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ブランディングのやり方と進め方の流れ|基本のプロセスと成功ポイントを解説
2023-08-01 制作・開発
ブランディングとは、自社の商品やサービスに対する認知度や評価を高めるために行うコミュニケーション活動のことです。ブランディングによって、自社の商品やサービスを他社と差別化し、顧客のロイヤルティや信頼を獲得することが可能です。
ブランディングを成功させるには、自社の顧客ターゲットや競合の分析を行い、自社の強みや差別化要素を明確にして、それらを一貫したメッセージやビジュアルで表現する必要があります。ただし、ブランディングにはさまざまなプロセスと注意すべきポイントがあり、コストや時間がかかる施策でもあります。
そのため、ブランディング施策を始める前に、ブランド構築の基本的な進め方をしっかりと理解したうえで成功に導くことが大切です。
そこで今回は、ブランディングのやり方と進め方の流れ、基本的なプロセスと成功ポイントを徹底解説します。これから自社ブランドの構築を目指す方は、ぜひ参考にしてください。
ブランディングとは?必要性やメリットを解説
ブランディングとは、商品やサービスのブランドを構築するためのさまざまな活動のことです。
一方、ブランドは、消費者がその商品やサービスに対して持つイメージや印象のことで、他の類似品との差別化や価値付けに重要な役割を果たします。
ブランディングには、以下のようなメリットがあります。
価格競争に陥らずに済む
ブランディングによって、消費者にブランドの価値を認識させることで、安売りに頼らなくても商品やサービスを販売できるようになります。
その結果、価格競争に巻き込まれるリスクが低くなり、安定した事業の運営が可能となります。
ロイヤルユーザーを獲得できる
ロイヤルユーザーとは、自社もしくは自社の商品やサービスに対して高いロイヤルティ(忠誠心や愛着)を持ち、継続的に利用してくれるユーザーのことです。
ブランディングによって、消費者にブランドへの信頼や愛着を持たせることで、継続的にリピートしてくれるロイヤルユーザーを獲得できます。
広告宣伝費が最小限に抑えられる
ブランディングによって、ブランドの知名度や評判が高まることで、積極的な広告や販促活動をしなくても集客できるようになります。
その結果、広告宣伝にかかるコストを最小限に抑えることが可能です。
ブランディングの主な種類と目的
ブランディングは、対象者ごとにブランディングを行う手法と、内容別にブランディングを行う手法に分けられます。
対象者ごとのブランディングには、インナーブランディングとアウターブランディングの2種類があり、内容別のブランディングには、企業ブランディングと商品ブランディングの2種類があります。
インナーブランディングとアウターブランディング
インナーブランディングとは、自社の従業員に対して行うブランディングのことを指します。インナーブランディングは、自社のブランド価値やビジョンを従業員に共有し、社内の一体感やモチベーションを高めるのが目的です。
一方、アウターブランディングとは、社外の生活者に対して行うブランディングのことを指します。アウターブランディングは、自社の商品やサービス、企業の価値やイメージを顧客に伝え、ブランドの認知度や忠誠度を高めるのが目的です。
企業ブランディングと商品ブランディング
企業ブランディングとは、企業そのもののブランドを構築することを指します。企業ブランディングは、企業理念や社会的責任、歴史や文化などを顧客に伝え、企業の信頼性や魅力を高めるのが目的です。
一方、商品ブランディングとは、商品やサービスのブランドを構築することを指します。商品ブランディングは、商品やサービスの特徴や価値、ストーリーや感情などを顧客に伝え、商品やサービスの差別化や選択肢となるのが目的です。
ブランディング(ブランド構築)のやり方と進め方
ブランディングによって自社のブランド構築を進めるためには、以下の3つのステップが必要です。
- 自社ブランドの現状分析
- ブランドアイデンティティの構築
- ブランドの浸透
これらのステップを踏むことで、自社ブランドを確立し、顧客や消費者に魅力的に見せることができます。
ブランディングは、自社の商品やサービスを他社と差別化し、競争力を高めるための重要な手法であるため、上記の3つのステップをしっかりと理解する必要があります。
自社ブランドの現状分析の基本的なプロセスと成功ポイント
自社ブランドの現状分析とは、自社のブランドがどのように消費者に認知されているか、またどのように認知されたいかを把握するための調査です。
自社ブランドの現状分析を行うことで、ブランドの強みや弱み、機会や脅威を明らかにし、ブランディング戦略を立てるための基礎となります。
自社ブランドの現状分析の基本的なプロセスを5ステップで解説
