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要件定義とは?システム開発に必要な機能や要求のまとめ方を解説
2023-03-10 制作・開発
システム開発のプロジェクトを進める際に、必ず行うのが要件定義の作業です。要件定義とは、システム開発に必要な機能や要求を明確にすることで、開発の目的や範囲を決める重要な工程です。
しかし、要件定義を行うには、どのように要件を整理し、文書化し、共有するのかといったさまざまな課題やノウハウがあります。また、WebマーケターやWebデザイナーなどの担当者が要件定義にどのように関わり、どのように貢献できるのかを知っておかなければなりません。
そこで今回は、要件定義について、システム開発に必要な機能や要求のまとめ方を解説します。これからシステム開発などのプロジェクトに参加される方は、ぜひ参考にしてください。
要件定義とは?具体的な内容と重要性を解説
要件定義とは、システム開発やプロジェクトを始める前に、ユーザーの要求を明確にし、それを満たすための具体的な機能や性能を定める作業です。
要件定義の主な目的と意義3つ
要件定義のプロセスは、プロジェクトの成功に不可欠であり、以下のような目的と意義があります。
1.プロジェクトの目標を明確にすること
要件定義を通じて、プロジェクトの最終的な成果物が何であるべきか、どのような機能を持つべきかを明確にします。
2.開発プロセスを効率化すること
要件が明確になることで、開発チームは目標に向かって直線的に進むことができ、無駄な作業を避けることができます。
3.利害関係者間のコミュニケーションを促進すること
要件定義書は、開発チーム、顧客、ステークホルダー間で共有され、全員が同じ理解を持つための基盤となります。
要件定義が不十分な場合の問題点3つ
一方、要件定義が不十分な場合には、以下のような問題が発生する可能性があります。
1.プロジェクトに遅延が発生しやすくなる
要件が不明確なため、開発が予定通りに進まず、納期が遅れることがあります。
2.コストの増加につながる
要件の見落としや誤解により、追加の開発が必要になり、予算超過につながることがあります。
3.開発するシステムの品質が低下する
要件が不完全なため、最終的な製品がユーザーの期待を満たさない可能性があります。
このように、要件定義はプロジェクトの成功を左右する重要なステップであるため、十分な時間とリソースを割いて慎重に行う必要があります。
要件定義を行う手順6つ
以下では、要件定義を行う際の手順を、次の6つのステップで紹介します。
- ヒアリングを行う
- 要求を整理する
- 要件を定義する
- 要件定義書を作成する
- 予算・期間の見積もりを行う
- 顧客の合意を得る
それぞれの工程について解説します。
1.ヒアリングを行う
まずはじめに、顧客や利害関係者からの情報を収集します。
時間をかけてヒアリングを行い、プロジェクトの目的、期待される成果物、制約条件など、プロジェクトに関する全ての要点をしっかりと理解することが重要です。
2.要求を整理する
次に、収集した情報をもとに要求を整理し、優先順位をつけます。
これには、必要な機能や性能、品質などの要求を明確にし、どの要求が必須であるか、または望ましいかを決定する作業が含まれます。
3.要件を定義する
要求の整理ができたら、その要求をもとに、具体的な要件を定義します。
このステップでは、システムや製品が満たすべき条件や機能を具体的に記述し、それらが測定可能で、検証可能であることを確認します。
4.要件定義書を作成する
要件定義ができたら、その定義した要件を文書化し、要件定義書を作成します。
この文書は、プロジェクトの参加者全員が参照する基本となるため、明確で理解しやすいものでなければなりません。
5.予算・期間の見積もりを行う
要件定義書をもとに、プロジェクトの予算や期間を見積もります。
リソースの配分やスケジュールの計画、リスクの評価なども、この段階で行います。
6.顧客の合意を得る
最後に、顧客との間で要件定義書に基づく合意を得ます。
合意を得る際には、顧客が要件を十分に理解し、それに同意してたことを契約書に明示することが重要です。また、必要であれば、要件の調整や変更を行うケースもあります。
これらのステップを丁寧に実行することで、プロジェクトの成功に向けた確かな基盤を築くことができます。
要件定義に求められるスキル4つ
上記の要件定義を行うには、次の4つのスキルが必要です。
- ヒアリングスキル
- 分析スキル
- 設計スキル
- 文書化スキル
それぞれ解説します。
1.ヒアリングスキル
プロジェクトの成功には、顧客や利害関係者のニーズを正確に理解することが不可欠です。効果的なヒアリングスキルには、アクティブリスニング、適切な質問をする能力、非言語的コミュニケーションの解釈、そして情報を整理し理解する能力が含まれます。
2.分析スキル
収集した情報を分析し、本質的な要求を抽出する能力が求められます。これには、論理的思考、問題解決能力、データ分析能力、そして要求と制約の間のバランスをとる能力が必要です。
3.設計スキル
要件をもとに、システムや製品の設計を行うスキルが必要です。これには、抽象的な概念を具体的なソリューションに変換する能力、技術的な知識、そして創造性が含まれます。
