基幹システムはクラウド化すべき? 移行のメリット/デメリット/注意点を解説!|東京のWEB制作会社・ホームページ制作会社|株式会社GIG
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基幹システムはクラウド化すべき? 移行のメリット/デメリット/注意点を解説!
2022-09-24 制作・開発
経済産業省が、「DXを推進できない日本企業は、2025年以降に膨大な損失を出す可能性がある」という「2025年の崖」を指摘してから、基幹システムの再構築を検討している企業が増えているように感じます。
今までは基幹システムといえば自社運用のサーバー(オンプレミス)で運用するのが当たり前でしたが、最近はクラウドサービスを利用して基幹システムの再構築を行う企業も増加傾向にあります。「基幹システムの再構築先をクラウドに切り替えるべき?」と悩むIT担当者も多いのではないでしょうか。
今回は、「本当に基幹システムはクラウド化すべきなのか」という視点から、クラウドのメリットやデメリット、移行の手順などを解説します。
基幹システムをクラウド化すべき理由
社内外からもアクセス可能なオンラインストレージなどは、クラウドサービスを活用して運用するのが一般的になりつつあります。しかし、基幹システムのクラウド化にはなかなか踏み切れない、という企業も多いのではないでしょうか。
そもそも基幹システムとは、企業の基幹業務や根幹業務を管理するシステムのことを指します。基幹業務とは、事業活動の中心となる業務のことで、たとえば製造業であれば製品の製造・販売などが該当します。
つまり基幹システムは「企業活動を続けるうえで必要不可欠な社内システム」であり、頻繫に入れ替えるものではありません。実際、稼働寿命の平均は約14年とシステムのなかでは長めです。
ところが、実際は多くの企業で平均寿命以上の稼働による基幹システムの老朽化が進んでいるのも現状で、加速するビジネスに対応できない状況となってきています。
また、業務プロセスの標準化や自動化、経営情報の可視化といったことまで求められる昨今では、クラウド移行による基幹システムの再構築は避けられないでしょう。
基幹システムのクラウド移行は危険?
昨今では、基幹システムの再構築先として検討されることが多いクラウド。しかし、セキュリティに懸念があるクラウド環境への移行に踏み切れない方も多い印象があります。
ですが、最近はクラウドに特化したセキュリティ認証である『ISO/IEC 27017(クラウドサービスセキュリティ)』が整備され、その取得有無を確認できるようになりました。私たちユーザーも、セキュリティレベルが担保されたクラウドかどうかを把握しやすくなっています。
また、金融業界においても、ITシステムの安全性を判断する基準として広く利用されている「FISC安全対策基準」がクラウドの利用を前提としたものに改定されています。
こうしたセキュリティ面の課題がクリアになってきたことが、クラウド化に舵を切る企業が増えてきている背景といえるでしょう。
基幹システムをクラウド化するメリット
基幹システムのクラウド化が徐々に進んでいることは、クラウド活用にメリットを感じる企業が多いことも意味します。クラウド化のメリットについて確認しておきましょう。
メリット1. ハードウェアの導入やメンテナンスが不要
オンプレミスの場合、自社でサーバーを設置・運用するのが一般的ですが、ハードウェアの導入やメンテナンスには多大なコストと手間がかかります。また、セキュリティや災害対策も考慮すると、設置場所にも気をつける必要があります。
一方クラウドであれば、インターネットを介してクラウド事業者が運用するサーバーを利用するため、自社でサーバーを持つ必要がありません。設置場所やメンテナンスの問題を気にする必要もなくなり、サーバーの管理や運用に費やしていたコストを削減できます。
メリット2. セキュリティを担保できる
クラウド移行をためらう理由のひとつに、セキュリティ面に関する不安があると思います。しかし、実際はクラウドを活用することによって、逆にセキュリティを担保できる側面もあるのです。
なぜなら、クラウドの場合はサーバーやネットワークのセキュリティ対策、最新状態へのシステムアップデートなどの作業を、基本的にクラウド事業者が責任をもって担当してくれるから。見方によっては自社で保守・運用を行うより安全ともいえます。
