PoC開発の進め方とは? 導入メリットや成功のポイントなども解説!|東京のWEB制作会社・ホームページ制作会社|株式会社GIG

PoC開発の進め方とは? 導入メリットや成功のポイントなども解説!

2022-12-10 制作・開発

日々進化するシステム開発の現場において、費用対効果の分析にも活用できる「PoC開発」のような検証型アプローチを導入する企業が、近年増加傾向にあるように感じます。

では、この「PoC開発」とは具体的にどんなものなのでしょうか?

今回はPoC開発について、基本や導入メリット、成功のポイントなどを中心に解説していきます。


PoC開発とは

PoCとは、「Proof of Concept」の略称で、日本語訳にすると「概念実証」や「コンセプト実証」という意味になります。なんだかすごく難しそうな響きになりますが、PoCを行うおもな目的は、「アイデアが本当に実現可能かを明らかにする」ことにあります。

PoCは、おもにIT業界で使われることが多い考え方です。新しく開発するシステムや、自社が導入を検討しているサービスを使った際、期待している効果が本当に得られるかを事前にチェックする場面で活用されます。

PoCで効果を得られそうだと証明できれば、新しく開発するシステムに将来性を感じた企業や投資家から投資してもらうことにつながり、自社に導入を検討しているサービスに予算をかけるべきかの判断材料にもなります。

予算と時間をかけてシステムやサービスを開発・導入しても、思うような効果を得られなければ意味がありません。そのため、事前に費用対効果のチェックができるPoCは、企業にとって重要な開発プロセスのひとつになりつつあります。


プロトタイプとの違い

PoCとよく混同されがちなのが、「プロトタイプ」という単語です。プロトタイプもIT業界ではよく使う単語ですが、PoCとは少し意味合いが異なります。

PoCは、アイデアや技術の実現可能性を検証することを指しますが、プロトタイプは、方向性や実現性がある程度確定したうえで、試作品を作る工程のことを指します。

実現可能性やゴールの模索に役立つのがPoCで、実現できることがわかったあとに作る試作品がプロトタイプです。

基本的には、PoCを行った後にプロトタイプとして試作品を作る流れで進めることが多いでしょう。


PoC開発の進め方

ここでは、PoC開発の一般的な進め方について解説します。

じつは、PoCは必ずしも1回で完了するものでもありません。必要に応じて下記の工程を繰り返し実施することで、より有効な検証結果が得られる場合があります。

手順1. 目的設定

PoC開発を進めるための第一ステップとして、PoCで検証する目的を設定するところからスタートします。この際は、どのような効果を得たいのかをより詳細に設定することで、検証効果が高まります。

たとえば、「業務効率化のためにAIを導入したい」ケースでは、「業務時間や配置人員などをどの程度削減したいのか」「繁忙期にどれだけの効果を得たいのか」など、具体的な目標を数値化してみることが大切です。

目的設定はPoCの成否にもかかわってくるため、慎重に行いたいところです。

手順2. 実施・検証内容の設定

PoC開発の目的が明確になると、必要なデータなどがわかってきます。この段階では、具体的なPoCでの検証内容の設定を行います。

設定した目標を達成するために必要な検証項目や、その検証に必要な機材、環境、人的リソースなどを調達します。

この際、検証を実施するために必要なリソースを調達することが難しいケースが発生するかもしれません。ですが、安易に妥協することはなるべく避けましょう。

「安易な妥協 = 設定した目標が達成できない」という事態に直面する可能性が出てくるからです。

調達が難しい場合、他部署や他社に協力を依頼するなど、視野を広げてできるだけ理想に近いリソースの調達を目指してみましょう。

手順3. 実施・検証内容の実証

検証項目を作成し、必要な機材や環境、人的リソースが一通り揃ったところで、いよいよPoC検証の実施となります。

検証に必要な期間は、検証項目の内容や量によって異なってきますが、事前に決めていた検証項目に従って進めていくことが大切です。

仮に事前に想定していなかった事態が発生した場合、次のフェーズである実証結果の評価に反映されます。その内容はしっかりメモをとるなどして、全員で共有できる状態にしておきましょう。

手順4. 実証結果の評価

最後にPoCの結果をふまえて評価を行います。ここではシステムやサービスへの思い入れなどの感情を切り離し、厳しく評価することが求められます。

具体的には、検証した際のデータを参考に、実用性やリスク、ユーザー・投資家からの評価もあわせて確認します。

良い評価が得られれば、本格的な開発の工程に進んでいきます。しかし良くない評価となった場合でも、検証して見つかった課題を次の検証に活かすことで、改善できるかもしれません。

検証で得られた結果は素直に受け止めることが大切でしょう。


PoC開発のメリット

PoC開発を行うことで、さまざまなメリットが生まれます。ここでは代表的なメリットを3つほど解説します。

メリット1. コスト・工数の削減につながる

PoCがもたらすメリットとして、無駄なコストや工数を削減できることが挙げられます。

新しいアイデアを形にしようとする際には、思わぬトラブルが発生しがちです。最悪の場合、最終的にアイデアを実現できないまま、コストだけが余計に膨らむケースも少なくありません。

PoCは、基本的には限定した範囲で実施します。そのため、早い段階でアイデアの実現可能性について判断することができるため、無駄なコストや工数の削減につなげることが可能です。

メリット2. 意思決定がスムーズになる

PoCを行うことで、そのアイデアが実現できるかどうかがはっきりするので、さまざまな意思決定がスムーズになるでしょう。

「このサービスを開発するには、相当なコストがかかるのではないか」という不安がある場合、どうしても開発に対して消極的になります。

しかし、PoCを行い、プロトタイプを作成することで、「よし、期待している効果が得られそうだ」という検証結果が出れば、「本格的にプロジェクトを開始して、開発をスタートさせよう」という流れに変わるのではないでしょうか。