自社ブランドの現状分析の基本的なプロセスには、次の5つのステップがあります。
- 自社のブランドに関する情報を収集する
- 競合他社のブランドに関する情報を収集する
- 市場や顧客のニーズに関する情報を収集する
- 収集した情報を分析する
- 分析結果をまとめる
それぞれ解説します。
1.自社のブランドに関する情報を収集する
自社のブランドに関する情報を収集する際は、まず自社のブランドの目的やビジョン、価値提案、ポジショニング、ターゲットなどを明確にする必要があります。
そして、適切なターゲットを設定したうえで、自社のブランドの認知度やイメージ、評判、忠誠度などを測定しましょう。
これにより、自社のブランドの強みや弱み、機会や脅威を正確に分析することが可能となります。
2.競合他社のブランドに関する情報を収集する
次に、競合他社のブランドの特徴や戦略、ターゲット、メッセージなどを調査します。
これは、競合他社のブランドの認知度やイメージ、評判、忠誠度などを測定するために重要です。
そして、収集した情報を基に、競合他社のブランドの強みや弱み、機会や脅威を分析します。
3.市場や顧客のニーズに関する情報を収集する
自社ブランドの情報と、競合他社の情報が収集できたら、次に市場の規模や成長率、動向、セグメントなどを調査しましょう。
そして、調査した情報を基に、顧客のニーズや欲求、動機、行動、感情などの要素を具体化し、顧客のセグメンテーションやペルソナ設定などを行います。
4.収集した情報を分析する
さらに、収集した情報を整理して、グラフや数値で可視化することが重要です。
そして、可視化したデータを分析して比較し、仮説や検証などを行います。
5.分析結果をまとめる
最後に、分析結果を要約し、主要なポイントや課題を抽出します。
そして、最終的な分析結果を報告書やプレゼンテーションなどに落とし込み、ブランディング戦略の策定や実行に活用しましょう。
自社ブランドの現状分析の成功ポイント
自社ブランドの現状分析を成功させるためには、次のポイントに注意する必要があります。
定期的に調査を行うこと
市場や消費者のニーズは、常に変化しています。そのため、自社ブランドの認知度やイメージを客観的に把握するために、定期的なブランド調査を行うことが重要です。
ブランド調査を定期的に行うことで、市場の動向や自社のポジショニングを理解できるようになるため、より効果的なマーケティング戦略の立案と実行が可能となります。
多角的に調査を行うこと
自社ブランドを分析する際には、自社環境、競合環境、市場環境の3つの視点から多角的に調査を行うことが重要です。
自社環境では、自社の強みや弱み、機会や脅威を評価します。一方、競合環境では競合企業の強みや弱みを把握します。そして、市場環境では、市場の規模や成長率、セグメントや動向を分析することが重要です。
これらの情報を総合的に分析することで、自社の競争力や差別化要因を明確にすることが可能となります。
指標や目標を設定すること
自社ブランドの現状分析を行う目的は、自社のブランド力を高めることです。
現状分析を正確に行うためには、ブランド力を測る指標や目標を設定する必要があります。それは、指標や目標を設定することで、分析の方向性や評価基準を明確にし、改善のための施策を考えやすくなるからです。
指標や目標の例としては、ブランド認知度、ブランドイメージ、ブランドロイヤルティなどが挙げられます。
なお、ブランドの評価方法に関しては「ブランディング戦略とは?ブランド構築の重要性と効果的な手順を解説」の記事をご参照ください。(2024年1月執筆)
競合他社との比較を行うこと
自社ブランドの現状分析では、自社の強みや弱みを客観的に把握することが重要です。そして、自社の強みや弱みを客観的に把握するためには、競合他社との比較を行うことが有効です。
競合他社との比較を行うことで、自社の優位性や劣位性を明確にし、市場での自社のポジションを理解することができます。
また、競合他社の良い点や悪い点を参考にすることで、自社ブランドの改善点や差別化するためのポイントが見つけやすくなるでしょう。
分析結果をわかりやすくまとめること
自社ブランドの現状分析を行った後は、分析結果をわかりやすくまとめることが重要です。
分析結果をまとめることで、自社の現状や課題、改善策を明確にし、経営陣や関係者に伝えやすくなります。
分析結果をまとめる際には、以下のポイントに注意しましょう。
データやグラフを活用する
数値や図表を使って、分析結果を視覚的に表現しましょう。これにより、分析結果の傾向や特徴をわかりやすく伝えることができます。
要点を整理する
分析結果の中から、重要なポイントや結論を抽出し、整理しましょう。これにより、分析結果の意味や意義を明確に伝えることができます。
アクションプランを提示する
分析結果に基づいて、自社ブランドの強化や改善のための具体的なアクションプランを提示しましょう。これにより、分析結果を実行に移すための方針や手段を明確に伝えることができます。