4.文書化スキル
定義した要件を明確かつ正確に文書化する能力が重要です。これには、情報を整理し、わかりやすく伝えるライティングスキル、注意深いレビューと編集の能力、そして標準化された文書フォーマットの理解が含まれます。
これらのスキルは、要件定義プロセスの各段階で重要な役割を果たし、プロジェクトの成功に直結します。
要件定義に役立つツール3つ
要件定義に役立つツールには、プロジェクトの初期段階でのアイデアの可視化、コミュニケーション、および要件の整理に使用されるさまざまなツールがあります。
以下はその中の3つのカテゴリーと、それぞれの代表的なツールです。
- ワークショップツール
- ワイヤーフレームツール
- 要件管理ツール
それぞれ解説します。
1.ワークショップツール
ビデオ会議ツールとしては、ZoomやMicrosoft Teamsが一般的です。
コラボレーションツールとしては、MiroやTrello、Google Workspaceが活用されています。これらは、オンラインでのアイデア共有や情報の可視化に役立ちます。
2.ワイヤーフレームツール
Microsoft OfficeのPower PointやExcel、Adobe製品のIllustrator、無料ツールのCacooやinvisionなどが利用されます。
ワイヤーフレームは、ウェブサイトやアプリの基本的な構造を設計する際に使用されるツールで、初期段階のデザインを形作るのに役立ちます2。
3.要件管理ツール
要件管理は、プロジェクト開発ライフサイクルにおいて要件を定義、整理、追跡する重要なプロセスです。
Visure、IBM DOORS、CodeBeamerなどがあり、これらは要件のバージョン管理やトレーサビリティ、リスク管理などを統合した高度な機能を提供します3。
これらのツールは、要件定義の精度を高め、効率的な開発プロセスを支援するために重要です。各ツールは特定の目的に合わせて選ばれ、プロジェクトの成功に貢献します。
関連記事:要件定義と要求定義の違い|重要性やシステム開発の進め方を徹底解説の内部リンクを挿入
要件定義書の書き方とテンプレート
要件定義書の作成は、システム開発プロジェクトにおいて非常に重要な工程です。
そこで以下では、要件定義書の目的、必要な項目、書き方のコツと注意点、そしてテンプレートの概要を説明します。
要件定義書の目的
要件定義書は、システム開発における要求事項を明確にし、開発者とクライアント間での認識の齟齬を防ぐために作成するものです。
これは、期待されるシステム機能が適切に開発されることを確認するための基礎となります。
要件定義に必要な項目7つ
要件定義書には以下のような項目が含まれます。
1.プロジェクトの背景
プロジェクトの背景では、プロジェクトを開始する理由やその必要性、目的を明確に記述します。これには、市場のニーズ、組織の戦略的目標、または特定の問題を解決するための要求などが含まれます。
2.業務要件
業務要件は、ビジネスプロセスや業務フローに関連する要件を指します。これには、業務の目的、主要な業務活動、業務を遂行するために必要な情報や機能が含まれます。
3.機能要件
機能要件では、システムが実行する必要がある具体的な機能を定義します。これには、ユーザーインターフェース、データ処理、セキュリティ機能など、システムが提供するサービスの詳細が含まれます。
4.非機能要件
非機能要件は、システムの性能、信頼性、拡張性、セキュリティなど、機能以外の要件を指します。これらはシステムの品質を決定する重要な要素です。
5.システムの制約
システムの制約には、技術的、運用的、法的な制約が含まれます。これらは、システム設計や実装に影響を与える可能性がある限界や条件を示します。
6.用語定義
用語定義では、プロジェクトで使用される専門用語や略語の明確な定義を提供します。これにより、プロジェクトチーム間のコミュニケーションの明確化を図ります。
7.スケジュールと予算の管理
スケジュールと予算の管理では、プロジェクトのタイムライン、マイルストーン、予算配分、資源管理など、プロジェクトを計画し、追跡するための情報を記述します。
これらの項目を詳細に記述することで、プロジェクトの要件が明確になり、開発プロセスがスムーズに進行できるでしょう。
要件定義書の書き方のコツと注意点5つ
1.明確かつ簡潔に書くこと
要件定義書は、プロジェクトの参加者全員が理解しやすいように、明確かつ簡潔に書く必要があります。そこで、専門用語は避け、できるだけ一般的な言葉を使いましょう。また、長文を避け、要点を短くまとめることが重要です。
2.ユーザー視点を持つこと
システムの最終的な利用者であるユーザーの視点を常に念頭に置き、彼らのニーズや問題点を理解することが重要です。ユーザーの立場から要件を考え、彼らにとって価値のある機能やサービスを提供できるようにしましょう。
3.優先順位を設定すること
全ての要件が同じ重要度を持つわけではありません。プロジェクトの目標に最も貢献する要件から優先して取り組み、リソースの配分を適切に管理することが大切です。
4.変更には柔軟に対応すること
プロジェクトの進行に伴い、要件が変更される可能性があります。変更に柔軟に対応し、プロジェクトの目標達成に影響を与えないように、適切に管理することが重要です。
