ファシリテーションとは? 必要なスキル/役割/手法を解説!|東京のWEB制作会社・ホームページ制作会社|株式会社GIG
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ファシリテーションとは? 必要なスキル/役割/手法を解説!
2022-07-29 制作・開発
こんにちは、GIGでマーケティングを担当している早河です。普段は、フリーランス・副業向けマッチングサービス『Workship』のマーケティングマネージャーとして、戦略策定から戦術実行まで幅広く担当しています。
社会人として働くうえで、避けては通れないのが会議やミーティング。会議には「プレゼン」「書記」などいくつかの役割が必要とされますが、近年は会議の進行を担う「ファシリテーション」という役割が注目されています。
ファシリテーションというと、単なる「司会役」と認識している方もいるかもしれません。しかし、結論から言えば少し異なります。ファシリテーションは社会人必須のスキルとして語られることも多く、社会情勢の変化によってその重要性は高まっています。
そこで今回は「ファシリテーション」の重要性をいろいろな角度から掘り下げ、明日から使える具体的な手法についてもご紹介します。
ファシリテーションとは?
ファシリテーションとは、ミーティングや研修などの場面で、問題解決やアイデア創造などさまざまな目的を達成するために舵取りを行うことを指します。
そのため、ファシリテーションを行う「ファシリテーター」は、ただ議題に沿って機械的にミーティングを進行すればいいわけではありません。「場の空気を上手につくる」「適切なタイミングで適切な問いを投げかける」など幅広いスキルを必要とします。
ファシリテーションの重要性が高まる理由
昨今のビジネスシーンでは、従来に比べてファシリテーションの重要性がより認識されつつあります。ここでは、ファシリテーションの重要性が高まっている理由を分析します。
理由1. 課題解決の複雑化
ファシリテーションが重要視される1つ目の背景として、「課題解決の複雑化」が挙げられます。近年はさまざまな技術が今まででは考えられないスピードで生まれ、それに合わせて課題解決による価値提供を行う必要が出てきました。
そこで、問題解決やアイデア創造などのさまざまな目的を達成できるよう、ミーティングなどで適切なファシリテーションを行い、価値提供の総量底上げとスピードアップを目指すことが重要になったと考えられます。
理由2. 価値観の多様化
2つ目の背景は、「価値観の多様化」です。価値観が多様化することで多くのアイデアがミーティングの場に持ち込まれ、それを取りまとめるスキルがファシリテーターに求められるようになりました。
取り組む課題も複雑化しているため、チーム全体の意見を適切に取りまとめ、さまざまな課題解決策を導き出すようなリーダーシップが必要になっていると考えられます。
理由3. オンラインシフト
3つ目の背景は、「オンラインシフト」です。緊急事態宣言の発出による情勢の変化などによって、オンラインシフトは一気に加速しました。
オンラインミーティングの際は、オフライン以上に表情や仕草などから感情を読み解くことが難しくなります。ファシリテーターが雰囲気作りや議論の整理を行い、場に共通認識をもたせることが必要です。
ファシリテーターに求められるスキル・役割
ファシリテーターはただ会議を進行するだけでなく、メンバーの意見をまとめ上げ、掛け算の効果を生み出すことが重要です。また、折衷案を見つけ全員の合意をとる必要もあります。ここからは、ファシリテーターに求められるスキルと役割をご紹介します。
1. 「具体と抽象」の整理
会議では、「具体と抽象」を往復することでより良い意見が生まれるケースが多くあります。例えば、「自社のサービスを良くしたい」という抽象的な課題に対して、「良いサービスとはなにか」と具体的なレベルまで議論を運ぶのは、ファシリテーションスキルのひとつです。
2. 「問い」のクオリティ
次に「問い」のクオリティについてです。前述した具体と抽象の整理においても「問い」のスキルが重要で、課題解決や会議の目的を達成するためには必要不可欠です。
また、議論が詰まった際など、メンバーや議論の状況に応じて異なる角度からの問いを投げかけることで議論は加速します。具体的な「問い」のバリエーションはこちらです。
- シンプル・クエスチョン:参加者の意見に対する直接的な意見
(例:ファシリテーションとはどういう意味ですか?)- ティーチング・クエスチョン:参加者に意図的な気づきを与えるフィードバック
(例:ファシリテーションの際は、「問い」の重要性を意識してみてはどうですか?)- コーチング・クエスチョン:参加者の意欲、思考、価値観を引き出す問いかけ
(例:ファシリテーションが上手くいかないのはなぜだと思いますか?)- フィロソフィカル・クエスチョン:テーマをより深めるための探求的な問いかけ
(例:そもそも、なぜファシリテーションは必要なのでしょうか?)