ブランドアイデンティティの構築プロセスと成功ポイント
ブランディングにおけるアイデンティティとは、自社や商品・サービスが持つ個性や特徴を表現するもので、顧客や社会に対する印象やメッセージを伝える重要な要素です。
ブランドアイデンティティの構築は、自社や商品・サービスのブランド力を高めるために重要です。
ブランドアイデンティティの構築により、自社や商品・サービスの魅力や差別化できる要素を明確にできるようになり、効果的な表現方法も考えやすくなるでしょう。
ブランドアイデンティティの構築方法の6つのプロセス
ブランドアイデンティティ構築の進め方は、以下のようなプロセスで行います。
1.ターゲット顧客と競合他社の調査
自社の商品やサービスのニーズがあるターゲット顧客を選定し、その特徴やニーズ、痛みなどを分析します。
また、競合他社のブランドアイデンティティや戦略、強みや弱みなどを調査し、自社の差別化ポイントを見つけることも重要です。
2.ブランドの目的とミッションステートメントの定義
次に、ブランドが何を目指し、何を大切にしているかを示すブランドの目的を明確にしましょう。
ブランドの目的を具体化したら、顧客や社会に対してどのような価値を提供するかを表現するミッションステートメントを作成します。
3.ブランドパーソナリティの作成
ブランドが人間だったらどのような性格や特徴を持つかを考え、ブランドパーソナリティを作成します。
ブランドパーソナリティは、ブランドの声やトーン、コミュニケーションスタイルなどに影響する重要な要素です。
4.現実的な目的と目標の設定
ブランドアイデンティティを構築することで、どのような効果や成果を期待するかを明確にします。
目的や目標は、SMART(Specific, Measurable, Achievable, Relevant, Time-bound)なものにして、定量的に測定できるようにすることも重要です。
5.ブランドアイデンティティの確立
ブランドアイデンティティを表現するための要素を決めましょう。ブランドアイデンティティを表現する要素には、ロゴやキャッチコピー、カラー、フォント、イメージなどがあります。
ブランドアイデンティティの要素を決める際は、統一したブランドガイドラインを作成し、ブランドの一貫性を保つことが重要です。
6.ブランドの実装
ブランドアイデンティティの要素を、商品やサービス、広告、Webサイト、SNSなどの適切な媒体から選択して、展開します。
そして、ブランドアイデンティティの効果を測定するために、ブランド認知度やブランドイメージ、ブランドロイヤルティなどの指標を定期的に調査、分析し、改善策を考えます。
ブランドアイデンティティ構築の成功ポイント
アイデンティティ構築に成功するために、以下のようなポイントに注意しましょう。
ブランドアイデンティティの目的とターゲットを明確にすること
ブランドが何を目指し、何を大切にしているかを示すブランドの目的を明確にしましょう。
自社の商品やサービスのニーズがあるターゲットを選定し、その特徴やニーズ、痛みなどを分析します。
ブランドアイデンティティを表現する要素を決めること
ブランドの個性や価値観、文化などを表現するための要素を決めましょう。例えば、ロゴやキャッチコピー、カラー、フォント、イメージなどです。
ブランドアイデンティティの要素を統一したブランドガイドラインを作成し、ブランドの一貫性を保つことが重要です。
ブランドアイデンティティを伝える戦略や施策を企画すること
ブランドアイデンティティの要素を、商品やサービス、広告、Webサイト、SNSなどの各媒体に展開します。
ターゲットに対して、ブランドの魅力や価値を強く訴求できるメッセージやコンテンツを作成することが重要です。
ブランドアイデンティティの効果を測定し、改善すること
ブランドアイデンティティの効果を測定するために、ブランド認知度やブランドイメージ、ブランドロイヤルティなどの指標を設定します。
これらの指標を定期的に調査し、分析し、改善策を考えましょう。
ブランドを浸透させる基本的なプロセスと成功ポイント
ブランドの浸透は、ブランドの価値やメッセージを顧客に知ってもらい、認知度や評価を高めることで、企業や製品の価値を高めるための重要な手法です。
ブランドを浸透させることで、売上や利益の向上、顧客のロイヤルティの獲得、競争力の強化などのメリットが得られます。
ブランドを浸透させる基本的なプロセス3ステップ
ブランドを浸透させる方法は、次のようなプロセスで行います。
- ブランドの目的とターゲットを明確にする
- ブランドの価値を伝えるコンテンツやメッセージを作成する
- ブランドの認知度やイメージを測定し、改善する
それぞれ解説します。
1.ブランドの目的とターゲットを明確にする
ブランドが何を目指し、何を大切にしているかを示すブランドの目的を明確にします。
