「いいWebサイト」とは?経営者/編集長/デザイナーそれぞれの視点で分析し解説|東京のWEB制作会社・ホームページ制作会社|株式会社GIG

「いいWebサイト」とは?経営者/編集長/デザイナーそれぞれの視点で分析し解説

2022-06-14 勉強会

こんにちは! GIG BLOG担当の宮﨑です。

GIGでは毎月さまざまなテーマで勉強会を開催しており、現在はコロナウイルス感染拡大防止のためオンラインにて実施しています。

今回の勉強会では、「いいサイトって何?」をテーマに、GIG代表の岩上 貴洋さん、クリエイティブ事業部部長の小林 新さん、メディア事業部マネージャーの内田 一良(じきるう)さんにお話いただきました。

▲今回はオンラインワークスペース『SpatialChat』を用いて勉強会を行いました

 ■登壇者プロフィール

岩上 貴洋(いわかみ たかひろ)

株式会社GIG 代表取締役社長。2007年、株式会社LIGを創業し代表取締役就任。WEB制作、マーケティング、空間プロデュース、オフショア開発などをおこなう。2017年4月株式会社GIG創業。

小林 新(こばやし あらた)

株式会社GIG デザイン事業部 部長・アートディレクター。武蔵野美術大学を卒業後、Web制作会社数社でUNIQLO、慶應義塾大学などのサイトデザインを担当。2017年よりGIGにジョインし、UI/UXデザインのアートディレクションを行いながら、チームのマネジメントを務める。

内田一良(うちだ かづよし:じきるう)

株式会社GIG メディア事業部 マネージャー。早稲田大学大学院修了後、2018年よりGIGに新卒入社。現在は編集者兼マーケティング担当として、日本最大級のフリーランスメディア『Workship MAGAZINE』をはじめとした複数のオウンドメディア運営に携わる。

過去うまくいったサイトは?

岩上:
思い当たるのは前職のサイトですね。SEOがとくに強く、最盛期は800万UU、いまでも400万UUくらいはあるんじゃないかな。0から作った集客サイトとしてはかなりうまくいった部類だと思います。

さまざまなロングテールKWで上位を取れていたのがこの結果の要因ですね。対象ユーザーに当てはまるKWで上位を取ることを意識しつつ、そのうえでただのSEOサイトにならないようにしていましたね。

GIGでこのサイトに勝ちたいと思いながらメンバーと協力しながらやってます。ただ前職のサイトもほんとうに一生懸命やっていたから、ひっくり返すのは大変だなと常々感じています。

小林:
私も前職時代の話になるんですが、デザインを担当したUNIQLOのキャンペーンサイトですね。当時はFLASH全盛の時代で、これを使ってWeb上に行列ができるキャンペーンをやりました。正直作業量はかなりのもので、ドイツのイラストレーターさんからいただいた数万個のpngデータを一人で配置して、日本や中国の街並みを再現しました。

▲出典:THE STRIPPERS CO., LTD.

 小林:
当時は、こういった予算をガッツリかけて遊び心があるサイトを作るのが流行っていたんです。他にもたとえば、PCのパーツでシムシティのようなことができるキャンペーンサイトを作ったりもしました。

バズらせてPVを稼ぐようなサイトが主流でしたね。実際UNIQLOのキャンペーンでは、サイト上に数百万の行列ができたりもしたので、成果は十分でていたと思います。

内田(じきるう):
私は日本最大級のフリーランスメディア『Workship MAGAZINE』を4年ほど運営担当しており、こちらもMAXで月間370万PVを記録するなどうまくいってるのですが、今回はGIGが運営しているオウンドメディアの一つ『LeadGrid BLOG』についてお話しします。こちらは、GIGが開発するCMS『LeadGrid』のリード獲得を目的に2021年12月に公開したサイトなんですが、リリース4ヶ月目で資料ダウンロードが月間70件ほど発生しています。

LeadGridはキーワードを設計して愚直にSEO(検索エンジン最適化)を行ってきたのですが、それが4ヶ月目で無事に花開きました。良質なホワイトペーパーを揃えられたのも要因です。

またこれは賛否両論あると思いますが、CTAがとても大きい点もプラスに働きました。

▲右下に、目を引く大きなCTA(×ボタンで消せる)

 内田:
もちろんコンテンツの品質が高いことが大前提です。手法だけが先行するのではなく、読者の課題解決に寄与するコンテンツを作ったからこそ、こういった結果に繋がったんじゃないかなと分析してます。

昔といまで変わった、Webサイトに求められているものは?