「自分が行っている“問い”はどれに当たるのか?」を考えてみると、自分自身のファシリテーションの傾向が見えてきます。こうした傾向をメタ的(俯瞰的)に認知し、意識的に得意な問いと不得意な問いを織り交ぜながら議論を進めていくことが「問い」のクオリティ向上につながるでしょう。
3. 「場」の空気作り
「場」の空気作りは見落とされがちですが、議論の場においては重要です。どんなに「問い」のクオリティをあげたとしても、意見が出しづらい空気を作っては議論が生まれません。
そのためには、生まれたアイデアや意見は決して否定せず、前述した「問い」のバリエーションをうまく組み合わせ、目的に合わせた良いアイデアに昇華させることもファシリテーターに求められる役割です。
4. 合意形成
議論を重ねるうちに、結論はいくつかの方向性に分かれて見えてくるものです。本来なら全員が納得するまで議論を重ねる必要がありますが、ビジネス上の議論ではさまざまな制約によって全員が納得する状態に至るのは難しいです。
そのためファシリテーターには、ゴールの再確認や意見に対する共通点の確認など、議論の焦点を絞りながら共通の結論になるよう導く力が求められます
明日からできるファシリテーション術
最後に、明日から実践できるファシリテーション術について、段階ごとに具体的な手法を用いてご紹介していきます。
1. ミーティング前にできる準備
ミーティングの事前準備として、「目的」「ゴール」「アジェンダ」の三つを明確にすることで有意義なミーティングができます。具体的には下記の内容を決めて、共有しておくと良いでしょう。
- 目的:ミーティングを設定した背景、プロジェクトの目的を共有
- ゴール:今回のミーティングで何を話し、どこまで決定したいのか
- アジェンダ:どんな流れでミーティングを進めるか
また、ストレスなく会議が進められるよう、会議で使用するツールや参加メンバーへの事前情報、資料の共有を行っておくことで足並みを揃えられます。
2. ミーティングの進め方
次にミーティングの進め方です。ミーティングのファシリテーションは5つのステップに分けることで円滑な進行につながるため、大枠の流れとして意識してみましょう。
ステップ1:進め方・事前情報の共有
まずは、ミーティングやプロジェクトの目的、ゴール、進め方を共有します。いきなり本題について話し始めるのではなく、事前に情報を共有することで全体の認識を合わせられます。アイスブレイクなど参加者が話しやすくなる空気作りもできるといいでしょう。
ステップ2:議題に対する意見交換を行う
次に、今回のミーティングで議論したいテーマについて意見交換を行います。初めは議題についての問いをファシリテーター側から参加者に投げかけ、そのアイデアに対する意見を求める形で別の参加者に話を振っていきます。この流れを繰り返すことで参加者同士の意見交換も活発になり、有意義なミーティングとなります。
ステップ3:意見をまとめ、議論を行う
意見交換はあくまで意見出しの場。そのまま続けても、話がまとまり次の展開へ進むことはできません。そのため、ある程度方向性が見えた段階でファシリテーターが意見をまとめるべきです。対立する意見は分け、方向性が近い意見は要点をまとめて合意を取ります。
ステップ4:対立する意見をまとめ、合意形成を図る
異なる方向性の意見が出たとしても、それはあくまで “対立する意見” です。頭ごなしに否定せず、双方の意見の折衷案を設けます。前述した通り全員が納得するアイデアにまとめることは難しいため、共通点を見出しながら全員が合意できる状態まで持っていきましょう。
ステップ5:次のアクションと役割、スケジュールを決める
ミーティングの結論に対して合意が得られたら、次に行うべきアクションを決定します。
アクションが決まったら、参加者の職種・スキルに合わせて役割分担を行います。「誰に何を任せれば円滑にプロジェクトが進められるか」などを考慮し、意思決定者(プロジェクトリーダーなど)を交えて決定しましょう。
ただ、議論の都合上、先ほど見た「ステップ4」まで到達せずに議論を次の機会に持ち越すケースもあります。その際は、次のミーティングで何を話すのかを確定し、共有して終了としましょう。
3. ミーティングの事後対応
最後にミーティングの事後対応についてです。まずはいち早く議事録を作成し、参加者に共有します。結論への認識の齟齬がないかの確認と、担当者が次のアクションに対する行動をすぐに実行できるよう、基本は当日中に議事録の共有を行いましょう。
まとめ
ここまで、ファシリテーションの重要性や役割、具体的な手法などをご紹介しました。上手なファシリテーションは天性の才能ではなく、努力で身に付けられるスキルです。ファシリテーションの重要性をしっかりと認識し、日常的に意識しながらスキルを高めていきましょう。
WebやDXの課題、お気軽にご相談ください。
早河 太貴
1997年3月生まれ。アドテクノロジー企業、SNSマーケティングの支援会社など数社を経て2021年9月に株式会社GIGに入社。現在は、GIGにおけるプロダクトマーケティング及び、クライアントのマーケティング支援まで担当。