Slackの”分報チャンネル”を全社的に導入してみて分かったこと|東京のWEB制作会社・ホームページ制作会社|株式会社GIG

Slackの”分報チャンネル”を全社的に導入してみて分かったこと

2020-03-04ニュース

皆さん初めまして。フロントエンドデベロッパー通称JSON色つけ係を担当しているGIGの秋津です。

普段はSIerとして出向して、サービスの開発・運用保守を担当しつつ情報設計とデザインも担当しています。


皆さん、Slackの「分報」ってご存知でしょうか?

エンジニアの皆さんなら、その言葉を耳にしたことくらいはあるかと思います。

この分報を、株式会社GIGにて全社的に取り入れてみたので、今回はその効果について書いていきたいと思います。


使ったことある方は、「ふ〜ん……そういうことがあるんだな」程度に読んでいただいて、使ったことがない方は「なるほど、ちょっと使ってみよっかな」と興味を持っていただけたら嬉しいです。


分報とは

「そもそも分報って何?

「分単位に報連相すること?」

なんて方もいらっしゃると思いますので、そもそも分報とは何かということをおさらいしていきたいと思います。


「分報」とは文字通り「日報の分単位バージョン」です。

日に1回、業務終了時に行う日報とは違い、分単位で作業内容や進捗を共有していくことを指します。主にビジネスチャットアプリ『Slack』内にて行われる文化です。

なお1分ごとに1回報告するというわけではなく、好きなタイミングで自由に報告します。

疑問に思うことや、考えていること、取り組もうとしていることを青い鳥さんにつぶやく感覚でガンガン書いていきます。


Slack分報

こんな感じで独り言をTwitter感覚でつぶやいたり、それに対してレスをくれたメンバーとコミュニケーションを図ったりします。

筆者は出向しているので社内メンバーと同じプロジェクトを進めることはないのですが、いつも筆者の分報に反応してくれる社内メンバーがいます。本当に良いメンバーに恵まれています。


さて、「分報やったことないけどやってみたい!」といった人向けに、簡単な分報作成ステップも紹介していっちゃいます。


分報の作成ステップ

1. オープンチャンネルで作る

分報はあくまで「オープンにコミュニケーションをゆるくやっていこう」ということが目的なので、Slack内にてオープンチャンネルで作りましょう。

はじめのうちは、見知ったメンバーたちに自分がつぶやいていることを見られることに恥ずかしさを覚えるかもしれませんが、臆せずつぶやいていってください。

次第にスタンプやレスをしてくれる人が出てきます。


2. 一定の命名規則に沿って分報チャンネルをつくる

会社によっては「times」や「timeline」、「社内Twitter」などと、分報チャンネルの呼び名はさまざまです。郷に入っては郷に従えで、その現場にあった命名規則でチャンネルを作ってください。

なおポピュラーなのは、『times_${:name}』です。


3. チーム内で共有する

最低限関わりがある、自分の進捗を報告する必要がある、同じプロジェクトを進めている等……見てほしいメンバーはチャンネルにガンガン招待しましょう。

恥ずかしがることはありません、安心してください。ただのチャンネルです。


4. ガンガンつぶやく

ここまで来たらもうあなたは立派な分報プレイヤーです。

ガンガンつぶやいてきましょう。最初はどんなことでも構いません。

筆者の同世代のメンバーはお手洗いに行くことしか最初報告していませんでした(通称”トイレチャンネル”と呼ばれていたくらいです)。分報はそのくらいフランクなものです。

業務を行っていると、誰しもふと思うことや考えることがあるでしょう。それをそのままチャンネルに投下するのでOKです。つぶやくハードルは下げていきましょう。


では、さっそく次項からより踏み込んだ分報のメリット・デメリットをお送りしていきたいと思います。


分報を運用するメリット

分報運用経験者なら、一度や二度はそのメリットをググったことがあると思いますが、誰もが感じているメリットと重複しつつ、筆者自身が改めて感じたメリットをここでは書いていこうと思います。


1. 脳内整理が出来る

分報は反応がある内容、レスをもらいやすい内容をつぶやかないといけないわけではなく、自分の脳内整理のためにつらつらとつぶやくだけでもOKです。

あくまで『社内版Twitter』の側面があるので、自分の好きなようにつぶやけるのはいいなと思っています。

特に筆者はエンジニアなので、ロジックを構築する時や設計を考えている時に頭の中を整理するために分報をよく活用しています。また分報につぶやくことで、周りから間違を指摘してもらえたり「もっとこうした方が良い」などのアドバイスももらえたりします。