岩上:
これはWebサイトに限った話ではないと思うんですが、「DX化」ということが盛んに言われるようになってきましたね。それに伴い、コンサル会社や開発会社が、デザインやUXを含めたマーケティングを重視するようになってきました。

誰もがデータを扱えるようになってきているので、デザインにもマーケティング意識が必要になってきましたね。デザインが「ただ表現できればいい」というものでは物足りなくなくなってきたんだと思います。

小林:
ユーザーに関してはいまも昔も変わらず、より早くそしてより使いやすいものを求めています。

しかし顧客(クライアント)は大きく変化しています。以前までは顧客が「Webとは?」な状態だったので、作り手主導で進んでいました。ですがいま今では顧客側もデジタルの知識をある程度持っています。

そのため基本的な前提知識がある状態で、「本当に自分達の会社にとって必要なデジタルクリエイティブとはなんだろう?」というところからご相談をいただくようになりました。作り手主導ではなく、顧客と作り手が協力して、Webサイトそしてブランドを作り上げていく形になりました。

内田:
お二人と別軸で、開発面とコンテンツ面のことをお話しできればと思います。

開発面については、いまも昔も変わらずサイトスピードが重要視されていますね。昔は通信が重くて画像や動画が扱いにくかったため、90〜00年代はテキストサイトなどシンプルなWebが中心でした。

一方でいまは通信速度が飛躍的に向上し、画像や動画、アニメーションをつかったリッチなサイトも増えています。ただ、根本的なところは変わっていません。ユーザーは素早くロードできるWebサイトを求めています。その証拠の一つとして、Googleのサイト健全性を示す重要指標(Web Vitals)にサイトスピードを重視している記述が見られます。いまも変わらず、Webサイトはスピードを担保することが最低限必要だなと。

コンテンツ面については、以前はテクニックやハック的な要素が強く、そのなかには悪い施策も多々ありましたね。ですがいまではそういったものが通用しなくなってきています。そのため、こういった施策頼みだったサイトや、高品質なコンテンツが作れないサイトはどんどん淘汰されていくんじゃないかなと思います。

今後のWebサイトに求められるもの

岩上:
サイトの差別化が難しくなってきたからこそ、運営のスタンスやどこまでこだわりを持ってやれるか、といった後ろ側の文脈が見られるようになると思います。

技術トレンドを取り入れたり、サイトの触り心地だったり、そういった細かな積み重ねがものすごい差になるんじゃないかな。

小林:
そうですね。あと、これからどんどんユーザーが主導権を握るようになってくると思います。Web1.0では一方向だったものが、Web2.0ではプラットフォームの中における双方向のコミュニケーションとなっていきました。そしてWeb3.0では、クライアントのような中央主権的な存在がなくなり、ユーザーに主導権が移っていくと思います。

こういった背景もあり、やはり当たり前のものを当たり前の品質で作れるかどうかが前提になってくると思います。そのうえでどうやってユーザーに気に留めてもらえるようなブランド体験が作れるか、表現できるかが大切になると思います。

内田:
いまは誰でも発信できる時代なので、ユーザーが求めるレベルがどんどん上がってきています。一方で、よいコンテンツやよいWebサイトがあれば、ユーザーみずからが発信、拡散してくれる時代でもあります。なので、ユーザーを巻き込み楽しんでもらい、自分たちのブランドを発信してもらえる、そんな設計が必要になってくると思います。

そのためには、ユーザーが求めている以上のものを提供しなければいけません。ユーザーが求めるものを少しでも超え続けていくことができれば、よいWebサイトだと認識されるはずです。

岩上:
自分もこの業界に15年以上いるけど、期待を少しでも超えることはずっと意識してきました。これは今後も必ず必要になる考えですね。

小林:
やはり、平均点レベルのサイトが簡単に作れるようになってきているので、2人が言うように周りから一歩抜け出せる何かがないと、差別化は厳しいんじゃないでしょうか。

まとめ

今回は第一線で活躍されてきた御三方から「いいWebサイトとは?」をテーマにお話を伺いました。

顧客を意識することや細部にまでこだわり続けることなど、Webサイトに関わる人間として、たくさんの学びがあった勉強会でした。また、期待値を少しでも超えることはどんな仕事でも意識するべきことですね!

今回お話しいただいた内容をGIGメンバー一同徹底して、いいWebサイトをお届けします!

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宮﨑 駿(カントク)

フリーランス編集/ライター。GIGのメディア事業部で複数メディアの運営に参加中。キャリア、働き方に関する記事を中心に執筆。ジブリの知識には自信ありません。