コンセプト設計に役立つフレームワーク5選と具体的な作り方の手順を解説|東京のWEB制作会社・ホームページ制作会社|株式会社GIG

コンセプト設計に役立つフレームワーク5選と具体的な作り方の手順を解説

2022-12-09 制作・開発

コンセプト設計とは、商品やサービスの価値やターゲットを明確にし、競合との差別化やブランディングにつなげるための考え方や構想で、マーケティング戦略の中でも重要な要素の1つです。

しかし、コンセプト設計を行うには、どのようにコンセプトを作るか、どのようにコンセプトを伝えるか、どのようにコンセプトを実現するかについて、適切なやり方と手順が必要です。

そこで、コンセプト設計に役立つフレームワークを知ることが、コンセプト設計のスキルを向上させるためには欠かせません。フレームワークとは、コンセプト設計のプロセスやポイントを整理・可視化するためのツールや方法のことです。フレームワークを使うことで、コンセプト設計の効率や品質を高めることができます。

そこで今回は、コンセプト設計に役立つフレームワーク5選と具体的な作り方の手順を解説します。これからコンセプト設計を行う方は、ぜひ参考にしてください。

弊社GIGではウェブアクセシビリティに対応したサイト・システム制作を行っています。コンセプト設計等UXデザインの領域から包括的な支援が可能です。ウェブアクセシビリティ対応にお悩みなら、お気軽にご相談ください。
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コンセプト設計とは?重視すべきポイント3つとアイデア出しの6原則も解説


コンセプト設計とは、ビジネスや作品制作の企画立案の際に、ベースとする考え方・構想を作っていくことを意味します。

コンセプト設計は、商品やサービスの価値やターゲットを明確にし、競合との差別化やブランディングにつなげることができる重要な要素です。

コンセプト設計で重視すべき3つのポイント

コンセプト設計をする際には、以下の3点を意識することが重要です。

  1. ユーザー目線で考える

  2. 目的やターゲットを明確にする

  3. 特徴やメリットを明確にする

それぞれ解説します。

1.ユーザー目線で考える

コンセプト設計の目的は、ユーザーに価値を提供することです。そのため、ユーザーのニーズや課題、感情や動機などを理解し、それに応えるようなコンセプトを作ることが重要です。

ユーザー目線で考えることで、ユーザーの満足度やロイヤリティを高めることができます。

2.目的やターゲットを明確にする

コンセプト設計の前に、自分の商品やサービスがどのような目的を持ち、どのようなターゲットに向けられるのかを明確にすることが重要です。

目的やターゲットを明確にすることで、コンセプトの方向性や範囲を決めることができます。また、目的やターゲットに合わせて、コンセプトのメッセージやトーンを調整することができます。

3.特徴やメリットを明確にする

コンセプト設計の後に、自分の商品やサービスがどのような特徴やメリットを持ち、それがユーザーにどのような価値をもたらすのかを明確にすることが重要です。

特徴やメリットを明確にすることで、コンセプトの魅力や優位性を伝えることができます。

また、特徴やメリットに合わせて、コンセプトのビジュアルやデザインを決めることができます。

コンセプト設計のアイデア出しの6原則

コンセプトのもとになるアイデア出しには、「SUCCES」という6原則を利用すると効果的です。

以下のような要素を持つアイデアが、ユーザーの記憶に残りやすくなります。

  1. 単純性(simple)

  2. 意外性(unexpected)

  3. 具体性(concrete)

  4. 信頼性(credible)

  5. 感情性(emotional)

  6. 物語性(story)

それぞれ解説します。

1.単純性(simple)

コンセプトは、シンプルでわかりやすいものであるほど、ユーザーに響きやすくなります。ひと言で伝わるくらい単純なものであれば、ユーザーは忘れにくく、また他人にも伝えやすくなります。

2.意外性(unexpected)

コンセプトは、意外で驚きのあるものであるほど、ユーザーの興味を惹きつけることができます。予想外のことに出会うと、ユーザーは好奇心を持ち、その理由や背景を知りたくなります。

3.具体性(concrete)