PoCを行えば、開発の不安材料を事前に解消したうえで、次の本格的な開発・導入の動き出しに際しても、素早い判断ができるようになるでしょう。

メリット3. 費用対効果の推測ができる

検討中のシステム開発やサービス導入に予算を投下しても良いかどうかの判断を行うためには、費用対効果の確認は必須です。

期待通りの効果が得られなければ、開発・導入を行ったとしても理想的な収益を得られる可能性は低いため、導入を見送る決断が必要かもしれません。

また、システム開発のプロジェクトを進行させていくうちに、単に「システムを開発すること」自体が目的になってしまうケースもあります。企業である以上、システムの開発やサービスの導入に、「費用対効果の達成」は常についてまわりますので、PoCを活用しての費用対効果の推測は重要なプロセスとなるでしょう。


PoC開発のデメリット

PoC開発には多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。デメリットについてもあわせて確認しておきましょう。

デメリット1. 検証回数が増えるとコストが増える

PoCのデメリットのひとつに、検証回数の増加に伴って、コストも増加してしまう点が挙げられます。

PoCでは、必ずしも1回の検証で必要なデータすべてを得られるわけではありません。ときには複数回の検証が必要なケースもあるでしょう。その場合、検証回数が増えるごとにコストも増えることは忘れてはいけません。

プロジェクトを成功させるうえで、検証を重ねることはとても重要なことですが、そのぶんコストが増えてしまい、そのコストを回収できないままプロジェクトが頓挫してしまっては意味がありません。

コストと効果のバランスを見極めながら、検証を行いましょう。

デメリット2. 時間がかかる

PoC開発では、プロトタイプの作成によって具体的な検証を行うため、どうしても時間がかかってしまいます。

本番環境に近い状態で丁寧に行う検証だからこそ、得られるデータの数も多く、意味のあるものになります。しかし試作の段階で時間がかかる作業であることから、「PoC疲れ」が発生してしまう可能性はあります。

また、長時間行われる検証なので、徐々に目的を見失ってしまい、PoCそのものが目的となってしまうケースも。

PoCは、あくまで「目的」を達成するための「手段」であることを意識しましょう。

デメリット3. 情報漏えいのリスクがある

PoCで作成したプロトタイプの取り扱いによっては、情報漏えいのリスクが発生します。製品は完成版ではないものの、検証で得られた結果などが競合他社に漏洩した場合、大きな損失につながる可能性があります。

PoC実施前には、社内情報保護ルールを徹底したうえで、関係するスタッフ全員にルールを共有するなどして、情報の取扱いに注意してください。


PoC開発を成功させるための3つのポイント

新しいシステムやサービスの開発にはリスクはつきものです。リスクをゼロにすることはできませんが、PoC開発を取り入れることで、開発にともなうリスクを減らすことはできます。ここではPoC開発を成功させるためのポイントを確認しておきましょう。

ポイント1. スモールスタート・スモールステップを心がける

PoCでは、「小さく・素早く」を心がけて、スモールスタートからはじめることが大切です。

大規模なPoCを行うと、時間も費用も膨大になってしまい、PoCを行うこと自体があまり意味をなさなくなります。PoCはあくまで「手段」だからです。

スモールスタート、かつスモールステップの積み重ねを意識することで、PoCの先にある新製品やシステム開発の道が見えてきます。

検証を実施する際には、時間と費用をなるべく抑えるために、検証する環境を限定することが大切でしょう。

ポイント2. 本番環境を想定して検証する

PoCは本番環境に近い環境で実施することで、より大きな成果を上げやすくなります。

システムの企画・開発段階では、実際に現場で使うユーザーの意見を十分に反映できていないケースが少なくありません。そのため、PoCを通じて事前に現場の声を収集するプロセスは非常に大切です。

このようなプロセスを通じて、現場からしか見えてこない課題にも対処することができます。

システムを導入する現場の理解や協力を得ながら、なるべく本番環境に近い状態を作ることは、PoCを成功に導くうえでの重要なポイントといえます。

ポイント3. 信頼できる開発会社に依頼する

PoCを行うためには、目的や規模感、検証環境など、さまざまな要素を検討・準備する必要があり、専門的な知識が必要になるケースも少なくありません。そのため、自社だけでPoCを行うのが困難な場面も発生するでしょう。

そういった場合には、外部の開発会社へ委託するのも選択肢のひとつとなります。その場合、開発会社ごとに特徴や強みは違うため、どの開発会社を選ぶのかはとても重要なポイントです。

開発会社選びを間違った場合、きちんとしたPoCを実施することができず、無駄に時間や費用だけがかかってしまうケースも想定されます。PoCを取り入れた開発経験があり、信頼できる開発会社に委託することが、 PoCを成功させるための重要なポイントです。

検討の際には複数の会社を比較し、自社に適したPoC開発ができる会社を選ぶようにしてください。


PoC開発を含めたシステム開発はGIGにお任せください

PoCは時間や費用がかかりやすいので、実証前のプロトタイプの開発には、時間や費用をかけすぎないようマネジメントしていくことが大切です。

ですが、これを頭では理解していても、なかなかスムーズにマネジメントできるものでもありません。

GIGでは、これまでPoC開発を含めたシステム開発で培ってきたノウハウと知見を活かした支援のもと、高品質なシステム開発を実現してきております。

また、豊富なWebサイト制作実績が示すように、お客様と丁寧で密なコミュニケーションを重ねてきたと自負しております。

無料相談から承っていますので、PoC開発を含めたシステム開発についてご支援が必要な場合は、ぜひ一度お問い合わせください。

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