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【トランジション採用の実態調査】「フリーランスは正社員を望まない」は誤解? 65.9%が取引先からの正社員オファーを検討
2025-10-24 ニュース

こんにちは、株式会社GIG広報です。
この度GIGが運営する、フリーランスと企業を結ぶマッチングサービス『Workship』は、フリーランスや業務委託のある方308名を対象に「トランジション採用」に関する調査を実施しました。
働き方の多様化が進むなか、フリーランスや業務委託の経験を持つ人材を正社員として採用する「トランジション採用」が広がりをみせています。
今回の調査から、フリーランスの65.9%が条件次第でオファーを前向きに検討し、また正社員として働く場合の条件として「給与」よりも「働き方の柔軟性」が優先されることがわかりました。
調査概要
- 調査名:フリーランス・業務委託経験者を対象としたトランジション採用に関する調査(Workship / GIG)
- 調査期間:2025年9月
- 調査対象:フリーランス・業務委託経験のある方
- 調査方法:フリーランスマッチングサイト「Workship」に登録されているフリーランス・業務委託経験者
- 有効回答数:308名(設問によって異なる)
調査結果
1.42.5%のフリーランスが「正社員としての勤務に興味あり」
正社員としての勤務に興味があるかを尋ねた結果、「興味がある」(26.6%)と「やや興味がある」(15.9%)を合わせ、全体の42.5%が正社員としてのキャリアを前向きに検討していることが判明しました。
この結果は、フリーランス市場における約半数が、正社員という働き方の安定性やキャリアアップの機会を、流動的な働き方と天秤にかけていることを示しています。
また正社員への意向は、就業状況によって傾向が異なります。
フリーランス・業務委託のみで働く「専業フリーランス」では、正社員に興味を持つ割合は合計27.3%に留まりました。
対照的に、正社員として働きながら副業を行う「副業フリーランス」では、71.2%が正社員としてのキャリア継続に関心を示しました。
2.フリーランスの約半数(47.4%)が取引先から正社員のオファーや相談を経験
フリーランス・業務委託経験のある方のうち、47.4%が過去に取引先から正社員登用のオファーや相談を受けたことがあると回答しました。
内訳を見ると「あり、検討したが断った」が28.2%と最も多く、正式なオファーではなくとも「はっきりしたオファーではないが、相談を受けた」が15.6%を占めます。
実際に正社員になった割合は3.6%に留まりますが、多くの企業がフリーランス・業務委託人材に対して、正社員化の働きかけ(トランジション採用)を行っていることが明らかになりました。
オファー経験を就業状況別にみると、取引先から正社員化の打診を受けた割合は、専業フリーランスが51.4%であったのに対し副業フリーランスは35.6%に留まり、企業側が専業フリーランスに対してより積極的なアプローチを行っている実態がわかりました。
3.フリーランスの65.9%が、条件次第でオファーを前向きに検討
取引先からの「正社員として働きませんか?」というオファーに対し、「オファーを受けたい」(4.5%)「待遇や業務内容など、条件によっては検討したい」(61.4%)」と、65.9%が正社員のオファーを前向きに検討する意向を示す結果となりました。
多くのフリーランスが、自身のキャリアをフリーランス一本に限定せず、条件次第で正社員への移行も検討できる柔軟なキャリア観を持っていると考えられます。
オファーを「検討したい」理由としては、「正社員で働くことのメリット」や「年齢による案件獲得への不安」など、現実的なキャリアプランに関する意見がありました。
一方で「あまり興味がない」「断る」理由としては、「働き方の自由度の低下」や「組織に属することによるストレス」といった、働き方に関する懸念が挙げられています。
専業フリーランスも副業フリーランスも、正社員化に高い関心
就業状況別でも大きな差異はなく、専業フリーランス・副業フリーランスのいずれの層においても、約6割〜8割近くが、取引先からのオファーを検討することがわかりました。
4.専業フリーランスの「隠れた正社員意向」:取引先からのオファーで検討率が2倍以上に
フリーランス・業務委託のみで働く「専業フリーランス」は、Q8「あなたは正社員として働くことに興味がありますか?」に対し、「興味がある」(10.4%)と「やや興味がある」(16.9%)を合わせても、正社員に関心がある割合は27.3%に留まりました。
一方で、Q10「もし取引先から『正社員として働きませんか?』とオファーがあったら、どうしますか?」の質問に対し、専業フリーランスは「オファーを受けたい」(3.8%)と「条件によって検討したい」(55.7%)を合わせ、59.5%が前向きに検討すると回答しました。
この結果から、専業フリーランスはオファー内容や提示条件によって、キャリアの考え方を柔軟に変えられると考えられます。
5.正社員として働くための最重要条件は「働き方の柔軟性」。フリーランスが求める自由な働き方

Q15「どのような条件なら正社員として働きたいと思いますか?」という質問に対し、「働き方の自由度」に関する項目が上位を占めました。
- 働き方の柔軟性の確保(在宅勤務・リモートワーク・フレックス勤務等):69.2%
- 副業・兼業活動の継続が認められること:50.6%
- 勤務時間や勤務日数の調整が可能であること:37.7%
「現在の収入水準を上回る年収・給与」(57.5%)よりも、「働き方の柔軟性の確保」(69.2%)が上位となりました。
フリーランス層が正社員という働き方を選ぶ際、働く場所や時間の柔軟性を最優先していることがわかります。
正社員として働きたい条件は、フリーランス・業務委託の経験期間により異なる傾向があります。
フリーランス・業務委託の経験が短い層(2年未満)は「現在の収入水準を上回る年収・給与」や「充実した福利厚生」といった金銭的・制度的な安定を、経験が長い層(3年以上〜)は「働き方の柔軟性の確保」や「フリーランス経験や専門性を活かせる職務内容」を重視する傾向がみられます。
まとめ
今回の調査では、フリーランスがキャリアを「正社員」か「フリーランス」の二択で固定せず、条件次第で柔軟にキャリアを選択することが明らかになりました。
企業がフリーランス・業務委託人材を正社員として受け入れるトランジション採用を成功させる鍵は、フリーランスが最優先とする柔軟な働き方を制度として可能にし、また彼らが不安に感じる非定型的な経験を正当に理解し評価する姿勢といえるでしょう。
この取り組みこそが、企業にとっては自律性の高い即戦力人材の安定的な獲得となり、個人にとってはスキルと安定性を両立させるキャリア戦略の実現を可能にします。
調査結果についての詳細は、下記のURLよりご覧ください。
https://goworkship.com/magazine/transition-research-freelance/
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GIG BLOG編集部
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