メディアサイトに人気記事ランキングを絶対入れてはいけない理由|東京のWEB制作会社・ホームページ制作会社|株式会社GIG

メディアサイトに人気記事ランキングを絶対入れてはいけない理由

2021-01-14制作・開発

こんにちは、GIGでメディア周りのお仕事をしている内田(じきるう)です。

GIGは月間130万PV超(調子がいいと300万PVくらい)のオウンドメディア『Workship MAGAZINE』の運営を行っています。その他に他社メディアのコンサルや、メディア制作&開発、記事コンテンツ制作支援なども行っています。


仕事柄、多くのメディアサイトを日々巡回しては「なるほどこういう機能いいな!」「あああああこの企画はやられたわ!」とのたうち回ってるのですが、よく見かける機能として “人気記事ランキング機能” があります。

人気記事ランキング機能とは、週間や月間などでもっとも読まれた記事から順に、ランキング表示していくものです。端的にいうと、PVランキングですね。

メディアサイト制作の際によく実装される機能なのですが……アレ、なんとなく入れてませんか? なんとなく、見栄えがいいから導入していませんか?

あくまでボク個人の感想ですが、人気記事ランキングは絶対入れてはいけないと考えています。


この記事では、メディアサイトに人気記事ランキングを絶対入れてはいけない3つの理由をご紹介させていただきます。


1. 実装に工数がかかる

メディアサイト制作を担当するエンジニアさんに話を聞くと、どうやら人気記事ランキングの実装にはそこそこ工数がかかるそうです。

実装方法にもよりますが、アクセスデータをとってきて、データベースに書き込んで、アクセス多い順に並べ替えて、サイト上に表示して、サムネイルを引っ張ってきて、フロントのデザインをして……。技術的にはそこまで難しくはありませんが、何にせよそこそこの工数はかかります。

仮にメディアサイト完成間近で機能追加……となった日には、地味に大変です。


2. 運用期間を重ねるとサイトが激重になる

実装云々に関してはまだいいんです。正直、こっちのほうが深刻で。

たとえばデータベースにアクセスデータを書き込むシステムの場合。メディアサイトへのアクセスがある度にデータベースに書き込みが行われ、また人気記事ランキングを表示するたびにデータベースからアクセスデータを引っ張ってくる、なんてことをしています。これだけでもサイトが重くなるのは想像つきますよね。

くわえて定期的にデータベースをクリーンアップするようなシステムになっていない場合、データログが無限に溜まってしまい、データベースを圧迫すること必至です。


ちなみに具体名は言及しませんが、WordPressのとある有名プラグインがこの仕様です。WordPressを使っている多くのメディアサイトさんがこのプラグインを入れているので、ちょっと心配……。

なお、人気記事ランキング機能によるサイト負荷については、解決策があります。たとえばGoogle Analyticsをサイトに入れている場合、そのデータを直接引っ張ってくれば良いのです。そうすれば余計なログをデータベースに溜めることなく、人気記事ランキングを運用できます。


3. ランキングのコントロールができない

人気記事ランキングを入れてはいけない、一番の理由がこれです。

人気記事ランキングは一般的な仕様であれば「PV順」に並びますよね。これはつまり、SNSでバズった!とかがない限りは、検索流入の多い記事が上位に並びがちです。


たとえば検索、SNS、キュレーションサイトなどさまざまなチャネルから流入を目指す、よくあるメディアサイトの場合。Workship MAGAZINEもそんな感じです。

たまにソーシャル経由で伸びることはあれど、継続的・安定的な流入が見込める検索向け記事にはほとんどの場合かないません。ソーシャル経由で週間1万PV獲得するのはなかなかに骨が折れますが、検索であればある程度それも見込めてしまいます。

そして運用を重ねれば重ねるほど「強い検索向け記事」が多数生まれていき、人気記事ランキングは検索向け記事で埋め尽くされてしまいます。


また仮にSEO特化のメディアサイトだとしても、検索ユーザーは明確な検索意図があった上でサイトに訪れる人がほとんどです。逆に言うと、検索意図からズレた記事は読まれません。たとえば「神戸牛 通販」で検索してメディアサイトに訪れたユーザーが、人気記事ランキング上位に表示された「編集部厳選!おすすめのズワイガニ10選」という記事を読むでしょうか? おそらく、読まないでしょう。

ソーシャル流入に特化したサイトはまだマシかもしれませんが、長く運用しているとたまたま検索で伸びる記事もでてくるでしょう。結果として、そういう記事ばかりがランキング上位に並ぶことになります。

……といった具合に、メディアサイト側としては他に見せたい記事があるのに、ただPVが稼げている記事が人気記事ランキング上位に並ぶことになります。人気記事ランキングはコントロールできない代物なのです。それって、メディアサイトにとってどんな価値がありますか? 場合によっては、数字を稼ぐためだけに作った記事がランキング上位に並ぶこともあるでしょう。それ、むしろメディアのブランド価値を下げていませんか?


どうしても人気記事ランキングを入れるなら、たとえば「ソーシャル流入だけ計測」とかすれば、そこそこ意味のあるランキングができるかもしれません。ソーシャルで伸びた記事 ≒ 不特定多数の人が興味を持つ記事となることが多いので、ランキング表示の価値もあるでしょう。当然ですが、開発工数は嵩みます。以前、社内のエンジニアさんにそういったことができないか尋ねたところ「技術的には可能」「まあまあ面倒」と言ってました。ウケますね。


メディアサイトを長期運用するなら、人気記事ランキングは絶対に入れてはいけない

人気記事ランキングをだいぶディスってしまいましたが、メディアサイト立ち上げ期〜初期や、検索流入がほとんどないメディアサイトであれば、それなりに意味のあるものだと思います。

しかし長く運営すればするほど、検索流入が増えれば増えるほど、残念なものになるのが人気記事ランキングの特徴です。

もしあなたがこれからメディアサイト立ち上げを考えているのでしたら、「なんとなく」で人気記事ランキングを入れるのはやめときましょう。そしてすでにメディアサイトを運営しているのでしたら、将来的にはランキング削除や、仕様変更を検討してみましょう。



内田 一良(じきるう)

株式会社GIG メディア事業部マネージャー。日本最大級のフリーランスメディア『Workship MAGAZINE』の編集長をしています。メディア運営、記事制作、SEO、SNSのゆるふわ話をします。ウイスキー、ストリートダンス、ハンドパンがすきです。