2. お互いの時間を割くことが減る

何か業務中に不明点や詰まった箇所が出てきた時に、直接誰かに聞きに行くことはあると思います。しかしそれだと ”そこだけのコミュニケーション” になってしまいがちですし、周りに知見を共有できません。くわえて聞く方も聞かれた方も、作業を止める=集中力が切れてしまうため、元の作業に戻るためのコストが発生しがちです。

分報につぶやいておくことで、チーム内で課題が共有され、その都度答えられる人が答えてくれるため、お互いに余計な時間を割くことなく課題解決ができるメリットがあると思います。


3. 業務外のコミュニケーションも取りやすい

分報チャンネルは、必ずしも業務的なことをつぶやかないといけない場ではないと考えています。

個人的な趣味のことや、ランチどこに行ったとか、そういう内容も気軽につぶやけるのが分報の良いところです。分報によってチームメンバーの「人となり」を知れたり、ランチに誘うなども気軽に行えると思います。


4. 個人の学びが広まりやすい

業務中に詰まったことや不明点をつぶやいていても、やっぱり自分で解決できたわwwwということもあると思います。

そういう時に、どう解決できたのかとかもつぶやいておくことで知見や学びの共有を一気に行えるメリットがあります。

いざ知見をまとめたノートでも作ろうとかそういう話になると、用意するハードルや運用ハードルも出てきますよね。しかし分報なら、まずはただつぶやくだけでOKなのです。


分報を運用するデメリット

さて、メリットがあれば当然デメリットもありますね。

この世は光と影、表と裏。対となるもので成り立っているのです。デメリットにもしっかりと目を向けてみましょう。

こちらも筆者が個人的に感じたことと、先人たちが残してきているものと重複しつつ紹介していきます。


1. Slackの通知が止まらない

チームメンバーが多いとその分、分報チャンネルも増えますよね。

するとあら不思議、スマホのバイブとPCの通知が止まらない止まらない。

分報が数人のうちは巡回して全チャンネルを追えていたのですが、全社的に分報を取り入れたことで次第にチャンネル数が増えていき、業務時間内で分報チャンネルを見る時間が徐々に肥大化してしまった……なんてこともあると思います。

分報チャンネルが増えてきたら、徐々に参加するチャンネルを制限するのも一つの手段かなと筆者は感じました。


2. 井戸端会議になりがち

分報チャンネルの参加は任意です。

そのため必ずしもメンバー全員が参加しているとは限りません。

その環境下でチームやプロジェクトにおける課題についての議論をするのは良い反面、マイナスな面もあると思っています。

メンバー数人ではなく全体をしっかりと巻き込んで議論するべき事案があるかもしれませんし、職種の違うメンバーからアドバイスをもらった方が良い解決策が出せる場合もあると思います。

チームとして分報を運用する場合は、必ず上長や決定権をもったメンバーをアサインするなど、クローズドにならない工夫が必要かなと筆者は感じました。


3. 承認欲求を満たすための道具になってしまう場合も

チーム内でのコミュニケーションとは言え、多くの場合は共通するバックグランド、技術、目的などを持っている人同士での会話になりがちだと思います。

またSlackには「リアクション」や「スレッド」という機能があり、都度都度盛り上がりを助長させてしまうこともあると思います。

同じ意見の人同士で盛り上がり、深い会話が行えると、まるで古くからの友人に似た信頼関係が生まれたり、承認欲求が満たされると思います。

承認欲求が満たされたいのは誰しも同じことだと思うので、次第に投稿頻度が上がってきます。それが分報の正しい利用法……であるとは、ちょっと言い難いのかなと思っています。


4. 雑談が増えがち

趣味や興味関心にまつわることのつぶやきが増えてくると、「この人、ちゃんと仕事はやってるのかな…?」と感じるシーンも出てくると思います。

また会話の中であまりにも盛り上がりすぎてしまうと「自分も相手も業務効率が落ちてきてるかも……」なんて不安に感じるシーンもあると思います。


5. BotやWebhookといったお試しが行える

これはメリットであり、デメリットでもあるなと感じました。

個人のチャンネルだからこそ、試してみたかったBot作成やWebhookを活用したアプリ間の連携をつい試してしまいますが、それにより立て続けに通知が来てしまうこともあるでしょう。結果、その分報チャンネルに入っている人の迷惑になってしまうこともあるかもしれません。

とは言え、せっかくなのだから試してみたくなる気持ちも同じエンジニアとしてはとても共感できるものでして。

そこでご提案したいのが、個人でSlackのワークスペースを契約することです。

ワークスペースは個人でも問題なく立ち上げることができ、基本的には無料プランで遊び放題です。さまざまなSlack連携を試してみたいエンジニアの皆さんは、個人のワークスペースで試してみてから社用Slackに導入してはいかがでしょうか。