情報漏洩や外部からの攻撃など、企業のセキュリティリスクは年々高まり続けています。大切な資産となるデータを守るためには、常に最新のセキュリティ対策が必要不可欠です。クラウド化は、自動的に最新のセキュリティ対策を取り入れることにもなります。
メリット3. 自動バックアップでデータを確保できる
地震や水害といった自然災害が多い日本では、非常時の「事業継続計画(BCP)」の策定は企業にとって欠かせないものです。
基幹システムをクラウドで運用していれば、データは自動的にバックアップされるため、バックアップ作業が不要。非常時のリスクを低減できます。
また、クラウドサービスを展開する事業者は、自然災害などに備えてデータセンターの災害対策に力を入れるだけでなく、バックアップデータを別のデータセンターにも複製して保管するなど、データ保全にはそれなりのコストをかけているのが一般的です。
複数の拠点でデータがバックアップされていれば、万が一の場合にもビジネス活動の継続が可能になります。
基幹システムをクラウド化するデメリット
基幹システムのクラウド化にはメリットが多いものの、デメリットもいくつか存在します。
デメリット1. ランニングコストがかかる
ハードウェアの導入費用など初期費用はある程度抑えられる一方、クラウドサービスの事業者に対して、保守・運用費やシステムアップデートに伴う費用などを毎月支払う必要があります。
基本的には使用する従業員数に応じて課金される形態のため、従業員数が増えれば増えるほど料金がかさむことに。ランニングコストが将来的には増加することが考えられます。一方、自社で運用するオンプレミスであれば、ランニングコストは抑えやすいとも言えます。
デメリット2. オフライン状態のリスクが増す
インターネットに接続されていれば、場所や時間に縛られずアクセス可能なのがクラウドサービスの利点です。しかし逆に言えば、「オフライン状態では何もできない」ということにもつながります。
インターネット回線に障害が起きた場合や、災害などによって安定性が損なわれた場合など、システムにアクセスできないため業務がストップしてしまう可能性も十分にあります。障害が発生した場合に備えて、オフラインでマニュアル化しておく対策も必要でしょう。
デメリット3. 基幹業務が他社だよりになる
クラウドサービスはシステム運用を事業者に任せきりにできますが、機能アップデートで使いにくくなったり、利用料金が上がったりした場合でも、かんたんに利用を中断することは難しいでしょう。つまり、業務の根幹をクラウド事業者に依存することになります。
また、多くの場合は事前告知があると思いますが、事業者がクラウドサービスの提供を停止した場合なども想定しておく必要があるでしょう。
基幹システムのクラウド移行手順
オンプレミスからクラウドへの移行作業は、「要件定義」「計画立案」「移行作業」「保守・運用」の4つの工程に分けられます。順を追って確認しておきましょう。
手順1. 要件定義
要件定義のフェーズでは、クラウド移行の目的や最終的に到達すべきゴールなどを設定します。要件定義をおざなりにすると、望んだ形のシステムを手にすることは難しいといえます。これは移行だけでなく、システム開発でも同じです。
「何を目的として、ゴールをどこに設定するのか」を明確化することが大切です。
手順2. 計画立案
計画立案フェーズでは、移行対象となるシステムや機能を洗い出し、クラウド上でシステムを再現するにはどうすればいいかを検討。移行優先度の高い機能とそうでない機能の選定などを行います。
オンプレミスとクラウド間の移行では、オンプレミスのシステムの構造や仕組みを完璧に再現できるわけではありません。「一部機能の構造変更を余儀なくされても、他のシステムや機能への影響はないのか」「どの機能を削除すべきなのか」といったことも考えながら計画を立てる必要があります。
手順3. 移行作業
計画立案が済めば、次に移行作業を開始します。システム自体が停止するようなら、事前に告知を行い、なるべく業務に影響がないように体制を整えましょう。
当初の計画通りに作業が進めば問題ないですが、すんなりとは行かないもの。エラーは起きると思っておき、冷静に対応できるよう、フローごとにダブルチェックなどを行いながら適切に移行作業を進めていきましょう。
手順4. 保守・運用
移行作業が無事終わった後も、やるべきことは残っています。移行後も保守・運用を続けることが欠かせないからです。
・移行したシステムが社内で定着しているのか
・想定外のバグが発生していないか