コンセプトは、具体的でイメージしやすいものであるほど、ユーザーに理解しやすくなります。抽象的な言葉や概念ではなく、具体的な事例や数字、比喩などを使って、ユーザーが目に見えるように表現することが大切です。

4.信頼性(credible)

コンセプトは、信頼できるものであるほど、ユーザーに支持されやすくなります。信頼性を高めるためには、専門家の意見や統計データ、実績や証拠などを用いて、コンセプトの根拠を示すことが重要です。

5.感情性(emotional)

コンセプトは、感情に訴えるものであるほど、ユーザーの記憶に残りやすくなります。感情は、人間の行動や判断に大きな影響を与える要素です。

ユーザーの喜びや悲しみ、怒りや恐れなどの感情に触れることで、コンセプトに共感や感動を生むことができます。

6.物語性(story)

コンセプトは、物語にするものであるほど、ユーザーの心に響かせることができます。物語は、人間が情報を処理する際に使う最も自然な方法です。

物語には、登場人物や背景、展開や結末などがあり、ユーザーはそれらに感情移入したり、自分と重ね合わせたりします。

コンセプト設計におけるフレームワーク5選と使い方の手順


コンセプト設計におけるフレームワークとは、コンセプトを明確にするためのツールや手法のことです。コンセプト設計のフレームワークにはさまざまな種類がありますが、ここでは代表的な5つを解説します。

コンセプト設計に役立つフレームワークは、次の5つです。

  1. 価値仮説シート【コンセプトの方向性を決める】

  2. エレベーターピッチ【競合との差別化や優位性を伝える】

  3. コンセプトツリー【本質的な価値を可視化する】

  4. FABE分析【商品やサービスの特徴や優位性・顧客便益・証拠を分析・表現する】

  5. NABCフレームワーク【価値提案の基本となる要素を整理する】

それぞれ解説します。

1.価値仮説シート【コンセプトの方向性を決める】

価値仮説シートは、ユーザーの欲求や課題、商品やサービスの特徴やメリットを一言で言語化するフレームワークです。仮説検証の前に、コンセプトの方向性を決めるのに役立ちます。

価値仮説シートの使い方の手順

まずは、ユーザー像、欲求、課題、特徴、メリットの5つの項目を用意します。

そして、各項目に対して、自分の商品やサービスに関する情報を埋めていきます。

例えば、オンライン英会話サービスの価値仮説シートを例にしてみましょう。


 

ユーザー像

英語を話せるようになりたい社会人

欲求

自分のペースで英会話のスキルを向上させたい

課題

教室に通うのが面倒、時間が合わない

特徴

24時間いつでもネイティブスピーカーとマンツーマンでレッスンが受けられる

メリット

自分の都合に合わせて英会話の練習ができる

このように、価値仮説シートにより、コンセプトの方向性を明らかにします。

価値仮説シートを完成させたら、それをもとに価値提案やエレベーターピッチを作ります。

2.エレベーターピッチ【競合との差別化や優位性を伝える】

エレベーターピッチは、15~30秒で製品やサービスの概要を説明するためのフレームワークです。競合との差別化や優位性を伝えるのに効果的です。

エレベーターピッチの使い方の手順

エレベーターピッチでは、「私たちは(誰に)(どのような価値を)提供します。これは(どのように実現するのか)で、(競合と比べてどのような優位性があるのか)です。」という文型に沿って記述します。

例えば、オンライン英会話サービスのエレベーターピッチは以下のようになります。

「私たちは、英語を話せるようになりたい社会人に、自分のペースで英会話のスキルを向上させる価値を提供します。これは、24時間いつでもネイティブスピーカーとマンツーマンでレッスンが受けられるオンラインサービスで、教室に通うのが面倒な人や時間が合わない人にとって、競合と比べて圧倒的な利便性と効果があります。」

このように、エレベーターピッチは、競合との差別化や優位性を伝えるものです。

エレベーターピッチを完成させたら、それをもとにプレゼンテーションやパンフレットなどを作ります。

3.コンセプトツリー【本質的な価値を可視化する】

コンセプトツリーは、複数のアイデアを要素分解して、本質的な価値を可視化するフレームワークです。アイデアの整理や選択の基準を作るのに役立ちます。

コンセプトツリーの使い方の手順

コンセプトツリーでは、検討段階のアイデアを「具体的な提案」に記入し、順番に「キーとなる満足要因(KSF)」「どうやって実現するのか」「タッチポイントでの体験」「本質的体験価値(UXコンセプト)」へと展開していきます。

