事コンテンツのタイトルに【2021年版】と入れてはいけない理由
2021-04-02 制作・開発
こんにちは、GIGでメディア周りのお仕事をしている内田(じきるう)です。
GIGは月間150万PV超(調子がいいと300万PVくらい)のオウンドメディア『Workship MAGAZINE』の運営を行っています。その他に他社メディアのコンサルや、メディア制作&開発、記事コンテンツ制作支援なども行っています。
みなさんは、以下のようなタイトルを見たことはないでしょうか?
【2021年版】通販で買えるおすすめのカニ10選
【2021年4月最新】東京都内のおすすめカニ料理屋50選
【2021年4月1日更新】人生で一度は食べたいおすすめのカニ100選
どうでしょう、既視感のある方は多いのではないでしょうか?
読者に「この記事には最新の情報が載っていますよ!」と伝えるために、記事を公開(更新)した日付を載せる手法です。もちろん記事を読む側としても、いつ書かれたか分からないインターネットの遺物のような情報より、なるべく新鮮な情報を求めていることは多いでしょう。記事の新鮮さを伝えるためにも、有効な手法といえます。
しかし、むやみやたらと使うのも考えものです。場合によっては、記事の価値を大きく損ねることも。
この記事では、記事のタイトルに【20XX年版】と更新日を入れるデメリットをお伝えいたします。
1. 時間が経つと鮮度が落ちる
当然ですが、記事は公開してから時間が経つと鮮度が落ちます。とりわけニュース性・トレンド性の高い情報をあつかう場合は鮮度が命です。
少し前の例でいうと、音声配信アプリ『clubhouse(クラブハウス)』でしょうか。新機能や新しい使い方が発見されるたび、クラブハウス関連の記事が無限に量産され、その中でも有益で新しい記事だけが評価されます。
そしてこのとき、更新日の表記を入れることは、長所にもなり同時に短所にもなり得るのです。たとえば以下のような記事があったとします。
【2021年1月26日最新版】clubhouse(クラブハウス)の使い方まとめ!
クラブハウスは2021年1月26日ごろから日本で流行り始めたため、上記はそれをいち早くまとめた記事でしょう。そのスピード感にはあっぱれです。
しかし、今となってはどうでしょう。この記事を書いているのは同年3月なのですが、クラブハウスは日々新機能がリリースされ、新しい使い方やトレンドも生まれ続けています。上記の記事の鮮度は、この時点ですでに落ちているでしょう。コンテンツとはいやはや、残酷な世界ですね。
もちろん上記の記事を日々更新し続け、【2021年3月31日最新版】などとすれば、鮮度を保てます。しかし更新を前提に考えないのであれば、公開日をタイトルに入れることはすなわち「今からどんどん鮮度が悪くなる記事ですよ」と宣言してしまうことにも繋がるのです。
上記のように細かな月日まで書かない場合、たとえば【2021年版】と書く場合も同様です。年が変わった瞬間に、それは読者から「古い記事」として扱われます。仮に、いつの世でも読める不変のコンテンツを作ったとしても、年数表記をするだけで読まれなくなってしまう恐れがあるのです。
2. メンテナンスコストがかかる
前章でも触れましたが、【2021年版】などと書くことはすなわち、「記事の更新を前提にしないと鮮度が落ちる」ということです。もうお分かりですね。これは結構なメンテナンスコストがかかる作業です。
もちろん、記事が古い情報のまま、【2021年版】を【2022年版】にするなんてことはご法度です。更新日表記を改めるのであれば、その中身も改めなければなりません。内容は2021年版のままでタイトルだけ2022年版だと、読んでいるうちにきっとどこかで齟齬が発生します。
「いや、そもそも2022年でも使える内容だし! タイトルの年数表記だけ変えても別にいいでしょ!」
不変の内容であれば、その通りかもしれません。しかしそれであれば、その年数表記にはなんの意味がありますか? その年数表記は、読者にどんなメリットをもたらしますか?
記事の鮮度が大事であれば、その内容は更新するのがよいでしょう。メンテナンスコストはかかりますが、最新の情報を知りたい読者には大きなメリットがあります。鮮度がそこまで重要でないコンテンツなら、そもそも【2021年版】【最新版】と述べる必要はないのです。
3. タイトルの文字数を圧迫する
Googleも、Twitterも、Facebookも、キュレーションアプリも、タイトルを表示できる文字数は限られます。
Google:約30字
Twitter(カード):約40字
Facebook(カード):約50字
※いずれも文字幅による
そのような制約がある中で、タイトルの頭に【2021年最新版】と入れたらどうでしょうか? 全角8文字分がそれで埋まってしまいます。
繰り返しになりますが、情報の鮮度が大切な記事であれば、それもアリかもしれません。なんなら年数だけでなく、月日まで細かく書くのも良いでしょう。しかし公開日情報を細かく書けば書くほど、タイトルは圧迫されていきます。公開日情報に押されて、本当に伝えたいタイトルが霞んでしまったり、途中で切れてしまったりするのはもったいないです。
たとえば以下のタイトルを見てください。
【2021年3月31日更新最新速報】クラブハウスの新機能として、自宅への「カニ宅配サービス」がリリース!
もちろんこんな新機能ありませんよ。本気にしないでくださいね!
上記でいうと「【2021年3月31日更新最新速報】クラブハウスの新機能とし」までで30字です。ここまでがGoogleに掲載されるおおよそのタイトルですが、結局なんの新機能がリリースされたか全く分かりませんよね。
冗談みたいな話ですが、このような例はわりとよく見かけます。本当に伝えたい情報が埋もれて、公開日ばかりが目立つのは、少しもったいなくないでしょうか?
その記事に、鮮度は必要ですか?
記事の鮮度はたしかに大切です。ニュースやトレンドネタであれば、鮮度が落ちるごとに記事の価値も落ちていきます。その瞬間だけ読まれればいい記事であれば、それでも問題ないでしょう。
しかし、そもそも鮮度があまり求められないコンテンツもあります。たとえば「織田信長の生涯を5分でわかりやすく解説」という記事に、鮮度は求められるでしょうか? 「織田信長が現代に蘇った!」というニュースがあれば鮮度は重要でしょうが、それはまず起こり得ません(萌えキャラとして蘇った話はよく聞きますが)。
鮮度の求められる記事であれば、【2021年版】とつけるのも良いでしょう。そうでないなら、無理につける必要はないのではと思います。
一緒に冷静になって、考えていきましょう。
内田 一良(じきるう)
早稲田大学および同大学院卒。株式会社GIG メディア事業部長。日本最大級のフリーランス・副業メディア『Workship MAGAZINE』のほか、数々のメディアのプロデュースを担当。メディア運営、コンテンツ制作、SEO、SNSに詳しい。AI、ウイスキー、ストリートダンスが好き。