分報を運用するまでのステップ

分報はちゃんと使いこなせれば、チーム内のコミュニケーションの潤滑油的な役割を担ってくれる上、課題の早期発見や早期解決、ナレッジの拡散と良いことづくめなパッケージだと思います。

とは言え、文化として根付かせるのはとても難しい上に、導入のハードルもあると思います。

筆者自身も浸透させるのに苦労しましたが、今回は何社かで分報を運用した結果、筆者の考える分報の運用ステップを紹介していきたいと思います。


※あくまで個人の見解です。「ふ〜ん、そういうやり方もあるのか」くらいの温かい気持ちで見ていただけたら嬉しいです。


1. まずはミニマムにスタートする

まずは同職種や上司と部下等のミニマムなスケールからスタートしてもいいと思います。

「①考えていることをSlackに常に投稿する癖をつける」「②メンバーとSlackでのコミュニケーションに慣れる」ことがまずは大切です。

対面でのコミュニケーションに慣れていたとしても、文面上ではまた感覚が変わってくると思います。

また、Slack自体を使う文化がそもそもない企業の場合、送ってもなかなか見てもらえないなんてこともあると思います。

まずは投稿する、リアクションする、会話するということに慣れていくところから始めるのをおすすめします。


2. チームメンバーを招待する

1. のステップがクリアできたら、次は他のチームメンバーをチャンネルに招待しましょう。

こちらもいきなり全員のチャンネルを用意するのではなく、まずは分報がどういうものなのかの肌感を理解してもらうことが大切だと思います。

見てもらうために、最初のうちは意図的にメンションをつけたりするのもおすすめです。

なるべく1. で作ったチャンネルで、他のチームメンバーと会話を行っていければいいと思います。


3. チームメンバー用のチャンネルを用意する

日常的に、分報チャンネルで会話したり作業進捗を報告できるようになってきたら、いよいよ他のメンバーのチャンネルも用意しましょう。

この時ポイントは全員分をちゃんと用意することです。

誰かやっていない、誰かのチャンネルがないということが起きてしまうと、運用がスタートした後に会話の漏れや感覚的に仲間外れになってしまったりするシーンが出てきかねないと思います。


ここまで出来たらGetting Startedは完璧です。

これでチームでの分報運用が可能になり、きっとあなたのチームの開発速度やコミュニケーションは円滑に進むようになると思います。


分報を全社的に運用してみて

さて、ようやく本題です。(お待たせしました!!!)

この分報ですが、原則チーム単位で運用するものと自分は捉えていましたが、調べてみたところチーム単位とは限らず全社的に運用している企業も少なくないようでした。

弊社でも、凄腕エンジニアのオーガさんの一声で、同事業部のエンジニアや過去に分報運用経験のあるエンジニアからスモールスタートし、今ではデザイナーやバックオフィスと職種をまたいで分報チャンネルが運用されています。


全社的に分報を運用するようになってから、職種を横断してのコミュニケーションがより活発になったり、双方の職種がどういったことを考えて日々業務を遂行しているのかなどをキャッチアップしやすくなってきたと感じました。

また、同職種内受託チームとサービス開発チームとで、設計思想や課題などの乗り越え方やナレッジの共有が広く、速度感が高まってきていると感じています。


何より、同期メンバー間の活動が非常に活発化してきたのは、全社的に分報を運用した大きなメリットのひとつだと捉えています。

またSlackにはチャンネルごとに「トピック」というものが設定できるのですが、そのトピックにメンバーの個人的な課題を設定し、日々進捗を更新する文化ができました。それにより、同職種や同期メンバーの業務内外の活動がより活発化してきているなと感じました。

それまでDMでやりとりされていてことが公のチャンネルになることで、さらに多くのメンバーを巻き込めた良い事例だったと感じています。


まとめ

先日、国内のSlack運用で化石マナーを押し付けられていると話題になりました。

Slackのような気軽な業務コミュニケーションツールは、日本ではまだまだ浸透していない企業もあるようですが、きっとこの記事を読んでいただいている皆様はすでにSlackを常用されていることと思います。

そんな中でも社内で新しい文化を作ることは難しいことと思いますが、この記事がそんな皆さまの一助になればと思っています。

GIGblog編集部

株式会社GIGの社員によって構成される編集部。GIG社員のインタビューや、GIGで行われたイベントのレポート、その他GIGにかかわるさまざまな情報をお届けします。