例えば、オンライン英会話サービスのコンセプトツリーは以下のようになります。

  1. まず、オンライン英会話サービスの提供価値(UXコンセプト)を決めます。例えば、「自分のペースで英語を学べるオンライン英会話サービス」や「楽しく英語を話せるオンライン英会話サービス」などです。

  2. 次に、提供価値を実現するためのタッチポイントでの体験を考えます。例えば、「自分のペースで英語を学べるオンライン英会話サービス」なら、「レベルに合わせたカリキュラムを提供する」「自分の都合に合わせてレッスンを予約できる」「レッスンの録音やフィードバックを受けられる」などです。

  3. さらに、タッチポイントでの体験を実現するための方法や機能を考えます。例えば、「レベルに合わせたカリキュラムを提供する」なら、「オンラインテストでレベルを判定する」「レベルに応じた教材や講師を紹介する」などです。

  4. 最後に、方法や機能の優位性や満足要因を考えます。例えば、「オンラインテストでレベルを判定する」なら、「自分の英語力を客観的に把握できる」「適切なレベルのレッスンを受けられる」などです。

上記の手順で、コンセプトツリーを作成していきます。

コンセプトツリーは、提供価値から具体的な提案までを一覧で見ることができるツールです。

コンセプトツリーを作成することで、オンライン英会話サービスのコンセプトを明確にし、他のサービスとの差別化や強みを見つけることができます。

4.FABE分析【商品やサービスの特徴や優位性・顧客便益・証拠を分析・表現する】

商品やサービスの特徴(Feature)、優位性(Advantage)、顧客便益(Benefit)、証拠(Evidence)を分析・表現するフレームワークです。価値提案やセールスに活用できます。

FABE分析の使い方の手順

FABE分析では、商品やサービスの特徴、優位性、顧客便益、証拠の4つの項目をそれぞれ短文で埋めていきます。

例えば、オンライン英会話サービスのFABE分析は以下のようになります。


 

商品やサービスの特徴

24時間いつでもネイティブスピーカーとマンツーマンでレッスンが受けられる

優位性

教室に通うのが面倒な人や時間が合わない人にとって、競合と比べて圧倒的な利便性がある

顧客便益

自分の都合に合わせて英会話の練習ができる

証拠

ユーザーの満足度は90%以上、英語力の向上率は平均50%以上

上記のように、FABE分析は、商品やサービスの特徴や優位性・顧客便益・証拠を分析・表現するものです。

FABE分析を完成させたら、それをもとにコピーライティングやマーケティングなどを行います。

5.NABCフレームワーク【価値提案の基本となる要素を整理する】

NABCフレームワークは、ニーズ(Need)、アプローチ(Approach)、ベネフィット(Benefit)、競合(Competition)の4項目をカバーしたフレームワークです。価値提案の基本となる要素を整理できます。

NABCフレームワークの使い方と手順

NABCフレームワークでは、ニーズ、アプローチ、ベネフィット、競合の4つの項目をそれぞれ記述します。

例えば、オンライン英会話サービスのNABCフレームワークは以下のようになります。


 