そして、自社の商品やサービスのニーズがあるターゲットを選定し、その特徴やニーズ、痛みなどを分析します。
2.ブランドの価値を伝えるコンテンツやメッセージを作成する
ブランドの価値を分かりやすく提示して、ターゲットに共感や信頼を得るコンテンツやメッセージを作成します。
そして、広告やPR、キャンペーン、Webサイト、SNSなどの各媒体に展開します。
3.ブランドの認知度やイメージを測定し、改善する
ブランドの認知度やイメージを測定するために、ブランド調査やブランディング効果測定などを行います。
そして、これらの調査や測定を定期的に実施し、分析し、改善策を行いましょう。
ブランドを浸透させる際の成功ポイント
ブランドを浸透させるためには、以下のようなポイントを押さえることが重要です。
- ブランドのミッションやビジョンを明確にすること
- ブランドに対するターゲット(真の顧客・ブランドパートナー)を決めること
- ターゲットに対する提供価値を明確にすること
- ターゲットが求めるブランドコンセプトを設定すること
- ターゲットへの価値を最大化する提供方法を考案すること
これらのポイントを踏まえて、ブランド戦略を立てることがブランド浸透の第一歩です。
また、ブランド戦略を実行する際には、以下のような点にも注意しましょう。
- 消費者や顧客の視点に立つこと
- 市場の動向や競合の状況を分析すること
- 社内外でブランドの理念や価値を浸透させること
- 自社のイメージやターゲットに合った媒体(広告やSNSなど)を活用してブランドの認知度や評判を高めること
- ブランドの評価や効果を定期的に測定し、改善すること
ブランディングの成功事例と失敗事例
次に、ブランディングの成功事例と失敗事例を紹介します。
Appleの成功事例
Appleは、テクノロジーブランドとして、シンプルで直感的なデザインや操作性を追求しているのが特徴です。
例えば、ブランドカラーを統一することで、認知度や一貫性を高めています。また、顧客のニーズやフィードバックを反映したイノベーションを行うことで、付加価値を高めることに成功しています。
レッドブルの成功事例
レッドブルは、翼をさずけるというブランドアイデンティティを掲げ、エナジードリンクのイメージを変革し続ける企業です。
レッドブルは、スポーツや音楽などのエンターテイメント分野に積極的に参入することで、ターゲット層を拡大しています。
また、コンテンツマーケティングや口コミ戦略で、ブランドのファンを増やしているのも特徴です。
大塚家具の失敗事例
大塚家具は、家具販売ブランドとして展開していましたが、経営陣の対立が公になったことでブランドイメージが悪化しました。
さらに、顧客のニーズやライフスタイルの変化に対応できず、競合他社に価格や品質で劣るようになったのが致命的だったと言えるでしょう。
この事例からは、経営陣の統一性や信頼性を高めることや、顧客の声やフィードバックを活用することが重要であることが学べます。
ソニー「QUALIA」の失敗事例
ソニー「QUALIA」は、高級AV機器ブランドとして展開していましたが、ターゲット層が不明確で需要が低かったために生産を終了しました。
ブランド構築に失敗した最も大きな要因は、価格が高すぎたことで、ソニーのブランドイメージとの整合性がとれなかったことが考えられます。
この事例からは、市場調査や顧客分析をしっかり行うことや、価格設定や販売チャネルを見直すことの重要性を学ぶことができます。
ブランディングに成功するポイントのまとめ
上記のように、企業がブランディングを行うことは、自社事業の安定的な運営に大きな影響を与える重要な要素と言えるでしょう。
そこで、ブランディングを行う際は、しっかりと現状分析を行い、企業のブランドアイデンティティを構築し、市場に浸透させることが重要です。
ただし、ブランディングには、コストと時間がかかります。また、自己満足にならないように注意が必要です。そのため、ブランディングを行う際は、マーケティング施策と連携しながら、計画的に行うようにしましょう。
また、ブランディングに関する疑問や質問のある方は、株式会社GIGにお気軽にご相談ください。貴社に最適なソリューションを提案いたします。
株式会社GIGは、ナショナルクライアントからスタートアップまで、Webコンサルティング、UI/UXデザイン、システム開発など、DX支援をおこなうデジタルコンサルティング企業です。
また、45,000人以上が登録するフリーランス・副業向けマッチングサービス『Workship』や、7,000人以上が登録するデザイナー特化エージェントサービス『クロスデザイナー』、リード獲得に必要な機能を備えたCMS『LeadGrid』、UXコンサルティングサービス『UX Design Lab』などを展開しています。
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