企業の発信力を高める!多様性に配慮した文章の書き方|東京のWEB制作会社・ホームページ制作会社|株式会社GIG

企業の発信力を高める!多様性に配慮した文章の書き方

2025-04-23 制作・開発

GIGで記事制作を担当している熊澤です。ライター歴7年。これまでに200本以上の記事制作を担当し、読者に届く文章づくりを追求しています!

オウンドメディアや公式サイトの文章は、企業のブランドを形づくる重要な要素です。しかし、何気なく使っていた表現が、価値観の変化とともに誤解を招くことも。発信の影響力が大きい時代だからこそ、「この表現で大丈夫?」「企業の発信として適切?」と、これまで以上に慎重になりますよね。

そこでこの記事では、多様性に配慮した言葉選びのポイントや、すぐに使える言い換え例をまとめました。企業の発信をより多くの人に届けるためのヒントとして参考にしていただけると嬉しいです。

企業の発信する文章に「多様性への配慮」が必要な理由

社会全体が多様性を尊重する方向へと進むなかで、「これが当たり前」「普通はこう」といった言葉が、知らないうちに誰かを置き去りにしてしまうことがあります。

たとえば、「ビジネスマン」。

長く使われてきた表現ですが、「仕事をする男性」を前提にしており、そこに当てはまらない人が「自分とは違う話かも」と感じる可能性があります。SNSの影響力が大きい昨今、こうした何気ない言葉が瞬く間に広まり、思わぬ誤解や炎上につながるケースも……。

企業の発信は広く届けられるからこそ、固定観念を押しつける表現を避け、より多くの人が共感できる言葉選びが大切です。

すぐに使える!多様性に配慮した文章例

「多様性」や「ダイバーシティ」などの概念はスケールが大きく、日常的な表現とは結びつきにくいと感じるかもしれません。そんなときは、少し視点を変えて、「身近な人を傷つけない言葉かどうか」を意識してみましょう。

ここでは、すぐに使える言い換えの例を紹介します。ちょっとした表現の工夫で、より多くの人に伝わる文章になりますので、ぜひ取り入れてみてください。

1.ジェンダーを意識する

ジェンダーにとらわれない表現を意識すると、さまざまな立場の人が心地よく受け取れる発信につながります。

言い換え例(1)
変更前:旦那、主人、嫁、奥様
変更後:夫、妻、パートナー

「主人」は、家の長という価値観を含みます。「旦那」はもともと商家の主人や後援者を意味し、夫を敬うニュアンスが強い表現。また、「嫁」は、夫の家に入る女性を前提としています。「奥様」は、「家の奥にいる人」が語源で、夫が外で働き、妻が家庭を守るといった価値観が背景にあります。

言い換え例(2)
変更前:イクメン
変更後:父親

「イクメン」は、父親の育児参加を特別視する表現になりがちです。本来、育児は父親・母親どちらにとっても自然なこと。あえて装飾せず「父親」と呼ぶだけで、過剰な意味づけを避けられます。

2.固定観念を助長しない言葉を選ぶ

言葉には、時代背景や文化的な固定観念がにじむことがあります。「これは誰かを固定した見方で捉えていないかな?」と立ち止まって考えてみましょう。

言い換え例(3)
変更前: 外国人
変更後: 海外出身の方

「外国人」という言葉は、さまざまな国や地域の出身の方々をひとくくりにした印象を与える場合があります。人によっては、「日本にいるのは日本人が当たり前」と受け取られてしまう可能性もあるため、使う場面には配慮が必要です。

言い換え例(4)
変更前: 高齢者
変更後: シニア世代、年配の方

「高齢者」という言葉は、制度や行政の文脈では広く使われていますが、個人に向けた表現としてはひとくくりにしてしまう印象を与えることもあります。文脈に応じて、「年齢を重ねた方」「シニア世代」など、より配慮のある言い換えを検討してみてください。

3.立場や背景に配慮する

人それぞれ、家庭環境や生き方などのバックグラウンドは異なります。価値観が多様化するなかで、昔の当たり前がいまも同じとは限らないのです。

言い換え例(5)
変更前: 片親
変更後: ひとり親

「片親」は、親が足りないといったマイナスな印象を与えかねません。家庭のあり方は一つではないからこそ、その形をそのまま受けとめられる中立的な表現を選ぶ必要があります。