5.関係者とのコミュニケーションを行うこと
要件定義はチームでの作業です。開発者、利用者、ステークホルダーとの間で効果的なコミュニケーションを行い、全員が同じ理解を共有することが成功のポイントです。
上記のポイントを意識することで、要件定義書がより明確になり、プロジェクトの成功に寄与するでしょう。
要件定義書のテンプレート
要件定義書のテンプレートは、プロジェクトの性質や規模によって異なる場合がありますが、一般的なテンプレートには上記の項目が含まれます。
テンプレートを使用することで、書き忘れや漏れを防ぎ、効率的に文書を作成することが可能です。
実際のテンプレート例としては、以下のような形式があります。
要件定義書
1. プロジェクトの背景
(ここにプロジェクトの背景を記述)
2. 業務要件
(ここに業務要件を記述)
3. 機能要件
(ここに機能要件を記述)
4. 非機能要件
(ここに非機能要件を記述)
5. システムの制約
(ここにシステムの制約を記述)
6. 用語定義
(ここに用語定義を記述)
7. スケジュールと予算
(ここにスケジュールと予算を記述)
上記のテンプレートを基に、プロジェクトの詳細に合わせてカスタマイズし、要件を明確に記述していくことが重要です。
要件定義のよくある失敗例と対策4つ
要件定義のよくある失敗例と対策には、次のような事例があります。
- 要件が曖昧で具体的に定まらない
- 要件が多すぎて管理できない
- 要件が後工程に影響を与える
- 要件が変更される
それぞれの内容と対策方法を解説します。
1.要件が曖昧で具体的に定まらない
要件が不明確な場合には、プロジェクトの目標がぼやけ、開発チームが異なる方向に進む可能性があります。
このような場合の対策としては、顧客や関係者とのコミュニケーションを強化し、要件を明確に文書化することが重要です。また、要件を具体的なユーザーストーリーやユースケースに分解して、理解しやすくすることも有効です。
2.要件が多すぎて管理できない
要件が膨大になりすぎると、管理が困難になり、重要な要件が見落とされることがあります。
これを防ぐためには、要件を優先順位付けし、必要なものだけに絞り込むことが大切です。また、要件管理ツールを使用して、要件を効率的に追跡し、変更を管理するのもおすすめです。
3.要件が後工程に影響を与える
要件定義の不備は、設計遅延やテスト遅延など、後工程に様々な問題を引き起こす可能性があります。
これを避けるためには、初期段階で要件をしっかりと固め、全ての関係者が合意に至るまで議論を重ねることが必要です。また、リスク管理として、プロトタイピングや概念実証(PoC)を行い、早期に問題を発見することも有効です。
4.要件が変更される
プロジェクトの進行中に要件が変更されることは、一般的であり、避けられない課題でもあります。そこで、変更が発生した場合には、変更管理プロセスを通じて影響を評価し、適切に対応することが重要です。
また、変更リクエストを文書化し、承認された変更のみをプロジェクトに反映させることで、効率的な対処が可能となります。
これらの対策を実施することで、要件定義の失敗リスクを低減し、プロジェクトを成功に導くことが可能です。
要件定義のまとめ
このように、要求定義は「システムに何を求めるか」というユーザー視点からの要望を集約するプロセスで、システム開発において非常に重要なプロセスです。そのため、要件定義を適切に行うためには、システム開発に関する豊富な知識と経験が必要となります。
そこで、要件定義を行う際には、システム開発の専門的なノウハウを持つ、株式会社GIGへの外注がおすすめです。
株式会社GIGが要件定義の外注におすすめな理由は、システム開発に関する豊富な知識と実績を持っており、クライアントのニーズに合わせた高品質なサービスを提供できるからです。
例えば、ウォーターフォール開発やアジャイル開発など、プロジェクトに最適な開発手法を選択できるため、クライアントの要求に応じた効率的な開発が可能です。
また、株式会社GIGでは、システム開発後の保守運用サービスや、クライアントの内製化を支援するサービスも提供しているため、長期的なパートナーシップを築くことで、開発後の安定したシステム運用もサポートします。
さらに、外注費用に関する透明性を持ち、クライアントにとってコスト効率の良いソリューションを提供できるのも強みです。
これらの点から、株式会社GIGは、要件定義を含む、システム開発の信頼できるパートナーとなり得るでしょう。
株式会社GIGは、ナショナルクライアントからスタートアップまで、Webコンサルティング、UI/UXデザイン、システム開発など、DX支援をおこなうデジタルコンサルティング企業です。
また、45,000人以上が登録するフリーランス・副業向けマッチングサービス『Workship』や、7,000人以上が登録するデザイナー特化エージェントサービス『クロスデザイナー』、リード獲得に必要な機能を備えたCMS『LeadGrid』、UXコンサルティングサービス『UX Design Lab』などを展開しています。
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