・業務効率化などの目標を達成しているか
といった点に気を付けて様子を見ていきましょう。クラウド移行しても、社内でシステムを活用できていなければ意味がありません。
課題が少しでも見つかれば、具体的な要因を調査して解決するよう心掛けましょう。何度もPDCAを繰り返して適切な保守・運用方法を見つける必要があります。
基幹システムをクラウド化する際の注意点
基幹システムのクラウド移行にあたっては、注意すべきポイントがいくつかあります。それぞれ確認しておきましょう。
注意点1. 可用性の高いシステムを選ぶ
可用性とは、「システムが継続して稼働できる能力」のことを指します。
オンプレミスにおける可用性は、障害発生時にインフラ側で自動的に待機系システムに切り替えるなど、ユーザー自らが設計・実装する必要があります。
手間はかかりますが、一方でユーザーがシステム要件に合わせた形で自由にインフラを設計できるということでもあります。
一方のクラウドでは、こうしたインフラに関する部分の運用はクラウド事業者が担当します。多くのクラウド事業者が、可用性向上対策や品質保証制度による稼働率の保証を行っていますが、ユーザー側でもクラウド事業者が提供している機能・サービスを利用した対策が必要です。
そのため、
・クラウド事業者がどのような可用性向上への取り組みを行っているか
・品質保証制度の内容はどうなっているか
・提供されている機能で、自社の基幹システムが必要とする可用性を実現できるか
といった点を確認しておく必要があります。
注意点2. セキュリティと準拠法を確認する
基幹システムのクラウド運用において、セキュリティは何よりも重要なポイントとなるはずです。オンプレミス並みのセキュリティを確保するためには、まずはクラウド事業者が行っているセキュリティ対策を事前に確認することが大切です。
クラウド事業者のHPに、事業者のセキュリティ対策に関する取り組みや考え方が記された「セキュリティホワイトペーパー」が公開されている場合、自社のセキュリティポリシーに合致しているかの確認が必須です。先ほど触れた『ISO/IEC 27017(クラウドサービスセキュリティ)』を取得しているかどうかも重要な判断基準になります。
また、海外のクラウド事業者を利用する際には、準拠法(国内法が適用されるか、海外の法律が適用されるか)や管轄裁判所も重要なポイントです。
一般的には、日本国内のリージョンを使用するのであれば、国内法と日本の管轄裁判所が適用されます。しかし海外のリージョンを使用する場合には、該当国の法律が適用されることもあります。
仮にアメリカの法律が適用される場合、「CLOUD Act」と呼ばれる米国クラウド法によって、アメリカ政府からデータの開示要求がなされる可能性もありますので注意が必要です。
注意点3. オンプレミスの再現にこだわりすぎない
オンプレミスからクラウドへ移行する際は、使い慣れたオンプレミスの環境をそのまま再現するため、オンプレミスと同じ方法で可用性やセキュリティを確保しようとするケースが多いです。
しかし、クラウドとオンプレミスはあくまで別物。オンプレミスの再現にこだわると、どうしても複雑な構成になってしまい、高価なオプションが必要になることも考えられます。また、クラウドの利点を十分に活かしきれないシステムになる可能性があり、クラウドに移行する意味が薄れます。
つまり、オンプレミスのやり方をそのまま持ち込むのではなく、クラウドに適したシステム構成を検討することが大切です。オンプレミスからクラウドへの移行は、従来の再現にこだわらず、クラウドにあった形で柔軟にシステムを構成するように心がけましょう。
基幹システムのクラウド化はGIGにお任せください
オンプレミスにはオンプレミスの、クラウドにはクラウドのノウハウがあります。
基幹システムのクラウド化について疑問点があるときは、ぜひGIGにご相談ください。GIGでは、基幹システムの開発からクラウド移行、運用・保守業務まで幅広い支援が可能です。
また、クラウド化だけでなく、クライアント企業が抱える課題を明確化し、目的を達成するためのプラニングから運用・改善までを支援します。
想定外の事態に対応するため、インフラの構築・保守にも対応可能です。企業の機会損失を発生させないために、そして目的を達成するために、さまざまな角度からクライアント企業をサポートいたします。お気軽にお問い合わせください。
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