言い換え例(6)
変更前: 既婚、未婚
変更後: 結婚している、結婚していない

「未」には、「まだ」のニュアンスを含み、結婚するのが前提という価値観を表してしまう場合があります。「結婚していない」とすると、事実だけの表現となるのでよりフラットな言い回しとなるでしょう。

4.誤解を招かない言い回しにする

「普通」「当然」などの言葉は、受け取り手の背景や考え方によって印象が変わります。受け取り側の目線に立った言葉の解釈を想像できると、不必要な誤解や違和感を生みにくくなります。

言い換え例(7)
変更前: みんながそう思っている
変更後: こう考える人もいる

「みんなが」と表現すると、すべての人が同じ意見をもっているように感じられます。しかし、実際にはさまざまな考え方があるため、「こう考える人もいる」と言い換えると、角のない表現になります。

言い換え例(8)
変更前: 普通はこうするものです
変更後: 一般的にはこうする場合があります

「普通」には、「そうでなければおかしい」といったニュアンスが含まれる場合があり、聞き手にとっては自分の考えや行動を否定されたように感じる場合もあります。「一般的には」と言い換えると、あくまで傾向として紹介していることが伝わりやすくなります。

多様性を尊重した文章の言い換え表

多様性に配慮したほうが良い言葉……まだまだあります。

とくにセンシティブなトピックを扱う際は、基本となる言葉の意味を正しく理解し、適切な言い換えを知っておくのが大切です。そこで今回、言い換えビフォーアフターを作成しました。文章を発信する際のチェックリストとして、ぜひ活用してみてください。

ポイントは、「絶対言い換える」と覚えるのではなく「言い換える必要はない?」「誰かが嫌な思いをしない?」と、一度立ち止まって考えることです。

分類
言い換え前
言い換え後
ジェンダー
旦那、主人
夫、パートナー

嫁、奥様
妻、パートナー

看護婦
看護師

保母
保育士

スチュワーデス
客室乗務員

女優
俳優

助産婦
助産師

ビジネスマン、OL(オフィスレディ)
ビジネスパーソン、会社員

イクメン
父親

男らしい決断力
力強い決断力

女の子らしい服
可愛らしい服

内助の功
パートナーの支え
多様性
ブラインドタッチ
タッチタイピング

○○ジプシー
○○を探し歩く

盲目的に信じる
何も疑わずに信じる

発展途上国
開発途上国/新興国

ホームレス
住まいをもたない方

うつっぽい
気分が落ち込みやすい
誤解を招く表現
普通はこうする
一般的にはこうすることが多い

そんなの当たり前
そう考える人もいる

○○するべき
○○するのも一つの方法

みんながそう思う
こう考える人もいる(多い)

黒か白かはっきりさせる
明確な結論を出す

発信力を高めるために企業ができること

多様性に配慮しながら、企業の発信力を高めるために有効なのが、チェック体制の構築と社内ガイドラインの整備です。

発信前に、「この表現、大丈夫かな?」とチームで確認できる仕組みを作ると、無意識の偏りや誤解を防ぎやすくなります。広報や編集担当だけでなく、異なる視点をもつメンバーがチェックするだけでも、新たな気づきが生まれるはずです。

また、発信の統一感を保ち、より伝わりやすい文章にするために、社内で言葉のガイドラインを用意しておくのがおすすめです。前述の言い換え表を参考にして、スムーズな運用につなげてください。

まとめ|言葉の選び方で、伝わり方は変わる

日本語には、一つのことを表すのにもさまざまな言い方があります。だからこそ、言葉選びって難しいですよね。今回言い換え例としてご紹介した言葉も、必ず避けるべきというわけではありません。歴史や文化を大切にする場面や、当事者が前向きに使っている場合には、適切な表現となることもあるのです。

GIGでは、多様性や時代背景をふまえたコンテンツ制作・メディア運営を支援しています。ブランドイメージを守りながら、より多くの人に届く発信を目指したい方は、ぜひご相談ください。

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熊澤 南

大学時代は文学部社会学を専攻。卒業後、民間企業の人事部で採用・教育に携わる。2017年よりライター業を開始し、フリーランスとしても活動。2024年に株式会社GIGへジョイン。現在はマーケティング事業部に所属し、取材や導入事例記事などのコンテンツ制作を担当する。