ニーズ

英語を話せるようになりたい社会人のニーズ

アプローチ

24時間いつでもネイティブスピーカーとマンツーマンでレッスンが受けられるオンラインサービス

ベネフィット

自分のペースで英会話のスキルを向上させることができる

競合

教室や他のオンラインサービス

NABCフレームワークを完成させたら、それをもとに価値提案やエレベーターピッチなどを作ります。

上記のようなフレームワークを使うことで、コンセプト設計を効果的に行うことができます。ぜひ、自社の商品やサービスにも適用してみましょう。

コンセプト設計のフレームワークを活用する際の注意点4つ


前述したように、コンセプト設計にはさまざまなフレームワークが存在し、それぞれに特徴や用途があります。 

そこで、コンセプト設計のフレームワークを活用する際には、以下の4つの点に注意が必要です。

  1. フレームワークを適切に選択すること

  2. フレームワークを柔軟に使い分けること

  3. フレームワークをチームで共有すること

  4. フレームワークを検証し改善すること

それぞれ解説します。

1.フレームワークを適切に選択すること

フレームワークを選択する際には、プロジェクトの目的や目標、ターゲット層のニーズや課題、競合他社の状況などを考慮する必要があります。 

例えば、ブレインストーミングからアイデアをまとめるときには、価値仮説シートやエレベーターピッチなどのフレームワークが有効です。

一方、プロダクトの価値検証を進めるときには、FABE分析やNABCフレームワークなどのフレームワークが有効となります。 

このように、フレームワークは、目的や特徴に合わせて選択する必要があります。なぜなら、目的に合わないフレームワークを使ってしまうと、コンセプトの品質や効果が低下する可能性があるからです。

2.フレームワークを柔軟に使い分けること

フレームワークを使う際には、あくまで参考にするものであり、そのまま鵜呑みにするものではありません。なぜなら、フレームワークには一般的な原則や手順が示されていますが、それらは必ずしもすべてのケースに当てはまるとは限らないからです。 

例えば、エレベーターピッチは、15~30秒で製品やサービスの企画の概要を説明するためのフレームワークですが、状況によっては、もっと短くしたり、もっと詳しくしたりすることもあります。 

このように、フレームワークは、自分の目的や状況に応じて、柔軟に使い分けることが重要です。フレームワークに固執してしまうと、本質的な問題や解決策を見逃してしまう可能性があります。

3.フレームワークをチームで共有すること

フレームワークを使うことで、コンセプトの方向性や内容をチームで共有することができます。

フレームワークには、情報を視覚化するものも多くあります。例えば、コンセプトツリーは、情報を図や表にまとめることで、チームメンバーにわかりやすく伝えることが可能です。 

また、フレームワークには、ロジックや仮説を明確にするものも多くあります。例えば、価値仮説シートやNABCフレームワークなどは、問題や解決策の根拠や前提を整理することで、チームメンバーに論理的に説明できます。 

このように、フレームワークをチームで共有することで、コミュニケーションや協働がスムーズになります。 

フレームワークをチームで共有する際には、以下のようなことに注意しましょう。

  • フレームワークの目的や意味を説明すること

  • フレームワークの入力や出力を明確にすること

  • フレームワークの結果や考察を共有すること

4.フレームワークを検証し改善すること

フレームワークを使うことで、コンセプトを分析できますが、それだけでは十分ではありません。フレームワークを使った後は、必ず検証と改善が必要です。 

検証と改善を行うことで、フレームワークの妥当性や有効性を確認できます。また、検証と改善を行うことで、フレームワークの精度や効果を高めることができます。 

検証と改善を行う際には、以下のような点に注意しましょう。

  • フレームワークの結果に基づいてアクションを実施すること

  • アクションの結果を定量的・定性的に評価すること

  • フレームワークの入力や出力を修正すること

  • フレームワークのサイクルを繰り返すこと

上記のように、コンセプト設計のフレームワークは、プロジェクトやビジネスの成功に向けた方向性を示すための有効なツールです。そこで、フレームワークを適切に選択し、柔軟に使い分け、チームで共有し、検証し改善することで、コンセプト設計の力を高めることができます。

コンセプト設計に役立つフレームワークのまとめ

このように、コンセプト設計は、商品やサービスの価値やターゲットを明確にし、競合との差別化やブランディングにつながる、マーケティング戦略の中でも重要な要素の1つです。

しかし、コンセプト設計を行う際は、どのようにコンセプトを作るか、どのようにコンセプトを伝えるか、どのようにコンセプトを実現するかなどを明確にするために、適切なフレームワーク選びと活用が欠かせません。

そこで、コンセプト設計そのものや、フレームワークの選び方や使い方についてのお悩みのある方は、株式会社GIGにお気軽にご相談ください。貴社に最適なソリューションを提供いたします。

株式会社GIGは、ナショナルクライアントからスタートアップまで、Webコンサルティング、UI/UXデザイン、システム開発など、DX支援をおこなうデジタルコンサルティング企業です。

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